【オーガ】
(㈩*㈩)<種明かし。本体はヤドカリ。ホンドオニヤドカリがモチーフ。
(㈩*㈩)<武装は鋏だけ。スペックは最低、機体はかなり貧弱。なんだけど。
(㈩*㈩)<その本質は、無機物の合体と強化、そして、変形と融合。
(㈩*㈩)<コレを使う事で、鉄屑や瓦礫から武装を作ったり、武装強化が出来る。
(㈩*㈩)<普段は嘘の名前で解放して、武装強化だけ使用。
(・▽・)<B○ECHの十一番隊の彼と、小説版に出て来た下衆みたい。
(㈩*㈩)<モロにその二人。更に、自身と融合させてロボットを作る事も出来る。
(・▽・)<ガ○ャガシャの実? というか完全にそれですね。
(㈩*㈩)<まあね。更に奥の手として、機体型の<冥刀>すらも合体可能。
(㈩*㈩)<今回はメンバーのだけじゃなくて、自分が集めたのも使用。
(㈩*㈩)<複数持ちが可能になる数少ない一つ。疑似的にだけど。
(#ー#)<なあ、機体合体ってどんな状態でも可能なのか?
(㈩*㈩)<鋭い質問。持ち主がいないのはそのまま可能。
(㈩*㈩)<だけど、使い手がいてピンピンしていると不可能。
(㈩*㈩)<本人が戦えない状態でないと使えない。
(㈩*㈩)<だからああした。因みに、他のメンバーは倒された後、
(㈩*㈩)<武装解除のために、機体をそのまま置いていかせた。
(㈩*㈩)<それにネラが仕込みをしておいた。だからああなった。
******
現れた巨大ロボットは、待機場所からでも確認可能だった。
その威容に絶句するキョウコ。漏れたのはこの一言。
「何アレ……?」
メンバーも知らなかったらしく、全員驚いている。
「……凄い」
「デカいな」
「隠していたのも納得だし」
「……」
「ヤベェ」
他の教師や<プレイヤー>も絶句している中、一人の教師が気づいた。
「……アレ?」
「どうしました?」
「あのロボ、こっちに向いてますよね?」
巨大ロボットの進行方向に、待機場所がある。
それに顔を青くするキョウコ。
「生徒の避難は?」
「ほとんど終わってます!」
実は、〈転移封鎖〉が解除された時点で、生徒達を学校へ避難させており、キョウコはその補助に動いていた。そのおかげで残りわずか。
因みにタナカやランコも避難済み。ランコの場合、待機所に来た途端、意識を失ったので強制的にだが。イオリも戦えないので強制的に退去となった。
因みにジンナ達が待機場所へ来た時に、
「皆、無事で何より……」
「クロガネs」
「無事で何よr」
班員+αが迎えようとしたのだが、彼女の姿に最後まで言えなかった。
「どうしたの? 感動の再開、続けて」
マユにお姫様抱っこされていた。……その脇でサイズが呆れかえっている。
「「誰!?」」
「そりゃあそうなるだろぅ」
因みに、彼は櫛が人になるのを見た。そして、マユは簡潔に説明する。
「わたしはマユ。サク……サクヅキ=オウカに呼ばれた助っ人」
嘘は言っていない。そして、他の面々も。
「「なるほど!」」
「それでいいのかぁ?」
全員納得した。サイズだけは首を捻っていた。
そういう訳で、マユは当然の如く残っていた。
「サクだけ残していく訳にはいかない」
「死ぬかもしれないわよ?」
「わたしはあの日に誓った。サクと一緒に生きて、一緒に滅びる。そう決めている」
「「……」」
あまりに強い決意に何も言えなくなった他の面々。
そして、ジンナとザンカも。
「ボクも残る」
「「クロガネさん!?」」
「もう一人くらい地獄への道連れ必要だろう?」
「ジンナちゃん残るなら、アタシも残るっす」
そういう訳で二人は残っていた。
そして、キョウコは再び指示する。
「自主的に残りたい人以外は、全員避難!」
「わ、わかりました」
「ありがたい……」
「せ、アシヤ先生は?」
教員一人の言葉にアシヤは笑う。
「まだ残っている人がいるでしょう? ワタシが殿」
そういう訳で、最後まで残ったのは――九人。
キョウコ、ジンナ、ザンカ、マユ、≪蟲≫。
そんな彼ら――特に≪蟲≫にキョウコは告げる。
「キミたちは逃げないの~? 死ぬかもしれないよ~?」
糸目と間延び口調がやっと戻った。
それに彼らは答えた。
「面白そうなので」
「死など日常茶飯事」
「誰か言ってたし。死なんと戦えば生き、生きんと戦えば死ぬ、だし」
「……」
「まだ何かありそうだしなぁ」
サイズのその言葉に、全員の目線がマユへ向く。
彼女は言う。
「残った人は幸運ね。面白い物が見れる。――アイツが来る」
そう言って微笑んだ。
◇◆◇◆
敵が詠唱をしている中、オウカも遊んでいた訳ではなかった。
まず、ネラを治そうと、結界を解除しようとしたリアに注意をする。
「まだいい」
「ですが、その方……」
「何とかする」
オウカはリアを安心させるようにサムズアップ。そして、救護を始める。実はオウカ、闇医者ディアンの教えで、救命救急の知識どころか、その気になれば、外科手術のサポートや、ある程度の縫合まで可能。
まずは心配蘇生。このままではネラの命は燃え尽きる。
「逝くな、助かってくれ」
人工呼吸もする。
暫くそうしていると、
「カフ……ヒュ……」
細い呼吸が漏れる。
「よし、次」
オウカは【クリドゥノ・アイディン】の糸を指から出し、止血を開始。深い傷はあっという間に縫合される
(縫合は完了。仕上げに……)
【ポーション】を全身にかけ治癒力を活性化させる。そして、
「頑張れ、もうちょいだ」
口移しで増血も可能な、【ポーション】を飲ませる。しばらくすると、顔色がマシになる。
「これで大丈夫か?」
それとほぼ同時、相手の詠唱が終わり機械巨神が現れた。
それをアリを抱えたまま、見上げるオウカ。
「フン……」
その顔にあるのは、蔑み。
「お前、こんなコトのために仲間を斬り捨てたのか?」
答えるとは思っていなかったが、口から出た言葉。それにハーミットは答える。
「こんなコトとは失礼ですね。機体型<冥刀>二十機を合体させた最強形態」
仲間以外にも、ストックしていたのを使った。
「コレを私はやりたかった! コレに勝てるモノなどこの世に存在しない」
その言葉にオウカは気になった事を訊ねる。
「……もしかして、ソレが前払いの報酬だったのか?」
<冥刀>は一本手に入れるのも大変なのに、それを十本以上手に入れるのは、個人では難しい、というか不可能に近い。つまりは巨大組織の力を借りなければならない。
それにハーミットは気分が高揚していたのか答える。
「ええ。そうですよ! 大聖女補佐のオオトリ=トシノブから頂きました」
(ビンゴ)
黒幕の名前を言ってくれた。内心ガッツポーズをするオウカ。表情は変えないが。
「確実に聖女リアを消すようにと。ああ、それとこの場合、今回の実習の参加者もですね」
そして、機械巨神が進む。リアを、オウカを殺すために。
その威容にオウカは――笑う。
「なあ、何でお前はさあ、自分の理屈が自分だけを利すると考えるんだ?」
なぜ、自分だけが切り札を持っていて、相手は持っていないと考える? どうして、自分が優位な立ち位置にいると思っている?
「俺に教えてくれよ」
オウカの言葉に悪意や愉悦はない。あるのはただの疑問。
それにハーミットは答える。
「事実でしょう。<冥刀>二十一本分。勝てるわけがない!」
その言葉にオウカは――笑って宣言した。
「だったら、その鼻っ柱、圧し折ってやる」
そのためには準備が必要。なのでオウカはリアの方を向く。
「リア! 解除していい」
「え、このタイミングで!?」
「いいから。そんでこっち来い」
「は、はあ」
「悪いな。触れるぞ」
「あ……」
リアはその指示に従う。そして、オウカはネラを右手だけで抱え、リアを左手で引き寄せ、自身のストックから、この状況で使えるモノを選出する。
「目には目を歯には歯を。人には人。殴り合いで決着を付けてやる」
オウカは呼びかけるように解放した。
「行くぞ――【アリス】」
そして、再臨する。
☆★☆★☆
<冥刀>で変わり種と呼ばれるのは、やはり『六徳叢雅』の作品だろう。
『虚空叢雅』が作った作品である異空間も、十二分に変わり種ではあるが、アレらはまだ刀剣として使う事も出来るので、ギリギリセーフ。
だが、六徳の作品、機体型と呼ばれるアレらは、アウトな領域に足を踏み入れている。
確かに、待機形態では刀剣のカタチをしている。だが、抜錨すると、機体、要するにロボットが出てくる。コレに搭乗して戦うので、待機形態が刀剣で無くても良いだろうという意見が、一門からもあった。
だがアレ(性別不詳なので)はこう言った。
「え? 何で刀剣にしたのかですか? それはまあ、小生は刀工なので」
との事。そのせいか、生粋の刀工である恒河沙とは滅茶苦茶仲が悪かった。
そして、そんな作品達だが、どれも強力だった。
機体型と呼ばれるソレらは、動物のロボットとでも呼べる姿をしており、どれも強力だった。
用途的に、潜入や偵察を担うモノでも、敵を倒す事は勿論可能。そして、完全戦闘向けであれば、一個中隊規模を相手取れる。
そのうえ、代償は軽いモノが多く、体力や気力、一定時間のインターバル程度が多い。
だから、
特に、後者では、機体型を解析して、ロボット技術を発展させており、場所や地域によってはロボットが運用されている。……まあ、コストや量産性の問題があるが。
そんな六徳には最高傑作(もしくは趣味百%)と呼ばれる作品がある。それが「
待機形態では、見た目麗しい、綺麗、可愛い、妖艶と、表現されるガイノイド。……もはや刀剣ですらない。因みに年齢層は幼女、少女、大人まで様々。
そして、使い手と融合する事で、全高八メートル程の人型ロボットとなる。
その戦闘力は凄まじいの一言に尽きる。単純な殴蹴でも強いのだが、どれもがナニかしらのチカラを持つため、大軍相手に無双する可能。
だが、この姉妹は恐ろしく使い手にうるさい。操縦の腕前だけではなく、顔、性格、体型、戦闘スタイルなどなど。だからこそ、異世界でも九人姉妹の使い手は、故人含めて両手両足の指で足りる程しかいなかった。
そんな彼女達の中に、他の姉妹達は使い手を選んだのに、使い手を選ばなかったモノがいる。彼女は起動して早々に眠りについた。
曰く、
「相応しい人がいれば目覚めます」
との事。だが、一向に目覚めず、世界の危機でも起きなかった。なので、彼女が入っている棺ごと、山奥に投棄された。これでもう使い手は現れないと思われた。
だが、そこに偶然オウカが現れ、その棺を見つけた事から、彼女は目覚めた。そして、
「貴方が私の使い手になる方ですね」
オウカは選ばれた。
このときの彼は複数の<冥刀>を使っていたが、それでも彼を受け入れチカラとなった。
そして、彼女は彼と共に戦い続けた。だが、ある時致命傷を負い、足手まといになることを嫌がった彼女は、何の躊躇いもなく、彼にチカラを遺して消えた。
そうなった後でも、彼女の性能は変わらない。そのチカラをオウカのために振るい続ける。
◇◆◇◆
オウカの言葉と同時、彼の指から赤い糸が出て来る。普段は一本ずつしか出さないのだが、今回は、蜘蛛が糸を放出するかのように、大量の糸が出て来る。しかもその糸は背中からも放出される。そして、それらは繭のように三人を包み込む。
そのまま赤い糸は膨張していき、体積を増やす。三人の視座が高くなる。
無駄な抵抗と見守っていたハーミットだったが……
(これは不味い!?)
止めるために、数多の武装を解き放つ。砲弾、レーザー、火炎、ミサイルetc。基本的には前のロボットと同じ。だが、威力も規模も段違いの蹂躙。だが、
「させません!」
リアが祈るように合掌。
そして、現れたのは――光で形作られた巨大なる異形の蛾――【セイレイサマ】。現れたのは、本体ではなく、分け身。そこまでのチカラは持っていない。だが。攻撃を防ぐくらいなら可能。
それに、オウカは礼を言う。実際、被弾を覚悟していた。
「十分だ! ありがとう!」
「いえ……この程度何でも……」
リアは微笑み、気を失った。それと同時に【セイレイサマ】は光の粒子になって消えた。だが、十分に時間は稼げた。
それとほぼ同時、巨大な繭が人型となり変色。そして、そこにいたのは……
「きょ、巨大ロボット……?」
ハーミットの口から声が漏れる。
機械巨神の前に立っていたのは、同じようなロボットだった。
「それは……一体?」
ハーミットの疑問に、オウカは先程答えてくれた礼に答える。
「これは【アリス】。解放銘は《
第三世代の表銘には、童話の登場人物の名前、裏銘には「源氏八領」の名前、真名には湖の乙女の名前が使われている。
「さっき言った機体型の最高傑作。その一つだよ」
「これが……最高傑作」
ハーミットはソレは見た。
大きさは、【オーガ】より二回り、三回り小型。
装甲の色は青と白を中心で、頭部には触手のような金髪が生えている。
二十一機融合のせいで、ゴチャゴチャしている今の【オーガ】より、当たり前だが、スマートかつ流麗な装甲をしている。
それを見てハーミットに沸き上がったのは劣等感。だが、彼はそのまま攻撃を開始する。
「舐めるな! こっちは二十一機分だ!」
三度、武装の蹂躙。更に白兵戦を挑むのか、機械巨神が拳を繰り出す。
それにオウカも対抗する。
「そうか。良かったな。だが俺の方が強い」
こちらも拳で対抗し、拳同士が激突した。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<捕捉説明。アイツの作品は前も言った通り世代がある。
(#ー#)<えーと、確か第一世代が動物ロボだったな。
(・▽・)<宝石銘が裏銘で付くんでしたっけ?
(#ー#)<そんで、第三世代は人型ロボだったよな。
(・▽・)<確か前回アリスって言ってましたね。
(㈩*㈩)<そう。他の面々も童話の登場人物が元ネタ。
(㈩*㈩)<そして、第二世代。第一世代と第三世代の間。中間。
(#ー#)(・▽・)<どういう事?
(㈩*㈩)<それはいずれ。まあ、気づく人もいるかもしれない。
(㈩*㈩)<獣でもあり、人でもある。
(㈩*㈩)<乗騎でもあり、甲冑でもある。それが第二世代。
(#ー#)<?
(・▽・)<……ああ。そういう事ですか!