冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS】
《グリーンクロス〔ドゥルガー〕》
(#ー#)<幻獣のチカラを使えるのが《グリーンクロス》。結構珍しい。

(#ー#)<その中で更に珍しいのが神になる奴だ。コイツはソレ。

(㈩*㈩)<アレ? ドゥルガーって女神だよね?

(#ー#)<ああ。そうだ。《クロス》はガチャだから、こういう事もある。

(#ー#)<能力的には大当たりだったんだが、見た目が女になるせいか。

(#ー#)<コイツ的には外れ。こういう事があるのが《クロス》。

(㈩*㈩)<本当にガチャなんだね……。


《ブラウンクロス〔オクトパス〕》
(#ー#)<昆虫や蟲以外は《ブラウンクロス》だからタコはこれ。

(#ー#)<コイツはタコの性質――脳みそ九つを活かして魔法を多重化させる。

(#ー#)<実は心臓も三つに増えているから、生命力も上がってる。

(#ー#)<だが、本人は足が多い生き物が苦手なので、あまり使いたくない。

(・▽・)<一ついいですか? 贅沢言うな!

(#ー#)<ごもっとも。でも本当にガチャだからな。


《ホワイトクロス〔アイアンン〕》
(#ー#)<《ホワイトクロス》は大きく分けると二つ。

(#ー#)<生成しての操作か、自分をその物質にするかだ。

(・▽・)<……悪○の実?

(#ー#)<言うな!? んでコイツは後者。実は前者のタイプもいる。

(#ー#)<打撃や防御だけじゃなく、腕を変形させて斬撃も可能。

(#ー#)<<スキル>の重ね掛けでその一撃はヤバイ。

(#ー#)<そして、こちらも心情的に使いたがらない。

(#ー#)<鍛錬していたのが馬鹿らしくなるからって。

(㈩*㈩)<でも、まったく無駄にはならないでしょう?

(#ー#)<たりめえだ。


【ヤムラージ】
(㈩*㈩)<ハンミョウ型の機体を呼び出す。

(㈩*㈩)<特殊能力はない。高い機体スペックで戦う。

(㈩*㈩)<本人の能力と合わさり防御は硬い。

(・▽・)<ヤムラージって閻魔ですよね? 何でそのネーミング?

(㈩*㈩)<オオエンマハンミョウから取ったから。

(・▽・)<なるほど。




 ******

 

 

 ネラ=D=パラポの<冥刀>は巨大アリの機体を呼び出す【アスカトル】。本体のスペックはアリを元にしたせいか、意外と高い。そして、厄介なのはそのチカラ。

 ソレは機械蟻の生成と操作。顎と毒針を武器とする機械蟻を大量に作り出し、それを操作する。それによる応用範囲は広く、戦闘よりも補助に生きる。……一応戦闘も可能である。えげつない技を持っているので。

 

 今回は偵察と、ハーミットのとある指示を実施していた。

 最初は戦闘にも参加しようとしていたのだが、オウカが広範囲を火力で殲滅できる手札を持っていそうなのでこうなった。

 

「ネラさん。暫くは偵察をおこなってください。戦闘介入はしなくていいです」

「何故? 二人、数的、有利」

「皆さんがどうなっているか気になるので。それに藪をつついて蛇を出しそうなので」

「大蛇、現在、出現」

「まあ確かに。それに仕込みをお願いしたい」

「仕込?」

 

 偵察の機械蟻を≪トロルの森≫の全域に配置し見守り、仕込みをおこなう。

 実はコレ、キョウコがやっていた事の上位交換。キョウコは見張るだけなうえ、負担がかかっていたが、彼女は数多の機械蟻の操作すらおこなっている。しかも負担はほぼない。演算補助専用の機械蟻を生成しているからこその芸当だった。その気になれば、スパコンを遥かに超える演算が可能。そのせいで現在は戦闘は不可能。

 

 そうして各地の戦況を見守っていた。

 

(戦況、互角。当方、驚愕)

 

 味方の戦闘を見ていた。相手の善戦に驚いていた。

 そして、ネラは巨大アリの中でオウカとハーミットの戦いを見守っていた。

 

(此方、戦況、互角)

 

 実は、戦闘中、ハーミットも抜錨した。

 

「刃金の誓い、今此処に。鉄風雷火、鉄血武装」

 

 彼が搭乗するロボット内での詠唱。

 

「光へ堕ちろ、闇を照らせ。剣轟抜錨デュナミス――《無双鉄鬼(アイアン・オーガ)》」

 

 

 その途端、ロボットの外装が追加、更にスペックも上昇する。

 それでオウカを追い詰め始めたのだが、

 

「じゃあこっちもテンション上げていこう!」

 

 オウカは【マッネ・モショミ】を振るうスタイルから、直接殴りに行くスタイルに変更。

 

「脳筋」

 

 それを見た時、思わずネラは呟いてしまった。

 

 だが、そのおかげで戦況は互角になっていた。

 彼は武器を右手にドス、左手にチャカに変更。実はこのスタイル、師匠と同じ。

 コレにより渡り合えていた。

 

 そして、各地で仲間が敗北していく。引き分けは一人いるが、実質敗北。なので、ハーミットのロボットに仕込ませていた機械蟻を通じて通信。

 

隊長(リーダー)。全員、敗北]

[……]

 

 返って来たのは沈黙。機械蟻ごしにも驚いているのがわかる。

 だが、すぐに復帰するハーミット。

 

「そうですか。仕込みは?」

 

 その言葉に「?」となるネラ。

 

(味方、安否、如何?)

 

 だが、今は戦闘中だからかと自分を納得させ答える。

 

「完了」

 

 その言葉にハーミットは……笑う。それはネラが見た事ない程悍ましい笑みだった。

 そして、オウカと戦っていたロボットが突如、身を翻す。

 疑問に思うオウカとリア。

 

「「?」」

 

 これは仲間であるネラも疑問に思っていた。

 

隊長(リーダー)?)

 

 そして、ロボットは【アスカトル】に攻撃を仕掛けた! しかも大火力の攻撃を。

 

「!?」

 

 咄嗟に迎撃しようとしたが、ネラは偵察に集中していたため、対応出来ない。そのため、あっけなく巨大アリは破壊された。

 

 それに絶句したのはリア。

 

「な、なぜ仲間を?」

 

 そして、激怒したのがオウカ。

 

「何しとんじゃ、テメェ!」

 

 怒髪天を付くオウカ。彼はこういう行動が超絶大嫌い。

 

「死ねよ、屑」

 

 チャカを発射。だが、それは盾にされた巨大アリで防がれた。機体の高い防御力のせいでハーミットへ届かない。

 

「チィッ」

 

 舌打ちして攻撃をやめるオウカ。死に掛けの相手を、追撃するのはあまり趣味ではない。……状況に応じては躊躇いなくやるが、仲間に裏切られた相手にするのは仁義に悖る。

 オウカとリアが怒りの眼で見つめる中、ハーミットが口を開く。

 

「良かったですね。手練れが多くて」

「あん?」

「私の手駒(仲間)が全員倒されたようです」

 

 それにほっとするオウカ。彼ごしに聞いたリアも安心する。

 そして、ハーミットは続ける。

 

「なので、致し方ありません。最後の手段を使います」

「あん?」

「これは使いたくなかったのですがね。まあ貴方方が悪いという事で」

 

 あまりの酷い言い草にオウカは口を開く。

 

「ざけんじゃねえぞテメエ」

 

 そして、リアを横目で見て続ける。

 

「そもそも、テメエらが襲い掛かって来たのが悪いんだろうが。そもそも」

 

 一拍置いて続ける。

 

「生きている仲間傷つける理由にはならねえだろうがよ」

「なるんですよ」

 

 オウカの言葉を否定したハーミット。

 

「最後の奥の手は全員が戦闘不能にならないと、使えないので」

 

 そう彼はのたまった。

 

 オウカは苛立っていたが、戦闘には冷静な心が重要。

 

(心は熱く、頭は冷静に。落ち着くんだ)

 

 師匠の言葉を思い返す。

 

(素数を数えよう。素数は一と、自分の数でしか割ることのできない孤独な数字)

 

 そして、数え始める。

 

(俺に勇気も与えてくれる。二、三、五、七、十一、十三、十七、十九……)

 

 落ち着くオウカ。そんな時、戦闘中――正確にはハーミットが抜錨した時から、聞きたかった事を聞く事にする。

 

「(よし、落ち着いた。)なあ」

「はい?」

「一つ聞いていいか?」

「答えられる事なら」

「なんで、()の名前で<冥刀>を使ってるの?」

「は!?」

「……」

 

 その言葉に、リアが愕然とし、ハーミットからも驚く気配がする。

 暫しの沈黙後、声が聞こえた。

 

「なぜそう思ったのか、お聞かせ願えませんか?」

「俺に質問をするな! ……と言いたい所だが、説明してやる。」

 

 オウカの講義が始まる。

 

「これは俺の相棒が言っていたんだが、機体型の<冥刀>は、三世代に分類されるそうだ」

 

 マユ――刹那叢雅は全員の補助をしていた。特に六徳の作品は一人で作るのは、大変なので、がっつり関わっている。だからこそよく知っている。

 

「多種多様な生物を元にした機体を召喚する第一世代、最高傑作にして集大成の第三世代。そして、この二つの中間である第二世代」

 

 実はそれ以外にもチョコチョコあるが、今回は除外する。

 

「流石に俺も全把握はしていないんだが、印象深いのは覚えているんだよ」

「ほう」

 

 第二世代と第三世代はあまり作られていないうえ、どれもが特徴深いので覚えているが、第一世代はあまりに数が多すぎる。流石のオウカも全把握はしていない。

 

「特に【オーガ】。アレは印象深かったから覚えている」

「なるほど」

 

 納得するハーミット。そんな彼にオウカは追い打ちをかける。。

 

「そして、裏銘。いわゆる、もう一つの銘」

 

 その言葉に、ハーミットの顔がピクリと動く。

 

「第一世代は全部に宝石名が付く。金属名は付かない」

 

 その指摘にハーミットは溜息を付く。そして種明かしを始める。

 

「ええ、貴方の言う通りです。解放銘は嘘の名前です」

「何でそんな事を?」

「貴方ならわかるんじゃないですか?」

 

 再び質問に質問を返される。そういうのはあまり好かないオウカだが、話の腰を折りたくないので、溜息を吐きながら、答えを言う。

 

「【オーガ】の機体スペックはワースト一位。完全能力特化だからか?」

「その通り。だからこそ普段はこの機体の強化をして貰ってます」

 

 それでも、生半可なモノとは渡り合えるのは、ハーミットの凄い所だった。

 そうして、ハーミットは巨大ロボを操作。巨大アリ――【アスカトル】の残骸から、ボロボロで血塗れのネラを引きずり出し、

 

「差し上げます」

 

 ぶん投げた。仲間だった者とは思えない酷い扱い。

 咄嗟にオウカは両手の武器を落とし、受け止める。そして、彼女の状態を確認。

 

(出血量が酷い、加えて呼吸を感じない。一刻を争うぞ……)

 

 とっさにリアに預けようと思ったが、彼女が今張っている結界は、一度解除するとインターバルが必要。この状態で解除させるのは自殺行為。

 

「是非もない」

 

 オウカは救命救急を始める。

 その隙を見逃すハーミットではなかった。

 

 

 ■□■□

 

 

 ハーミットはまず――自分の相棒に謝罪する。

 

「すいませんね【オーガ】。ずっと偽名を使っていて」

 

 その言葉に、操縦桿に刺さっていた鍵のような剣が震える。

 

「気にするな……ですか。優しいですね」

 

 微笑むハーミット。その顔が引き締まる。

 

「久しぶりに本気で行きましょう! 相棒!」

 

 その言葉に鍵剣は頷くように、カタリと動く。そして、カタカタと動き続ける。何かを急かしているような動作。それにハーミットは笑う。

 

「わかってます。《クロス》発動」

 

 ハーミットの眼の白黒が反転。虹彩の色が青紫に染まる。そして、詠唱が始まる。

 

「刃金の誓い、今此処に」

 

 

 ******

 

 

 その言葉と同時、各地にあった蟲の機体が光を放つ。

 

「おや?」

「うん?」

「モグモグ。モグモグ?」

「?」

「んだぁ?」

 

 奇妙な気配を感じる≪蟲≫のメンバー。

 

 因みに彼ら、待機場所の一か所に集められていた。拘束はされていないが、武器は取り上げられ、<スキル>も封じられている。そして、何故か全員取り調べと言う事でカツ丼を食べていた。ファンはもう三杯目(笑)。

 全員、雑談には応じていたが、任務については、ぼかしてしか言わない。

 

 それに、生徒の避難転移をおこなっていたキョウコが飛び込んで来た。そして、四杯目のカツ丼をおかわりしようとしたファンに聞く。

 

「サソリが光ってるけど、何なの!?」

「おかわり。知らないし」

 

 嘘は言っていない。だが、これでは困る。なので、キョウコは咆える。

 

「何か心当たりないの? 他の面々も! カツ丼食べてるんだからそれぐらい言いなさい!」

 

 流石に悪いと思ったのか、全員思い出そうとする中、二人が思い出した。

 

「そういえば」

「……」

 

 カルゴとフタオだった。

 

「前に酒の席で聞いたのですけど、リーダーって何か奥の手があるらしいです」

「「奥の手?」」

 

 キョウコだけでなく、メンバー全員が聞き返す。それにキョウコは呆れる。

 

「知らないの?」

「リーダー、秘密主義だし」

「何も語らねぇ」

「……それでいいの?」

「言いたくない過去が誰しもありますから」

 

 それには納得するしかない。

 そして、今度はフタオが空中に文字を投影する。

 

[機械蟻を見かけた]

「何処で?」

 

 カツトの疑問にフタオは答える。

 

[あちこち。さっきも見かけた。今はどっか行ったけど]

「「ハアァ!?」」

 

 フタオ以外のメンバーが絶叫した。それに訊ねるキョウコ。

 

「どういう事?」

「……こうなっては仕方ありません。説明します」

 

 カルゴがキョウコにアリとそのエモノについて説明。それに唖然とするキョウコ。そして、フタオを問い詰める。

 

「何で言わなかったの?」

「右に同じだし」

「私も聞いておきたいです」

「どういう事だ?」

「話せぇ」

 

 仲間も問い詰める中、フタオは文字を投影した。

 

[聞かれなかったから]

 

 全員がズッコケた。

 暫くズッコケていたフタオ以外の面々。どうにか起き上がる。そして、サイズが一言。

 

「コイツがぁ、気づいた事言わねえのはぁ、今に始まった事じゃぁねえがぁ、どうにかすべきだったぁ」

 

 全員が頷いた。

 そんな状況下、教師が一人飛び込んで来た。

 

「アシヤ先生!」

「何?」

「サソリロボットが消えました」

「「ハア!?」」

 

 キョウコだけでなく、ファンも叫ぶ。そんな中、カルゴとカツトは冷静に推測する。

 

「つまり、あちらこちらで、この事象は起きているのでしょうね」

「だな。これがリーダーの奥の手。【ヤムラージ】、無事なのか?」

「ええ。何をする気かはわかりかねますが……」

 

 そんな二人にファンが断言する。

 

「わかるし。【セルケト】を利用する気だし。あ、おかわりだし」

「「食べすぎだ!」」

「「何杯食べる気だ!?」」

 

 おかわりを要求したファンに全員がツッコミを入れた。

 

 

 ******

 

 

 数を数えていくハーミット。

 

「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十。一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」

 

 

 人型ロボットの周囲に機械蟲達が現れる。それが球体となる。

 

「六道迷界。地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天」

 

 

 更に、四つの光球が周囲に展開される。

 

「四聖悟界。声聞・縁覚・菩薩・仏」

 

 

 その言葉と同時、人型ロボットが崩れる。

 

「これぞ十界」

 

 

 そして、出てきたのは――機械ヤドカリ。

 

「死なんと戦えば生き、生きんと戦えば死す」

 

 

 他の機体に比べ小柄であり、軽自動車程の大きさしかない。

 

「いざ行かん、いざ進まん。鉄風雷火、鉄血武装」

 

 

 崩れた人型ロボットから、光球が十つ現れて周囲を飛び回る。

 

「蹴散らし、無双し、駆け抜けろ」

 

 

 光球が機械ヤドカリに殺到する。

 

「光へ堕ちろ、闇を照らせ」

 

 

 詠唱が終わる。

 

「剣轟抜錨デュナミス――《合装戒鉄鬼・玉髄寄居蟹(カルセドニー・オーガ)》」

 

 そして、現れたのは巨大な人型ロボットだった。

 全身に武装を積んだ百メートル程の機械巨神が進撃を開始した。




【TIPS】

【アスカトル】
(㈩*㈩)<アリのロボット。機体性能はアリを元にしたせいか高め。

(㈩*㈩)<ただ本体には顎と毒針しか武装がない。他の機体には色々あるのに。

(㈩*㈩)<そして、能力は本文通り。分体の機械蟻と感覚共有して偵察が主。

(㈩*㈩)<因みに、機械蟻はサイズ変更とか、特定能力特化で作成も可能。

(㈩*㈩)<応用範囲が滅茶苦茶広い。そして……これはいずれ。

(・▽・)(㈩*㈩)<?

【オーガ】
(㈩*㈩)<機体を強化する変わり種の機体型<冥刀>。

(㈩*㈩)<使い手は、とある企業が販売しているロボットをカスタムして使用。

(㈩*㈩)<本人の操縦が上手いから、凄まじい戦闘力なんだけど……。

(㈩*㈩)<これは表向き。嘘をついていた。傭兵団のメンバーすらだましてた。

(・▽・)<B○ECHの十一番隊の彼と、小説に出て来た外道の斬○刀の解放みたい。

(㈩*㈩)<正にそれ。……もしくは怒っている日の白騎士。

(#ー#)<他に例えないのか?

(㈩*㈩)<これがわかりやすい。次回の前書で真の概要をやる。

(㈩*㈩)<次週の土曜日をお楽しみに。
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