冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS】

【ギルタブリル】
(・▽・)<友人のストックなので私が解説です♪

(・▽・)<蠍の尾で、腰辺りに同化させて使用します。

(・▽・)<伸縮自在で結構頑丈。毒針も持っています。

(・▽・)<更に尾を増やす事も可能。ですけど。

(・▽・)<使い手の処理能力により増減します。


【ヤールングレイブル】
(#ー#)<コレは俺が解説する。

(#ー#)<籠手の形態をしている。

(#ー#)<充電して、その電気で戦う。

(#ー#)<主に攻撃力と機動力を増加させているな。


【レージング】
(㈩*㈩)<最後はわたし。

(㈩*㈩)<鎖鎌の形。まあ変形したりするけど。

(㈩*㈩)<能力もシンプルだから、その分、補正が高めで、

(㈩*㈩)<代償は気力や体力消耗くらい。


弐拾弐

 先手を切ったのはヨシムラ。巨大なジャガーと化した彼は、地面を踏み砕く程の勢いで間合いを詰め、咆哮を上げて、【ヤールングレイプル】を装備した前足を振るう。薬物と<冥刀>を重ねた一撃。

 

「ガアアア!」

「っ!」

 

 その威力は凄まじく地面が陥没する。それをランコは自身を爆破させ、その推進力を使ってどうにか避け、間合いを離す。

 そのまま先程と同じ戦法を取る。だが、ヨシムラはそのまま突っ切る。

 

「効カネエナァ!」

 

 連鎖爆破を増した防御力で耐え抜き、ランコへ迫る。

 それにランコは手に持った円盤槍を振り上げる。そして、相手の攻撃と同じタイミングで――振り下ろす。

 

「ハアア!」

「ガア!」

 

 槍と籠手が激突。そして、起こったのは大爆発。今までの爆発とは比べ物にならない。

 それに打ち勝ったのはランコ。ヨシムラの前足が弾かれる

 

「馬鹿ナ!」

 

 さっきのはまぐれだと、もう片方の前足を振り下ろす。だが、結果は同じ。

 

「グアア!」

 

 籠手が無ければ吹き飛んでいた。とは言え内部に浸透する衝撃までは受け流せない。

 そして、その隙をランコは見逃さない。飛び上がり、円盤槍をヨシムラの背部目がけて振り下ろす。

 

「ハア!」

「グオォォォ!」

 

 背中が大爆発を起こす。先程の爆発よりも規模が大きい。

 

(何ダ? 爆破ノダメージガ上ガッテイル?)

 

 ヨシムラが戦慄する。

 

 この円盤槍は【ブラストランス】と名付けられた<アーティファクト>。

 円盤は衝撃を与えると爆破する機能があり、槍自体には〈爆属性強化〉、〈爆破強化〉、〈魔法強化〉、〈累積〉の<スキル>がある。これにより多重強化された爆発を与える事が出来るランコの切札。しかも爆破を使えば使う程威力が上がる。

 ただし、あまりにも威力が高ぎるうえ、制御はランコにも不可能。下手をすると護衛対象のリアすら巻き込みかねない。だからこそ滅多に使わない。

 だが、今回は使うべきだと判断した。

 

 それにヨシムラはこのままでは負けると判断。充電も残り僅か。だからこそ引く事を選ぶ。

 

「糞ガァ! 覚エテロ!」

 

 自らを電磁力でレールガンの如く撃ち出す【ヤールングレイプル】の絶技。それを使い逃げようとする。だが、遅かった。

 

「逃がさない!」

 

 残りの爆裂光球と投槍を一気に起爆。それと同時に、【ブラストランス】の攻撃を放つ。

 そして――最大規模の大爆発が起こる。

 暫くして、粉塵が晴れると、そこにはほぼ無傷のランコと、元の姿に戻り、黒焦げのヨシムラがいた。

 

「手加減はした。暫く寝てろ」

 

 生きてはいるが、意識のないヨシムラには聞こえてなかった。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 オウカと無貌の戦いは激しさを増していた。刃と刃がぶつかり、金属音が幾度も響く。まさに鋼の豪雨。

 

「オオオオオオ!」

「アアアアアア!」

 

 オウカは右手に段平、左手に長ドスを持った二刀流。鉄壁の防御で無貌の攻撃を寄せ付けない。しかし、リーチの問題で近づけず、ダメージが当てられない。

 無貌は鎖を伸縮させ間合いを操作。中距離で攻めたて、オウカを近づかせない。しかも鎌は二つあるので手数がある。だが、オウカの防御が巧みでこちらも攻撃が届かない。

 互いにどうするかを思考。

 

(このままだと埒が明かない)

(防御を突破できん)

((どうする?))

 

 この状況を突破するには手札を切るしかない。

 

(どれを使う?)

(使うか?)

 

 オウカの場合、【ギルタブリル】の損傷のせいで、手札が限られる。それでも使えるモノはある。

 無貌の場合、最後の奥の手がある。ただし諸刃の剣であるので、できるなら使いたくない。

 両者、思考していた時だった。

 

「サクヅキ!」

 

 ランコの声が響く。それと同時に投槍が飛び込んで来た。それは鎌に激突し、鎖鎌の攻撃ペースを乱す。その隙をオウカは見逃さない。

 

「ッ!」

「来たぁー!」

 

 【イーコール】を使い、機動力を強化。一気に間合いに入り込む。そして、膂力強化を使い二刀による斬撃を放つ。

 

「死ね」

 

 それを無貌はどうにか受け止める。受けが難しい鎖鎌でようやる。

 

「ぐぅおお!(何と言うパワー)」

 

 拮抗は数秒。吹っ飛んだのは無貌。そのまま瓦礫に突っ込んで派手に粉塵が起こる。

 オウカは二刀を振り下ろした状態で残心。だが、武器は仕舞わず警戒態勢のまま。そんな彼にランコが声を掛ける。因みにリアの傍にいるが、いつでも槍を投げオウカに加勢できるようにしている。

 

「無事か?」

「おかげさまで。助かった。そっちは?」

「どうにか倒せた」

 

 その言葉に反応する者があった。

 

「なるほど。奴は倒されたか」

「「!」」

 

 瓦礫の中から現れたのは無貌。忍者装束は多少汚れているが、目立った外傷はない。

 

「手応えがおかしかったが、自分で飛びやがったか……」

「あんな攻撃を直撃で貰ってたまるか」

 

 そう言った無貌は手に持っていた鎖鎌を鎖に戻し、抜錨を解除。その行動に疑問を持つ三人。

 その答えを無貌は言う。

 

「ここまでだ。我らはこの仕事から手を引く」

「何だと?」

「え……」

 

 驚く女の子二人に対し、オウカは別の事を訊ねる。

 

「こういう仕事って信用が大事だけど、大丈夫なの?」

 

 それに無貌はオウカの事を見る。そして、

 

「フフフ、ハハハハハハ!」

 

 大笑いする。そして、オウカの問いに答える。

 

「こんな時に相手の心配か。……大丈夫ではない。だが、事前に聞いていない事ばかりなうえに、こちらの犠牲が大きすぎる。ここまでの相手だったらもっと戦力を用意した」

 

 オウカの瞳を見つめて続ける。

 

「お前、この黒幕を絶対に許さないだろう?」

「当然」

 

 オウカは断言する。

 

「生まれて来た事を後悔させて、死を懇願する程の苦しみを与え、跡形もなく消す」

「よし。ならばソイツの始末を頼む」

「任された」

 

 オウカの返事に、無貌は何かをオウカに放り投げる。受け取るオウカ。そこには連絡先が書いてある名刺だった。

 

「お前には伝手を作って置くのも悪く無さそうだ。何かあったら連絡しろ」

 

 その言葉と同時、無貌は霞のように消えた。

 追いかけようとしたランコ、それを止めるリア。

 

「ま、待て!」

「追うな。もう大丈夫」

 

 そして、言葉を発する。

 

「なあ、リア」

「何でしょう?」

「サクライ」

「何だ?」

「後始末……どうする?」

「「……」」

 

 ボロボロかつ、穴が空いた屋内。外もボコボコなうえ、大陥没が起こっている。人も沢山死んだ。これから事情聴取など色々あるだろう。

 因みに、オウカ的には、後始末は、戦闘よりも大変だった。

 

 

 ******

 

 

 週明け月曜日。遂に実習当日。普段より速く学校へ向かわなければならない。だが、元々オウカとランコは朝が早いので、問題はない。

 そういう訳で軽いトレーニングを済ませ、朝の支度をする。そして朝食を取ってから。学校へ向かう。

 登校中、リアが話題を振る。

 

「それにしても一昨日は大変でしたね」

「はい」

「……だな」

 

 土曜日の襲撃は、戦いよりも後始末に時間を取られた。事情を聞かれたり、後片付けをしたりした。その結果、帰宅出来たのは日の沈む頃であった。

 思い出してげんなりするオウカにランコがフォローする。

 

「それでもリア様とお前は、昨日休めただろう」

「……まあね」

 

 そういう事で、日曜日は一日中家に籠る事にした。オウカとリアは籠っていたのだが、ランコは《聖霊教》の本部へ行っていた。

 

「ランコはどうだったのですか?」

「そこまで大変ではありませんでした」

 

 何でも、襲撃の件で、お偉い方から呼び出しがあったらしい。オウカもリアも行くと言ったのだが、休めという事で二人は留守番していた。

 因みにランコは手ぶらでは帰らなかった。

 

「とは言えちゃんと土産はある」

「「土産?」」

「使う機会がなければいいのだがな……」

 

 そして、何事もなく学校には辿り着く三人。集合場所に着くと、まばらに人がいた。

 

「実習中も気を抜かないようにしよう」

 

 オウカの言葉に頷く二人。そこへ、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「お久しぶりっす。オウカ君」

 

 振り向くと、そこにいたのはザンカだった。

 

「ザンカさん、おひさです。もしかして?」

「そうっす。アタシが護衛の一人っす」

 

 ザンカの目はリアを捉える。そして、補足した。

 

「事情は聞いてるっす。泥舟に乗ったつもりでいて欲しいっす」

「「泥舟は沈むよ!?」」

 

 三人のツッコミにザンカはケラケラ笑い冗談と言う。

 そんな彼女にオウカは呆れながら言う。

 

「襲撃が一昨日もあったんです。だからあんまり笑えない」

「それは知ってるっす。キョウコセンセー色々大変だったみたいっすから」

 

 実は、オウカ達の関係者と言う事で、キョウコも後始末には駆り出された。今回の件はキョウコもかなり被害を被っている。そのせいか、糸目が開眼しかけていた。

 一拍置いてザンカは続ける。

 

「学外実習は結構楽しいものなんす。だから、肩の力を抜いて気楽に行くっす」

 

 経験者の言葉。だがリアは素直に頷けない。そんな彼女にザンカは言う。

 

「大丈夫っす。何か起きても大丈夫なように、アタシ達がいるっす。安心して楽しむっす」

 

 微笑むザンカ。

 そして、鳴った端末を見て、呼ばれたと言う事でその場を離れた。

 

 次にやって来たのはカナタだった。

 

「サク君、リアさん、ランコさん。おはよう」

 

 その姿はいつも通りの制服姿。見送りに来たらしい。

 

「どうも」

「おはようございます。クドウさん」

「おはようございます」

 

 挨拶をしてから、会話となる。

 

「どう? 調子は?」

「まあまあです」

「そう、……襲撃は?」

「出かける度に」

 

 オウカの答えに、カナタは眉根を寄せる。

 そして、一枚の呪符を出す。小さく言葉を唱え解放。

 

「解」

 

 次の瞬間、呪符が消え、代わりに手にあったのは、一振りの剣。

 一見すると、打刀や太刀のように反りがない。鞘は付いているが、鍔はなく、柄は布をグルグル巻きにした簡素な物。

 彼女はそれをオウカに差し出す。受け取り、訊ねるオウカ。

 

「抜いても?」

「いいわよ」

 

 鞘から抜くと現れたのは青銅で出来たような両刃。古代剣と言われるモノに近いかもしれない。

 

「これは?」

久遠家(ウチ)に死蔵されていた<聖剣>」

「へえ……。銘は?」

「ないわ。あえて付けなかったみたい」

 

 そういう事もある。

 

「と言う訳で、はい。あげる」

「「はい!?」」

 

 聞き返す三人。そんな貴重なモノいいのか?

 それにカナタは答える。

 

「遠慮しないで。ほら、この間の件。アレだけじゃ流石に」

 

 当主とカナタ的には、あれだけ世話になったのに、報酬が少なすぎる、と納得出来なかったらしい。と言う訳で、宝物庫を漁り、何か良いのがないか探したそうだ。何でも、手が空いている人、総出で探したらしい。

 

「サク君は武器は充実しているから、邪魔にならない武器を探すのに手間取ったわよ」

 

 その結果、この古代剣が見つかったらしい。

 何でも、初代当主が偶然見つけた古代剣を、<聖剣>として打ち直したモノらしい。曰く、能力にかなり癖があり、死蔵されていたらしい。

 それを当主が手直しして、カナタが鞘を作ったそうだ。

 

「このままだと、ずっと仕舞われっぱなしになりそうだから。それなら使った方が良いじゃない。だからどうぞ」

「そうまで言うなら……。でも、どんな能力なんです?」

「それはね……」

 

 チョイチョイと手招きするカナタ。それに近づくオウカ。彼女はオウカの耳元に顔を寄せ囁く。それを聞いたオウカは納得する。死蔵された理由と、銘が付かなかった理由も理解した。マユも素直に褒める。

 

[流石。これなら邪魔にならない。しかも結構業物]

[お前の目利きなら信用できるな]

 

 そういう訳でオウカはありがたく受け取る事にする。すると、カナタは【匣】から佩刀できるベルトをオウカに差し出した。

 

「はい。これもあげる」

「いいんですか?」

「ええ、もう使わないから」

 

 そういう訳で佩刀するオウカ。

 試しに抜刀して軽く振るう。そして、カナタに言う。

 

「ありがたく使わせて貰います」

「ええ。無事に帰って来てね」

「はい」

 

 その返事を聞くと、カナタは軽く微笑み去って行った。

 

 カナタと入れ替わるようにやって来たのはタナカだった。

 

「おはようさん。御三方」

「おはよ」

「おはようございます。タナカさん」

「おはよう」

 

 そうして、四人が集まる。因みにタナカもある程度の事情は聞かされている。

 最初に話を振ったのはタナカ。話題は実習について。

 

「五日間結構大変らしいで。人によってはほとんど眠れないとか」

 

 繊細な人には野宿とサバイバルはキツイ。

 なのでタナカは班員に訊ねる。

 

「休日はどうやった? ちゃんと休めたか?」

「ノーコメントで」

「……アハハ」

「睡眠時間は確保できたがな」

 

 その答えに顔をしかめる。

 

「……大丈夫なん?」

「最悪、倒れた奴は担いでいく」

「それ、キミに負担になるやろ?」

「大丈夫。軟な鍛え方はしていない」

 

 そんな感じで話していると、そこに四人組が近づいて来た。その先頭にいるのはジンナだった。

 

「オウカ君、リアさん、ランコさん、タナカ君、おはよう」

 

 その挨拶にリア、ランコ、タナカは挨拶を返す。

 

「皆さんおはようございます」

「おはよう」

「おはよーさん」

 

 オウカも挨拶を返し、言葉を掛ける。

 

「おはよ。ザンカさんならさっきまでいたよ?」

「いや、別に姉さんに用あるわけじゃないから。というか姉さんいたの?」

「うん。見かけたから挨拶しにきた」

「そっか」

 

 すると身震いするジンナ。

 

「? どーした?」

「噂をすれば影。姉さん来るk」

 

 最後まで言えなかった。駆け寄って来たザンカに抱きしめられる。

 

「ジンナちゃーん」

「フグゥ!?」

「会いたかったっす~」

「モゴモゴ……」

 

 朝も会っただろうとツッコミたかったが、抱きしめられる力が強すぎて何も言えない。

 そんな彼女にオウカが助け舟を出す。

 

「ザンカさん。ジンナ死んじゃう」

「あ」

 

 どうにか抜け出したジンナはオウカの背後に隠れる。そんなザンカは頭を掻く。

 

「ごめんっす。つい感情が抑えられなくなったっす。五日も会えなくなるっすもん」

「なるほど……」

「納得しないで!?」

 

 納得してしまったオウカに、ツッコミを入れるジンナ。

 そんな感じで雑談していると、キョウコの声が聞こえた。

 

「は~い~。皆、出発進行だよ~」

 

 そういう訳で、バスに乗り込む。全員が乗り込むとバスは発車した。




【コソコソ話】
(#ー#)<今回、俺が使った増強薬だが、アレ違法だ。

(#ー#)<裏社会で出回るドラッグみたいな感じだな。

(・▽・)<忍者と戦う極道のアレ?

(#ー#)<……それが近いんだよな。


(㈩*㈩)<サクがカナタから貰った古代剣。

(㈩*㈩)<活躍するのは次章。まだ準備期間、もしくは充電中。

(㈩*㈩)<お楽しみに。
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