冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【前書】
(㈩*㈩)<前回の解説からちょっと派生して解説する。

(・▽・)(#ー#)<?

(㈩*㈩)<納刀形態について。

(#ー#)<腕輪になったり、コンパクトになるだけじゃねえの?

(・▽・)<私の【ルンペル】何かは融合しているので、そういうのないですし。

(㈩*㈩)<それ以外の場合もある。まず普通に鞘に納める。

(㈩*㈩)<そして、体内に収納。後、亜空間に収納がある。

(㈩*㈩)<一般的なのは、こんな感じ。

(#ー#)<体内ってどういう事なんだ?

(㈩*㈩)<使い手を鞘にするパターン。まあコレは信頼関係がないとならない。



四十五

 ******

 

 

 次の日。

 オウカはいつもより遅い時間に目を覚ます。

 ベッドの上で首や腕を回し、体の調子を確かめる。

 

(不味いな……。調子が戻らない)

 

 実は、昨日ベニバナの家から帰って、明日の支度して、入浴してすぐに寝てしまったのだが、それでも体がまだ怠い。

 そんなオウカに人形態のマユが告げる。

 

「今日は休めば?」

 

 手には御粥が入った鍋と、付け合わせの様々なおかず。

 どうやら予想して作っていたらしい。

 

 そこへ更に蟻形態のネラも言葉を掛ける。

 

「同感、今日、休暇」

 

 二人から言われ、オウカは迷う。

 

「う~ん……」

 

 昨日よりだいぶマシにはなっているので、戦おうとすれば戦ったりは可能。

 だが、このままこれは続くと不味い。

 

「そうだな。今日は休むか」

「うん」

「了解」

 

 そういう訳で、今日はベッドの上でおとなしくしている事にする。

 オウカは、マユが作ってくれた御粥を食べて、学校の教師や友人に今日は休むと伝え、ベッドに潜り込んだ。

 

 

 ******

 

 

「ふにゅう……」

 

 オウカの意識が覚醒。どうやら寝てしまったらしい。

 時計を確認すると、時刻は午後四時。

 

「よく寝たぁ~」

 

 伸びをするオウカ。そして、ベッドから立ち上がる。

 

「大丈夫なの?」

「平気?」

 

 それに気づいた相棒二人が聞いてくる。因みに二人共何かしら作業をしている。

 

「うん。朝よりはマシ」

 

 そう言いながら、ストレッチする。

 

「しっかし、ここまで反動は来るとはな……」

 

 その呟きにマユが答える。

 

「当たり前。そもそも、反動がかなり強いモノを使ったでしょう?」

 

 オウカがストックから引っ張りだした【ノートゥング】。

 オーラの発生・操作という単純な能力であり、実は普通に使う分にはそこまででもないのだが、昨日使ったのはその最終奥義。しかも他者に使わせたうえ、その反動すら引き受けたのだ。ネラが反動を引き受けなければ、もっと重傷する危険性もあった。

 

「そういえば、ディアンもこれ使った後、怠そうにしていたな」

 

 ふと思い出す。

 というか彼女の<冥刀>は、色々コピー可能なのだが。その分反動が来るモノも幾らかあった。

 

「色々注意しないとな」

 

 ディアンがいたら怒られる。

 そんな事を思ったオウカに相棒二人はこう言った。

 

「無茶を見守る身にもなって」

「身体、資本」

 

 その言葉にオウカは。

 

「反省します」

 

 それだけ言った。

 

 そんな感じで三人が話していると。

 

「ん……」

「……あ」

「気配」

 

 三人ほぼ同時に感じ取った。人がやってくる気配がする。

 なので、ネラが偵察用の機械アリを向かわせると、そこにいたのは。

 

「千客、万来」

 

 カナタ、ジンナ、ベニバナ、ランコ、リアだった。

 この面々はマユとネラの存在を知っていたり、知らなかったりする。なので。

 

「マユ、ネラ」

「わかった」

「承知」

 

 マユが櫛に、ネラが機械アリになる。そのタイミングで、来客を知らせる音が鳴る。

 

「はいはい」

 

 扉を開けると、そこには五人の少女達。

 最初に口を開いたのはカナタ。その手には果物盛り合わせが入った籠。

 

「お見舞いに来たわよ。はい」

「どうもありがと」

 

 盛り合わせを受け取るオウカ。

 そんな彼にジンナが口を開く。

 

「サク君、休む事なかったから心配したんだよ? 大丈夫?」

「うん。寝てたらマシになった。明日には学校行くから」

 

 そう言って笑うオウカだったが、リアとランコがこう言う。

 

「顔色少し悪いですよ? ご無理はなさらないでください」

「いつも人に無茶するなと言っているんだから、自分もするな」

 

 ランコの言葉には苦笑いするしかないオウカ。

 そんな彼にベニバナが心配そうに訊ねる。

 

「オウカ。本当に大丈夫ですか?」

「平気」

 

 短く告げる。そんな彼にベニバナは続ける。

 

「オウカ。やはり(わてくし)のせいで」

「違う」

 

 即答するオウカ。

 

「鍛えたりなかっただけ。もう何も言うな」

 

 そう言って笑うオウカ。

 そこまで言われては仕方ないと、ベニバナは。

 

「わかりましたわ」

 

 そう言った。

 そして、五人にオウカは問いかける。

 

「それで? 上がってく? 狭いけど」

「今日は帰らせて貰うわ」

「元気になった時に改めてお邪魔するよ」

 

 そういう訳で五人は帰った。

 帰り際に、ベニバナがオウカにある事を伝える。

 

「そういえば、会長が話したい事があるから、寄るとの事ですわ」

「……マジでか」

「マジですわ」

 

 流石に驚くオウカ。

 そして、五人が帰って一時間後。

 

「やあ。この様子だと大会前には治りそうだね」

 

 カミキが訊ねて来た。

 

「明日には行きますよ」

「無理は禁物だ」

「皆そう言いますね。ところで用事って?」

 

 オウカの問いかけにカミキは少しだけ逡巡して答える。

 

「自分にも助言が欲しいと思ってね」

「へ?」

 

 変な声を出してしまったオウカ。

 そんな彼に構わず続ける。

 

「いや、君は交流のある人達には助言したりしているそうじゃないか」

「まあ……」

「自分も伸び悩んでいるからね。何かないかと思ってね」

 

 そういうカミキにオウカは沈黙してしまう。そのまま考える。

 

(そう言われてもな……)

 

 彼の戦闘方法は完成されている。これ以上何かと言われても困ってしまう。

 

(う~ん……。あ)

 

 その時、とある事を思い出す。

 なので。

 

「先輩」

「何だね?」

「先輩の……」

 

 そして、このオウカの質問により、カミキは更なるパワーアップを果たす事になる。

 

 

 ******

 

 

 一日休んだ次の日。

 オウカは宣言通り登校する。そして、授業を受け、対校戦に向けて動いていく。

 あちらこちらの手伝いをしたり、練習をしたり。

 

 そういう訳で今はカナタと斬り合っていた。

 

「オリャァァァ!」

「ハアアア!」

 

 オウカはロングナイフ一本、カナタは長脇差と小太刀の二刀流。

 どちらも凄まじく速く、音を置き去りにするかのような勢い。因みに、使っている場所は、小部屋ではなく、体育館のような場所であり、他にも人が結構いるので、自分の練習そっちのけで観戦している人も多い。

 とは言え、二人共怪我しないように、VFを展開している。ただ、それでも数値はゴリゴリ削れているが。

 

(やっぱり単純な斬り合いじゃ、私が不利ね)

 

 斬って、斬られてしながら、カナタは分析する。

 実は今の斬り合いは、カナタから頼んでやって貰っている。オウカも病み上がりでウォームアップをしたかったから引き受けた。

 条件は同じ。何かしらの強化はなし。そうなると、やはりオウカが有利。

 しかもカナタの方が武器の手数的にも、リーチ的にも、有利なはずなのに、押されていた。

 

(こういう場合、予想外を作るしかないわね……)

 

 だが、緩急を付ける、暗器を使う、目潰しをする位の搦め手では、オウカの牙城を突破出来ない。それは色々な武器を使い分けるスドウが証明している。

 

(師匠さんの教えらしいけど……)

 

 オウカ曰く、かなりの実戦形式で習ったらしく、そういう搦め手に対する対策も沢山習ったらしい。

 

(私も会って教えを請いたいわね)

 

 そんな事を思ってると。

 

「別の事考えるの厳禁」

「うぐ!?」

 

 オウカの蹴りが炸裂。カナタの右手から長脇差が吹き飛ぶ。

 その隙にオウカは距離を一気に潰し、空いた左手でカナタの首を掴む。

 

「ぐう……!?」

「派手に寝転がれー!」

 

 そのままカナタを片腕で床に叩きつける。

 

「くは!?」

 

 因みに、この投げ技上手くやれば相手を殺せるが、そこまではしない。

 衝撃で動けなくなったカナタの首に、オウカはナイフを突きつける。

 そのままの態勢でオウカは話す。

 

「カナタは色々考えて戦うタイプだよね?」

「え、ええ」

「考えるな、とは言わないけど戦闘を疎かにしちゃいけないよ」

「肝に銘じます」

 

 その時、ふとカナタに疑問が湧く。

 

「ねえサク君」

「うん?」

「考えて戦う以外のタイプがいるって事?」

 

 その問いにオウカは答える。

 

「うん。本能で戦うタイプだね」

 

 感覚や直感で戦うのが、当てはまる。

 格上さえも倒せる事もあるが、安定性が悪い。

 

「カナタは、考えて戦うタイプだね」

 

 こうされたら、ああすると理論立てて戦うのが、当てはまる。

 安定性が高く、隙も少ないが、爆発力は低い。

 

「ほぼ二つに分けられる」

 

 オウカの説明に、カナタはある疑問が湧く。

 

「ほぼ?」

「ほぼ」

「当てはまらないのがいるの?」

「いる」

 

 まずは状況に応じて使い分ける。どちらか片方を極めてないからこそできる。だが、その場合やそこまで強くはなれない。

 そして問題なのは、両方を合一させて使うタイプ。

 両方の長所を併せ持ち、両方の短所を潰している。

 

「でも、滅多にいない。俺が知る限りでも二人しかいない」

「難しいの?」

「そんなレベルじゃない」

 

 超高温と極低温を混ぜ合わせる。

 容器に爆発物を入れて、容器が壊れないように爆破し続ける。

 水の中で、火を付け、燃やし続ける。

 

「そういうレベルの事が必要」

「私には無理って事はわかった」

 

 納得するカナタだった。

 その時、見物人から声が掛かる。

 

「おーい、いつまでそうしてんだ?」

「「あ」」

 

 オウカはカナタに馬乗りになったままだった。

 

「悪い」

「大丈夫よ」

 

 すぐにどいたオウカに、顔を少しだけ赤くしたカナタだった。

 

 ******

 

 その日は休日。毎日のようにガンガン練習では、ガス欠になるので、ちゃんと休む日があり、その日は登校禁止になっている。

 そんな日に、オウカは自宅で悩んでいた。

 

「う~ん……」

 

 居間にあるお気に入りのビーズソファに寝っ転がるように座り、考える。

 そんな彼の様子に、マユとネラはコソコソ会話し合う。

 

先輩(マユ)

「何?」

主人(オウカ)、如何?」

「何か考えているみたい。そっとしておこう」

「了解。菓子、飲料、差入」

「それはいい」

 

 そういう訳で二人は、オウカの傍らに、チョコレート、ポテトチップ、酢昆布、コーヒー牛乳、緑茶を置き、邪魔にならないようにする。

 

 そして、オウカはと言えば。

 

(このままでいいのか?)

 

 ある事を考え悩んでいた。

 それは自身の戦闘スタイルについてだった。

 

 今のオウカの戦闘スタイルは、状況や気分により武器を使い分けて戦う。経験や技術も〈剣威模倣(ミメーシス)〉により補えている。だからこそ、超一流の戦闘者相手にも渡り合える。

 何かしらの術技や能力を使うモノには、これも〈剣威模倣(ミメーシス)〉を使えばどうにかなる。

 だが。

 

(足りないよな……)

 

 かつての仲間や強敵達、それらと今戦うとなると若干チカラ不足は否めない。

 ……まあ負けるとは言わないが。

 

「ふむ」

 

 堂々巡りになるので、気分転換しようと周りを見渡すと、マユとネラが用意してくれた、お菓子と飲み物が目に入る。

 

「ありがたい。頂きます」

 

 暫く無心で食べ勧める。

 

(甘い、しょっぱい、苦いが一緒にあってありがたい)

 

 そんな事を思ってると。

 

「うん? 使い分け? 一緒?」

 

 何かしらぼんやりと思い浮かぶ。

 そして、思い出したのはソルドアット。彼女の戦闘スタイル。だが、アレは彼女の【チャンドラハース】だからこそ出来る技。自分には同じようには出来ない。

 

「待てよ。ソルと同じには出来ない。でも似たようには出来る!」

 

 オウカは立ち上がる。

 そして、自分の考えを実行するための、行動に移る事にした。

 

 

 ******

 

 

 そして、次の日の練習時間。

 個室の練習場には二人の人物が向かい合っていた。

 オウカはその人物にお礼を言う。

 

「ありがとうございます。急な申し出を受けてくれて」

「いいさ。ボクも君に興味があったから」

 

 それはイブキ=イオリ。この高校の教師では純粋な戦闘力はトップ。

 

「それで? ボクは何をすればいいの?」

「試したい事があるので、本気で戦ってください」

 

 オウカの言葉を聞き、イオリは笑う。

 

「いいよ」

 

 そして、愛用のトンファーブレードを出し構え、抑えている圧を出す。彼が発する圧は凄まじく、常人なら動けなくなるだろう。

 それにオウカは好戦的に笑う。

 

「いいねいいね。そうこなくっちゃ!」

 

 そして、自分の新しい戦闘方法を試すために、エモノを出した。

 

 その後、個室が暫く使えなくなり、キョウコから大目玉を喰らった二人だった。




【後書】
(#ー#)<前話でタイプって出たけど、お前ってどっち?

(・▽・)<感覚ですね。因みに、大馬鹿と戦闘狂も。

(・▽・)<復讐者二人、百合女、ディアンは理論。

(#ー#)<ふうん。ところで、主人公(アイツ)は?

(・▽・)<どっちも。ほら、他者の経験と技術があるから。

(#ー#)<ほんとにチートだよな……。ん? 兼ね合わせの二人って?

(・▽・)<一人は冥土師匠。もう一人はまだ言及すらされていないとある人。
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