(・▽・)<サクはあの百合の教訓から、隠し事はしないようにしています。
(・▽・)<変なタイミングでバレると大惨事になりますから。
(#ー#)<実感籠っているな。
【TIPS:変形機能】
(#ー#)<前回言っていた変形ってどれくらい可能なんだ?
(㈩*㈩)<一般的なので、サイズ調整、納刀時アクセサリー化、刃潰し位。
(#ー#)<そういえば、俺が使ってたのも腕輪になってたし、
(#ー#)<巨大化したら、サイズ合わせてくれたな。
(㈩*㈩)<そして、凄いのだと、刀身が伸びたり、種類すら変わる。
(#ー#)<そういうのってそれ自体が能力なんじゃねえの?
(㈩*㈩)<そうとも言う。
(#ー#)<そうとしか言わねえ。
(・▽・)<因みに、変形機能がまったく無いのもあります。
(・▽・)<ジンナさんの場合、認めた結果色々機能解放された感じです。
******
その日の空き教室では、二人の人物がティータイムを楽しんでいた。
「はい。どうぞ」
「どうもですわ」
相も変わらずメイド姿のオウカが紅茶を淹れ、それを飲むベニバナ。
「お菓子もどうぞ」
「ありがとうですわ」
彼女は差し出されたチョコチップクッキーを齧る。
暫くそうしてお茶を楽しんでいたが。
「って違いますわー!?」
ベニバナが噴火する。
そんな彼女にオウカは冷静に発言する。
「ビークール、ビークール」
「落ち着いていられますか!?」
「どうどうどうどう」
「
怒り出すベニバナ。だが、オウカの指摘ももっともだと思ったのか、深呼吸を繰り返して何とか落ち付く。
「どうしてお茶をしているんですの!」
実はベニバナはオウカに助言と修行を頼んでいた。自分一人では強化の道筋が見えなかったからである。
そんな彼女にオウカは告げる。
「今はこれが必要だから」
「え」
「焦るな。心にゆとりが大事なんだ」
その言葉を理解はするが、納得できないベニバナ。
「ですが時間は有限ですわ。それにこのままだと……」
そんな彼女にオウカは息を吐いてから続けた。
「じゃあやりましょう」
「え」
そう言って真っ直ぐにベニバナを見据えるオウカ。そして、彼女に告げる。
「今からやるのはちょっと荒技です」
「な、何をしますの?」
「言うなれば――補助輪を付けます」
「?」
首を捻るベニバナに、オウカは人差し指から赤い糸を出して続ける。
「この糸は<冥刀>である【クリドゥノ・アイディン】です」
正確には
「この糸には情報が詰まってます。数多の<冥刀>について」
<冥刀>を解析し再現する。それがこの赤い糸のチカラ。それは能力だけでなく、使い手の経験や技量まで再現可能。
「それに何の関係g……まさか」
ベニバナは馬鹿でない。だからこそ気づいた。それは――
「ええその通り。〈心牙〉に至った人の記憶があります」
<冥刀>は一つとして同じ能力はない。……似たようなのはあるが、全く同一は存在しない。その中にオーラを操作するモノも存在する。
そして、その使い手の中には〈心牙〉に至った人がいる。
「本来は俺が使うのですけど、他の人に使わせる事も出来る」
「で、では……」
「この糸を補助輪にして、ベニバナに〈心牙〉を使わせる」
「!」
これは補助輪付きで自転車に走らせるようなモノ。だが、〈心牙〉は深奥。自転車程度の負担ではない。
「でも、かなり反動が来ます。死にはしないと思いますけど。多分」
自信なさそうなオウカ。それでも問いかける。
「どうs」
「やりますわ。やってください」
即答だった。
それにオウカは笑う。
「わかりました。では」
「はい」
そして、赤い糸がベニバナに巻き付いた。
すると、彼女の意志とは裏腹に、オーラが立ち昇る。有色透明のオーラの色が濃くなって、ベニバナを覆い隠す。それと同時。
「ぐうぅ」
ベニバナの口から押し殺したような悲鳴が上がる。そのまま椅子から転がり落ちて悶え苦しむ。それは暫く続いた。
そして、暫く後。
「はあ、はあ」
ベニバナは床に倒れ込んで荒い息を吐いていた。ペン一本持てない程の疲労をしてる。
そんな彼女をオウカはお姫様抱っこで持ち上げる。
「保健室に連れてきます」
「……ありがとうですわ」
そうしてオウカはベニバナを保健室に送った。
******
オウカはベニバナを保健室に送り届け、その足で誰もいない所へ向かう。
そして、相棒に頼む
[マユ。頼む]
[わかった]
マユが櫛から人になり、亜空間の入口を展開。そのままそこにオウカとマユは消える。
中に入った瞬間。
「うぅ」
膝を付き、座り込む。
「はあ、はあ……」
息は荒く、脂汗を流している。しかも、よく見るとあちらこちらから流血までしている。着ているのがメイド服なので目立たないが。
そんな彼の背中を擦るマユ。
そこへ、懐に潜んでいたネラが出てきて、マユに聞く。
「何起?
「反動。そもそもコピーが無制限で使えると思うの?」
「!?」
強力なモノをコピーした場合、それ相応の反動がある。
しかも、今回はその中でも反動が強いモノなうえ、他者に使わせるという荒技を使ったのだ。
勿論、ベニバナにも反動はあるが、オウカの反動はそれ以上。しかも彼は、彼女の反動をある程度肩代わりして引き受けていた。
だからこそ、こうなっていた。
「
「……ああ。どう……にかな」
「大嘘」
そう言うと、ネラは蟻形態から人形態になる。彼女の場合、そうすると裸になってしまうので、胸と臍の下を手で隠す。
「何をする気?」
マユの疑問に答えず、ネラはそのまま、機械アリを大量に展開。
「〈感覚共有〉」
その言葉と同時、機械アリ達が崩れ落ちる。するとオウカから痛みが引いていく。
それに驚き、裸から目を背けながら、オウカはネラに問いかける。
「お前何した?」
「
【アスカトル】のチカラは機械アリの生成と操作。
それを使う事で、偵察や戦闘をおこなう。特に偵察の場合、感覚を共有しておこなう事が可能。
今回はそれを応用して、オウカの痛みと反動を引き受けたのだ。
だが、これはネラも無傷では済まず。
「コフッ!」
血を吐くネラ。そのまま座り込み、片手で口を押さえる。
「大丈夫か?」
「平気」
見た所外傷はなさそうだが、少し辛そうなネラ。
オウカはどうにか彼女に近づき、背後に座る。
「背中合わせなら少し楽になる」
「礼言」
「こっちのセリフだ。サンキュー相棒」
そのまま二人は、仲良く寄りかかり合う。
そんな二人を見たマユは少し離れる。邪魔はしなかったが、少しだけ嫉妬している顔をしていた。
暫くしてどうにかオウカは動ける位に回復。
改めて礼を言う。
「ありがとうネラ」
「礼及」
そう言ってネラは機械アリに戻る。そして、オウカの懐に入った。
それを確認してオウカは立ち上がる。
「さて次は何処h」
「今日はもう帰った方がいい」
マユがオウカにそう言った。
「痛みはある程度マシになっただろうけど、怠さはあるでしょう?」
「……」
オウカは黙り込む。
沈黙の肯定だった。
「だから今日は休んで」
その言葉と視線にオウカは。
「わかったよ」
頷いた。それにマユは安心したような笑みを浮かべた。
そういう訳で、カミキに正直に事情を話す事で、許可を貰って、帰る事にした。
下校のために出口に向かうそのタイミングで、ばったりとある人物に遭遇する。
「ああオウカ。さっきぶりですわ」
それはベニバナだった。手には荷物がある。
「もしかしてベニバナも帰る所?」
「そうですわ。どうにか歩く事は出来ますけど、倦怠感がありますので」
そう言って軽く笑う。そして、オウカの手にある荷物を見て、彼女は察する。
「オウカも帰るんですの?」
「ああ」
「もしかして……」
ベニバナは馬鹿ではない。だから察した。他者に無理矢理使わせるのは、自分にも反動があるのではないのかと。
だが、その事を言わなかったオウカを見て。
(言うのは野暮ですわね)
黙って置く事にした。
なので、代わりにある言葉を掛ける事にする。
「オウカ」
「ん?」
「一緒に帰ろうですわ」
その誘いにオウカは答える。
「いいけど、俺んち近いよ」
「途中まででいいですわ」
「それならいいか」
そういう訳で二人で下校する。
「オウカ」
「ん」
道中の話題はと言えば、やはり奥義について。
「おかげで掴めましたですわ」
「そうなの?」
「はいですわ」
そう言って彼女は保健室で、自身の中にいる
▼▽▼
保健室のベッドで眠りについたベニバナ。
すると。
「……起きろ」
その声で目覚める。気づけば、目の前には彼女の内にいる西洋竜――グラドが目の前に滞空していた。
「おやグラド。おはようですわ」
周囲は真っ暗ではあるが、ベニバナとグラドの姿はよく見える。
人間は知らない所にいれば戸惑うものだが、彼女はここがどこか知っていた。
夢の中の世界であり、彼女は招かれた事がある。
因みに、自我の強い<冥刀>でもこういう事例が確認されている。
「一体どうしましたの?」
「さっきのアレで掴めたぞ」
「……!」
何をと聞こうとしたが、すぐに察する。
「〈爪技〉と〈心牙〉ですわね!」
「その通り」
頷くグラド。
「オウカには感謝しかありませんわね」
そう言うベニバナにグラドも頷く。少し不承不承そうだが。
「ただし、問題がある」
「問題? ですの?」
そして、グラドは説明を始める。
それを聞いて、ベニバナは納得する。
「なるほどですわ。使い所を見極めなければなりませんわね」
そういう彼女にグラドは更に捕捉する。
「そして、もう一つ」
「何ですの?」
「どちらもまだ完全に制御が出来ないだろうからな。修練が必要だ」
「望むところですわ」
その言葉を聞いたグラドの口が少し歪む。ニヤリと笑ったようにベニバナは感じる。
「さあ、もう休め。負担が大きいからな」
「突然始まり、突然終わるですわ!?」
そして、意識を失ったベニバナだった。
◇◆◇◆
「そういう訳で使えそうですわ」
「なるほど」
ベニバナの説明に、納得したオウカ。
「じゃあ後は、慣れればどうにかって事か?」
「ですわ」
やはり彼女には才能があったらしい。
そんな事をオウカが思っていると、ベニバナが改めて声を掛けて来た。
「オウカ」
「ん?」
「改めて御礼を」
一拍置くと、頭を下げた。
「まだ
「もしかして伸び悩んでいた?」
オウカの問いかけ。それにベニバナは苦笑いする。
「チカラを手に入れた当初は、成長している感じがしましたわ」
<シャーマン>としても、<クルセイダー>としても。
後者は特に問題なかったが、前者の方は、最初は協力してくれないどころか、乗っ取ろうとしてきた。だが、説得を重ね、どうにか協力してくれるようなってからは、こちらも成長していった。
ところが、ある時を境に成長が遅くなっていき、遂には止まってしまった。
「本当にありがとうですわ、オウカ」
「どういたしまして、ベニバナ」
そんな感じで話していると、大きな家が見えて来た。
「あそこが
「そうか。じゃあここまでだな。また明日」
そう言ってオウカは踵を返して帰ろうとする。
そんなオウカの後ろ姿を見て、ベニバナはある事を思い出す。
(あれ? 確かオウカの家って学校の近くって言ってましたよね?)
因みにベニバナの家があるのは、徒歩三十分程の場所。
つまり通り過ぎている。なので聞いてみる。
「……というかオウカの家の家通り過ぎてません?」
「通り過ぎているな」
「何でですわ!?」
ツッコミを入れたベニバナに、さも当然のようにオウカは答える。
「女の子一人で帰らせるわけねえだろう」
「オウカ……」
彼の気づかいに感動したベニバナ。
なので。彼女はこう提案する。
「ねえオウカ」
「うん?」
「家に寄って行きません事?」
「ほえ?」
そういう訳でオウカは、ベニバナの家にお邪魔する事になった。
そして。
「ベニが友達を連れて来るなんて初めてだ! さあ沢山食べてくれ」
「……どうも」
テンションの高いベニバナの父親に勧められるまま、夕食を頂く。
「母様は料理が上手なんですわ」
「煽てても何も出ないわよ」
メニューはベニバナの母親が作ったビーフシチュー。具沢山で結構美味しい。しかも付け合わせのパンまで手作り。
沢山食べて、お土産まで頂いてからオウカは、華山家に見送られて帰宅した。
因みに、ちゃんとカミングアウトしておくオウカ。
「一応言っておきますけど、俺男ですからね」
「え!?」
「あらあらまあまあ」
父親は驚いていたが、母親は冷静だった。そして
「似合うわね」
「どうも」
褒めてくれた。
【後書】
(㈩*㈩)<【アスカトル】のエグイ荒技はこの感覚共有の応用。
(㈩*㈩)<機械アリの感覚を相手に共有させる。
(#ー#)<それがどうえげつないんだ?
(㈩*㈩)<考えてみて。小さな機械アリを痛め付けて、その痛みを共有するんだよ?
(#ー#)<うわ……。
(・▽・)<(何か参考になりそうですね。メモメモ)……。