冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】

(#ー#)<タナカ=ハナオの<スキル>はこんな感じだ。

(#ー#)<これがオーソドックスかもしれん。


《レッドクロス〔炎〕》:人口の異能。大当たり。
〈属性ブースター〔火〕〉:属性攻撃の強化。因みに“〔〕”は色々。
〈耐性突破〔火〕〉:耐性を突破する。
〈自動回復〔気〕〉:気力を回復する。
〈オートカウンター〔火〕〉:攻撃を自動で迎撃。
〈??〉:防御系。常時発動や持続系と呼ばれる。
〈??〉:奥義。滅多に使わない。

(㈩*㈩)<これは余談。

(㈩*㈩)<<スロット>の数は平均六つ位。

(㈩*㈩)<増減が多少あるけど。

(㈩*㈩)<因みにサクは三つ。現在はゼロ。


弐拾肆

 ******

 

 

 オウカ達は、チェックポイントを通過しながら、休憩を挟んで進んでいく。

 そして、夕方。オウカは太陽の位置を見て、決断する。

 

「よし。今日はここをキャンプ地にする」

 

 その言葉に出て来たのは……否の声。

 

「もうですか? まだ体力に余裕はありますよ?」

「リア様に全面的に同意する。まだ進める」

「サクライに同感や~。早く済ませた方がええやろ」

 

 三者三様の言葉であるが、実質同じ。まだ三人共進もうと言っている。

 それにオウカは指を一本立てる。

 

「一つ聞きたい」

 

 三人に問いかける。

 

「この中にサバイバル経験者は?」

 

 三人が首を横に振る。

 

「つまりは全員初めての経験だな」

 

 三人は首を縦に振る。

 

「だからだよ」

 

 三人の頭上に疑問符が浮かぶ。

 そんな彼らをフォローすべく相棒(マユ)がオウカにツッコミを入れる。

 

[サク説明不足。もっとしっかり話さないと]

[ふむ。了解]

 

 そういう訳でオウカは詳しく話し始める。

 

「人間ってさ、案外脆いんだ。頑丈そうな人でもな」

 

 それは肉体的()にも、精神的()にも当てはまる。

 

「しかも厄介な事に、頑丈そうに見える人程ヤバイ」

「何がだ?」

 

 ランコの疑問にオウカは形容しがたい顔を彼女に向ける。

 

「ッ!」

 

 それは、喜んでいるような、怒っているような、哀しんでいるような、楽しんでいるような、そんな顔だった。

 その顔をストンと戻して、オウカは続ける。

 

「そいつはな、自分の痛みに気づいていないだけ。ダメージは蓄積されている」

 

 頑丈なのではない、鈍いだけ。

 

「だから、ダメージに耐え切れなくなって……」

 

 拳をギュッと握り、パッと開く。

 

「ある日、突然……こうなる」

((どうなるんだ……))

 

 ジェスチャーじゃわからないので、まだ疑問符を浮かべたままのランコとタナカ。一方、リアは別の事が気になっていた。

 

「あの……オウカさん」

「ん?」

「もしかして……」

 

 リアも同じ動作をする。ギュッとパッと。

 

「そうなった人を知っているのですか?」

 

 その言葉に、オウカは遠くを見るような表情をする。そして、

 

「さあ」

 

 それだけ言った。

 

 そういう訳で、今日はここで野営する事になる。テントを二つ張る。一つは休憩と睡眠用。もう一つはその他用。荷物を置いたり、着替えたり専用。

 男女別で分けた方が良いと、ランコは提案する。それに対してオウカは、

 

「眠りが浅い人もいるから。眠る時は眠る専用のテントにした方がいい。それに、見張りの交代とかもあるし。着替えとかは他のテントですればいい」

 

 こう言った。それにリアも同調してくれたおかげで、ランコも不承不承だが、納得してくれた。

 

 そして、夕飯の支度をする。夕飯はオウカが道中で見つけた山芋と茸、そして、狼の肉を使って作ったスープ。因みに【ゴブリン ソルジャー】もいて、それらはオウカが倒したのだが、素材は魔石以外は回収せず燃やした。

 それにリアが疑問を投げかける。

 

「オウカさん。狼は食べるのに、ゴブリンは食べないのですか?」

「不味いから」

 

 即答するオウカ。

 実際、ゴブリンは不味い。肉は硬いし、筋張っている。

 それにタナカが疑問を投げかけ、オウカは師匠の知識を披露する。

 

「よく煮込んだりすれば美味しくならへんの?」

「なるにはなる。師匠曰く、特殊な塩と砂糖を使って、一週間煮込み続けると美味くなる」

「「一週間!?」」

 

 流石に長い。しかも、時間だけではない。

 

「塩と砂糖も問題でな。塩は≪深淵の海≫の、砂糖は≪シーサーの城≫のを使わなければならない」

「それじゃ無理ですね……」

 

 リアが残念そうに言う。

 

 ≪深淵の海≫は太平洋のド真ん中にある<ダンジョン>。

 行くだけでも大変なうえ、無事突入出来ても特殊な環境で、強敵や難敵揃いの水棲<モンスター>と戦わなければならない。唯一の救いは、悪意がない者は迷いこんでも無事に解放されるとの事。

 

 ≪シーサーの城≫は沖縄にある<ダンジョン>。

 とある大富豪が作った城が領域化した際に、なぜか【シーサー】が住み着いたためそうなった。ここに生息する大多数の【シーサー】は、特殊なチカラは持たないが、硬く、速く、力強いため厄介。更に特殊な個体――属性を操るモノ、特殊能力を持つモノなど――もいるので下手をしなくても死ぬ。唯一の救いは、積極的に襲い掛かってこない事だろうか?

 

 オウカの解説にタナカはある疑問が湧きあがる。

 

(ん? つまりサクヅキの師匠はソコへ行って生きて帰って来た?)

 

 クリア出来たのか聞こうかと思ったが、やめた。

 

(知らぬが仏。藪をつついて蛇を出しても困るしな~)

 

 そして、スープを飲む。

 

「染みるわ~」

 

 意外に美味しかった。

 

 夕食を食べ終えて早めに休む事にする。簡易的な<モンスター>避けは張ってあるが、効きづらいモノもいるので見張りは必要。

 オウカが三人に問いかける。

 

「どういう順番で行く?」

「普通に考えれば……四交代か、二交代やな」

 

 一人ずつやるか、二人一組でやるか。

 オウカとタナカの言葉に、ランコが提案した。

 

「ここは危険性がそこまででもない。だから一人ずつでいいだろう?」

「……まあ、確かに」

「それと……」

 

 ランコの視線がリアに向く。そして、彼女が提案した。

 

「三交代でお願いしたい」

 

 それにタナカとオウカが妙な声を出す。

 

「うん?」

「……ふむ」

 

 少し間を置き、タナカが訊ねる。

 

「四交代やなくて?」

「ああ。今日の道のりはリア様には負担だったからな」

「ランコ! 私は大丈夫ですから」

「駄目です。負担がかかっていたでしょう!」

 

 その言葉に、タナカの眼が細くなる。雰囲気が険呑になっていく。

 

「それはワイらも同じやで?」

「わかってる。だからリア様の分は私が引き受ける。それなら四交代のままだろう」

「ランコ! それではあなたの負担が増すではないですか!」

「それは何か違う気がするで」

 

 言い合いとなる三人。それをオウカは暫く見ていたが、収まりが付かなそうなので、介入する。

 オウカは手と手を合わせ音を鳴らす。

 

「はいそこまで」

 

 三人の視線がオウカに向く。

 そして、オウカは提案した。

 

「じゃあ、こうしよう」

 

 

 ******

 

 

 そして、四交代制となる。

 順番はリア→ランコ→タナカ→オウカとなる。

 勿論、ランコは異を唱えたが、それにオウカはこう言った。

 

「リアもやるって言っているんだ。心配なら見ててやれ」

「……まあそれなら」

 

 そういう訳で夜の見張りが始まった。

 

 そして、これは余談だが、タナカとオウカとの間にこんな会話があった。

 

「それにしても」

「?」

「カミヨの事、名前で呼んでいるんやな~」

「そうですが何か?」

「いや、別に攻めとる訳やなくてやな」

「何か」

「いや、あの」

「何だ」

「……あやまるから、その圧はやめてな~」

 

 

 ******

 

 

 オウカにはどこでもぐっすり寝れるという特技がある。そして、それと対になる(?)もう一つの特技がある。それは、起きたい時間に起きれると言う物。

 

 タナカがオウカを起こそうとすると、その前にオウカがむくりと起き上がる。

 

「おはよう」

「うお!?」

「ご苦労さん。代わろう」

 

 そうして、唖然としたタナカを置いて、オウカは見張りに立つ。

 テントの近くで燃えている焚火の前に座り見張りをする。

 すると、その隣にマユが櫛から人形態になり隣に座る。

 そして、提案した。

 

「一緒に見張りをしよう」

「いいのか? バレると面倒だぞ?」

「大丈夫。あの三人は爆睡している」

 

 やはり三人は疲れていたようだ。

 

「それに、全体的に見張りしているアシヤ=キョウコはわたしの存在に気づいている」

「隠せねえか。あえて黙っているんだろうな……」

 

 マユが<冥刀>である事を知っているのは、久遠家の一部の者だけ。

 なのだが、彼らは元々<ノーブル>なので、人形態の<冥刀>がある事を聞いても驚かない。人と見まごう<アーティファクト>はあるのだから。

 だが、<冥刀>に詳しい――この世界の範囲で――者なら、疑問に思うのだ。人形態の<冥刀>がある事に。

 

「いつかは事情……話さないとな」

 

 そもそもキョウコはオウカのために色々動いてくれていた。今のオウカがあるのは【オートクレール】……否【■■■■■■】のおかげ? せい? であるが、それがなかったら、彼女に頼っていただろう。 

 オウカは、友好的な人や好意を示す人には、それを返す。

 そんな彼にマユは柔らかい目を向ける。

 

「あなたの判断にわたしは従う」

「おう。まあ間違ってると思ったら止めてくれ」

「うん」

 

 そのまま二人は偶に雑談を挟みながら、見張りをした。

 そして、太陽の光が見えた辺りで、マユは櫛形態に戻った。

 

 

 ■□■□

 

 

 そして、時間は飛んで実習最終日。

 

 教師や引率<プレイヤー>の待機場所。

 そこにあるテントの一つの中でキョウコは座禅を組み瞑想していた。

 彼女は大量の折り紙(鶴に折られている)を眼にして、≪トロルの森≫全域に飛ばして、偵察していた。

 無論、普通の人がそんな事をすれば、情報過多で脳に負担がかかる。だが、それを彼女は、情報処理能力向上の<スキル>を使い、特殊な【ポーション】を飲用する事で補っていた。

 これは余談だが、キョウコは実習期間中一睡もしていない。

 

(何とかここまで順調に行った)

 

 余裕がないため、いつもの間延びした口調がない。

 

(順調な班もあるけど、リタイヤした班もあるか)

 

 現状どうなっているのかを、分析する。

 ペース配分をミスしたり、<モンスター>への対応を失敗してリタイヤした班もある。

 

(一番問題の班は……大丈夫そう)

 

 オウカ達の班は順調だった。毎日一定ペースで進み、<モンスター>への対応も失敗せず、残すチェックポイントは後一つ。

 懸念していた班員の仲も良さそう。

 

 だがしかし、

 

(でも、ここまで順調に行きすぎ)

 

 特にこれといったトラブルも無さ過ぎ。このまま終わるとは思えない。

 

 実はこの実習の前に、キョウコは占いをしていた。

 陰陽師はこういう事も得意としており、キョウコはアレンジ(をかなり)しているが、そういう事も出来る。

 そして、その結果は……

 

「うわあ……」

 

 絶句する程悪かった。唯一の救いはどうにかなるという事だけ。

 

(占いは当たるも八卦当たらぬも八卦)

 

 当たらない事はあるが、当たる可能性もある。

 ならば。

 

「備えはいるね」

 

 ボソリと呟くキョウコ。

 その近くには、何かの薬品が入った瓶があった。

 髑髏マークのラベルが貼られた明らかに危険そうなモノだった。




【コソコソ話】
(・▽・)<因みにギュッとパッとなったのは“ハカイシスター”です。

(#ー#)<……流行ってんのか? ギュッとパッと。

(㈩*㈩)<そういえば、一つ聞きたいんだけど。

(・▽・)<何でしょう?

(㈩*㈩)<あなたはそのシスターと面識はあるの?

(・▽・)<ないんです。ちょっと時期的に会えなかったので。

(㈩*㈩)<ふうん。

(・▽・)<ただ……私の友達であるディアンは、ないけどあります。

(#ー#)<どっちだよ。な○アル修羅か。
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