(#ー#)<そういや、こっちのロボは操縦するタイプだがよ、
(㈩*㈩)<うん。
(#ー#)<機体型はどうなんだ? あのロボみたくモーションなのか?
(㈩*㈩)<人によって変わる。
(㈩*㈩)<操縦が上手な人は、操縦桿やペダルが付く。
(㈩*㈩)<白兵戦が得意な人は、動きに同調する。
(㈩*㈩)<だから、どっちでも無駄にならない。
(#ー#)<なるほどな。だから一際高いのか。
(・▽・)<どれぐらい高価なのですか?
(#ー#)<普通? のタイプが億で取引されるんだが、
(#ー#)<機体型は百倍以上。
(・▽・)<うわ……。
(㈩*㈩)<アイツが知ったら喜びそう。
ジンナの説明を受けて納得するオウカ。そこへカミキが、湯呑み、海苔煎餅、豆大福を盆に乗せてやって来た。
「持たせたね。因みにコレは副会長の趣味だ」
「そうなんだ……」
「あの人、和物が好きだから。サク君も見た事あるでしょ? セーラー服を着ないで、大正浪漫な格好した人」
「ああ!」
確かに見た事ある。
矢絣の着物に海老茶色の袴、そして黒のブーツ、頭には大きなリボンをしていた。
アレが副会長。
納得すると同時に、疑問が湧いた。
「……それって良いの? 校則的に」
そういえば、リアもセーラー服とシスター服を折衷してたなと思ってると、会長が苦笑いしながら答える。
「ギリ合法なんだ」
高校では、決まった制服を着る決まりがあるが、改造は許可されている。とは言え、公序良俗に反しない範囲である。
「彼女曰く、『公序良俗には反しないですわ』だそうだ」
「「何か違う」」
思わずツッコミをいれる二人。
そして、お茶とお菓子を頂いて、本題が切り出される。
「オホン。さて。君を呼び出した理由は」
一拍置いて続けるカミキ。サングラス越しの瞳がオウカを捉える。
「対校戦の目玉、バトル✕バトル✕バトルの本戦に出場して欲しい」
その言葉にジンナは驚くが、事前にカナタから聞いていたオウカは眼を少し見開いた程度。
そんな彼の態度にカミキが聞いてくる。
「予想していたのかな?」
「友人がそういう事あるかもって言ってたので」
「なるほど」
ドンピシャリである。
「それで?」
「引き受けるのは構わないのですけど、理由を聞かせて貰えますか?」
その言葉に、何を言っているんだという顔をするカミキ。そして、ジンナも同じような顔をする。
「それは勝つためだ」
そして、カミキは問いかける。
「日本には、五つの<プレイヤー>育成高校がある」
本校である≪都立天ノ角高校≫
もう一つの東京校にして、唯一の女子高≪都立昴咲高校≫
鹿児島県の森の中にある≪県立森峰高校≫
北海道の山の上にある≪道立光ヶ星≫
京都府にある≪府立涼見台≫
「この五つの中で――我が校だけは総合優勝をした事がないのだよ!」
「そりゃあ<スキル>を奪うような下衆や、人の事をいじめる屑がいる所なんて、優勝出来る訳ないじゃないですか」
「サク!?」
辛辣なオウカの言葉にジンナが叫ぶ。それにカミキは怒るどころか、苦笑を浮かべる。
「耳が痛いな。実際その通り。でも今年はそういった輩が一気にいなくなったからね」
ヨシムラの件で、芋づる式に生徒と教員含めて一気に高校から去らせ、補填として、色々な生徒を途中入学させたらしい。
「だからこそ、今年は優勝したい。協力してくれるね」
その言葉にオウカは頷いた。
彼の言葉にカミキはほっとしたような顔をする。
「良かった。こればっかりは強制出来ないからね」
「そういうものですか」
「ああ、バックレられても困るからな」
因みにヨシムラは選ばれてバックレた。
「とは言え、タダで出場させるのもどうかと思う。だから何か望みはあるかね?」
「望みって全員に聞いているんですか?」
「ん? 人によるな。出たい人もいるが、出たくない人を説得するのに使っている」
実力を隠しておきたい、目立ちたくないと言う人はいる。富と名声は程々で良いという人もいる。
「そうですね……」
考えるオウカにジンナが訊ねる。
「《クロス》の盗難は?」
「それはアシヤ先生が動いている」
あの人、責任感じて色々やってくれているらしい。とは言え結果は芳しくないが。
この間、偶然鉢合わせして夕食を奢って貰った時に愚痴っていた。
(それにはっきり言ってもうソレはどうでもいいし)
そんな事を思っていると、カミキが付け加えるように言う。
「それについては他の面々も動いているよ。こんな事続いては駄目だからね」
「そうですか……」
「まあ、敵もさるもの引っ搔くもの、尻尾を掴ませないが……」
「どこにいるんでしょうね。犯人」
首を捻る三人。
「おっとと、脱線した。それで?」
「……今は思いつかないので保留で」
「わかった。ああ、それと」
カミキはこう言う。
「反撃と正当防衛は構わないが、やり過ぎないように。流石に人死には困る」
「わかってますぅー」
「「それ、分かっていない人の返事!?」」
そんなツッコミを二人から貰った時だった。
「こんにちはですわー」
一人の人物が生徒会室に入って来た。
それは先程まで噂をしていた人物だった。
「おや、ジンナさんと……貴方は確か……」
校則ぶっちぎって(ギリ合法?)着物と袴を着ている少女。内履としてブーツを履き、頭には大きなリボン。
「確か、サクヅキ=オウカさん……ですわね」
「おう。そう言う貴方は……ハ○カラさん」
「違いますわ!? 誰ですわ!?
お嬢様口調で名乗る少女。そんな彼女にオウカは訊ねる。
「おう、悪い。それで俺の名前はよく知っていたな?」
「……貴方有名ですもの。突っかかってくる人を、ボッコボコにしてるって」
「撫でる程度なのに」
そんなオウカに三人が半眼になってツッコミを入れる。
「関節を曲げる事が?」
「河童や落ち武者にする事が?」
「舌をカットする事が?」
「よく見てる……というか聞いたのか?」
そんな返しをしてオウカは続ける。
「そうだよ。俺の親友……達だったら、もっと過激だ」
「「達!?」」
オウカは思い返していく。
「例えば……」
真っ先に思い浮かんだのは、夢に見た友。
「
「「……」」
因みに、河童と落ち武者にもしていたが、彼女はもっと深く斬り、脳無人間を量産していた。流石に過激なのでコレは言わない。
「後、シスターの友達なんかは、やられたら倍返しにしてたな」
「ぐ、具体的には……」
「左の頬を叩かれたら、右の頬に肘打ちしてから、ボディブロウ」
「「やり過ぎ!?」」
因みに、金的で睾丸どころか、内臓まで潰していた。流石に過激なのでコレも言わない。
「な、穏便だろう?」
そんなオウカの言葉にジンナが吐き出したツッコミは。
「比較対象が可笑しいだけ」
ごもっとも。
「それでカミキ会長。一体何のお話されていたのですの?」
「ああ、キミにも無関係じゃないからね」
そう言ってカミキは、ベニバナにオウカにバトル×バトル×バトルの本戦出場への依頼をした事を話す。
なんでも彼女も本戦に出るらしい。つまりはチームメイト。
「なるほどですわ!」
「反対しないの?」
すんなり受け入れたベニバナにオウカは訊ねる。
それにベニバナは答える。
「だって、貴方は身のこなしに隙がありませんもの。それに戦場を潜り抜けた感じがしますわ」
どうやら見抜いているらしい。
「そう言って貰えると助かるよ。俺はどうにも強さが見えないって言われるからね」
オウカは意図して圧を出さないと、強く見えない。
どれだけ強くてもそう見えないタイプは少ないがいると、
「とは言え、どういう戦い方なのか知っておきたいので、一戦交えません事?」
「んー」
少し考え、断る理由もない。それに、
「わかった」
「そうこなくっちゃですわ!」
この大正浪漫がどう戦うのか見てみたい。
「と言う訳で会長。お願いしますわ」
「はいはい」
******
そういう訳で、場所を移動し、戦闘服に着替え向かい合うオウカとベニバナ。
共に武器は持たず、無手。
「エモノは良いんですの? 貴方は確か刀とかナイフを使ってましたわよね?」
「ん? ああそっちは素手のようだし。相手に合わせる」
「舐めてますの?」
声のトーンが下がる。そんな彼女にオウカは誠意をもって答える。
「舐めてない」
「そ。ならいいですの」
すんなり引き下がったベニバナ。
そんな彼女にオウカは聞く。
「さっきもそうだけど、すんなり引くよな」
「引くべき所は引くのが
「そうかい」
そして、審判代わりのカミキが会話が終わったのを見計らい、言葉を発する。
「勝敗は意識喪失、降参、戦闘続行不可能な怪我で決める。では、始め!」
その言葉に両者飛び出す。
「ハア!」
「てや!」
選んだのは双方共に拳の一撃。それは互角。
そして始まったのは殴蹴の応酬。奇しくも両方同じタイプだった。組み合ったりはせず、殴り蹴る。受け避ける。
ただこの二人タイプが違った。
「サクヅキ君が一撃決める間に、副会長は数撃を打ち込む」
審判のカミキが分析する。
オウカはパワー寄りなら、ベニバナはスピード寄りだった。
だが、それ以外は全く同じスタイル。
そして、この二人は……。
「笑ってる?」
唯一の観客であるジンナが気づく。この二人が笑みを浮かべてる事に。
その時だった。
「うふふ、あはは!」
「ハハハハハハ!」
お互い殴り合い蹴り合っている最中、ベニバナとオウカが笑い始めた。
「楽しいな! ハナヤマ副会長!」
「つれませんわね! サクヅキ=オウカ! 敬語をやめなさい! それと名前で呼びなさい!」
「だったらそっちもそう呼べやベニバナァ!」
「構いませんですわ! オウカ!」
そうしてお互いの拳がお互いの頬にヒット。とは言えまだお互い倒れない。
「ここからが本番ですわよ」
その言葉と同時、眼の白黒が反転。瞳の色は緑。
更に、ベニバナの体が変化する。頭部に角が生え、肌に鱗のような紋様が現れる。そして、腰から尻尾が生えた。正に龍人態とでも言うべき姿。
オウカは分析する。
「ドラゴンか……」
《グリーンクロス〔ドラゴン(東洋龍)〕》と言った所だろうか。だが、それだけではない。更にオーラが体から立ち昇り、それがドラゴン(西洋竜)の姿を取り咆哮を上げる。
その姿にジンナはある事を思い出す。
「会長は“二ツ神”で、副会長は“
そして戦いはここからが本番だった。
▼▽▼
その少女の始まりは、母親から買って貰った絵本を見た事から始まった。
そこに描かれていたのは――ドラゴン。
「かっこういいな……」
飽きる程見た。そのせいでボロボロになってしまったが、今でもその絵本は宝物。
そこから、彼女の私物はドラゴンに染まっていった。
次の転機は、父親との散歩で池の錦鯉を見かけ、彼から聞いたある言葉。
「知っているか? 鯉はな、龍に……ドラゴンになるんだ!」
「ほんとう!」
「ああそうだ!」
中国の故事で、黄河に「竜門」と呼ばれている激しい急流があると言われていた。急流のふもとに集まっている鯉は、決して「竜門」を登ることができないとされていた。だが、登ることができた鯉は竜になれる、という言い伝えがある
「ねえ、おとうさま」
「何だ」
「わたしもドラゴンになれるかな?」
その言葉に、父親はう~んと迷い始めた。恐らくなれないと正直に言えなかったので、上手い言い訳を考えていたのだろう。
そして、思いつかなかった結果。
「頑張ればきっとなれる!」
こう言った。言ってしまった。
そこから、彼女は鍛錬を始めた。
体を鍛え、道場に通う。一番しっくり来たのは徒手空拳だった。
そして、体だけでなく、心や頭も成長するにつれて、あの時の父が自分を傷つけないようにああ言った事も理解した。
でもしかし。
(今は<スキル>がある時代ですわ。だったら何かしらドラゴンになる手段があるはずですわ)
何かしら方法があるはずだと、模索していく。
そして、二つの手段に辿り着く。
一つ目が《クロス》。
パッチテストは大丈夫だったので、投与可能なのだが、《グリーンクロス〔ドラゴン〕》を引き当てねばならないので、それは滅茶苦茶可能性が低い。
……まあ最悪はドラゴン関連の生き物ならまあいいかとも思っている。それでも可能性は低いが。
二つ目が<シャーマン>となる事。
大きく分けると、従えるか、降ろすかのどちらかで、彼女が狙うのは降ろすタイプ。
とは言え、こちらも狙った<モンスター>を呼んだり、契約出来るかが出来るかはわからない。完全ガチャの《クロス》よりはマシだろうが。
「ままなりませんわね……」
そんなある日の事だった。
偶然、ネットのサイトで見かけた“とある団体”が自己強化のためにおこなう方法の改良版。それは特殊な珠に<モンスター>封じて、それと融合する事
元々、特殊な<モンスター>と契約・融合してチカラを得る方法をソコはやっていたのだが、これをもっと手軽に出来ないかと模索した“とある天才”が開発した方法。
とは言え、この方法は<妖刀>と融合するようなモノであり、リスクはそれ以上。だからこそ、症例は少なかったのだが。
「これですわ!」
彼女はソレに目を付けた。そして、(当然の如く)追放された施術者をどうにか見つけ出し、頼み込んだ。
実はこの人物も、被験者を探しており、お互いのメリットが一致したうえ、更に好都合な事に、丁度ドラゴンの【封珠】が存在した。
「お願いしますわ!」
「君、躊躇いとかないの?」
流石の施術者も困惑する程の勢いだった。
そして、施術は成功したのだが、彼女のバイタルは急速に停止していった。
このままでは不味いと感じた施術者が使った手段が――《クロス》の投与。元々、死に掛けの人の生命力を活性させるために取る事もある手段。
そしてその結果。
「
彼女――ハナヤマ=ベニバンはドラゴンになった。“
これは余談だが、全部親には無断だったため、ベニバナは滅茶苦茶怒られた(笑)。
【TIPS:とある団体】
(#ー#)<前に少し述べた特殊な<シャーマン>が多数所属。
(#ー#)<契約した特殊な<モンスター>を取り込む事でそのチカラを振るう。
(#ー#)<ここについてにはいずれ詳しくやるからその時に。
(・▽・)<ウ○トラマンのアレみたいですね~。
(#ー#)<詳しく言わなかったのには感謝してやる。
【TIPS:とある天才】
(#ー#)<マッドサイエンティスト扱いされそうだが、実は滅茶苦茶良い人。
(・▽・)<谷○鬼十みたいな?
(#ー#)<例え悪いがこれが近いんだよな……。
(㈩*㈩)<今、生きているの?
(#ー#)<ああ。ハナヤマの親の伝手で、医者みたいな事やってる。