冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】
(・▽・)<主人公が行った異世界は、<冥刀>が見つかる異世界(<ダンジョン>)

(・▽・)<その過去の世界。滅んだ世界の滅びる前。

(・▽・)<主人公が介入しても、最終的には滅びました。

(・▽・)<でも。かなりマシな結末になりました。

(・▽・)<その辺は本編で語れる……といいですね。

(#ー#)<願望!?






 ******

 

 

「それで、あなたはこれからどうするの?」

「どうって?」

 

 首を捻るオウカにマユは少し呆れたような眼を向ける。

 

「このままでは転学か退学、そして決闘」

「……あ」

「忘れていたの?」

「色々あり過ぎたからね」

 

 それには同意するしかないマユ。

 

(というか今いつだ?)

 

 置きっぱなしの端末を付けてみると、日付は異世界に行ってから数時間と経っていない。

 

「……良かった」

【オートクレール】(アレ)も約束守ったのね」

 

 ほっと一安心。だがもう一つの問題は、

 

「まあ大丈夫。力は手に入れたし」

 

 実際オウカにはあの世界で手に入れたモノがある。

 

「だから大丈夫」

 

 異世界に行く前より遥かに彼は強い。

 だが、それにマユは待ったをかける。

 

「確かに。でも備えは必要」

「そうか?」

「そう。前にも言った通り、あなたは面倒事に巻き込まれるか、厄介事に首を突っ込んで行く」

「……」

 

 何も言い返せないオウカ。

 

「それに相手が強者の可能性もある」

「……確かに」

 

 相手が誰かはわからないが、あの高校には強者はいる。隠れ強者も存在する可能性がある。

 

「幸い時間はある。そういう訳で準備をしよう」

「準備?」

 

 疑問符を浮かべるオウガにマユはいたずらっぽく笑った。

 

 

 ******

 

 

 そして、決闘当日。時間は放課後、場所は学内の施設。程々に広め、頑丈、結界を張れる、自己修復機能(ある程度)有なので模擬戦や実験で使用される。そこにはオウカの決闘の相手がいた。

 

 金髪のツーブロック、大柄で筋肉質の男。彼がオウカの対戦相手であるヨシムラである。オウカの先輩である二年生である。

 どんな人物かと言えば、一言で言えばろくでなし。

 取り巻きが多数いるチンピラ崩れ。性格は粗暴で、人に暴力を振るい、金をたかる。何で退学にしないのかと言えば、本人が強く、勝てる人がこの高校には指の数くらいしかいないうえ、実家が名家で、権力を持っているので誰にも止められなかった。教師すら何も出来ないどころか、一部は言う事を聞く始末。そのため行動がエスカレートしていった。

 

 そんな彼とその取り巻き+αの合計十名と審判役の教師がここにはいた。しかし、肝心のオウカがいない。

 

「……チッ!アイツ……逃げたか?」

 

 イライラしているヨシムラ。貧乏ゆすりをしている。

 それを取り巻き達が宥めているが、あまり効果はない。

 そのため取り巻きの一人が教師に提案する。

 

「先生、もうアイツの不戦敗でいいんじゃないですか?」

「……それもそうだな」

 

 意見に同意したのは、角刈りの頭、中年のがっしりとした体形のゴンダという教師。

 腕時計を確認すると、開始時間までもう残り僅か。

 それならもう終わりにしてもいいだろう。

 それに、

 

(どうせ結果も見えている)

 

 ゴンダが知る限り、サクヅキ=オウカは今年入学した新入生で、入学テストの結果を見る限り、筆記の成績は良かったようだが、実技はそこまででもなく、今年度のナノマシンの投与者の一人。《クロス》の能力によっては厄介だが、今はそれを盗られて戦力ダウン。勝てる要素はない。……何かしらの隠し玉があれば別だろうが。

 

(そういえば……今日はアイツ見てないな)

 

 ゴンダがふと思う。

 オウカの姿を今日は見ていなかった。一体どうしたのだろうか? 諦めたのだろうか? ……因みに彼はオウカが遅れてくる事を知らない。単なる教師同士の報連相不足である。

 

「(まあいいか。)試合終了。勝s」

「どうも~、心の狭い人格者です」

 

 言葉を遮るように扉が思いっきり開かれた。

 

「「!?」」」

 

 その声に全員が驚く。そして声のした方向を向く。

 声の主はオウカだった。服装は制服姿で、特に変わった装備はないようだが、彼のトレードマークである長髪には櫛が挿してあった。

 そんな彼に全員唖然としていたが、

 

「な、なんだ!?」

「誰だ!」

「そんな人格者がいてたまるか!」

 

 取り巻きのツッコミに、ヨシムラとゴンダが再起動。

 

「遅かったな! 無能!」

 

 ヨシムラがオウカに近づいて来た。

 

「退学になる準備は出来たか?」

「塵掃除をしなくちゃな」

「死んだら墓は立ててやるよ。安心して死ね」

 

 そんなことを言っている取り巻きにオウカは一瞥して。

 

「……なんて言うんだっけ。こういう時」

 

 そう言いながらこめかみを触る。何かを思い出す時の彼の癖。

 そして、

 

「ああそうだ。臭い息を吐くな、糞野郎」

 

 礼儀には礼儀を。悪意には悪意を返そう。

 

「ア!?」

「何だとテメエ!」

 

 下衆共がそういう態度で来るなら……

 

「程度が知れるぞ? 塵屑共」

 

 謝罪の代わりに思ったまんまを伝えるオウカ。 

 

「テメエ!」

「馬鹿にしやがって!?」

「ぶっ殺してやる!」

 

 その言葉にヨシムラと取り巻きが飛び出そうとするが、

 

「落ち着けお前達」

 

 止めたのはゴンダ。

 

「ですが先生!」

「コイツ俺らを……」

「今はやめろ、決闘で存分にやれ」

 

 ゴンダの言葉におとなしくなるヨシムラとその取り巻き。

 そして五メートル程の距離を取り、オウガとヨシムラは向かい合う。取り巻きは壁際で観戦している。なのだが、

 

(結界を張らないのか?)

 

 流れ弾を防ぐための、一定範囲内に結界が張れる機能が使われない。と言う事は、

 

「フン」

 

 とある可能性に思い至り目付きが鋭くなるオウカ。

 

 そして、ゴンダがルールを説明しようとしたのだが、

 

「いいっすよ、しなくって。コイツも分かってるでしょう」

 

 ニヤニヤ笑いのヨシムラの言葉に、ルール説明はなくなった。因みに、オウカは碌にルールを知らない。この時点でオウカはこの場にいる全員敵だと認識する。

 

「では両者準備」

 

 ゴンドウの言葉に、ヨシムラの右眼が変化を起こす。

 結膜(シロ)が黒く染まり、瞳孔に十字架が浮かぶ。

 これが《クロス》が発動される際の兆候である。虹彩の色によりどういう能力を持つのか分かる。彼の場合は、濃褐色(ブラウン)。つまり、

 

(動物か)

 

 動物の力が使えるのが《ブラウンクロス》。シンプルに身体機能が上がるのでハズレはないと言われている。

 

 一方、オウカは特に何もしない。ただそのまま立っている。そんな彼の様子に、疑問を持ったゴンダが訊ねる。

 

「お前は準備しないのか?」

「準備万端です」

 

 オウカは手をプラプラさせて答える。

 彼は異世界での経験で常在戦場となっている。いつ襲い掛かられても、戦闘になったとしても対応できるようにしている。そもそも、言われて準備する方が間違えている。

 

「では十秒後に。――十、九、八、七、六」

 

 心なしか少しゆっくり数えるゴンダ。

 

「五、四、さn」

「「死ねえー!」」

 

 カウント途中に、取り巻きが襲い掛かる。

 火球、鎌鼬、光矢といった属性攻撃、弾丸、矢、投槍と言った遠距離武器攻撃。

 だがそんな物は、

 

「遅いね。欠伸が出る」

 

 オウカには見えている。全弾回避する。

 フライングなうえ、部外者の乱入。完全違反である。そして、審判が止めないと言う事は。

 

「そういう事ね」

 

 ならば、全員倒す事に躊躇いはない。そんな彼に、

 

[今の完全フライング]

 

 何者かが脳裏に直接話しかけて来た。

 それにオウカは驚く事なく答えを返す。

 

[いや、最初に言ってた。十秒後って]

[……あ]

 

 カウントはわざと遅くしていたのだろう。

 

[審判もグル]

[多少協力しただけかもしれない。……まあ今はどうでもいい]

 

 今の課題は、この状況をどう切り抜けるか。

 だが、

 

[でも、この程度問題はないでしょう? 相棒(サク)

[そうだな、相棒(マユ)

 

 この声の正体は<冥刀>であるマユ。今の彼女は櫛になっていた。

 

 

 △▲△

 

 

 決闘当日の朝。この日は決闘直前に行くと決めていたので、悠々と準備をするオウカとマユ。

 そして、丁度良い時間になったので、出発となったのだが。

 

「さて行くか」

「行こう」

「え、一緒に行くの?」

 

 マユまで行こうとした。

 

「当然です。私は貴方の<冥刀(相棒)>」

「……流石に連れ歩きは」

 

 苦い顔をするオウカ。確かに使い魔や式神を連れて来る人もいるにはいるが、そのまま連れている人はあまりいない。何かしらの手段で邪魔にならないようにしている。

 しかもマユの場合は、見た目が完全に少女。流石に女連れで登校する訳にはいかない。

 

「大丈夫。六徳(あのアホ)と違ってちゃんと対策はある」

「アホって……」

 

 マユがポロリと吐いた同僚に対する毒に呆れるオウカ。

 六徳とは、叢雅一門の一人である『六徳叢雅』の事である。マユこと、刹那叢雅の同僚でもあった。

 

「自分の趣味を作品に出し過ぎ」 

「その辺は全員そうじゃない?」

 

 叢雅一門全員そういう所がある。

 

「その中でもアホは完全にアレ。 だって――そもそもの話、刀剣型にする意味ない」

 

 刀工であるため、六徳は刀剣を作っている。なのだが、その特性が問題。刀剣である必要がない筆頭である。……まあ団栗の背比べな所があるが。

 

「それはまあ。でも、もっと凄まじい人いない? ほら、虚空とか?」

 

 確かに変わりようであれば、『虚空叢雅』の作品の方が上だろう。アレはもはや何とも言いづらい。それにマユは微妙な表情でボソリと言う。

 

「確かに。でも言い訳不可能なのがある」

「言い訳不可能?」

「最高傑作の()()

「……」

 

 沈黙するオウカ。確かにアレは……

 

「字面でも絵面でも完全に変態」

「……それを言ったらお終いよ」

 

 マユの言っている事も正しい。

 

 閑話休題(話を戻す)

 

「……おっと、話がズレた。それで?」

「こうする」

 

 その言葉と同時にマユの姿が赤紫色の粒子になる。一瞬後、二人の前にあったテーブルには櫛があった。

 <冥刀>の中には普段は邪魔にならないように、縮小したり、アクセサリー状になったりするのも存在する。これはその一種である。

 

〔これなら平気〕

 

 念話で話ながらマユは胸を張る。そんな彼女にオウカは笑う。

 

「まあな」

 

 そして、櫛を手に取り、

 

「こういう時何て言うんだっけ?」

[?]

「ああそうだ」

 

 髪に挿した。

 

「櫛名田比売を髪に挿し」

[素戔嗚?]

「うん」

[あまり似合わない]

 

 オウカは素戔嗚という柄ではない。

 

「ほっとけ」

[あなたはどちらかと言うと……]

「言うと?」

[何だろう?]

「俺に言われても……」

 

 そうして二人は学園に向かった。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 相手の攻撃を回避したオウカが出したのはナイフ。態勢を低くして敵に向かう。まずに目指すのは取り巻き達。

 相手は隙だらけ。

 

「豚足を切ろうか。後で毛抜きして貰え」

[湯剥きの機械と、ガスバーナーが必要]

「ギャァア!?」

「イギィーー!」

「ヒトォー!!」

 

 そして、邪魔者の両足を容赦なく切断する。

 

「嘘を付け。お前らは豚、いや豚さんに失礼だな」

[うん。豚未満]

「ついでに前足も落としておこう」

「ヤメテー!」

「グエエーー!?」

「ウデェー!!」

 

 ついで全員前足(両腕)も落としておく。これで安心。……まあ安心じゃないのもいるが。具体例はオウカの友人であった戦闘狂。アレは四肢が捥げた位では止まらない。

 

「舐めやがって!」

「ぶち殺してやる!」

 

 剣や槍を持ち、襲い掛かって来る無事だった二人。何かしらの<スキル>を発動させバフを載せた一撃を放とうとしている。だが、

 

「うるせえ。静かにしろ」

「ポゲェー!?」

 

 剣の方はオウカにナイフの柄で殴られ、鼻が圧し折れ怯んだ所へ。

 

「お前は達磨」

「ギャアァア!」

 

 ナイフが三閃。手足を斬り落とす。

 

「オラア!」

「何だそれ? 遊んでいるのか?」

 

 そこへ槍の方が飛びかかるが、オウカの体捌きを捉える事は出来ない。

 

「くだらん事をする前足だ。切断しておこう」

「イヤァア!」

 

 次の刹那、オウカは躊躇なく、容赦なく、両腕を斬り落とす。

 

「シィー。静粛に」

「ボグゥ!?」

 

 左手の人差し指を唇の前に立て、顔面を蹴り飛ばし、あっという間に剣の方と同じ状態にする。

 

「痛い……」

「腕ェ……、足ィ……」

「きゅ、救急車……」

 

 あっという間に取り巻きは戦闘不能になった。しかも大半の手足が無くなり達磨となっている。

 

「な、なんだこれ……」

 

 その状況に唖然とするヨシムラ。

 今回の決闘は彼にとって願ったり叶ったりだった。丁度良い的を叩きのめし、あわよくば殺害するチャンス。だからこそ、少し強引な手段を使ってこの決闘を準備した。それなのに出来上がったのはこの状況。

 

「どうした? お前は殴り合いが得意だそうだな」

 

 そんな彼をオウカは挑発する。

 

ナイフ(エモノ)は使わないでおいてやる」

 

 ナイフを仕舞い、無手となるオウカ。

 

「俺とやってみるか?」

 

 それを聞いたヨシムラがオウカに飛びかかる。

 

「ふざけんな!」

 

 ヨシムラの《クロス》が発動。彼の姿が変わっていく。

 獣耳と尻尾が生え、爪牙が鋭くなり、肌が毛皮に覆われていく。一瞬で人間と獣の中間のような姿となる。毛皮の特徴からヒョウ……否、斑紋の中心に点を持っており、頭が大きくずんぐりとしている。

 《ブラウンクロス〔ジャガー〕》である。

 

「オレは! 強いんだ!」

 

 スピードが段違いに上昇する。勿論パワーとタフネスも上昇している。更に、親の財力を使い貴重な<スキル>の習得に成功。この二つが合わさったフィジカルで相手を叩きのめすのがヨシムラの戦法。シンプルで強力ではあるが、

 

「何だそのパンチは? 俺の方が強い」

「グガァア!?」




【TIPS】

《クロス》
(#ー#)<簡単に言うなら人造の異能。

(#ー#)<ナノマシンを投与する事で手に入れられる。

(㈩*㈩)<お手軽ね。

(#ー#)<……まあある意味な。でもリスクがある。

(#ー#)<まず適合率がある。低いと投与された際に死ぬ。

(㈩*㈩)<危険ね。

(#ー#)<黎明時代は結構死んだが、今は事前検査が可能。

(#ー#)<だから死亡事故は減った。

(㈩*㈩)<無くなりはしないのね。

(#ー#)<まあな。そして能力がランダム過ぎる事。

(#ー#)<当たりと外れが大きすぎるんだ。

(#ー#)<開発者に言わせれば外れはないんだが、

(#ー#)<オレに言わせりゃ……あるな。

(㈩*㈩)<そう。種類は?

(#ー#)<ネタバレになるが、こんな感じだ。


《ブラウンクロス》動植物・濃褐

《ヘーゼルクロス》昆虫、蟲・淡褐

《アンバークロス》古代生物・黄

《グリーンクロス》幻獣、神・緑

《グレークロス》乗物、建物・灰

《ブルークロス》武器・青

《ヴァイオレットクロス》人工物、機械・青紫

《レッドクロス》自然・赤

《ホワイトクロス》物質・白

《ブラッククロス》能力消失

(#ー#)<まあ、「何でここ?」って言うのもある。

(#ー#)<そんで、発動すると、角膜(クロ)結膜(シロ)が反転。

(#ー#)<結膜が黒く、角膜が白くなり、虹彩の色彩が上記の色になる。

(#ー#)<そして、瞳孔に十字架のような紋様が浮かび光る。

(・▽・)<わかりやすく例えるなら……

(#ー#)<出たな! 帰れ!

(・▽・)<いやです♪

(・▽・)<悪○の実……と言うよりS○IL、グ○ーンブラッド

(・▽・)<「モ○クローム」のギ○ト、ラ○ダー怪人で言うと……

(・▽・)<特に、ジ○ドグマ怪人、ケ○ー、ド○パントetc

(#ー#)<言うな!? 特に似すぎなのあるんだから!?
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