(㈩*㈩)<前回、サクが使った武器。
(㈩*㈩)<見た目は西洋剣。ロングソードの蛇腹剣。分類は片手剣。
(㈩*㈩)<柄に五つの引鉄があって、間接の駆動域を自在に操れる。
(㈩*㈩)<サクの親友の最高傑作。そして、■■の贈り物。
(・▽・)<流石ヴィー♪
(㈩*㈩)<完全再現は、流石の彼女にも無理。
(㈩*㈩)<《クロス》や<冥刀>みたくはできない。
(㈩*㈩)<腕は達しているけど、素材の問題で不可能。
(㈩*㈩)<それでも――大きさ、重さ、重心は再現して、
(㈩*㈩)<節の長短制御は引鉄でどうにかした。
(㈩*㈩)<……その分、かなり玄人向けの武器になったけど。
(㈩*㈩)<オウカは普通に扱える。というかコレ装備時が一番強いかも。
(#ー#)<そういえば、前は佩刀してたけど使わなかったな。何で?
(㈩*㈩)<自動修復機能やオートメンテナンス機能があるけど、
(㈩*㈩)<よく使う他の武器より、機構が複雑で簡単に修理出来ないから。
(#ー#)<……出し惜しみか。
(㈩*㈩)<そうとも言う。
(#ー#)<そうとしか言わねえ。
(・▽・)<ヴィーの作品の特殊な一品物は、彼女以外メンテナンスや修理不可能って事多いんですよね。
(・▽・)<私のアレもそうですし。
******
そうして、本格的な練習が始まる。
大会までの期間は授業が少なくなり、その分練習時間を取れるようになる。
とは言え、選手以外は、「授業が減ってラッキー、さあ遊ぼう!」という訳にはいかない。選手のサポートがあるうえ、それをしない人の場合、山のように課題が出る。≪天ノ角高校≫一丸となって頑張ろうと言う訳である。
そういう訳で、オウカはチームメイトと練習に励む事になった。
広い空間の中央に集まる五人。その音頭を取る事になったのは――彼である。
「さて、集まって貰った所でまずは自己紹介といこう。知らない面々もいるだろうからね」
一人目。白髪にサングラスの男。
この高校で一番有名な人。
「まずは私から。皆もご存じ、三年のカミキ=シンノスケだ。生徒会長をやっている」
知らない奴は多分不登校の生徒ぐらいだろう。
「“二ツ神”の通り名を持っている」
この通り名、本人もまあまあ気に入っているらしい。
「《レッドクロス〔ライト〕》と《ヘーゼルクロス〔マンティス〕》の<
万能な光を操る事で、攻撃、防御、移動、回復、補助まで可能。そこにカマキリのチカラにより、身体能力を引き上げ、飛行能力まで手に入れた。
「宜しく頼む」
二人目。着物、袴、ブーツ、リボン、ドラゴンが特徴の女。
次に話し始めたのは、彼女である。
「三年生のハナヤマ=ベニバナですわ。生徒会の副会長をやっていますわ」
この人もかなり有名である。服装が滅茶苦茶浮いているので。
「好きな物は――ドラゴンと和ですわ!」
見れば分かる。話しても分かる。
「《グリーンクロス〔ドラゴン(東洋龍)〕》の<クルセイダー>と、竜のチカラを宿した<シャーマン>ですわ」
近接主体かと思いきや、中距離・遠距離の攻撃手段もあり、搦め手も持つ万能な<プレイヤー>である。
「宜しくですわ!」
三人目。短くもなく長くもない茶髪をして、少しだけ着崩して制服を着ている男。
手をひらひらさせて喋り始める。
「三年のスドウ=リョウだ。風紀委員長をしている」
オウカとも面識がある。
「“器用貧乏”とか、“ザ・平均点”って呼ばれてるな」
実はもう一つ“貧乏くじ”という通り名まで持っている(笑)。本人は嫌っているが。
「<プレイヤー>としての分類は<ファントム>で、色々こなせる」
彼は一点特化には劣るが、武器により戦闘から、魔法による属性攻撃、回復、補助までこなせる万能型。だからこその器用貧乏。因みに筆記テストも全教科平均点を取る。
「まあ宜しく」
四人目。金髪金眼の少女。セーラー服を着こなしている。
礼儀正しく話し始める。
「二年生のクドウ=カナタです」
出場については家から許可は貰ってる。去年も新人戦に出場し、優秀な成績を収めたからこそ選ばれた。
「趣味はレトロゲームですね。色々やってます」
VRゲームよりコントローラーを使うゲームが好きなのである。因みに最近はシュティーングゲームをよくやる。
「色々な刀と、様々な呪符を使って戦う<ノーブル>です。<クラフター>としても動けます」
彼女もかなり万能なタイプである。しかもまだ成長を続けている。
「胸を借りるつもりで頑張ります。宜しくお願いします」
五人目。灰色の長い髪の毛をした、小柄で中性的な少年。
全員が年上なので、丁寧に話す
「どうも。一年、サクヅキ=オウカ、ただの魔王です」
五指から糸を出して続ける。
「制限付きの<デュナミスト>です」
手札は多いが、制限も多い。
「宜しくお願いします」
こうして自己紹介は終わった。
集められた五人を見渡す櫛形態のマユ。まず始めに思った事は。
(全員が万能型。どんな相手や、状況にも対応出来る)
万能型。
どんな相手や、状況でも対応できるため有効ではある。ただし、場合によっては格下や、一点特化、相性最悪には負けてしまう事がある。
だが、この五人は地力によって、大抵の相手はどうにかなる。
(まあ、問題は別の事だけど)
マユがそう思っていると、簡易的な自己紹介が終わった。
次はどうするのかと、スドウがカミキに訊ねる。
「カミキ」
「うん?」
「これからどうすんだ?」
その言葉に顎に手をやり考え、何か思いついたような顔をする。
「よし!」
「練習か? 連携か?」
「質問タイムにしよう!」
「「は!?」」
「「……」」
カミキの意外な提案に、ポカンとした顔になるのはスドウとベニバナ。予想していたのか、想定の範囲内だったのか、オウカとカナタはすまし顔。
少しして、どうにか起動したスドウが訊ねる。
「おいおい、どういうつもりだ? 勝つつもりないのか?」
「勿論あるとも」
「……自己紹介は十分じゃないですの?」
疑問を投げかけたベニバナにカミキは続ける。
「はっきり言おう。このままの状態でも『バトル×三』は優勝を狙えるよ」
「「は!?」」
「「……」」
驚きとすまし顔にわかれる。誰がどういう反応かは同じ。
「全員が、様々な相手や、状況に対応できる万能型」
一瞬だけ、サングラス越しの瞳がオウカとカナタを捉える。
「しかも実戦経験がある者も多いし、手札を増やしている者もいるだろう?」
今度は、その瞳がスドウとベニバナを捉える。
「だからこそ――余程のイレギュラーでもおこらない限り大丈夫だ」
一拍置いて、瞳はオウカだけを捉える。
「そして、その余程のイレギュラーもある程度なら大丈夫だ」
そんなカミキの言葉に、スドウとベニバナは一応納得する。
「だから質問タイムってか?」
「ああ」
「仲良くするためって事ですわ?」
「その通り」
二人の疑問に答え、カミキは捕捉する。
「イレギュラー以外の懸念があってね、それの防止も兼ねている」
「それは何でしょう?」
黙って聞いていたカナタが口を開いた。
それにカミキは回答する。
「人には超えてはならない、触れてはならない領分、一線、逆鱗がある」
「そうですね」
黙って聞いていたオウカも口を開いた。
「ああ。チームメイトがそれに触れて、身内で争っては悲しすぎる」
[悲しいで済まない可能性がある]
[其通]
念話でそういうマユとネラ。
この二人はオウカの激しさを知っているからこその言葉。
「だからこその質問タイムだ。納得してくれたね?」
全員が頷いたのを確認してカミキは微笑む。
「では、お茶とお菓子でも食べながら始めよう」
そう言ってカミキは準備を始めた。
そんな様子を見てスドウが呟く。
「いいのか? これで?」
他の生徒達は練習をしているのに、自分達だけこんな事をしていていいのだろうかと首を捻る。
そんな彼にオウカが答える。
「いいんじゃないですか」
「でもなあ。う~ん、何だかな~」
根が真面目なスドウは納得できないらしい。
そんな彼にオウカは言葉を続ける。
「間違ってはいませんし」
「まあな」
どうにか折り合いをつけたスドウ。
そうして質問タイムが始まる。
「では誰から」
カミキの声掛けに手を上げたのは、
「はいはいですわ!」
ベニバナだった。
「はいハナヤマさん」
「前から気になってましたの。オウカ!」
「俺ェ?」
いきなり振られるとは思っていなかったのか、驚く彼に構わずベニバナは続ける。
「クドウさんとはどういう関係ですの?」
「わ、私!?」
こっちも振られるとは思っていなかったのか困惑するカナタ。
「関係って言われても、友達……だよな」
「う、うん、そうだけど……」
「恋人同士ではないですの?」
畳みかけて来たベニバナ。
それにオウカは即答。
「違う」
「では恋人がいた事は?」
更に畳みかけて来たベニバナ。
その質問には他の面々も、気になるらしく身を乗り出して来た。
「それ気になるわ」
「俺も」
「自分も」
そんな彼らにオウカは冷静に答える。
「いないよ」
「……本当ですの?」
「うん。まあ同性の友人は少なかったけど」
その言葉に反応したのは、カナタ。
「そうなの!? じゃあ前に言っていた鍛冶師さんとか、お医者さんは……」
「両方女性」
因みに前者は美人、後者は可愛い系。
「何か同性と縁が少ないんだよね……」
一部の人が聞いたら、キレそうな事を平然と言うオウカ。
そんな彼に相棒二人は話し合う。
[言われてみれば確かに]
[本当?]
[うん]
オウカの旅路を知っているマユが思い返してみると、確かに女性ばっかり。
そんなオウカに今度はスドウが訊ねる。
「じゃあよお、ちょっと下世話な事聞くけどいいか?」
「質問によります。ええと、全部答えなきゃならないって訳じゃないですよね?」
オウカの疑問にカミキが答える。
「ああ。流石に暗証番号とかは不味い」
「「当たり前だ!?」」
「冗談だ」
((冗談に聞こえない……))
カミキ以外の全員の心の声が一致する。
どうにか話を変えようと、スドウがオウカに訊ねた。
「お前は、女性経験あるの?」
「「!?」」
その言葉に女性陣の顔が赤くなる。
一方、冷静なのは会長。
「ふむ」
気になったのか止めようともしない。
そんな彼らにオウカは溜息を吐いて続ける。
「あるにはあります」
「「!!??」」
「誰と?」
質問を重ねたのはカミキ。
それにオウカは半眼になりながら答える。
とは言え経験者全員を言う訳にはいかないので。
「友達の一人。レズで百合で同性愛者の男嫌いです」
一人目を言う事にした。
「「何その人!?」」
「……お前、男だよな?」
「ええ」
よく女の子には間違えられるがオウカは男である。
「何でそんな奴と?」
「色々あったんですよ」
そういうオウカ。
彼の右手は自身の脇腹をさすっていた。
このままだと気になる事への質問タイムが、オウカへの質問タイムだけで終わりそうなので、オウカは話題を変える事にする。
「俺だけじゃなくて、他の人にも質問お願いします」
「確かに」
納得してくれたのかカミキが、方向性を変える。
「さて、サクヅキ君への質問は十分だろう。他の質問h」
「「まだ気になる事沢山あります!」」
女性陣の言葉がハモる。何も言わないがスドウも頷いている。
「……確かに」
「会長!?」
会長も頷いたので、また同じ方向に戻りかけたが、
「……冗談だ。とりあえず他の人への質問タイムだ」
どうにか他の質問タイムになってくれた。
[良かった……]
[言いずらい事あるものね]
[有過]
[まあな]
念話でマユやネラと話しながらも、質問タイムは続いてく。
因みに質問と回答はこんな感じである。
「前々から気になっていたのですの」
「何をだい?」
「会長はどうして《クロス》を二つ持つ事にしたのですわ?」
「持つ気はなかったんだ。最初のチカラが大当たりだったからね」
最初の《レッドクロス〔ライト〕》は本当に便利であり、様々な用途に使えたのでその選択は間違えではない。
「だが、相性最悪の<モンスター>と交戦する事になってしまってね」
「相性最悪? 光無効とか?」
「光吸収だ」
「「うっわ」」
そのせいで追い詰められた時に、イチかバチかで投与した結果……
「まあ当たりを引けた訳だ」
カミキの右手がカマキリの鎌に変わる。このチカラでその<モンスター>の討伐に成功したとの事。
カミキだけではなく、他の人にも質問は飛ぶ。
「スドウ先輩って、どうして今の戦闘スタイルにしたんですか?」
「ん? 俺はどんな事でも、習得は速いんだが、満点を取れないんだ」
「だから、広く浅く極めようと?」
「まあな」
「そうでしたか……」
「?」
彼の回答にオウカはシンパシーを感じた。とは言え何か言うのは野暮なので、何も言わなかったが。
「ハナヤマ先輩ってどうして和が好きなのですか?」
「……そういえば、何故ですわ?」
「私に聞かれても……」
「でも、ドラゴンが好きになったきっかけは覚えてますわ」
「あ、そうなのですね」
このように答えられない場合もあった。
そして、色々な人に質問が飛んで、最後の締めになったのは。
「そういえばクドウ」
「何でしょう? スドウ先輩」
「さっきはサクヅキにばっかり質問飛んだから、お前に聞くんだけど」
「な、何を……」
「お前はアイツの事、どう思っているの?」
実は、オウカに毎日お弁当を作って来たり、一緒にお昼食べる姿を目撃されている。だからこそ、付き合っているのではないのか、とか噂されている。
それにカナタは少しだけ顔を赤くしてから答える。
「大切な友達です」
「本当に?」
「……今は」
小声でそれだけ言うと、彼女は何も言わなくなってしまった。
そのタイミングでカミキが手を叩く。
「ふむ、ではお開きとしよう。明日からは本格的に行くぞ」
結局この日は話だけで終わった。
【コソコソ話】
(・▽・)<ネタバレですけど、あのレズとサクの出会いは単純。
(・▽・)<アイツが彼を女の子だと思ってナンパした。
(#ー#)<……男嫌いなら、男って見破れなかったの?
(・▽・)<その時、事情があって女装していたんで、バレませんでした。
(・▽・)<でも、バレて……まあゴタゴタ。
(㈩*㈩)<アレをゴタゴタで済ます?
(・▽・)<詳しくは言えないので。
(・▽・)<でも、その後はちゃんと仲直り。そして、まあ色々あってそうなった。
(#ー#)<何か説明スッカスカだな。