冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】
(・▽・)<作中、サクって自分の事を才能がないって言ってます。

(・▽・)<ですが、実際達人相手にも渡り合えてます。

(・▽・)<良い機会なんでその理由について解説します。

(㈩*㈩)<一応既出だけどね。


(・▽・)<一つ目が経験値が凄まじい。

(・▽・)<あの戦わなければ生き残れない世界で戦い抜きましたから。

(#ー#)<……戦っても生き残れない気がする。

(・▽・)<揚げ足取らない。

(#ー#)<はいはい。


(・▽・)<二つ目が、ディアンが遺した糸。

(・▽・)<【クリドゥノ・アイディン】のコピー能力は、

(・▽・)<相手の経験・技術まで模倣します。

(・▽・)<だからこそ、サクは強敵や難敵相手に戦えます。


(㈩*㈩)<サクの凄い所は、それらを自分に完全に沁み込ませている。

(㈩*㈩)<だから、今では多少の身体強化だけで大抵の敵は屠れる。

(#ー#)<オレ、勝ち目なかったんだ……。

(㈩*㈩)(・▽・)<今更何を言っている?

(#ー#)<ハモんな!?


51

 ■□■□

 

 

 そして、遂に試合開始となる。

 選手達は一チーム固まって、どこかに転移する。そこから攻撃や防衛に移る。

 攻撃の場合、単独か、団体で挑む。……場合によっては半々にする。

 ≪天ノ角高校≫の場合、選んだのは前者。しかも、(フラッグ)防衛の一人をその場に留まらせたまま、全員が散らばる。

 そして、他の高校はと言えば、一人を(フラッグ)の担当にして、残りが攻撃と防衛を担うチーム戦。そのため、単独と団体のどちらもある。

 

 そんな状況下、まず接敵したのは、カミキだった。

 敵は三人組の<プレイヤー>。剣士、術士、回復役のバランスの良いパーティ。

 

「よし、相手は一人! やっちまえ!」

 

 剣士の男が獲物を見つけたとばかり、襲い掛かろうとした。

 だが、次の瞬間、コマ落としのように、離れた場所にいたカミキが、術士の近くにいた。

 

「「な!?」」

「遅い」

「え」

 

 そのまま、蟷螂の鎌に変えてあった右手に、光を纏わせ威力を上げ、急所を狙う事で、一撃で術士を葬った(殺してはない)。

 そして、返す刃で回復担当を戦闘不能にする。

 あまりの速さに、剣士は呆然としていたが、どうにか起動。剣を振りかぶり、カミキに襲い掛かる。

 

「死ねやあああ!」

 

 それにカミキは光線を放つ事で対応。そのまま剣士はVF値を削り取られて、戦闘不能になった。

 

 十秒もしないうちに、勝利したカミキは息をフウと吐き、そのまま移動し始める。

 その時、彼が思い出していたのは、オウカに言われたある言葉だった。

 

『会長の《クロス》って何の種類のカマキリですか?』

『いや、知らないが。どれも同じじゃないのか?』

『そんな訳ないでしょう。それ、凄くもったいないですよ?』

 

 オウカに言わせれば、生物系の《クロス》は、種類が細かく決まっていない場合がある。大雑把な区分の場合、複数種のチカラが使えるとの事。

 

『例えば、クモの場合はこんな感じです?』

 

 糸で罠を張ったり、相手を拘束するだけでなく。投げ縄にしたり、滑空したり、空気袋を作っての水中活動まで可能。

 更に、タランチュラのパワーと、アシダカグモのスピードを利用した格闘などが出来る。

 

『先輩はカマキリですから、ハナカマキリの擬態とか、キノハダカマキリのスピードとかが使えるんじゃないですか? 一度色々調べると良いですよ』

『ああそうする』

 

 そういう訳で、カミキはカマキリについて色々調べた。そして、そのチカラを引き出せるようになったのだ。

 

「もっと早くやれば良かったな……」

 

 その呟きは、残念そうな声音だが、どこか嬉しそうな声でもあった。

 

 

 ******

 

 

 他の場所でも戦いは勃発していた。……流石にカミキみたく瞬殺は珍しい。これが『バトル×バトル×バトル』醍醐味である。因みに、観客に戦闘を見せるため、ステージのあちらこちらにカメラが仕掛けられており、ドローンもかなりの数が配備されている。

 

 そして、他の面々はと言えば。

 

「ここだな……」

 

 スドウが隠れながら、相手チームの(フラッグ)を探し、遂に見つけた。だが、当然の如く護衛がいる。しかも三人。

 

(三対一か……。人数的には不利だな)

 

 オウカから貰ったアレを使おうかと思ったが、流石に速い。

 

(地道にやりますかね)

 

 そして、彼が出したのは――狙撃用のボウガンだった。普段使いのに比べると大きい。それを護衛の一人に向け、バフを掛けて撃つ。

 

「ぐお!?」

 

 ヘッドショット! 一人脱落。

 

「クソ!? 狙撃か!」

「どこだ!?」

 

 残り二人が背中合わせになって、敵を探しにかかる。

 それに対してスドウは、ボウガンを仕舞い、そのまま敵に向かう。

 

「いた! アイツだ!」

「死ねぇー!」

 

 一人が火炎瓶を連続して投げつける。どうやら武器を使うタイプの<クルセイダー>のようだ。だが、そんな物はスドウに当たらない。器用に避けていく。しかもそれだけではなく。

 

「逆に利用させて貰う」

 

 投擲ナイフを投げ、火炎瓶を爆発させる。おかげで相手は自分の姿を認識できなくなる。

 

「糞!? どこだ!」

 

 スドウは叫んでる火炎瓶使いを片手用ボウガンで射貫く。気配でどこにいるかがわかるからこそできる芸当。

 そのままもう一人に近づく。

 

「あばよ」

「!?」

 

 一人の首にショートソードを斬り付け、戦闘不能にする。

 そして、丸裸になった(フラッグ)をスドウは破壊した。

 

 

 ******

 

 

 今までの敵は雑魚に思えるが、そんな訳はない。ただ相性が悪かったり、実力を発揮させる前に潰したからこそ、そう見えるだけ。

 そのため、強敵も存在する。

 

 ゴリラがメイス型のモーニングスターを振るう。それをベニバナはオーラを纏った拳で相殺。

 そのまま凄まじいぶつかり合いになる。

 

「オラアアア!」

「はああ!」

 

 ベニバナはある人物と渡り合っていた。それは他校の同学年の選手。<プレイヤー>の分類としては、<デュナミスト>と<クルセイダー>。

 このモーニングスターは<冥刀>であり、そのチカラは、赤熱化。炎熱と物理の双方ダメージが与えられるうえ、身体補正とバフも高い。

 それに加え、《クロス》でゴリラになるので凄まじいパワーを持っていた。これの合わせ技で、去年の『バトル×バトル×バトル』では十人近くの敵を葬った猛者。

 

 それにベニバナは、竜化でパワーを引き上げ、オーラで炎熱ダメージを防御して真正面から対応していた。因みに、練習期間中に、特定攻撃への対応や、オーラの燃費が改善しているからこそ、出来る芸当だった。

 

 戦う両者。心なしかどちらの表情は明るい。

 

(やっぱり同じタイプとのぶつかり合いは心が踊りますわ~)

(やっぱり、戦いはこうでなくっちゃあなあ!)

 

 だが、このままでは埒が明かない。なのでベニバナは提案する。勿論その間もぶつかり合いは続行している。

 

「提案ですわ。一旦共闘しません事?」

「あん?」

「スタイルが同じですので、長引きそうだからですわ」

 

 その提案に、ゴリラは頷く。

 

「いいぜ。乗った!」

「では一時の共闘を」

「おう」

 

 そして、二人はそのまま一撃をぶつけ合う……振りをして、背後から襲いかかろうとした襲撃者を屠り去る(死んでない)。

 

「では行きましょうか」

「おう」

 

 こうしてゴリラとドラゴンの共闘が始まった。

 

 

 ******

 

 

 そして、カナタは複数人を相手取っていた。悪い事に、敵は彼女が強敵だと判断して、共同戦線を張っていた。つまり多対一。

 

「本当に嫌になっちゃう……」

 

 そう言いながらも、カナタは互角に渡り合っていた。

 最近習得した式神を使い、ソレを呪符と共に飛ばし、攻撃と防御をおこなう。そして、自身は適宜武器を使い分けて戦う。

 そのおかげで、敵は残り半分。なのだが。

 

(やっぱり、消耗が激しいわね。このままだと持たない)

 

 実はメンバーの中で一番継戦能力が低いのが、カナタである。

 

(誰か助けに来てくれないかしら)

 

 そう思った

 まず最初に浮かんだのは、オウカの顔。

 

(サク君……は無理ね。今は動けないでしょうし)

 

 だが、すぐにそれを否定。なぜならそれは今は無理。

 なので、他のメンバーに心で良い賭ける。

 

(ベニバナ先輩、スドウ先輩、カミキ会t)

 

 最後まで言えなかった。

 陣を組んでいた敵の一角が崩れた。

 

「何g……ギャア!?」

「敵だ! 倒s」

 

 そのままドンドン減っていく敵の数。

 その隙をカナタは見逃さない。

 

「一気に行くわよ!」

 

 防御に割いていた式神と呪符を全て攻撃に回し、突貫させる。

 そうして、敵はあっという間に全滅する。

 

「ふう……」

 

 体力も気力も消耗したカナタ。座り込んだ彼女に近づく相手。それは。

 

「怪我無いかい?」

「カミキ会長……」

 

 カミキだった。《クロス》は発動中で、両腕がカマキリになっている。

 

「立てるかい?」

「大丈夫です」

 

 どうにか立ち上がるカナタ。元々アクセサリーとして自動回復や自然回復向上を付けているので、ある程度はすぐに回復する。

 

「そうか」

「そういえば、状況はどうなってます?」

「こちらは未だ脱落者ゼロ。戦力を着実に削っている」

 

 スドウは隠密性と器用さを活かして(フラッグ)を狙う。

 ベニバナは高いステータスを活かし、文字通り薙ぎ払う。

 

「ゼロって事はサク君は……」

「ああ。どうやらちゃんと守ってくれているらしい」

 

 実は、(フラッグ)の護衛はオウカがやっていた。

 彼が立候補したのだ。

 

 曰く。

 

『新しい戦法を試したいし、それに……。いやこれはまだ早い』

『『言えよ!?』』

 

 そういう訳であった。

 

「それで? どうします?」

「そうだな。敵も粗方減ったから、他の面々と合流しよう」

「そうですね」

 

 そういう訳で二人は他のメンバーを探し始めた。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 ほぼ同時刻。

 こちらも複数校が団結し、≪天ノ角高校≫の(フラッグ)を落としにかかっていた。

 偶然にも、<クルセイダー>と<デュナミスト>で、実体のある分身を出せる者がいたので、数は圧倒的有利。

 そのはずだったのだが、(フラッグ)を落とせない。

 

「うん。悪くない」

 

 たった一人の人間を突破出来ていなかった。

 それを守っているのはサクヅキ=オウカ。立った一人。

 彼の周囲には、親友(ヴィー)お手製の武器――ツヴァイハンダー、スレッジハンマー、ランス、ハルバード、メイスなどが幾つも地面に刺さっていた。

 それに加え、彼自身も武器を持っていた。右手に大槍、鉈、脇差、狩猟刀を、左手には大太刀、蛇腹剣、長ドスを纏めて握り、両足指にはロングナイフとドスを挟み、肩には大弓を背負っている。因みに、周りからは見えないが、あちらこちらに投擲用のナイフ、手裏剣、苦無、メリケンサックを仕込んでいる。

 

分身に武器を持たせ、けしかけている一人の選手が悪態を付く。

 

(なんだよ……アレ! ふざけてるとしか思えねえのに……)

 

 それも無理はない。

 一見この適当にしか思えない武器選び、構え、使い方。これが相手を苦しめていた。

 

 大槍で突き刺し、薙ぎ払う。大振りな武器なため隙は出来るのだが、その隙を脇差、狩猟刀、ロングナイフ、ドスを、口に咥え、脇や膝に挟み、それらで受け止める。無論攻撃は大槍だけでなく、大太刀や長ドスも手だけでなく、足指でも振るう。武器を至る所で振るうため、何をしてくるかが予想が出来ない。

 ならば中距離・遠距離から攻撃しようにも、蛇腹剣で中距離を薙ぎ払い、弓での射撃で遠方の敵を攻撃され、投擲ナイフや手裏剣が距離問わずに襲い掛かる。しかも時には、周りの武器を飛ばすは振るうはで手に負えない。

 そのせいで、もう敵勢は残り僅か。……多いように見えるが、実際ほとんどが分身なので、実質三人。

 

 一人がオウカに目がけ叫ぶ。

 

「化け物! この化け者!」

 

 それに対し、オウカは凄絶な笑みを向ける。

 

「ああ、そうだ。化け物だよ」

 

 そう言って、笑みを深くした。

 

「世の中には、屑や外道がいる。人を人とも思わず踏みにじる奴がさ」

 

 脇差、狩猟刀、ロングナイフ、ドスをジャグリングのようにする。

 それを隙と見て、分身をけしかけるが、少し離れた所にあった狼牙棒が、まるで引き寄せられたかのようにオウカの手に収まる。

 糸を使用して引き寄せたのである。実は周りにある武器達にもくっついている。

 

「そういう奴に地獄を見せるために、俺はあえて人を捨てたんだ」

 

 フルスイングされた狼牙棒。分身をまとめて薙ぎ払った。

 

「もう面倒だな。消えていいねぇ」

 

 そのまま狼牙棒が投げられた。

 その全力の投擲は。

 

「ゴアアア!?」

「ガバアアア!?」

 

 分身を作っていた<プレイヤー>を纏めて薙ぎ払った。その結果、ダメージ超過で脱落した。




【TIPS:生物系のクロス】
(#ー#)<比較的当たりと言われる部類で、特定の種類になる奴もいるが。

(#ー#)<大雑把な区分になる人もいる。

(#ー#)<そういう場合、上記のように複数種のチカラを引き出せるな。

(・▽・)<何かそれズルな気がします。

(#ー#)<言ってやんな。所詮ガチャだからな。それに……

(㈩*㈩)<それに?

(#ー#)<こういう引き出しは体力や気力を消耗する。

(#ー#)<だから、どっちが不利とかない。どれだけ使いこなせるかだ。

(㈩*㈩)<そういう考え何か好き。
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