(・▽・)<趣味って人によって色々ですよね。
(#ー#)<お前らの趣味って?
(・▽・)<私は……拷m、オホン! 飲酒?
(#ー#)<何を言いかけた!? 飲み屋の親父かよ!?
(㈩*㈩)<わたしはネットサーフィンかな?
(#ー#)<意外と普通だな……。
(・▽・)<サクはトレーニングですかね?
(㈩*㈩)<読書とか、散歩もよくするから、結構多趣味な気がする。
………………
…………
……
そういう風に過ごしていると……
「……暗くなって来たな」
「ん」
陽は沈んで来る。
「どうする?」
「ここに泊まっても良いけど……」
クイン曰く、この場所は比較的安全らしく、夜でも大丈夫らしい。
だが今日は……
「帰ろう」
帰る事になる。
そうして荷物を纏めて、引き上げる。
完全に陽が沈む前に街に戻りたいので、急ぐ二人。
なんとかギリギリ街へ辿り着く。
「ふぃ~」
「ん……」
そういう訳で、
一息入れてから、歩き始める。
少し歩いたタイミングで……
「送っていく」
オウカは提案した。
それにクインはコクリを頷く。
そして、暫くしてクインの家の前に辿り着くと……
「おや?」
「ん?」
そこには人が居た。
どうやら待っていたらしい。
その人物は二人の顔を見て、顔を輝かせて寄って来る。
「サク先輩! クインちゃん!」
オウジマ=レイリだった。
最近は斧を担いでいない彼女。
その代わりなのか、手には大きな荷物を持っている。
そんな彼女にクインは訊ねる。
「ん?」
「ちょっと話したい事があって……」
「また泊まりたい?」
レイリは偶にクインの家に泊まりに来るとの事。
「うん!」
「……まあいいけど」
そんな二人のやりとりを暖かい目で見ていたオウカ。
会話が終わったタイミングで彼女らに背を向ける。
「じゃあ俺はクールに去るぜ」
そう言って歩き出そうとするオウカ。
それにクインとレイリは顔を見合わせ……
「ん」
「待ってください」
二人はオウカの肩を掴む。
「何?」
事情を聞いていたクインが提案。
「泊まる所ないなら泊まって行けば?」
「いや、流石に女子会にお邪魔するのは……」
渋るオウカにレイリが畳みかける。
「構いません! それに……」
「「それに?」」
「先輩にも話したい事があるので!」
どうやら話があるらしい。
なので、オウカはクインの家にお邪魔する事になる。
リビングで座り、少し遅い夕食を食べる事になる。
「沢山持って来て良かったです!」
泊まる時、宿代代わりに何かしらの食事を持ってくるのかセオリーになっているらしい。
レイリが今回持って来たのは、ファミレスにある持ち帰りメニューのパーティーセット。
ピザ、唐揚げ、フライドポテト、春巻き、ソーセージなどが入っている。
結構ボリュームがあった。
それらを広げ、更にジュースをコップに入れて、夕食の準備は完了。
「「いただきます!」」
そうして食べ始める三人。
どうやらレイリは結構待っていたらしく、冷えてしまっていたが、ちゃんと色々工夫しているらしくちゃんと美味しい。
(でも……温め直せば良かったかな?)
そう思っていると……
「ん。温め直す?」
「……それがいいな」
「ですね!」
そう言う訳で、食べていない物を温め直す。
その間、お菓子を食べ、ジュースを飲む。
「……ん」
「何? クインちゃん」
「何か話、あるんでしょう?」
クインがレイリに聞いた。
その言葉にレイリは明るい表情を少し曇らせる。
「……」
少し沈黙後、口を開く。
「あのですね……」
言葉が続かない。
「……」
そして、遂に告げる。
「二人には……私を殺して欲しいんです」
その言葉に二人は……
「……」
「……」
「「……」」
沈黙。
ややあってクインが口を開く。
「どういう事?」
問いかけたクインの目付きは鋭い。
それにレイリは怯まずに言葉を続ける。
「あ、ちょっと言葉が足りませんでした。……私が堕ちた時に殺して欲しいんです」
その言葉にオウカはとある可能性に思い至る。
「……まさかお前」
「あ、やっぱり先輩は気づいちゃいますか」
「……ん?」
クインが更に問いかけた。
それにオウカはこう言う。
「この間の実習で気づいたのか?」
「はい」
「何に?」
「自分の異常性……だろ?」
その言葉にレイリはコクリと頷いた。
オウカの友達・仲間はまともそうに見える者はいるが、どこかしら狂っていたり、異常性を持っている。
だからこそ気づいたのだ。
「人殺しを気に病んだんじゃなかったんだな……」
「はい。私……殺す事や壊す事を楽しいって思っちゃったんです」
「そうか……」
レイリの言葉にオウカはこう続ける。
「凄いじゃないか」
「「え」」
思ってもみなかった言葉に二人は驚く。
それに構わず、オウカは続ける。
「ちゃんと自分の異常性に向き合っている。そして」
ジュースを一口飲んで続ける。
「ちゃんと衝動を抑えている。だからだよ」
「……私って凄いですか?」
「ああ。凄いよ」
そう言ってオウカが思い出したのは、モンセラートと共に仕留めた外道達。
アレらは自分の欲望を抑えないうえ、自分のやった事を威張る者ばっかりだった。
そもそも悪いとすら思っていない。
だからこそ、オウカはこう言う。
「お前は罪悪感を持っているし、むやみやたらにやろうとはしていないから、凄いよ」
そんな誉め言葉にレイリは戸惑いの表情になる。
オウカは更に続ける。
「無暗に発散させる気はないんだろう?」
「あ、当たり前じゃないですか!」
レイリは大きな声で言った。
「そこまで外道には堕ちてません!」
「なら良いんじゃない?」
オウカがそう言ったタイミングでパーティーセットが温め終わる。
「よし。続きは食べながら話そう」
「「……(コクリ)……」」
反対する理由もないので、頷く二人。
そうして、三人で温め直した物を並べて食べ始める。
「……やっぱりこっちの方が美味い」
「ん」
「そうですね!」
そうしてオウカは話を再開する。
「ええと……レイリ。確認だけど……」
「……はい」
少し身構えるレイリ。
オウカは訊ねる。
「人を殺したい……とは思っているのか? 積極的に」
それにレイリは首を横に振る。
「いえ。そこまでの衝動はありません。ただ楽しいと思っちゃっただけです」
「なら平気だよ。アイツと違って」
それにクインが聞いて来る。
「ん? さっきの話?」
「ああ、クインにはさっき話したな。同じだけど勘弁してな」
「ん」
「そんでまあセラの話だ」
「ん」
「……その人って確か仕置人みたいな事やっていた人ですよね?」
レイリの確認に、オウカは苦笑して続ける。
「それは後期だな」
「ん?」
「ああ。アイツの活動は前期と後期にわかれるんだ」
「……前期は何していたんですか?」
その言葉にオウカは少し躊躇った後、口に開く。
「ホロコースト……は違うな。ジェノサイド」
ホロコーストは、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人を主な対象とした組織的虐殺を指す固有名詞である。
「ん!?」
「え!?」
流石に驚いた二人。
オウカは続ける。
「アイツは殺人衝動があったからな。殺さなきゃならなかった」
遠い目をするオウカ。
「でも、アイツはずっと、ずっと、ずーっと我慢していた。家族に迷惑がかかるって」
「「……」」
殺人は被害者の家族も辛いが、加害者の家族も辛い。
自分達は悪くない(場合によっては悪い事もあるが)のに、誹謗中傷、嫌がらせ、差別に合う。
「だけど……家族が目の前で殺されて……弾けた」
相手が好き放題やるなら、自分だって好き放題やって良いんだ。
もう迷惑をかける人はいない。
「それから無差別に殺し始めた」
だからこそ、“殺戮姫”という異名が付いた。
「レイリ。――お前はそうなるなよ?」
「なりませんよ!」
流石に抗議するレイリ。
「そんな事になるんだったら、自分で命を絶つか、先輩に殺して貰います!」
「……お、おう」
オウカが怯みながら頷く。
するとクインが気になった事を聞く。
「ん、ん」
「……何?」
「どうしてジェノサイダーから仕置人になったの?」
「ああ。それな。ある時感謝されたんだって」
なんでもある悪名高い盗賊団を全滅させた際に、ある少年――住んでいた村に、突如襲来した奴らによって家族どころか村人皆殺しにされた――にお礼を言われた。
――ありがとう。皆の仇を取ってくれて。
――ボク一人じゃ、アイツらを一人も殺せなかっただろうから……
――お礼なんてこんな物しか贈れないけど、どうか受け取って。
「その言葉に呆然としたんだって」
それは初めての経験だった。
浴びせられるのは悲鳴や断末魔ばかりだった。
当然的外れな感謝。だからこそ……
「笑い飛ばすなり、その少年を殺すなりすれば良かったのに出来なかった」
気づけば、その少年からお礼の品――玩具の指輪――を受け取ってから、金品を渡して、安全な場所へ送っていた。
因みにその指輪をモンセラートはとても大事にしており、彼女が死んだ時に、オウカは一緒に埋葬した。
「それで後で思い返して……気づいたんだって。自分はとても嬉しかったって」
「ん~。それから仕置人になったの?」
「ああ」
元々虐殺は自身の衝動を解消するために始めた事。
だったら、結果が同じなら人の益になる事をやろう。
という訳だった。
「でも、問題があってな」
「問題……ですか?」
「ああ。やっぱり少人数じゃ満足できなかったんだって」
「「!!??」」
流石に二人は顔色を変える。
それに構わずオウカは続ける。
「だから量より質にした」
「……質?」
「……ぐ、具体的には?」
絶対禄でもない。
それでも聞かずにはいられなかった。
それにオウカは凄みのある笑みを浮かべて答える。
「苦しめて殺すようにした」
「「……」」
案の定禄でもなかった。
顔を顰める二人に構わず、オウカは続ける。
「古今東西の拷問を組み合わせたり、オリジナルの方法で殺したり、まあ色々してた」
それの手伝いをオウカはしていた。
だからこそ、オウカは拷問には結構詳しいうえ、設営も一人で出来る。
懐かしそうな顔をしていたオウカだったが、表情を引き結び、レイリの目を見る。
「なあレイリ」
「……何でしょう」
心なしか雰囲気が違うオウカ。
口を開く。
「セラも、全生命体皆殺しを誓っていたコジュウロウも」
心の中で「勿論俺も」と付け加えてから続ける。
「殺す奴はある事を覚悟している。なんだかわかるか?」
「……」
「ん」
ややあってレイリは口を開く。
「……殺される事ですか」
「その通り」
間髪入れずに答えるオウカ。
「我欲我執で人を殺す奴はな、禄な死に方が出来ん」
「それは経験上?」
「……ん」
「真似しないで」
「してないよ!?」
ボケるクインにツッコミを入れるオウカ。
咳払いをしてから話を続ける。
「セラとコジュウロウは実際壮絶死しているしな……」
モンセラートは、討伐隊に嵌め殺しに合って、ボロ雑巾のようになり、痛みと罪に向き合いつつ死んだ。
コジュウロウは、自身を仇として狙っていたカスミに斬られた。
……まあ二人共タダでは死ななかったが。
モンセラートは討伐隊を全滅させ、コジュウロウは怪物として復活し大惨事を巻き起こしている。
(因果だな。二人共見送ったからな)
実はオウカはこの二人の死に目に会い、その最後を看取った。
その事を目を瞑り思い起こしてから、眼を見開く。
そして、レイリに問う。
「お前にその覚悟はあるか?」
「……」
目を伏せ沈黙するレイリ。
流石にいきなり言われても困るのだろう。
オウカは気を取り直すように続ける。
「少し脅すように言って済まなんだ。ま、正当防衛とか、どうしようもない時とかは大丈夫さ」
それにレイリは少しして顔を上げる。
そして、決意に満ちた表情で告げた。
「あります! 殺されるんだからそれはしょうがないです」
「……お前強いな」
「アハハ。でも……」
少し寂しそうな顔をしてから続ける。
「殺されるんだったら、身近な人に殺して欲しいです」
「そっか……」
「ん~」
そして、レイリは改めてお願いする。
「だから私は機会があれば積極的に殺ろうと思ってます。でももし……」
決意した表情。
「衝動が増したり、外道に堕ちたら、その時はお願いします」
ペコリと頭を下げた。
それにオウカは……
「わかった」
頷いた。
クインも……
「ん」
コクリと頷いた。
それにレイリはほっと安心したような顔になった。
【後書】
(・▽・)<ちょっとわかりにくいかもしれないので、おさらいです。
(#ー#)<おさらい?
(・▽・)<人殺しの異常者がこの作品には出て来ますが、それぞれ違いがあります。
(・▽・)<こんな感じです。
モンセラート:楽しんでいない。生理現象なので、生きるために殺す。
コジュウロウ:楽しんでいない。あくまで殺しは手段。
レイリ:楽しんでいる。積極的に殺そうとは思っていない。……今は。
大抵の外道:楽しんでいるうえ、積極的にやっている。
(#ー#)<……世も末だな。こんなんだったらそりゃ滅ぶわ。