冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS】

【オーガ】
(㈩*㈩)<種明かし。本体はヤドカリ。ホンドオニヤドカリがモチーフ。

(㈩*㈩)<武装は鋏だけ。スペックは最低、機体はかなり貧弱。なんだけど。

(㈩*㈩)<その本質は、無機物の合体と強化、そして、変形と融合。

(㈩*㈩)<コレを使う事で、鉄屑や瓦礫から武装を作ったり、武装強化が出来る。

(㈩*㈩)<普段は嘘の名前で解放して、武装強化だけ使用。

(・▽・)<B○ECHの十一番隊の彼と、小説版に出て来た下衆みたい。

(㈩*㈩)<モロにその二人。更に、自身と融合させてロボットを作る事も出来る。

(・▽・)<ガ○ャガシャの実? というか完全にそれですね。

(㈩*㈩)<まあね。更に奥の手として、機体型の<冥刀>すらも合体可能。

(㈩*㈩)<今回はメンバーのだけじゃなくて、自分が集めたのも使用。

(㈩*㈩)<複数持ちが可能になる数少ない一つ。疑似的にだけど。

(#ー#)<なあ、機体合体ってどんな状態でも可能なのか?

(㈩*㈩)<鋭い質問。持ち主がいないのはそのまま可能。

(㈩*㈩)<だけど、使い手がいてピンピンしていると不可能。

(㈩*㈩)<本人が戦えない状態でないと使えない。

(㈩*㈩)<だからああした。因みに、他のメンバーは倒された後、

(㈩*㈩)<武装解除のために、機体をそのまま置いていかせた。

(㈩*㈩)<それにネラが仕込みをしておいた。だからああなった。




 ******

 

 

 現れた巨大ロボットは、待機場所からでも確認可能だった。

 

 その威容に絶句するキョウコ。漏れたのはこの一言。

 

「何アレ……?」

 

 メンバーも知らなかったらしく、全員驚いている。

 

「……凄い」

「デカいな」

「隠していたのも納得だし」

「……」

「ヤベェ」

 

 他の教師や<プレイヤー>も絶句している中、一人の教師が気づいた。

 

「……アレ?」

「どうしました?」

「あのロボ、こっちに向いてますよね?」

 

 巨大ロボットの進行方向に、待機場所がある。

 それに顔を青くするキョウコ。

 

「生徒の避難は?」

「ほとんど終わってます!」

 

 実は、〈転移封鎖〉が解除された時点で、生徒達を学校へ避難させており、キョウコはその補助に動いていた。そのおかげで残りわずか。

 因みにタナカやランコも避難済み。ランコの場合、待機所に来た途端、意識を失ったので強制的にだが。イオリも戦えないので強制的に退去となった。

 

 因みにジンナ達が待機場所へ来た時に、

 

「皆、無事で何より……」

「クロガネs」

「無事で何よr」

 

 班員+αが迎えようとしたのだが、彼女の姿に最後まで言えなかった。

 

「どうしたの? 感動の再開、続けて」

 

 マユにお姫様抱っこされていた。……その脇でサイズが呆れかえっている。

 

「「誰!?」」

「そりゃあそうなるだろぅ」

 

 因みに、彼は櫛が人になるのを見た。そして、マユは簡潔に説明する。

 

「わたしはマユ。サク……サクヅキ=オウカに呼ばれた助っ人」

 

 嘘は言っていない。そして、他の面々も。

 

「「なるほど!」」

「それでいいのかぁ?」

 

 全員納得した。サイズだけは首を捻っていた。

 

 そういう訳で、マユは当然の如く残っていた。

 

「サクだけ残していく訳にはいかない」

「死ぬかもしれないわよ?」

「わたしはあの日に誓った。サクと一緒に生きて、一緒に滅びる。そう決めている」

「「……」」

 

 あまりに強い決意に何も言えなくなった他の面々。

 そして、ジンナとザンカも。

 

「ボクも残る」

「「クロガネさん!?」」

「もう一人くらい地獄への道連れ必要だろう?」

「ジンナちゃん残るなら、アタシも残るっす」

 

 そういう訳で二人は残っていた。

 

 そして、キョウコは再び指示する。

 

「自主的に残りたい人以外は、全員避難!」

「わ、わかりました」

「ありがたい……」

「せ、アシヤ先生は?」

 

 教員一人の言葉にアシヤは笑う。

 

「まだ残っている人がいるでしょう? ワタシが殿」

 

 そういう訳で、最後まで残ったのは――九人。

 キョウコ、ジンナ、ザンカ、マユ、≪蟲≫。

 そんな彼ら――特に≪蟲≫にキョウコは告げる。

 

「キミたちは逃げないの~? 死ぬかもしれないよ~?」

 

 糸目と間延び口調がやっと戻った。

 それに彼らは答えた。

 

「面白そうなので」

「死など日常茶飯事」

「誰か言ってたし。死なんと戦えば生き、生きんと戦えば死ぬ、だし」

「……」

「まだ何かありそうだしなぁ」

 

 サイズのその言葉に、全員の目線がマユへ向く。

 彼女は言う。

 

「残った人は幸運ね。面白い物が見れる。――アイツが来る」

 

 そう言って微笑んだ。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 敵が詠唱をしている中、オウカも遊んでいた訳ではなかった。

 

 まず、ネラを治そうと、結界を解除しようとしたリアに注意をする。

 

「まだいい」

「ですが、その方……」

「何とかする」

 

 オウカはリアを安心させるようにサムズアップ。そして、救護を始める。実はオウカ、闇医者ディアンの教えで、救命救急の知識どころか、その気になれば、外科手術のサポートや、ある程度の縫合まで可能。

 まずは心配蘇生。このままではネラの命は燃え尽きる。

 

「逝くな、助かってくれ」

 

 人工呼吸もする。

 暫くそうしていると、

 

「カフ……ヒュ……」

 

 細い呼吸が漏れる。

 

「よし、次」

 

 オウカは【クリドゥノ・アイディン】の糸を指から出し、止血を開始。深い傷はあっという間に縫合される

 

(縫合は完了。仕上げに……)

 

【ポーション】を全身にかけ治癒力を活性化させる。そして、

 

「頑張れ、もうちょいだ」

 

 口移しで増血も可能な、【ポーション】を飲ませる。しばらくすると、顔色がマシになる。

 

「これで大丈夫か?」

 

 それとほぼ同時、相手の詠唱が終わり機械巨神が現れた。

 それをアリを抱えたまま、見上げるオウカ。

 

「フン……」

 

 その顔にあるのは、蔑み。

 

「お前、こんなコトのために仲間を斬り捨てたのか?」

 

 答えるとは思っていなかったが、口から出た言葉。それにハーミットは答える。

 

「こんなコトとは失礼ですね。機体型<冥刀>二十機を合体させた最強形態」

 

 仲間以外にも、ストックしていたのを使った。

 

「コレを私はやりたかった! コレに勝てるモノなどこの世に存在しない」

 

 その言葉にオウカは気になった事を訊ねる。

 

「……もしかして、ソレが前払いの報酬だったのか?」

 

 <冥刀>は一本手に入れるのも大変なのに、それを十本以上手に入れるのは、個人では難しい、というか不可能に近い。つまりは巨大組織の力を借りなければならない。

 それにハーミットは気分が高揚していたのか答える。

 

「ええ。そうですよ! 大聖女補佐のオオトリ=トシノブから頂きました」

(ビンゴ)

 

 黒幕の名前を言ってくれた。内心ガッツポーズをするオウカ。表情は変えないが。

 

「確実に聖女リアを消すようにと。ああ、それとこの場合、今回の実習の参加者もですね」

 

 そして、機械巨神が進む。リアを、オウカを殺すために。

 その威容にオウカは――笑う。

 

「なあ、何でお前はさあ、自分の理屈が自分だけを利すると考えるんだ?」

 

 なぜ、自分だけが切り札を持っていて、相手は持っていないと考える? どうして、自分が優位な立ち位置にいると思っている?

 

「俺に教えてくれよ」

 

 オウカの言葉に悪意や愉悦はない。あるのはただの疑問。

 それにハーミットは答える。

 

「事実でしょう。<冥刀>二十一本分。勝てるわけがない!」

 

 その言葉にオウカは――笑って宣言した。

 

「だったら、その鼻っ柱、圧し折ってやる」

 

 そのためには準備が必要。なのでオウカはリアの方を向く。

 

「リア! 解除していい」

「え、このタイミングで!?」

「いいから。そんでこっち来い」

「は、はあ」

「悪いな。触れるぞ」

「あ……」

 

 リアはその指示に従う。そして、オウカはネラを右手だけで抱え、リアを左手で引き寄せ、自身のストックから、この状況で使えるモノを選出する。

 

「目には目を歯には歯を。人には人。殴り合いで決着を付けてやる」

 

 オウカは呼びかけるように解放した。

 

「行くぞ――【アリス】」

 

 そして、再臨する。

 

 

 ☆★☆★☆

 

 

 <冥刀>で変わり種と呼ばれるのは、やはり『六徳叢雅』の作品だろう。

 

 『虚空叢雅』が作った作品である異空間も、十二分に変わり種ではあるが、アレらはまだ刀剣として使う事も出来るので、ギリギリセーフ。

 

 だが、六徳の作品、機体型と呼ばれるアレらは、アウトな領域に足を踏み入れている。

 確かに、待機形態では刀剣のカタチをしている。だが、抜錨すると、機体、要するにロボットが出てくる。コレに搭乗して戦うので、待機形態が刀剣で無くても良いだろうという意見が、一門からもあった。

 

 だがアレ(性別不詳なので)はこう言った。

 

「え? 何で刀剣にしたのかですか? それはまあ、小生は刀工なので」

 

 との事。そのせいか、生粋の刀工である恒河沙とは滅茶苦茶仲が悪かった。

 

 そして、そんな作品達だが、どれも強力だった。

 

 機体型と呼ばれるソレらは、動物のロボットとでも呼べる姿をしており、どれも強力だった。

 用途的に、潜入や偵察を担うモノでも、敵を倒す事は勿論可能。そして、完全戦闘向けであれば、一個中隊規模を相手取れる。

 そのうえ、代償は軽いモノが多く、体力や気力、一定時間のインターバル程度が多い。

 だから、生まれた世界(異世界)でも、異なる世界(本作の舞台)でも、運用されている。

 

 特に、後者では、機体型を解析して、ロボット技術を発展させており、場所や地域によってはロボットが運用されている。……まあ、コストや量産性の問題があるが。

 

 そんな六徳には最高傑作(もしくは趣味百%)と呼ばれる作品がある。それが「九人姉妹(ナインシスターズ)」。

 待機形態では、見た目麗しい、綺麗、可愛い、妖艶と、表現されるガイノイド。……もはや刀剣ですらない。因みに年齢層は幼女、少女、大人まで様々。

 そして、使い手と融合する事で、全高八メートル程の人型ロボットとなる。

 その戦闘力は凄まじいの一言に尽きる。単純な殴蹴でも強いのだが、どれもがナニかしらのチカラを持つため、大軍相手に無双する可能。

 だが、この姉妹は恐ろしく使い手にうるさい。操縦の腕前だけではなく、顔、性格、体型、戦闘スタイルなどなど。だからこそ、異世界でも九人姉妹の使い手は、故人含めて両手両足の指で足りる程しかいなかった。

 そんな彼女達の中に、他の姉妹達は使い手を選んだのに、使い手を選ばなかったモノがいる。彼女は起動して早々に眠りについた。

 曰く、

 

「相応しい人がいれば目覚めます」

 

 との事。だが、一向に目覚めず、世界の危機でも起きなかった。なので、彼女が入っている棺ごと、山奥に投棄された。これでもう使い手は現れないと思われた。

 だが、そこに偶然オウカが現れ、その棺を見つけた事から、彼女は目覚めた。そして、

 

「貴方が私の使い手になる方ですね」

 

 オウカは選ばれた。

 このときの彼は複数の<冥刀>を使っていたが、それでも彼を受け入れチカラとなった。

 そして、彼女は彼と共に戦い続けた。だが、ある時致命傷を負い、足手まといになることを嫌がった彼女は、何の躊躇いもなく、彼にチカラを遺して消えた。

 そうなった後でも、彼女の性能は変わらない。そのチカラをオウカのために振るい続ける。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 オウカの言葉と同時、彼の指から赤い糸が出て来る。普段は一本ずつしか出さないのだが、今回は、蜘蛛が糸を放出するかのように、大量の糸が出て来る。しかもその糸は背中からも放出される。そして、それらは繭のように三人を包み込む。

 そのまま赤い糸は膨張していき、体積を増やす。三人の視座が高くなる。

 無駄な抵抗と見守っていたハーミットだったが……

 

(これは不味い!?)

 

 止めるために、数多の武装を解き放つ。砲弾、レーザー、火炎、ミサイルetc。基本的には前のロボットと同じ。だが、威力も規模も段違いの蹂躙。だが、

 

「させません!」

 

 リアが祈るように合掌。

 そして、現れたのは――光で形作られた巨大なる異形の蛾――【セイレイサマ】。現れたのは、本体ではなく、分け身。そこまでのチカラは持っていない。だが。攻撃を防ぐくらいなら可能。

 それに、オウカは礼を言う。実際、被弾を覚悟していた。

 

「十分だ! ありがとう!」

「いえ……この程度何でも……」

 

 リアは微笑み、気を失った。それと同時に【セイレイサマ】は光の粒子になって消えた。だが、十分に時間は稼げた。

 それとほぼ同時、巨大な繭が人型となり変色。そして、そこにいたのは……

 

「きょ、巨大ロボット……?」

 

 ハーミットの口から声が漏れる。

 

 機械巨神の前に立っていたのは、同じようなロボットだった。

 

「それは……一体?」

 

 ハーミットの疑問に、オウカは先程答えてくれた礼に答える。

 

「これは【アリス】。解放銘は《不思議鏡・源太産衣(ゲンタガウブギヌ・ミラーワンダー・アリス)》」

 

 第三世代の表銘には、童話の登場人物の名前、裏銘には「源氏八領」の名前、真名には湖の乙女の名前が使われている。

 

「さっき言った機体型の最高傑作。その一つだよ」

「これが……最高傑作」

 

 ハーミットはソレは見た。

 

 大きさは、【オーガ】より二回り、三回り小型。

 装甲の色は青と白を中心で、頭部には触手のような金髪が生えている。

 二十一機融合のせいで、ゴチャゴチャしている今の【オーガ】より、当たり前だが、スマートかつ流麗な装甲をしている。

 

 それを見てハーミットに沸き上がったのは劣等感。だが、彼はそのまま攻撃を開始する。

 

「舐めるな! こっちは二十一機分だ!」

 

 三度、武装の蹂躙。更に白兵戦を挑むのか、機械巨神が拳を繰り出す。

 それにオウカも対抗する。

 

「そうか。良かったな。だが俺の方が強い」

 

 こちらも拳で対抗し、拳同士が激突した。




【コソコソ話】
(㈩*㈩)<捕捉説明。アイツの作品は前も言った通り世代がある。

(#ー#)<えーと、確か第一世代が動物ロボだったな。

(・▽・)<宝石銘が裏銘で付くんでしたっけ?

(#ー#)<そんで、第三世代は人型ロボだったよな。

(・▽・)<確か前回アリスって言ってましたね。

(㈩*㈩)<そう。他の面々も童話の登場人物が元ネタ。

(㈩*㈩)<そして、第二世代。第一世代と第三世代の間。中間。

(#ー#)(・▽・)<どういう事?

(㈩*㈩)<それはいずれ。まあ、気づく人もいるかもしれない。

(㈩*㈩)<獣でもあり、人でもある。

(㈩*㈩)<乗騎でもあり、甲冑でもある。それが第二世代。

(#ー#)<?

(・▽・)<……ああ。そういう事ですか!
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