(㈩*㈩)<元ネタはドマイナー。能力もひねくれてない。
(#ー#)<他の雷系とは何が違うんだ?
(㈩*㈩)<全部。更にほとんどのは雷の発生手段が一つか二つだけど、
(㈩*㈩)<これは、発電、変電、吸電、増電など色々出来る。
(㈩*㈩)<雷も比べ物にならないほど高圧。
(・▽・)<凄まじいんですね。
「さてどうしようか……」
ソルドアットは思考する。
火と電気は凌がれた。
このまま同じような攻撃では面白くない。
遊び心を求めるのが彼女である。
それに――
(剣ってのは近接でバチバチ戦りあうの武器だ。だったらそうしないと)
……剣を遠隔操作して戦う奴が何か言ってる。
そういう訳で彼女が引き抜いたのは緑の刀。
柄・鍔・刀身が緑色の大太刀。何より特徴的なのは六つの枝刃。言わば七支刀とでも言うべき物だった。
「オウカ! アレは?」
ベニバナの疑問にオウカは答える。
「【ジュワユーズ】。風の剣」
一方観客席ではマユの顔が苦い物になっていた。
「遂に出て来た……」
「何が?」
「変わり種」
「「?」」
マユの言葉に全員の頭上に疑問符が浮かぶ。
それは当然なので、マユは説明する。
「<天剣>はさっきも説明した通りの属性を司っているんだけど……」
「「けど?」」
「そのままのが少ない。どれも捻くれている」
今までの二本もまあそうだ。
火は核融合だし、電気は雷電や雷雲になっていた。
「そして、風の剣――【ジュワユーズ】は一際捻くれている」
「一体どうなるんだ……」
そういう訳で全員注目していると、遂に抜錨される。
「其の
抜錨された【ジュワユーズ】。
そしてソルドアットは祝詞を唱える。
「
その言葉と同時、ソルドアットは消えた。
「ッ!」
「へえ……」
反応したのは――ベニバナ。
次の瞬間、爪と刃がぶつかり合う。
そのままソルドアットは眼にも止まらぬ高速移動をしながら風を伴い攻撃。それをベニバナはオーラを集中させて防ぐ。
ベニバナは嫌な予感が過ったため、どこかの誰かのように出し惜しみせず、奥の手である〈心牙〉を発動。
彼女が手に入れたチカラは――シンプルな物。戦闘に必要なステータスを極限まで引き上げるだけ。
それのおかげで防げた。内心冷や汗をかいているベニバナ。
[使っていなかったら、防げませんでしたわ……]
[そうだな……来るぞ!]
ソルトアットは攻め方を変える。
「
速い攻めが、静かな攻めに変わる。
それを感覚を研ぎ澄ませる事で捌くベニバナ。
「やるねぇ」
「光栄ですわ」
「なら――侵掠すること火の如く」
刀身が炎上――否、大炎上。範囲は狭いものの、凄まじい火力。
「熱いですわ!」
ベニバナはオーラの防御を耐熱特化にする事で防ぐ。防げない分は回復でどうにか癒す。
「なら質量だ。動かざること山の如し」
突如頭上に影が差す。そこには巨大な山が迫っていた。
「風林火山ってそんなのじゃねえよ!?」
思わずスドウがツッコミを入れる。
一方、ベニバナは落ちて来る巨山に対し――
「突撃ですわ!」
[……脳筋]
相棒のツッコミにもめげず突撃した。〈心牙〉のステータス強化を攻撃に特化。そのまま山に激突!
結果は……
「
山をドラゴン打ち砕いた。そのまま地面に着地して咆哮した。
だが、ベニバナは、そのまま気絶した。
「凄い……。それしか言っていない」
嘆息しながら、次の剣を引き抜く。
それは漆黒の短剣。刃が三つあるので、三叉槍ならぬ、三叉剣とでも言うべきだろうか? 全てが艶が一切ない真っ黒な両刃剣。
それを見たスドウがボソリと漏らす。
「何だアレ……」
それに答えるオウカ。
「磁力の剣です」
「磁力……?」
それを聞き、スドウの顔が蒼白になる。
「おいサクヅキ。それは……どこまでだ?」
「思いつく限りです」
引力・斥力発生、磁性付与、金属操作が基本。更に、地球の磁界操作により、電力や重力まで操作可能。……まあソレ専門の<天剣>には劣るが。
そして、異世界で恐れられた――とある技が存在する。
「まあ流石にあそこまで無理かと」
「そうか。とりあえずアレは何とかする」
「すいません」
「謝んな」
それだけ言うと、スドウは駆け出す。
「すまねえ。チカラを貸してくれ……【ドレイク】」
その言葉と同時、スドウの背後に魔法陣が現れ、そこから何かが飛び出した。それは凄まじいスピードで飛行する。
それを見て感嘆するソルドアット。
「へえ。六徳の作品か」
そこにいたのは機械トンボ。銘は【ドレイク】。
オウカが学外実習で手に入れた、機体型の<冥刀>の一つ。
機会があり、オウカから選ぶように言われ、彼はコレを選んだ。
ソレに搭乗し、ソルドアットに迫る。
それに対し、彼女は抜錨。
「引き合い、離れ、また引き合う――《
その途端。高速飛翔していた機械トンボが突如墜落した。
出オチである。
その現象に観客席のマユが顰めっ面になる。
「使ったか、アイツ……」
「アレは一体何ですか?」
リアの疑問――恐らくこの場全員の疑問――にマユは即答する。
「〈刀封じ〉」
「「は!?」」
「<冥刀>は大なり小なり金属が使われてる」
木、布、皮製なのもあるが、核部分には、特殊な金属が使われる。
「だから、磁力による金属操作でチカラを封じる」
「おいおい、無敵じゃねえか……」
唖然としている一同。
だがちゃんとデメリットがある。
まず、格下の<冥刀>にしか通じないうえ、相手の力量でどれだけ封じれるかが変わる。更に使い手はかなり疲弊する。
だからこそ、スドウはチャンスと捉えた!
「オラァ!」
「おっと」
事前に聞いていたので、発動寸前に、機体から脱出し、本体――ソルドアットを狙いにいく。
だがそれは本人も織り込み済み。
だからこそ鋼同士のぶつかり合いとなる。互いの損傷を無視して斬り合う。
形勢は互角。だがそれはおかしい。
(〈刀封じ〉で疲弊しているはずなのに……)
全く衰えないソルドアット。しかもスドウのエモノは二本、対してソルドアットは一本。そしてリーチも上。
「だったら……」
ショートソードの柄頭に仕込んだ明かりと、金属製の粉末で目潰し、そこに大量の棒手裏剣を飛ばすが、それらを全てをソルドアットは捌ききる。
「温いよ?」
そのまま三叉剣を振るう。それをスドウは――
「捕まえた!」
「!」
左腕で受け止める。そして、腕を捻り三叉剣を絡めとり、右腕のショートソードを振るう。だが、それをソルドアットも腕を貫かせ攻撃を防ぎ、
「お揃いだ、ねぇ!」
「!?」
間髪入れず頭突き。流石のスドウも限界。
「……嬉しくねえよ」
そして、スドウは倒れた。だが三叉剣も役目を終えたかのように消えた。
ソルドアットは呟く。
「次はどうしよう?」
実は結構消耗している彼女。
特に先程のスドウとの戦いで調子に乗り過ぎた。
とは言えやってしまったものは仕方ない。
このまま行こう。
(残り六本。次はこれ)
ソルドアットが次に引き抜いたのは――赤い剣。柄・鍔・鞘が赤。鞘から現れた両刃の刀身は鉄色。だったのだが。
「響け、奏でろ。勝利のメロディーを――《
抜錨と同時、刃が振動を起こし、赤く染まる。
「振動?」
ネラの呟きにオウカは答える。
「ああ」
「振動、操作? 衝撃、発生?」
「それもできる」
ネラの予想を肯定するオウカ。
観客席ではマユが説明している。
「音や振動を操作するのが基本」
「色々、出来そう」
「うん。振動波や衝撃波の発生、音速移動、振動破砕。攻撃だけじゃなくてソナーにもなる。後……」
一拍置いて続ける。
「地震を起こせる」
「「は!?」」
それを聞いた全員絶句。
ステージでも同様の説明を聞いたネラが絶句している。……機械アリ状態なので、表情が分かりにくい。
「其有?」
「<天剣>は拡張性が高いんだ」
使い手次第でどうにでもなり、何でもできる。
オウカはマユに訊ねる。
「どうにかできるか?」
「無論。
「もう少し……」
「安心。後任」
そう言ってネラはオウカは肩から飛び降りる。
着地と同時、車サイズの機械アリを出して搭乗。
そのままソルドアットに向かい合う。
「キミは……<冥刀>……? にしては何か変だな」
「
そして名乗る。
「名前、ネラ=D=パラポ」
「ふうん。サクとはどういう関係?」
「相棒」
その言葉と同時、機械アリの周囲に展開されたのは六属性の球体。
ネラは元々は<シャーマン>で精霊を使役していた……否、未だ契約は切れていない。
六属性の球体が周りながら、魔法陣を作り出す。
「火力、勝負。貴方、好物」
「大好きだねぇ。乗った!」
そうして、お互い力を溜める。
「合図?」
「じゃあ……十から数える」
「了解」
そして、数えられていく。
「十、九、八、七、六、五、四、三、二、一」
普通に数えるソルドアット。どこかの誰かとは大違い。
そして。
「零!」
魔法陣から六色がグラデーションした球体が放たれるのと、剣から凄まじい振動波が放たれたのは完全同時。
二つのチカラが鬩ぎ合う。
(唖然。振動、単体)
それにネラは絶句していた。
こちらは属性を混ぜ合わせた攻撃なのに、向こうは振動単体。つまりはエネルギーが膨大と言う事。
下手をすれば負ける。
だが。
(絶対、勝利!)
無問題。あの四人があそこまでやった。だったら、自分も死力を尽くす。
そして鬩ぎ合いの末、双方の攻撃が消えるのはほぼ同時。
巨大な機械アリと赤い剣が消えるのもほぼ同時。
「疲労」
元の機械アリに戻ったネラが溜息を吐く。
「後宜」
そうして、ネラは気絶して、転移で消えた。
リアが心配そうに呟く。
「皆さん……、サクさん……」
五つの攻撃により、フィールドには二人以外もういない。
そんなリアを励ますようにランコが口を開く。
「セフィロトと言うくらいだから後半分。大丈夫ですよ!」
それにルラが指折り数え始める。
「今迄出たのが、確か――火、電気、風、磁力、振動でしたよね?」
「ええ。んで残り、五大だと――水、地、空。物理は何だ?」
首を捻るジョージにマユが答える。
「……時間と重力」
「マズそうなの〜、残ってない〜?」
キョウコの言葉に全員黙り込む中、
「あ!!」
マユが突然大声を出した。
「ど、どうしたの?」
「何か気付いたっすか?」
クロガネ姉妹の疑問に、マユは頷く。
「サクの狙いはそれだ」
「「?」」
「時間と重力を出させる気だ」
「「は!?」」
大半の脳裏に疑問が浮かぶ中、<デュナミスト>の面々だけはある事に思い至る。
代表して訊ねるのはバイカ。
「時間、重力、彼、<冥刀>?」
「重力は友達の、時間は……まあそうとも言える」
「「?」」
おかしな言い方に全員の頭上に疑問符が浮かぶ中、ステージのソルトアットが動き出す。
「じゃあ次はコレだ」
彼女がセフィロト曼荼羅から引き抜いたのは――純白の剣。
片手でも両手でも使える
「ようやく一対一になったんだ。だったらコレを使ってあげる」
出て来た剣と、その言葉にオウカは――笑う。
その剣をオウカはよく知っている。だからこそ、こう告げた。
「ソル」
「うん?」
「悪いが
「え……」
「ここから締めと行こう!」
時間稼ぎは十分。
「まずは
「!?」
その言葉と同時、ソルドアットの手から純白の剣が離れた。
そして、オウカの手に収まる。
それに対してソルトアットは周囲を見渡し把握する。セフィロト曼荼羅に赤い糸が巻き付いている。
(なるほど。【クリドゥノ・アイディン】で情報収集していたか……)
ディアンの<冥刀>は対象に巻き付いて情報収集が可能。それを元にコピーをする。
とは言え、コピー元の格により時間がかかり、演算も必要になる。だからこそ、今まではネラの機械アリのサポートの元、収集に徹していた。
やられたと思いながら、彼女は訊ねる。
「でもサク。それをどうするの? そんなに持たないよ?」
元々が再現しただけの贋作。揮発性の液体の如くすぐに消える。
だが、それにオウカはこう言う。
「知ってるよ。だからこそ空の器を用意した」
「?」
オウカが腰に挿していた古代剣を抜刀。
それをリアとランコは知っている。
「あ!」
「アレって……」
それにルラが訊ねる。
「知っているのですか?」
「はい。何か変わった能力を持った<聖剣>だとか……」
「でも詳しい内容、教えてくれなかったんですよね」
リアの呟きにジンナが苦笑。
「サク君、自分の手札を秘めているから」
彼の事をよく知っている面々が苦笑する中。マユが説明する。
「アレは名前の無い剣。正確には付けられない」
「どうして?」
イオリの疑問に、答えるマユ。
「使い手が扱った事のある武器を再現するから」
だからこそ、名無や無銘なのだ。
付けてしまったら、その時点で効力半減。
「サクは貰った時に何を再現するか、すぐに決めたんだって」
「もしかして<天剣>?」
ジンナの問いにマユが頷いて答えた。
「【オートクレール】。前身の銘は――【アロンダイト】。時間の剣」
【TIPS:ジュワユーズ】
(㈩*㈩)<セフィロトの七番、風の剣。
(#ー#)<一ついいか?
(㈩*㈩)<何言いたいかわかるけど、どうぞ。
(#ー#)<何だコレ!?
(・▽・)<確かにそう言いたいですよね。
(㈩*㈩)<実はコレも【ティソーナ】に対する【コラーダ】のように候補があった。
(㈩*㈩)<【プレシューズ】って言うんだけど、ソッチはシンプルな大気や、気流操作なんだけど、
(#ー#)<けど?
(㈩*㈩)<普通じゃつまらないから、コッチが採用。
(#ー#)<……。
(・▽・)<なんともはや。
(㈩*㈩)<でもコッチは色々出来るから、強い。そして、実はまだ技がある。
(・▽・)<と言うと……陰と雷ですか?
(㈩*㈩)<そう。陰は透明化、透過、隠密が出来る。
(㈩*㈩)<雷は、雷攻撃。範囲攻撃や高速移動に転用も可能。
(㈩*㈩)<それと、今回使った風林火山以外にも色々出来る。
(#ー#)<何でもありじゃねえか。この野郎。
(㈩*㈩)<まあ、今回は使わなかった。それは好きに想像して。