冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS】

人型ロボット
(#ー#)<実はこの世界に存在する。有人・無人含めてな。

(・▽・)<へえ。こっちは機体型の<冥刀>頼みなのに……。

(#ー#)<その技術を流用して何とか使えるようにしたんだよ。

(#ー#)<実際、それを作っている企業も存在する。でも……

(#ー#)<生産コスト、燃費の問題、操縦者不足で使ってる所は少ない。

(・▽・)<ウ○トラマンの防衛隊でもロボット運用は少ないですもんね。

(#ー#)<例え悪いけど、それが近いよな……。


九人姉妹(ナインシスターズ)
(㈩*㈩)<アホの最高傑作。

(#ー#)<口悪いな。……まあいいけど。でも強いんだろ?

(㈩*㈩)<強い。因みにメンバーはこんな感じ。


【アリス】元ネタ:不思議の国、鏡の国のアリス。
【シュネーヴィトヒェン】元ネタ:白雪姫、スノウホワイト
【ドルンレースヒェン】元ネタ:眠り姫、茨姫
【アシェンプテル】元ネタ:灰被り。シンデレラ
【ラプンツェル】元ネタ:髪長姫
【デン・リレ・ハウフゥ】元ネタ:人魚姫
【ゲルダ】元ネタ:雪の女王
【インゲル】元ネタ:パンをふんだ娘
【ロートケプヒェン】元ネタ:赤ずきん


(㈩*㈩)<待機形態が少女や女性なせいで、製作途中に通報されかけた。

(・▽・)<そうなのですか?

(㈩*㈩)<大きな円筒の容器に裸の女性がいるんだよ? あなたはどうする?

(・▽・)<その場で殺すか、拷問にかけて殺します♪

(㈩*㈩)<……この人に聞いたわたしがバカだった。

(#ー#)<絵面も字面も犯罪ってそういう意味か……。




 ******

 

 

 学校内を一人の少年が歩く。その肩には手のひらサイズの機械アリ。オウカとネラである。

 ネラがオウカに話しかける。

 

「彼女、放置、平気?」

「先生に言伝頼んだし」

 

 マユは<冥刀>の修理中で、手を離せない。なので、オウカはリアとランコの様子を見に行く事にした。とは言え、話しかけるのもアレなので、キョウコに言伝を頼んでおいた。

 そうして歩いていると、リアがいる保健室に付く。

 

「隠れてろ」

「承知」

 

 ネラが懐に隠れたのを確認して、ノック後、挨拶をしてから入室する。

 

「失礼します」

 

 オウカはカチコミじゃない、入室もやろうとすれば出来る。

 

「ああお前か」

 

 ランコだった。意識を取り戻したらしく、リアが眠るベッドの近くの椅子に座っている。全身包帯だらけで痛々しい。

 

「大丈夫か? ミイラ女状態だけど?」

「そのセリフをそっくりそのまま返そう」

 

 オウカも結構ボロボロである。

 

「こっちは大丈夫」

「そうか。それならこっちも大丈夫だ」

 

 オウカは室内にあった椅子を持ってきて、ランコの傍に座る。

 とは言え二人共何から切り出して良いのかわからず、沈黙が続く。

 

「「……」」

 

 そして、先に切り込んだのは――オウカ。

 

「すまなかった」

「な、何が……」

「リアに【セイレイサマ】の呼び出しを使わせてしまって」

 

 これでは護衛を引き受けたのに形無しである。

 その言葉にランコは――苦笑する。

 

「いやお前はよくやってくれた。私だけでは守り切れなかった……」

 

 眠るリアの手を握るランコ。

 

「私はまた過ちを犯す所だった」

「また?」

「……まあ言ってもいいか」

 

 疑問符を浮かべたオウカへランコは説明を始めた。

 かつて自分が魔法の制御をミスして、リアを巻き込み大怪我をした事、そんな彼女を助けるためにリアはピーキーな<スキル>を習得した事。

 

 それを聞いたオウカは一言。

 

「アレはそういう意味だったのか……」

「覚えていたか」

 

 ほんの少し苦笑したランコは、表情を引き締めて続ける。

 

「私はな、リアちゃんの生き方を決めてしまった。だからその償いをしなければならないんだよ」

「そっか……」

 

 それに対しオウカはただそう言った。

 彼はそれを間違っているとか、止めた方が良いとは言わない。

 だが、

 

「おい、いつまで狸寝入りしてんだ?」

 

 お節介なら焼く。

 オウカの言葉にリアが目を開けた。そして、オウカの方を見て、いたずらがバレた子供のような顔になる。

 

「……いつから気づいていましたか?」

「最初から」

 

 そして、オウカは席を立ってリアに声を掛ける。

 

「リア。すまなかったな。負担掛けて」

「いえ、アレは自発的にやった事なので」

「そう。そう言ってくれると嬉しいよ」

 

 二人に背を向ける。

 

「サクヅキ=オウカはクールに去るぜ」

 

 扉を開けてこの部屋から出て行った。そして、歩き出す。

 

「後はあの二人次第だな」

 

 その呟きにネラが反応する。懐から出て肩に乗る。

 

「仲直、可能?」

「喧嘩している訳じゃないけどな。……ある意味喧嘩より質悪いか」

 

 苦笑するオウカ。そして、表情を引き締める。

 

「まあ暫くしたら戻ろう。やる事は山積みだからな」

「了承。当機(わたし)、貴方、従属」

 

 

 ■□■□

 

 

 オウカが出て行き二人きりになってしまった。

 

「「……」」

 

 沈黙する二人。暫くそれが続く。

 

(何から切り出せば……)

(どうしよう……)

 

 どちらも同じように悩んでいた。とは言えこのままでは時間を浪費するだけなので、話そうとする。

 

「「あの!」」

 

 しかし、タイミングが同時だった。

 

「ランコからどうぞ」

「リア様からで」

 

 そして、両者遠慮する。

 これでは埒が明かない。なのでリアは勇気を出す。

 

「(女は度胸です!)リアちゃんと呼んではくれないのですか?」

「そ、それは……、わ、私にはもう……」

「資格とかは関係ありません!」

 

 リアはランコの手を握る。

 

「わたくしは幼馴染を助けたいから助けたのです」

「ですが、そのせいで……」

「良いのです。これがなくても使ってました。それが少し早くなっただけ」

 

 一拍置いて続ける。

 

「だから気に病まないで」

「……努力します」

 

 その言葉を受け少しだけ笑うリア。

 

(まあ、今はこれで良しとしましょう)

 

 そう思いランコへこう言う。

 

「じゃあこれからはリアちゃんで」

「まだ慣れないので暫く猶予を……」

「ダー☆ メー☆」

「お願いですから、後生ですから」

 

 そして、話し合いの結果、二人きりか、事情を知るオウカがいる時だけはちゃん付けで呼ぶ事になった。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 波乱万丈だった実習の翌々日。この日は休日である。

 実習はゴールデンウィーク前におこなうので、実習の疲れを連休で癒してくれという訳である

 

 オウカ、マユ、ネラの三人はオウカの自宅にいた。護衛は終わったので、実習終了と共に直帰した訳である。

 因みに、彼らの家代わりになっていた、バスが爆破炎上したので、どうするかという問題があったのだが、その辺はリアがトレーラーハウスを用意してくれた。豪華なうえ、設備も良く、ライフラインは通っている。

 

「バスより格段に豪華」

「ひ、否定できない」

「乗物、居住!?」

 

 実はネラも一緒に来ることになった。まあ新しい相棒なので当然ではある。

 そういう訳で、特に何もせずにゴロゴロしている三人。

 

 そんな状況下、ネラがオウカとマユに言葉をかける。

 

主人(サク)先輩(マユ)

「ん?」

「何?」

当機(わたし)、貴方、状況、平気?」

 

 ネラの疑問も最もだった。

 それに対してオウカは答える。

 

「実習中十分にゴタゴタしただろう?」

「うん」

「……」

 

 それでも心配そうなネラに、オウカは告げる。

 

「大丈夫。……そろそろかな?」

「「?」」

 

 奇妙な物言いに二人は頭上に疑問符を浮かべた。

 

 

 △▲△

 

 

 実はあの後、かなり大変だった。

 

 リアとランコの仲直り(?)の後、オウカとネラは二人にある事を訊ねた。

 

「そういえばさ、今回の件の黒幕の名前がわかったんだけど、オオトリ=トシノブって奴。知ってる?」

「「は!?」」

 

 二人共凄まじく驚いている。

 

 少しして、落ち着いてくれた二人が説明してくれた事によれば、≪聖霊教≫のNo.2をしている男で、大聖女決めには、中立派で参加していない。

 

「モロにしてんじゃん。どういうこっちゃ?」

 

 首を捻ったオウカにネラから声が掛かった。懐から出て来る赤い機械アリに驚く二人。

 

「其事、説明」

「「誰!?」」

当機(わたし)、ネラ=D=パラポ。聖女、治療、御礼」

「あ、あの時の。でもその姿は……」

「事情、色々。今置、今回、黒幕」

 

 そう言うとネラは、現在のサイズより半分程小さい機械アリを出す。

 

「此処、証拠、存在」

 

 その機械アリには、データが入っていた。

 そこにはオオトリ関与の証拠が入っていた。しかも、今回も大聖女の急大病すらも彼が関わっている証拠まであった。

 ネラが何かの役に立つかもと情報収集(盗聴や盗撮。当然違法)していたらしい。因みにこの件はハーミットも知っていた。曰く、使い捨てられそうになった時には、ネットに流す予定だったらしい。

 

「これがあればリア様g」

「ランコー?」

「リ、リアちゃんが狙われずに済む!」

「お、呼び方戻ったんだ。良かったな」

「はい!」

「現在、言事?」

 

 ネラがのんきな三人にツッコミを入れる。そして、ネラはリアとランコに取引を持ちかけて来た。このデータを渡す代わり、今回の襲撃での≪蟲≫メンバーの罪を軽減して欲しいと。

 その取引を彼女はキョウコ了承の元に受け、即座にそのデータを≪聖霊教≫の様々な部門に転送した。その結果、上から下までひっくり返る大騒動になった。メールを見る限り二人共忙しく駆けずり回っている。

 

 一方、≪蟲≫の面々は<冥刀>を直してもらい。リアとネラのおかげで無罪放免……という訳にはいかなかったが、かなり減刑され、高校への協力で済む事になった。内容によってはある程度の報酬も出るらしい。

 とは言え、リーダーがいなくなったので、≪蟲≫は解散する事になった。これからは別々の道を行くそうだ。とは言え連絡先は交換していた。

 

 そして、後始末で一番大変だったのは、キョウコだった。

 死者や重傷者は出なかったのだが、実習があんな事態になり、本人了承とは言え、リアが取引を受けたせいで、罪にも問えない。あちらこちらを駆けずり回っているそうだ。連休は完全返上との事である。

 

 

 ■□■□

 

 

 とある廃屋。正確には外観は廃屋、内観は豪華になっている建物。中にはガラの悪そうな者達が多数うろついている。

 ここは≪聖霊教≫の()大聖女補佐だった、オオトリ=トシノブの隠れ場所だった。

 彼は豪奢な部屋で頭を抱えていた。

 

「な、なんでこんな事に……」

 

 予定では今頃、リアを殺して、次期大聖女が決まり、自分が実質この教団を支配しているはずだった。だが、自分の悪事(本人はそう思っていない)がリークされ、失脚。このままでは不味いと一部の側近を連れ、どうにか逃げ出して今はここにいる。

 

(このままでは不味い……)

 

 良くて、捕まり警察に引き渡される。司法取引などで、命は拾うかもしれないが、一生自由はない。

 だが、それはまだマシな方。

 悪くて、≪聖霊教≫の戦闘部隊に捕まり、殺される。

 彼らは【セイレイサマ】から特殊な加護を与えられており、戦闘力は凄まじい。今回の次期大聖女争いには全く関与しなかったが、オオトリが大聖女の急大病に関わっていると知ってからは介入を始め、彼の確保に動いている。

 

 口から言葉が漏れる。

 

「どうする……」

 

 死ぬのは嫌だ。だが、このまま落ちぶれるのも嫌だ。

 

(こうなっては仕方ない)

 

 オオトリがチラリと視線を移す。そこには少女が彫像のように佇んでいた。

 彼女はリアの対抗馬であった聖女候補。

 その正体は、人間ではなく人形。自我は希薄で、自分の言う事しか聞かない。だからこそ、彼女を次期大聖女にしようとしていた。だが、其の目論見も潰えてしまった。

 だが、

 

(そうだ。分派すればいい! 幸い、コイツがいればあの蛾のチカラは使えるのだから)

 

 昔から続く宗教も分派している。ならば、問題はない。この人形を旗印に分派させる。

 

(幸いな事にアレも持ってきている……)

 

 ほくそ笑むオオトリ。

 薔薇色の未来を彼は夢見ていた。

 だが、彼は知らない。まだ、警察に捕まるか、戦闘部隊に殺される方がマシな目に合う事になる事を。絶望がすぐそこまで迫っている事を。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 その日の夜。とある場所にオウカの姿はあった。

 

「ここか……」

 

 それは、オオトリ=トシノブの隠れ家の近く。

 実はある人物に頼んで、居場所を探って貰っていた。そして、居場所がわかったので、早速駆け付けた訳である。

 勿論一人では無く相棒が二人付いている。

 

「此処にいるの?」

「下衆、潜伏、建物」

 

 マユとネラ。前者は状態で髪に挿さり、後者は機械アリ状態で懐にいる。

 ネラの疑問にオウカは答える。

 

「ああ」

 

 そして、こう言う。

 

「そうだよな?」

 

 訊ねるかのような言葉。それに答える者がいる。

 

「その通り」

 

 それは闇に浮かぶ白い無貌の面。

 この人物は、リアを狙い、オウカとランコと戦い、幾つかの理由で引いた、殺し屋組織のまとめ役。オウカは彼に、オオトリの居場所の捜索を頼んでいたのである。

 

「だが、中には特殊装備で武装させた半グレや傭兵、専属の護衛がいるぞ?」

「だから?」

 

 無貌の忠告にオウカは問い返す。

 

「それは俺の止まる理由にならない。アイツには今まで生きて来た事と、産まれて来た事を後悔させる」

「そうか。なら我の役目はここまで。健闘を」

「ん」

 

 無貌の気配が消え失せた所で、オウカは早速カチコミに行こうとしたのだが、人の気配を感じる。

 

(ん?)

 

 無貌と違う、気配を隠そうとしていない。それどころか、こちらにいる事をアピールしている。

 

「誰だ?」

 

 その言葉に二人の人物が物陰から出て来た。

 

「あらあらバレてしまいました」

「いや、姐さん気配隠す気なかったでしょ」

 

 それは一組の男女。女はメイド服を着て手にはモップを持っている。男はは皮ジャンを着た青年。身のこなしや纏う気配から分かる。かなりの強者。

 

 まずメイドの女性が名乗り、青年が続く。

 

「申し遅れました。ワタクシはヤリガサキ=ルラと申します」

「オレはジョージ。名字は嫌いでな。名乗りたくねえんだ」

 

 その名乗りにオウカも名乗ろうとするが、それをルラが制す。

 

「俺は……」

「ああ、ランコから聞いています。サクヅキ=オウカさんでしたよね?」

「!」

 

 ランコの名前が出て来た、強者、この場所にいる。

 つまりこの二人の正体は……。

 

「もしかして≪聖霊教≫の戦闘部隊?」

「はい。≪円卓≫です」

 

 ≪円卓≫

 それは≪聖霊教≫の戦闘部隊にして最強の十四人を指す。

 全員が、【セイレイレマ】の特殊なチカラを持っている一騎当千の強者。

 それが出て来たという事はつまり。

 

「オオトリを捕まえに来た?」

「いいえ、殺りに来ました」

「姐さん、オブラートに包もうや……」

「隠してもしょうがないでしょう?」

 

 何でも、オオトリは大聖女暗殺未遂と、聖女殺害未遂以外にも色々やらかしていたらしい。人身売買、金の横領など。更には、今の時代だからこそ、禁忌となっているとある事をやっていた。

 

「オオトリは、信者の洗脳までおこなっていたのです」

「うわあ。……もしかしてランコも?」

「はい。影響受けてました」

 

 呆れかえると同時、納得するオウカ。

 精神系の術技は禁忌となっている。使えば、特殊な事情が無い限り、問答無用で捕まる。

 それに加え……

 

「彼は“とあるモノ”を持ちだしました。それは絶対に許されない」

 

 ルラが凄まじい圧を放つ。

 

「もうアレは死ぬしかない」

「それには同感。だからオレらが出て来たんだ」

 

 その事情に納得するオウカだった。




【TIPS】

≪聖霊教≫
(#ー#)<良い機会だから、ネタバレ含めて詳しく説明する。

(・▽・)(㈩*㈩)<わー! わー! パチパチパチ!

(#ー#)<馬鹿にされているような……。まあいいや。

(#ー#)<前に説明があった通り、【セイレイサマ】を信仰する宗教団体。

(#ー#)<【セイレイサマ】に祈りが届けば、救いと奇跡が齎されるという教義の元に、信者たちは日々祈りを捧げてるんだ。

(㈩*㈩)<でもこれ、話を聞く限り実際、救いと奇跡があるよね。

(#ー#)<ああ。だから、規模を拡大している。

(・▽・)<こういうカルト教団、私は大嫌いですね。皆殺しにしたくなる。

(#ー#)<カルトって……。まあ微妙なラインなんだよな。

(#ー#)<実際、マッチポンプや自作自演同然の事をしていた時もある。

(・▽・)<……エクスターさんとスカベンジャーさんを呼んできますね。

(#ー#)<落ち着け!? 一部の奴がやってただけだから!

(#ー#)<そいつら全員粛清されて、今はまともにやってるから!

(#ー#)<まあ大聖女補佐は好き放題やってる外道だけどな。

(・▽・)<冷凍室と焼却炉を探さないと……。

(#ー#)<だから、落ち着け!?

(㈩*㈩)<話を聞く限り、好き放題やれなそうだけど、コイツはどうしてやれたの?

(#ー#)<No.2だったのもあるし、大聖女が寝たきりだったせいもある。

(#ー#)<まあ、今回の件で色々対策がされるらしいからな。

(・▽・)<糞尿を用意しないと。

(#ー#)<もう嫌だ!? コイツ!
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