冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】
(㈩*㈩)<前回、サクが使った武器。

(㈩*㈩)<見た目は西洋剣。ロングソードの蛇腹剣。分類は片手剣。

(㈩*㈩)<柄に五つの引鉄があって、間接の駆動域を自在に操れる。

(㈩*㈩)<サクの親友の最高傑作。そして、■■の贈り物。

(・▽・)<流石ヴィー♪

(㈩*㈩)<完全再現は、流石の彼女にも無理。

(㈩*㈩)<《クロス》や<冥刀>みたくはできない。

(㈩*㈩)<腕は達しているけど、素材の問題で不可能。

(㈩*㈩)<それでも――大きさ、重さ、重心は再現して、

(㈩*㈩)<節の長短制御は引鉄でどうにかした。

(㈩*㈩)<……その分、かなり玄人向けの武器になったけど。

(㈩*㈩)<オウカは普通に扱える。というかコレ装備時が一番強いかも。

(#ー#)<そういえば、前は佩刀してたけど使わなかったな。何で?

(㈩*㈩)<自動修復機能やオートメンテナンス機能があるけど、

(㈩*㈩)<よく使う他の武器より、機構が複雑で簡単に修理出来ないから。

(#ー#)<……出し惜しみか。

(㈩*㈩)<そうとも言う。

(#ー#)<そうとしか言わねえ。

(・▽・)<ヴィーの作品の特殊な一品物は、彼女以外メンテナンスや修理不可能って事多いんですよね。

(・▽・)<私のアレもそうですし。




 ******

 

 

 そうして、本格的な練習が始まる。

 大会までの期間は授業が少なくなり、その分練習時間を取れるようになる。

 とは言え、選手以外は、「授業が減ってラッキー、さあ遊ぼう!」という訳にはいかない。選手のサポートがあるうえ、それをしない人の場合、山のように課題が出る。≪天ノ角高校≫一丸となって頑張ろうと言う訳である。

 

 そういう訳で、オウカはチームメイトと練習に励む事になった。

 広い空間の中央に集まる五人。その音頭を取る事になったのは――彼である。

 

「さて、集まって貰った所でまずは自己紹介といこう。知らない面々もいるだろうからね」

 

 一人目。白髪にサングラスの男。

 この高校で一番有名な人。

 

「まずは私から。皆もご存じ、三年のカミキ=シンノスケだ。生徒会長をやっている」

 

 知らない奴は多分不登校の生徒ぐらいだろう。

 

「“二ツ神”の通り名を持っている」

 

 この通り名、本人もまあまあ気に入っているらしい。

 

「《レッドクロス〔ライト〕》と《ヘーゼルクロス〔マンティス〕》の<D(デュアル)クルセイダー>だ」

 

 万能な光を操る事で、攻撃、防御、移動、回復、補助まで可能。そこにカマキリのチカラにより、身体能力を引き上げ、飛行能力まで手に入れた。

 

「宜しく頼む」

 

 二人目。着物、袴、ブーツ、リボン、ドラゴンが特徴の女。

 次に話し始めたのは、彼女である。

 

「三年生のハナヤマ=ベニバナですわ。生徒会の副会長をやっていますわ」

 

 この人もかなり有名である。服装が滅茶苦茶浮いているので。

 

「好きな物は――ドラゴンと和ですわ!」

 

 見れば分かる。話しても分かる。

 

「《グリーンクロス〔ドラゴン(東洋龍)〕》の<クルセイダー>と、竜のチカラを宿した<シャーマン>ですわ」

 

 近接主体かと思いきや、中距離・遠距離の攻撃手段もあり、搦め手も持つ万能な<プレイヤー>である。

 

「宜しくですわ!」

 

 三人目。短くもなく長くもない茶髪をして、少しだけ着崩して制服を着ている男。

 手をひらひらさせて喋り始める。

 

「三年のスドウ=リョウだ。風紀委員長をしている」

 

 オウカとも面識がある。

 

「“器用貧乏”とか、“ザ・平均点”って呼ばれてるな」

 

 実はもう一つ“貧乏くじ”という通り名まで持っている(笑)。本人は嫌っているが。

 

「<プレイヤー>としての分類は<ファントム>で、色々こなせる」

 

 彼は一点特化には劣るが、武器により戦闘から、魔法による属性攻撃、回復、補助までこなせる万能型。だからこその器用貧乏。因みに筆記テストも全教科平均点を取る。

 

「まあ宜しく」

 

 四人目。金髪金眼の少女。セーラー服を着こなしている。

 礼儀正しく話し始める。

 

「二年生のクドウ=カナタです」

 

 出場については家から許可は貰ってる。去年も新人戦に出場し、優秀な成績を収めたからこそ選ばれた。

 

「趣味はレトロゲームですね。色々やってます」

 

 VRゲームよりコントローラーを使うゲームが好きなのである。因みに最近はシュティーングゲームをよくやる。

 

「色々な刀と、様々な呪符を使って戦う<ノーブル>です。<クラフター>としても動けます」

 

 彼女もかなり万能なタイプである。しかもまだ成長を続けている。

 

「胸を借りるつもりで頑張ります。宜しくお願いします」

 

 五人目。灰色の長い髪の毛をした、小柄で中性的な少年。

 全員が年上なので、丁寧に話す

 

「どうも。一年、サクヅキ=オウカ、ただの魔王です」

 

 五指から糸を出して続ける。

 

「制限付きの<デュナミスト>です」

 

 手札は多いが、制限も多い。

 

「宜しくお願いします」

 

 こうして自己紹介は終わった。

 

 集められた五人を見渡す櫛形態のマユ。まず始めに思った事は。

 

(全員が万能型。どんな相手や、状況にも対応出来る)

 

 万能型。

 どんな相手や、状況でも対応できるため有効ではある。ただし、場合によっては格下や、一点特化、相性最悪には負けてしまう事がある。

 だが、この五人は地力によって、大抵の相手はどうにかなる。

 

(まあ、問題は別の事だけど)

 

 マユがそう思っていると、簡易的な自己紹介が終わった。

 

 次はどうするのかと、スドウがカミキに訊ねる。

 

「カミキ」

「うん?」

「これからどうすんだ?」

 

 その言葉に顎に手をやり考え、何か思いついたような顔をする。

 

「よし!」

「練習か? 連携か?」

「質問タイムにしよう!」

「「は!?」」

「「……」」

 

 カミキの意外な提案に、ポカンとした顔になるのはスドウとベニバナ。予想していたのか、想定の範囲内だったのか、オウカとカナタはすまし顔。

 少しして、どうにか起動したスドウが訊ねる。

 

「おいおい、どういうつもりだ? 勝つつもりないのか?」

「勿論あるとも」

「……自己紹介は十分じゃないですの?」

 

 疑問を投げかけたベニバナにカミキは続ける。

 

「はっきり言おう。このままの状態でも『バトル×三』は優勝を狙えるよ」

「「は!?」」

「「……」」

 

 驚きとすまし顔にわかれる。誰がどういう反応かは同じ。

 

「全員が、様々な相手や、状況に対応できる万能型」

 

 一瞬だけ、サングラス越しの瞳がオウカとカナタを捉える。

 

「しかも実戦経験がある者も多いし、手札を増やしている者もいるだろう?」

 

 今度は、その瞳がスドウとベニバナを捉える。

 

「だからこそ――余程のイレギュラーでもおこらない限り大丈夫だ」

 

 一拍置いて、瞳はオウカだけを捉える。

 

「そして、その余程のイレギュラーもある程度なら大丈夫だ」

 

 そんなカミキの言葉に、スドウとベニバナは一応納得する。

 

「だから質問タイムってか?」

「ああ」

「仲良くするためって事ですわ?」

「その通り」

 

 二人の疑問に答え、カミキは捕捉する。

 

「イレギュラー以外の懸念があってね、それの防止も兼ねている」

「それは何でしょう?」

 

 黙って聞いていたカナタが口を開いた。

 それにカミキは回答する。

 

「人には超えてはならない、触れてはならない領分、一線、逆鱗がある」

「そうですね」

 

 黙って聞いていたオウカも口を開いた。

 

「ああ。チームメイトがそれに触れて、身内で争っては悲しすぎる」

[悲しいで済まない可能性がある]

[其通]

 

 念話でそういうマユとネラ。

 この二人はオウカの激しさを知っているからこその言葉。

 

「だからこその質問タイムだ。納得してくれたね?」

 

 全員が頷いたのを確認してカミキは微笑む。

 

「では、お茶とお菓子でも食べながら始めよう」

 

 そう言ってカミキは準備を始めた。

 

 そんな様子を見てスドウが呟く。

 

「いいのか? これで?」

 

 他の生徒達は練習をしているのに、自分達だけこんな事をしていていいのだろうかと首を捻る。

 そんな彼にオウカが答える。

 

「いいんじゃないですか」

「でもなあ。う~ん、何だかな~」

 

 根が真面目なスドウは納得できないらしい。

 そんな彼にオウカは言葉を続ける。

 

「間違ってはいませんし」

「まあな」

 

 どうにか折り合いをつけたスドウ。

 

 そうして質問タイムが始まる。

 

「では誰から」

 

 カミキの声掛けに手を上げたのは、

 

「はいはいですわ!」

 

 ベニバナだった。

 

「はいハナヤマさん」

「前から気になってましたの。オウカ!」

「俺ェ?」

 

 いきなり振られるとは思っていなかったのか、驚く彼に構わずベニバナは続ける。

 

「クドウさんとはどういう関係ですの?」

「わ、私!?」

 

 こっちも振られるとは思っていなかったのか困惑するカナタ。

 

「関係って言われても、友達……だよな」

「う、うん、そうだけど……」

「恋人同士ではないですの?」

 

 畳みかけて来たベニバナ。

 それにオウカは即答。

 

「違う」

「では恋人がいた事は?」

 

 更に畳みかけて来たベニバナ。

 その質問には他の面々も、気になるらしく身を乗り出して来た。

 

「それ気になるわ」

「俺も」

「自分も」

 

 そんな彼らにオウカは冷静に答える。

 

「いないよ」

「……本当ですの?」

「うん。まあ同性の友人は少なかったけど」

 

 その言葉に反応したのは、カナタ。

 

「そうなの!? じゃあ前に言っていた鍛冶師さんとか、お医者さんは……」

「両方女性」

 

 因みに前者は美人、後者は可愛い系。

 

「何か同性と縁が少ないんだよね……」

 

 一部の人が聞いたら、キレそうな事を平然と言うオウカ。

 そんな彼に相棒二人は話し合う。

 

[言われてみれば確かに]

[本当?]

[うん]

 

 オウカの旅路を知っているマユが思い返してみると、確かに女性ばっかり。

 

 そんなオウカに今度はスドウが訊ねる。

 

「じゃあよお、ちょっと下世話な事聞くけどいいか?」

「質問によります。ええと、全部答えなきゃならないって訳じゃないですよね?」

 

 オウカの疑問にカミキが答える。

 

「ああ。流石に暗証番号とかは不味い」

「「当たり前だ!?」」

「冗談だ」

((冗談に聞こえない……))

 

 カミキ以外の全員の心の声が一致する。

 どうにか話を変えようと、スドウがオウカに訊ねた。

 

「お前は、女性経験あるの?」

「「!?」」

 

 その言葉に女性陣の顔が赤くなる。

 一方、冷静なのは会長。

 

「ふむ」

 

 気になったのか止めようともしない。

 そんな彼らにオウカは溜息を吐いて続ける。

 

「あるにはあります」

「「!!??」」

「誰と?」

 

 質問を重ねたのはカミキ。

 それにオウカは半眼になりながら答える。

 とは言え経験者全員を言う訳にはいかないので。

 

「友達の一人。レズで百合で同性愛者の男嫌いです」

 

 一人目を言う事にした。

 

「「何その人!?」」

「……お前、男だよな?」

「ええ」

 

 よく女の子には間違えられるがオウカは男である。

 

「何でそんな奴と?」

「色々あったんですよ」

 

 そういうオウカ。

 彼の右手は自身の脇腹をさすっていた。

 このままだと気になる事への質問タイムが、オウカへの質問タイムだけで終わりそうなので、オウカは話題を変える事にする。

 

「俺だけじゃなくて、他の人にも質問お願いします」

「確かに」

 

 納得してくれたのかカミキが、方向性を変える。

 

「さて、サクヅキ君への質問は十分だろう。他の質問h」

「「まだ気になる事沢山あります!」」

 

 女性陣の言葉がハモる。何も言わないがスドウも頷いている。

 

「……確かに」

「会長!?」

 

 会長も頷いたので、また同じ方向に戻りかけたが、

 

「……冗談だ。とりあえず他の人への質問タイムだ」

 

 どうにか他の質問タイムになってくれた。

 

[良かった……]

[言いずらい事あるものね]

[有過]

[まあな]

 

 念話でマユやネラと話しながらも、質問タイムは続いてく。

 

 因みに質問と回答はこんな感じである。

 

「前々から気になっていたのですの」

「何をだい?」

「会長はどうして《クロス》を二つ持つ事にしたのですわ?」

「持つ気はなかったんだ。最初のチカラが大当たりだったからね」

 

 最初の《レッドクロス〔ライト〕》は本当に便利であり、様々な用途に使えたのでその選択は間違えではない。

 

「だが、相性最悪の<モンスター>と交戦する事になってしまってね」

「相性最悪? 光無効とか?」

「光吸収だ」

「「うっわ」」

 

 そのせいで追い詰められた時に、イチかバチかで投与した結果……

 

「まあ当たりを引けた訳だ」

 

 カミキの右手がカマキリの鎌に変わる。このチカラでその<モンスター>の討伐に成功したとの事。

 

 カミキだけではなく、他の人にも質問は飛ぶ。

 

「スドウ先輩って、どうして今の戦闘スタイルにしたんですか?」

「ん? 俺はどんな事でも、習得は速いんだが、満点を取れないんだ」

「だから、広く浅く極めようと?」

「まあな」

「そうでしたか……」

「?」

 

 彼の回答にオウカはシンパシーを感じた。とは言え何か言うのは野暮なので、何も言わなかったが。

 

「ハナヤマ先輩ってどうして和が好きなのですか?」

「……そういえば、何故ですわ?」

「私に聞かれても……」

「でも、ドラゴンが好きになったきっかけは覚えてますわ」

「あ、そうなのですね」

 

 このように答えられない場合もあった。

 

 そして、色々な人に質問が飛んで、最後の締めになったのは。

 

「そういえばクドウ」

「何でしょう? スドウ先輩」

「さっきはサクヅキにばっかり質問飛んだから、お前に聞くんだけど」

「な、何を……」

「お前はアイツの事、どう思っているの?」

 

 実は、オウカに毎日お弁当を作って来たり、一緒にお昼食べる姿を目撃されている。だからこそ、付き合っているのではないのか、とか噂されている。

 それにカナタは少しだけ顔を赤くしてから答える。

 

「大切な友達です」

「本当に?」

「……今は」

 

 小声でそれだけ言うと、彼女は何も言わなくなってしまった。

 

 そのタイミングでカミキが手を叩く。

 

「ふむ、ではお開きとしよう。明日からは本格的に行くぞ」

 

 結局この日は話だけで終わった。




【コソコソ話】
(・▽・)<ネタバレですけど、あのレズとサクの出会いは単純。

(・▽・)<アイツが彼を女の子だと思ってナンパした。

(#ー#)<……男嫌いなら、男って見破れなかったの?

(・▽・)<その時、事情があって女装していたんで、バレませんでした。

(・▽・)<でも、バレて……まあゴタゴタ。

(㈩*㈩)<アレをゴタゴタで済ます?

(・▽・)<詳しくは言えないので。

(・▽・)<でも、その後はちゃんと仲直り。そして、まあ色々あってそうなった。

(#ー#)<何か説明スッカスカだな。
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