(#ー#)<ちょっと気になったんだけどよお。
(㈩*㈩)<何?
(#ー#)<源氏八領って八つの鎧の事だよな。
(㈩*㈩)<うん。
(#ー#)<最高傑作って九つだよな。数合わなくねえか?
(・▽・)<その辺は四天王が五人いるとかと同じでしょう?
(#ー#)<同じじゃねえだろう。足りないだろう。
(㈩*㈩)<その辺は平気。実は足りてる。
(・▽・)(#ー#)<は?
(㈩*㈩)<実は、文献によって八つの鎧って違う。
(㈩*㈩)<源太が産衣、八龍、楯無、薄金、膝丸、沢瀉、月数、日数。
(㈩*㈩)<この八つが源氏八領、もしくは源家八領、源氏八甲。だけど、
(㈩*㈩)<金刀比羅宮本『保元物語』では、源太産衣の替わりに七龍が入っているし、
(㈩*㈩)<『異制庭訓往来』の六月の状では、七竜、八竜、月数、日数、源太産衣、膝丸、薄金、小袖の八つになっているから。
(#ー#)<そういう事か。納得。
(・▽・)<そういえば、天下五剣も鬼丸の代わりに、一期一振吉光が入っている場合ありますしね。
(㈩*㈩)<うん。因みに今回の知識はWikiを参照にしました。
そうして最終ラウンドが始まる。二体の機神が激突する。
因みに、この二体の現在の操作方式は、【オーガ】は操縦桿を握り、ペダルを踏む方式。【アリス】は動きに同調する方式。
まず拳の激突の結果は、【アリス】の勝利となった。【オーガ】は後退。
「馬鹿な! だったら!」
凄まじいスピードで後ろに回り込む。
「スピードはこっちが上なようだな!」
そして、殴り掛かるが、カウンターが炸裂。
「だから? スペックで全て決まるなら、この世はゴリラが溢れてる」
だが、そのまでダメージにならなかったらしく、【オーガ】は怯まずに攻撃を仕掛ける。
「ほざけ」
そのまま原始的な戦闘――殴り合いが始める。
お互いその状況で分析し合う。
(パワーがこっちが上だけど、防御は同等、その他のスペックは向こうが上)
(最初は驚いたが、やはり総合スペックはこっちが上)
(どうする? 手札を切るか?)
(だが、まだ向こうは何か隠しているかもしれない。ならば!)
先に手札を切ったのは――【オーガ】。
胸部の装甲が開閉。そこから大量のミサイルが飛び出す。距離が距離なので【アリス】は避けられない。
「!」
着弾、爆発、後退。煙でどうなったかはわからない。
そして、煙が晴れるとそこには、半ば予想通りの光景が広がっていた。
「やはり」
【アリス】の両手が盾のような巨大な籠手になり、それでミサイルを防ぎ切っていた。
そのまま、その手で殴りかかる。だが、その手は空を切る。まるで幻像を殴ったかのよう。
「!?」
【アリス】は思わぬ事態に一瞬硬直。その隙を見逃す【オーガ】ではない。見えない状態のまま、胸部からビームを放射。それは奇しくも【セルケト】と同じだが、威力と規模が段違い。
それを【アリス】は籠手で防ぐ。籠手は融解するも、どうにか本体のダメージは減らせた。
だが、籠手で視界が悪くなった隙に【オーガ】は姿を消した。それどころか、分身を幾つも作り出す。
「だったらこうすればいい」
それに対して【アリス】は周囲に幾つもの刀剣を展開し射出。分身に当たるも擦り抜ける。
(本体は何処に……?)
その途端、上空から砲弾やミサイルが降り注ぐ。どうにか回避していく【アリス】。オウカは上を見ると、半透明の翅を生やした【オーガ】が飛んでいた。
「合体した機体の能力まで使えるのか」
「その通り」
その言葉と同時、爆撃が降り注ぐ。それを、炎で出来た鳥の翼を展開し、防ぐ【アリス】。
「あなたも色々手札があるようですね」
「まあな」
【アリス】の能力は同調。使い手のチカラをそのまま使える。それは<冥刀>まで再現可能。だからこそ、オウカの手札をそのサイズで使用可能。因みに巨大化もストックの一つ。本来は<冥刀>の自体を巨大化させるモノであり、今回はソレで機体を巨大化させた。
「ならば」
翅を畳みながら地面に降りて来た。
「出し惜しみはなしです」
「フン」
そうして、両者の拳が再び激突した。
そこからお互いの手札を出し合う。
【アリス】はオウカの数多のストックから、様々な手札を繰り出す。
様々な武器を状況に応じて使い分ける。剣や刀が多いが、槍、斧、銃砲、盾もある。それらは能力を行使し、形状が変化し、属性攻撃を放つ、
これが本来のオウカの戦闘方法である。
【オーガ】は合体した機体から、様々な手札を繰り出す。仲間の機体のチカラ――
一見すれば互角の死闘。だが、徐々に形勢は傾いていっている。それは――【オーガ】の方へ。
(不味い。制限時間とインターバルが……)
実の所、オウカの手札は多彩。なのだが、制限時間、インターバル、回数制限などがある。もとより、色々受け継いだせいで、ゴチャゴチャ状態だったモノを、使いやすいように、マユが調整したのが、今の彼のチカラ。
今回の敵は強敵。このままだと不味い。相手はパフォーマンスが衰えない。
(コレ、<冥刀>以外も何かあるな……)
オウカの考えは正しい。
ハーミットの《クロス》は――《ヴィオレットクロス〔リアクター〕》。炉心のチカラが使用可能。だからこそ、彼は機体のエネルギーを半永久的に供給可能。
だからこそ、持久戦は悪手。
「不味くね。コレ」
思わず口に出てしまう。
(……是非もない。まだ早いが仕方ないか)
佩刀している古代剣を使おうとした時だった。
「行動、停止。勝利、手段、存在」
声が聞こえた。その方向を向くと、そこには――
「お前……」
「手貸、必要?」
■□■□
ハーミットは歴戦の操縦士。数多の敵と戦い勝利してきた。だからこそ、油断はしない。
(おそらく向こうの手札には制限がある。有用なモノを使いまわさないのがその証拠)
オウカの弱点を理解する。とは言えこちらの弱点も理解されていると踏んでいた。それは、合体利用した機体のチカラは一つずつしか使えない点。更に切り替え際には隙が出来る事。それは操縦の腕前で何とかしていた。
「さて、どうしますか……」
このまま一気に仕留めるか、持久戦に持ち込むか。後者が有利だろうが、向こうはまだ出し惜しみしている手札があるかもしれない。
「一気に行きましょう」
【エンプーサ】のステルスと幻像作成。
【アリス】を囲むように幻像を配置し、自分の存在はステルスで隠蔽。そのままアリスの背後を取る。
「トドメです」
拳を放つ。だが、そこへカウンターが炸裂。
「な!?」
驚きながらも、ステルスを維持しながらどうにか退避しようとするが、【アリス】は見えているかの如く、追撃。
「だったら」
【オーガ】は亜空へ退避。そのまま後ろに回り込もうとする。だが、【アリス】は見えているかのようにこちらを向く。そして、手にした大太刀を振るう。
「ッ!」
嫌な予感がしたので、大きく後ろに下がる。すると、その大太刀の刃は【オーガ】を捉えた。あのままだったら真っ二つだった。
敵はこちらの位置を掴んでいる。
「ならば!」
真っ向勝負。正面から殴り砕けば良いだけ。
機体のスペックを上昇させ、そのまま殴りにかかるが、突如【オーガ】の性能が緩慢になる。まるで関節部に何か詰まったかのように。
「何が起こっt!?」
その答えはすぐにわかった。手足の可動部位に大量の機械アリが詰まっていた。コレの持ち主を彼はよく知っている。
「ネラ!?」
それは仲間だった者。自分がこの手で仕留めたはずなのに。処置が適格で命を繋いだとしても、【アスカトル】の所有権はまだコチラにあるはず。
だが、予測不能な事態と、機体の動作緩慢。この二つにより生じた隙。それを見逃す程、敵は甘くなかった。
【アリス】が左拳を引き、右手で押しとどめるようにして溜める。
(アレは不味い。撃たせてはならない!)
どうにか止めようとしたが、遅かった。
拳一閃!
その一撃は空間すら破壊するオウカの奥の手。そして、砕けた空間の修復作用により二体の機体すら破壊。
少し経ちそこには一機の姿。
「……い、生き残った」
空間破壊後、ハーミットは生きていた。機体は半壊どころか、六割七割粉砕した。だが、まだ動く。
主要部位の移動、拳の着弾位置、引き出した機体のチカラなどなど、一つでも欠けていれば、自分は死んでいた。
「さて、どうしますか」
残った機体と、その部位を合わせてどうにか機体を作り出す。とはいえ、大きさは三十メートルほど。さっきまでのチカラも出せない。これでは依頼を果たせない。
「引き上げるのも選択肢の内ですね」
どうするかと思わず呟いた。返って来る言葉を期待した訳ではなかったが。
「もうお前に選択肢はねえよ。未来もない」
「同意」
後ろから言葉が返って来た。しかも二つ。
振り向くと、肩に機械アリを載せた少年がいた。それはオウカとネラだった。
彼は空間破壊をしながら、相手の操縦席に辿り着いたのだ。とは言え無傷ではいかずズタボロ。因みに、リアはこの行動前に、【匣】の中に仕舞ったので大丈夫。
そんな彼は告げる。
「お前の敗因はたった一つ。仲間を蔑ろにしたことだ」
「!?」
ハーミットは咄嗟に懐から拳銃を出そうとする。
「遅い」
「貴方、速過」
オウカがナイフを抜き一閃。あまりの速さに、ネラがツッコミを入れる程の速さ。
ハーミットの拳銃を持った腕が切られた。
「くっ」
後退するが、操縦席はそこまでのスペースがない。
そんな彼にオウカとネラは告げる。
「終わりだ」
「
実際、その通り。ハーミットは他の面々(例外あり)と違って、機体無しの戦闘はからっきし。自分が終わりだとわかっていた。
だからこそ、時間稼ぎをおこなう。
「私を殺す気ですか?」
「うん」
「素直!?」
彼には分かる。コイツは殺せる人。
「ところで、貴方は知ってますk」
「知らねえ」
ハーミットの言葉を遮るように、オウカのナイフが一閃。喉を掻き斬る。
だが、死ぬまで時間はある。目的は果たせる。
(私の《クロス》は炉。そしてロボットモノの最後は?)
心の声で言う。
ハーミットの体が赤熱化。それにネラが気づきオウカに注意を促す。
「十字、異能、! 能力、炉心! 相手、溶融!」
「炉心……溶融……メルトダウン!?」
「機体、自爆、機能、存在!」
(
ハーミットは残っていた機体のチカラで二人(一人と一匹?)を拘束。
(すいません。貴方も巻き込まれます。早く遠くへ)
すると、待機形態の剣が出てきて、彼の空いた手に収まる。
(一緒に来てくれるのですか。そうですか。では一緒に逝きましょうか)
そして、ハーミットは熱暴走を起こし、機体は大爆発を起こした。
この日、≪トロルの森≫は完全になくなった。
*****
焦土となった≪トロルの森≫。だが、無事な一部があった。
「ま、間に合った……」
残っていた面々がいた数メートル範囲は安全地帯となっていた。
あの時、ハーミットの奥の手を、知っていたカルゴが忠告していた事で、爆発の前にキョウコ結界を張った。とは言え、それだけではおそらく防ぎきれなかったので、マユが補強した。
「助かったよマユさん。多分ワタシだけじゃ無理だった」
「……。こちらこそ」
「何だし、今の間?」
空白が空いたのが気になるらしいファン。
マユには、異空間に全員を逃がす手段があった。だが使わなくて済んだので安心している。
「でも、オウカ君達無事っすかね」
辺りを見渡すザンカだったが、そこには何も残っていない。見事な焼け野原。
「ネラさんだけなら無事化もしれませんが……」
「アリロボだからな」
カルゴとカツトがそんな会話をする中、マユが断言する。
「サクはあの程度の爆発じゃ死なない」
「……アレであの程度?」
ジンナの言葉にマユは笑う。後にジンナは語る。恐ろしい笑みだったと。
その時だった。
「おーい」
声が聞こえた。一部の人には聞き覚えのある声。
「
サクヅキ=オウカだった。ズタボロであったが、元気そうである。両手にはリアが抱えられていた。
「よう」
「二人共無事だったんだ。良かった」
「あの爆発から~、よく生き残ったね~」
「わたしの言った通り」
「そっすね」
再会を喜ぶ彼らに、≪蟲≫達は気になった事を訊ねる。
「ネラはどうしたのですか?」
「アイツは?」
「ねえ、ネラはどうなったし?」
「アイツはぁ、どうしたぁ?」
「……?」
その言葉に、オウカの着ていた服が動く。まるで何か入っているかのよう。そして、襟元から出てきたのは、手のひらサイズの赤い機械アリ。
それはオウカの肩に乗ると、前足を上げて挨拶。そして、言葉を話す。
「皆々、久々。無事、何拠」
「「ネラ!?」」
「
絶句する面々。それはそうだろう。仲間が機械アリになっていたのだから。
唖然や絶句する面々の中、カルゴが代表して訊ねる。
「どういう事か説明を願えますか?」
それに便乗してキョウコも訊ねる。その眼はマユを捉えている。
「ワタシも~、聞きたいな~」
そんな彼らにオウカは苦笑し、答える。
「ちゃんと答える。その代わり……」
そう言って倒れるオウカ。
「疲れてお腹が空いた。何か食べながらで」
その言葉に、キョウコは折り紙のメンコを出す。
「わかった~。じゃあとりあえず戻ろう~」
そういう訳で彼ら(≪蟲≫含む)は、キョウコの〈転移〉を使って、≪天ノ角高校≫へ戻った。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<六徳叢雅の第一世代と第三世代の操縦方法は使い手に合わせて変わる。
(㈩*㈩)<乗り物を操縦系か、動きに同調か。ハーミットは前者、サクは後者。
(㈩*㈩)<だから、乗り物の操縦が上手な人も、戦闘技術が高い人も、無駄にならない。
(#ー#)<だから普通の<冥刀>より高価なんだよな……
(・▽・)<どれくらい?
(#ー#)<一般的? なのが億なんだが、機体型は百倍。そのうえ滅多に出回らない。
(・▽・)<うわぁ。
(㈩*㈩)<アイツそれ知ったら喜ぶだろうな……。