【ツェンダップ】
(㈩*㈩)<オウカのストックの一つ。バイク双剣。鋸要素あり。
(㈩*㈩)<正式には【ツェンダップ】〖千鳥雷切〗「レミエル」
(㈩*㈩)<そして、解放は《
(・▽・)<わかりやすい例えはD○Cのキ○バエーレ♪
(#ー#)<モロにそれだろう……。
******
場所は戻って、待機場所。そこは――戦場になっていた。
キョウコがてきばきと指示を出し、自身も目的地へと向かって数分後、襲撃があった。
勿論、防備は整っている。生徒を守るために、腕利き<プレイヤー>や、引率教師がいた。更に希望する戦える生徒もいた。だが、その防備は一人……否、今は四人に崩されていた。
「はあ~、弱いし~」
そう言ったのはギャル風の少女。<クルセイダー>なのか、目の色は反転している。
彼女の戦い方はシンプル。ヒットアンドウェイの徒手空拳で戦う。敵の攻撃を避け、懐に凄まじいスピードで入り込んで、殴蹴を繰り出す。そして、彼女は四人に分身していた。四人は別々に動き、敵を倒していく。
だが、教師と<プレイヤー>、生徒達も黙ってやられている訳ではない。
「撃て、撃て、撃てェー!」
遠距離攻撃が放たれる。だが、それを少女はステップで避けてしまう。
「オラア!」
「ハア!」
「……!」
「ソリャア!」
近接攻撃が放たれる。だが、それすらも避けられる。それだけならまだしも、全員一撃で倒される。
纏め役であるキョウコがいないため、代わりの教師――キョウコの後輩――が他の教師、<プレイヤー>、戦える生徒達を指揮しているが、状況はドンドン悪くなる。
(あの女強すぎる!?)
幸い、死者は出ていない。だが、このままでは不味い。
その時、声が聞こえた。
「やれやれ、どうしてこんな所にいるんだか……」
その声と同時、放たれたのは極薄の風の刃。しかも枝分かれして、連続して放たれる。
それにギャルの表情が一変。気怠そうな顔が引き締まる。今までの攻撃はギリギリで避けていたが、その風の刃は大きく跳躍して避けた。
「危ないし」
そう言うとバラけていた四人が集まる。そして、その一人の人物に初めて構えを取る。
それは、若い男だった。灰色の髪をツーブロックにして、布で目隠ししている。両手の人差し指を立てている。
その男を見た人達の表情が明るくなる。
「イブキ先生!」
「来てくださったんですね」
イブキ=イオリ。≪天ノ角高校≫の教師。その実力はキョウコと双璧とも呼ばれる。
「うん。どうにか終わったから」
彼も封鎖解除に動いていたが、ノルマを終えて戻って来た。
「とりあえず、皆を下がらせて障壁や結界を張って?」
「え、ですが」
「いいから。一人の方がやりやすい」
イオリの言葉に戦っていた人は下がる。
そんな彼にギャルは動く。四人が一気に踏み込もうとするが、
「させないよ?」
再び風の刃。それに三人が切り裂かれるが、一人はその隙にイオリの懐に入り込み、掌底を放つ。
それをイオリは風を周囲に展開し、わざと飛ばされてダメージを抑える。
「腕利きが出て来たし」
そういうと、ギャルは再び四人に分身。そして、名乗る。それにイオリも名乗り返す。
「あたしはファンだし」
「ボクはイオリだ」
そして、戦いが幕明けた。
◇◆◇◆
オウカは荒れた山道をバイクで駆ける。普通のバイクを超えた凄まじいスピード。
ランコがオウカに捕まりながら訊ねる。
「もしかしてコレも<冥刀>?」
「ああ。
『瞬息叢雅』の作品であり、実は可変武器でもあるこのバイク。変形すると、双大剣になる。かつてオウカが刀鬼に使ったモノである。因みにもう一つの銘は〖千鳥雷切〗である。
これも【ヤールングレイプル】と同じ、雷電系の<冥刀>であり、発電と蓄電が可能で、その電力でエンジンが動く。
そうして、走っているとその進路方向に男がいた。軍服を着た偉丈夫。手には巨大な双刃剣。それをオウカ達目がけて振るう!
それにオウカはウィリーで対抗。
「フン!」
「オラ!」
響くのは甲高い金属音。そして、回転音。【ツェンダップ】の車輪はなんと回転鋸になっている。だからこそこうなった。
更にオウカは咆える。
「疾れ!」
その言葉と同時、【ツェンダップ】の前輪がスパークを起こし放電。相手にダメージを与える。
それを偉丈夫は無視する。そのまま彼は剛力を持ってバイクを吹っ飛ばす。
普通のバイクならそこで終わり。だが、乗っている人物と、バイクは普通ではない。後ろに乗るランコに声を掛けるオウカ。
「離すな!」
ランコの腕の力が強まった所で、オウカはバイクを曲芸のように回転させ、無事着地させた。
そして、相手を睥睨する。
「どけよ」
「否、どかぬよ」
「そうか。なら蹴散らす」
エンジンを吹かすオウカ。その時だった。ランコがバイクから降りる。そして、槍を出して告げる。
「先に行け。シンゲツ。ここは私が止める」
「お前……」
そんな彼女にオウカはふっと笑い訊ねる。
「ここで聞く事じゃないかもしれないが、聞くぞ。“リアちゃん”はいいのか?」
「!?」
その言葉にランコの顔が驚きに染まる。そして、少し頬を染めながら聞く。
「聞いたのか?」
「聞いたし、さっき自分で言ったろ?」
「……私も修行が足りない」
溜息を吐くランコだったが、表情を引き締めオウカに告げる。
「今の私にそう呼ぶ資格はない。それにお前が行った方が速いからな」
「そ。でもさ」
一拍置いてオウカは言う。
「資格なんていいんだよ。呼んでやれよ。寂しがってるぞ?」
「……」
沈黙するランコに、オウカはしょうがないという顔をして。
「じゃあ行くわ。健闘を」
その途端、バイクが消えた……とでも言うべきスピードで走り去った。
「スピード遅くしていたのか……」
少し悔しくなったが、気持ちを切り替え。
「待ってくれた事には礼を言う」
「礼には及ばない」
偉丈夫は答え、続ける。
「もし良ければ名を聞かせて欲しい」
「フン。本来なら答えない所だが、今回は……良いだろう」
そして、
「私は≪聖霊教≫、聖女親衛隊所属、サクライ=ランコ」
「俺はエンマンドウ=カツトだ」
槍と双刃剣が激突した。
■□■□
とある場所。そこには三人の人間がいた。
ギャングスターの恰好をした男、ダークスーツの麗人、シスター服に制服をミックスさせた少女。
シスター服と制服の少女――リアは閉じた二枚貝のような結界を張り、その中央にいた。
〈蜃蛤結界〉
リアの防御系では最強……ならぬ最硬の結界。かつて特殊な弾丸に敗れた〈障壁〉を遥かに超える防御力を誇る。
実はコレ、オウカに言われていた事だった。もしもの時、リアの傍に、自分もランコもいなかった時には、最強最硬の結界を張れと。
それに対して攻撃を仕掛けるのはダークスーツの麗人。その周囲に六つの球体が浮き、それが属性攻撃を撃つ。
火、氷、雷、風、光、闇。火球、氷柱、雷電、暴風、光線、暗黒。
だが、それらは結界に阻まれて、リアに届かない。
この女性は精霊を使役していた。
彼女は<モンスター>のチカラを借りて戦う、<シャーマン>だった。因みに<ファントム>や<ノーブル>に属する。最近は別分類にしようという意見があり、そうなりそうである。
このタイプは、ナニかしらの<モンスター>のチカラを振るえる。場合によっては、<デュナミスト>のように、全く才能の無い人でもなれる場合もある。
因みに、オウカの場合、適性ゼロなうえ、そういう<モンスター>と会える伝手がなかったので、もとより選択になかった。
振るう方法は大きく分けて二つで、憑依・融合させる神子のようなタイプと、召喚や作成して戦わせる召喚士や式神使いのようなタイプがある。
この麗人は後者であり、精霊使いとでも言うべきだろう。しかも、先程の攻撃から察するに六属性の精霊を使役している。
それを見るギャングスターの男は分析していた。
(これは破れない、もしくは時間が掛かりますね……)
嘆息しながら呟く。
「もしもの時は頼みますよ。【オーガ】」
■□■□
バイクを疾走させるオウカ。そして、遂にオウカの眼は目標を捉えた。
(一気に決める!)
もう電力は残り僅か。ラストスパートを掛けるため、〈緊急充電〉で電気を作り出す。そして、バイクが突っ込む。
「オラア!」
狙うはリアに攻撃を仕掛ける精霊使いの女と、ギャングスターの男。
「「!?」」
不意打ちではあったが、二人共避け切る。だが、結界から引き剥がす事は出来た。
そのままバイクは停車。それと同時に電力が切れた。
(暫く……使えないか)
【ツェンダップ】を仕舞い、結界を庇うように立つ。
「オウカさん!」
「よう。無事なようで何より。悪かったな。油断した」
「いえ、アレは誰にも予想出来ません」
因みにこの二人は、読唇術で会話していた。二人共、唇の動きだけで会話可能。この結界、音すら遮断するので、音が聞こえない。
そして、オウカは敵二人を見据え名乗る。
「サクヅキ=オウカと申します。名前だけでも覚えて、地獄に逝ってください」
その言葉に二人も名乗る。それが彼らの流儀。
「私は傭兵団≪蟲≫のリーダーを務めています。ハーミットと申します。お見知りおきを」
「
彼らの所属にオウカは聞き覚えがあった。
≪蟲≫。少数精鋭の有名な傭兵団だった。噂によると、全員が特殊な<冥刀>を使うとか。
(さて……、どう出る)
相手の出方を伺うオウカ。
まず動いたのはハーミット。【匣】から巨大な何かを出して搭乗する。それは全長八メートル程のロボだった。
<オブジェクト>の技術革新のおかげで、こういうロボットも実用化されている。だが、幾つか問題があるので、使う人はあまりいない。
「ネラさんはサポートをお願いします」
「承知」
ロボットはオウカに攻撃を仕掛ける。胸部、指、各部のスリットから、弾丸、ビーム、ミサイルを撃つ。
ネラは精霊に指示をして攻撃をする。六属性が唸りを上げる。
それにオウカは巨刃に繋がれた大蛇――【マッネ・モショミ】を選択。刃金の蛇が咆哮を上げる。
そんな彼にリアが声を掛ける。
「オウカさん。わたくしに構わず。まだ大丈夫ですので」
「……わかった」
そして、実質二対一の戦いが幕明けた。
■□■□
各地で≪蟲≫と猛者の戦いは激化する。
そんな状況下、遂に……
「これで、どうにか」
場所へ辿り付けたキョウコが、封鎖の石を破壊する。
実はコレ、オウカのお願いだった。襲撃があると踏んで、生徒や怪我人を逃がすためにそう頼んたのだ。実際、キョウコも納得した。
そういう訳で彼女は動いていた。時に他の人を誘導にして彼女が破壊に動く。
そして、端末のアプリケーションを起動させて、地図を見てみると、六つあった赤い点が、残り一つになっていた。そこの担当はザンカ。
「彼女は強敵に当たったみたい。でも彼女ならやってくれるよね」
キョウコは、リアが攫われたと報告を受けた時点で、各地に配置した折り紙とのリンクを大多数切断していた。それに加え、戦闘の余波でかなり消し飛んでいるため、今は様子がわからない。
少しして、最後の赤い点が消えた。
「よし! これで〈転移〉が発動できる」
すぐさま、彼女は鶴の折り紙を出して巨大化させる。
「じゃあ戻ろう」
そして、待機場所へ目がけ飛び立つ。
状況は好転するとキョウコは思った。
だが、それは思い違いだった事を、彼女はまもなく知る事になる。
******
そして、≪トロルの森≫のある場所。そこでは、二対一の戦いが続いていた。
オウカは【マッネ・モショミ】――巨大な刃で作られた刃金の大蛇を振る。敵を喰い殺さん、斬り刻まんと迫る。
それに対するはロボットと精霊。ロボットは走りながら弾丸やレーザーを放ち、精霊は周囲を飛び回りながら、属性攻撃を放つ。
それをオウカは避け、時に大蛇が防ぐ。
この戦闘が続く中、オウカは疑問に思っていた。
(あのロボどういう事だ? 何かトリックがあるな)
こういうロボットは、かなり高価であり、動力の問題で長時間は戦闘出来ない。……一部の例外を除き。なのに、このロボットの動きは凄まじく、時間経過してもパフォーマンスが下がらない。
そんな時、ついに。
「ん」
オウカは感じ取った。〈転移封鎖〉が解除されたのを。一方、ハーミットも感知したらしく、動きが止まる。それに襲い掛かる大蛇だが、ロボットの蹴りで大蛇は後退、そのまま仕切り直し。
「解除されてしまいましたか……」
溜息を吐くハーミット。
「仕方ありませんね」
搭乗席にある赤く髑髏マークが書いてあるスイッチを押した。
【TIPS】
<シャーマン>
(・▽・)<……シ○ーマンキング?
(#ー#)<言うと思った!?
(㈩*㈩)<……でもそれに近いんでしょ?
(#ー#)<……。正確には近いタイプもいる。
(#ー#)<前述した、憑依・融合させて戦うタイプがそれだな。
(㈩*㈩)<神降ろしみたいな?
(#ー#)<ああ。実際、それが可能な<ノーブル>もいる。……稀有だけどな。
(#ー#)<でも、このタイプは少ない。乗っ取られる危険性があるからな。
(#ー#)<ただ……いや、これはいずれ説明する。今は関係ない。
(・▽・)(㈩*㈩)<?
(#ー#)<んで、今回登場した女は、召喚して戦わせるタイプだ。こっちが一般。
(・▽・)<サモナーみたいな? もしくはテイマー?
(#ー#)<まさしくそれだ。それと作成して戦わせる式神使いも入るな。
(㈩*㈩)<……コレ、別分類した方が良いんじゃないの?
(#ー#)<まあな。<ファントム>か、<ノーブル>に分類されるんだが、
(#ー#)<別にしたらという意見が多くてな、近年そうなるようだ。