冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:魔石】
(#ー#)<スゲー今更だが、説明する。

(#ー#)<多種多様の魔を扱う者が持つ石。<モンスター>から剥ぎ取り、

(#ー#)<霊系や妖怪ならドロップする。

(#ー#)<用途は色々。魔力の電池代わり、粉末にして色々利用だな。

(・▽・)<本当に今更な説明ですね。


【TIPS:ゴブリン】
(#ー#)<RPGとか、ファンタジーで御馴染みだな。

(#ー#)<この作品では生態も大体同じか?

(#ー#)<比較的害のない【ホブ】はともかく、通常種は害獣扱い。

(#ー#)<百外あって一利なしだから、即刻討伐対象。

(#ー#)<【キング】とかの上位種がいた場合、討伐隊が組まれる。

(#ー#)<でも……倒しても大して益ねえんだよな……。

(㈩*㈩)<ドロップアイテムとかないの?

(#ー#)<魔力の電池代わりになる【魔石】を落とすかどうかってとこだな。

(#ー#)<後は使ってた武器くらいか? 上位種とか特異とかだと話は変わるけどな。


六三

 ◇◆◇◆

 

 

 今の時代、旅行は気軽に出来ない。というかチカラを持たない一般人は、暮らしている範囲からほぼ出ない……というか出れない。

 都道府県、都市町村の境は、<モンスター>が生息しているので、護衛を頼んで移動するしかないのだから。

 そういう訳で、海水浴に行く、というのは自殺行為に近い。海の<モンスター>は巨大かつ強力になりやすい。

 だから、泳ぎに行くのならプールに行くのが、お手軽である。だが、上手い事やって海水浴場を経営している所や、プライベートビーチを持つ人もいる。

 

 とは言え、オウカは元々泳ぎが嫌いではないが、積極的に行こうとは思わなかった。

 女の子の水着が見たくないのか? の疑問にはこう答える。

 

『別に』

 

 ある理由により、そういう欲が薄いオウカである。……実はこれでもマシになった方であり、リリアーヌが矯正しなければもっと酷い事になっていたかもしれない。

 

 そんな彼であるが。

 

「♪~」

 

 鼻歌を歌いながら、楽しそうに準備をするオウカ。実は友人達と、海水浴に行く事になっていた。

 

 きっかけは対校戦十三日目、懇親会後の二次会。

 

 カナタがいつもの面々を、プライベートビーチに誘ったのである。

 前述の通り、海水浴なんて気軽に行く機会はあまりない。なので、誘われた面々は全員乗り気。

 そういう訳で、予定を擦り合わせて行く事になった。

 

 因みに、現地へはカナタの転移で行く事になる。

 なので全員、高校に集合する。

 

[楽しみ]

[同意]

 

 │櫛と機械アリ《いつもの状態》である、マユとネラもどことなく楽しそう。

 実はこの二人、現地では人形態で、水着を披露するとの事。

 マユはともかく、ネラは大丈夫なのかと不安になるオウカだったが

 

『平気。│先輩《マユ》、調整、何度』

 

 マユが何度もメンテナンスをしたらしく、人形態の活動形態が伸びたそうだ。

 

「ま、無理はすんなよ」

 

 そういうオウカだった。

 

 そうして、特に何もなく、遅刻もなく今回のメンバーが集合。

 とは言え万が一があるので。

 

 涼しそうなワンピース姿のカナタが点呼を取る。

 

「点呼を取るよ。一!」

 

 答えるオウカ、ジンナ、リア、ランコ。

 

「二」

「三!」

「四です」

「五だ」

 

 カミキ、スドウ、ベニバナ――先輩勢も返事する。

 

「六だ」

「七」

「八! ですわ!」

 

 バイカ、マユ、ネラ、ソルドアット――≪天ノ角高校≫ではない面々が返事する。

 

「九……」

「テン」

「十一」

「トゥエルブ」

「「英語が混ざった!?」」

 

 ツッコミが入る中、返事をしたのはこのカップル。

 

「ボケた方がエエ? 十三」

「別に良いと思う。十四」

 

 それはタナカとヤマダの二人。誘われた際には、少し遠慮していたが、

 

『頼む! 来てくれ! 生かしといてやるから』

『人に物を頼む態度じゃない!?』

『というか殺す気なの?』

 

 女子と先輩だけは、流石にアレなので、オウカが頼んだ。

 

 そして、最後の一人が返事をする。

 

「十五……でよろしゅうございますか?」

 

 それは、この場で一番の年上の人。初老の女性。チヨという人で、久遠家の使用人。今回の引率兼保護者である。

 

 そうしてカナタが最後に確認を取る。

 

「これで全員……だよね?」

 

 それに全員頷いたので、カナタは呪符を出す。

 

「じゃ、移動しよっか」

 

 そして、転移で移動して現地に到着すると、荷物を置き、着替えて海に行く事になる。

 皆、様々な水着を着ていた。まあ、ベニバナは晒と褌スタイルで、全員の度肝を抜き、バイカはスクール水着でツッコミを貰っていた。

 

 が、それより目立ったのは、

 

「あまり見られると恥ずかしいんだけど」

 

 オウカだった。全員が思わずガン見してしまう。

 

 水着は普通のトランクスだったのだが、その体が問題だった。

 元々、オウカが小柄な上、痩せ型。更に顔が中性的なので、よく女子に間違えられる。

 だが、その体は、着痩せするタイプだったらしく、かなりがっしりしており、筋肉質。そして、それより目立つのが全身に付いた傷の痕だった。

 刺し傷、切り傷、火傷、痣の治った痕。しかも……

 

「心臓の位置に傷があるよね……」

「背中にもありますわね……。え? 貫通してる?」

「このお腹の傷と、肩から脇腹の傷って……まさか真っ二つになったの?」

 

 完全致命傷の痕がある。

 更に……

 

「腕の色が違うぞ? これってもしかして別の人の腕か?」

「足の色も違うな。左右で違う」

「というかさ、ところどころ肌の色も違うよね? ブ〇ック・ジャックみたいになってる」

 

 手足の肌の色が違う。どうやら別の人の手足や肌がくっついているらしい。

 そんな視線に耐え切れなくなったのか、オウカは話し始める。

 

「まあ色々あったんです。色々と」

 

 思い出したくもない事もあるので、これで済ませようとしたが、

 

「「そんな説明で納得出来るか!!」」

 

 一部の面々は納得しない。

 

「どう見ても、致命傷や、即死の怪我がある」

「何で、生きてる?」

「後遺症とかありそうですし」

 

 ジンナ、バイカ、リアの言葉にオウカは溜息を吐いてから、

 

「わかった。何から聞きたい?」

 

 質疑応答する事にした。

 

「じゃあまず、心臓の所」

「心臓って重要器官だけど、即死はしないんだ。どうにか仮死状態になって、友達が対処した」

「もしかして……<冥刀>を?」

 

 その疑問に頷く。

 

「心臓と血のな」

 

 心臓は【ザクレウス】、血は【イコル】。それぞれ擬似不死と性能強化のチカラを持っている。だからこそ、真っ二つになっても彼は生きていた。

 ……今残っているのは残滓だが、それでも役立っている。

 

「手足も?」

「ああ。昔達磨にされてな」

 

 アレはヤバかったとケラケラ笑うオウカ。……笑えない。 

 

「最初は<冥刀>を移植したんだ」

 

 腕は【アガートラム】、足は【ウィーザル】。それぞれ剣撃と、蹴撃のチカラを持つ。

 因みに、【アガートラム】は片腕、【ウィーザル】は本来靴なのだが、ディアンが改造して義肢にしたのだ。

 暫くはそうしていたのだが。

 

「友達が逝った時、アイツ腕しか残らなかったんだ」

 

 その言葉にリアは思い出す。それは彼の記憶で、オウカが誰かの千切れた腕に縋り付き泣き叫んでいたのを。

 

(あの腕……シスターさんのだったんですね)

 

 彼女がそんな事を思うまも、説明は続く。

 

「そしたら、ディアンが移植してくれた」

 

 因みに<冥刀>付で、釘型の【レギンナグラル】が埋め込まれていた。

 

 因みに、骨も<冥刀>になっているオウカ。銘は【デア・ズィンゲンド・クノッヘン】。自前のはボキボキだったので補強代わりに移植した。

 

「じゃあ肌は?」

「肌移植の際にな、他の人の使ったから」

 

 全身大火傷だからこそ、皮膚の移植が必要になり、病院にストックしてあったのを総動員したので、肌の色がバラバラという訳である。

 

「顔とかは比較的目立たないような色にしてくれたんだ。縫い目とかも目立たないようにもしてくれたし」

 

 流石名医とオウカは笑う。

 だが、明るく言うオウカとは裏腹に、周りの空気は沈んでいく。

 

「まあ終わった事だからさ、気にしないで。後遺症とかもないしな」

 

 そんな彼らにオウカはそう言って笑った。

 

 

 ******

 

 

 そして、気を取り直して思い思いに海で過ごす。

 海で泳ぐ者、浜辺で遊ぶ者、パラソルの下で寝る者など。

 そして、オウカはと言えば……

 

「砂遊?」

 

 海で泳いでいたネラがオウカの傍に寄って来て訊ねる。

 今回は、機械アリではなく、人の姿を取り水着を着ている。ビキニタイプの水着を着ている。

 

「水着、似合ってる」

「礼言」

 

 彼女のスタイルの良さのせいか結構似合っている。

 

「ああそうだ。見ればわかるだろう?」

 

 そう言ったオウカにネラは怪訝な目を向けて言う。

 

「不分」

 

 そういうのも無理はない。

 オウカは砂で城を作っているのだが、子供の遊びレベルではない。

 西洋の砂の城を作ったのだが、ちゃんと城壁や堀まで作っており、大きさも小さな子供なら遊べる位のサイズはある。

 ちゃんと作り込まれ一種の芸術品のようになっている。

 

「金取」

「そうか?」

 

 時間掛ければ誰でも出来るけどな、とオウカはは言うが、そんなレべルではない。

 

 その時だった。

 

「あ、手が滑ったー」

 

 ワザとらしい声が響き、飛んできたボールが砂の城を粉砕する。

 下手人はジンナ。

 因みに、砂の城を作る際、水で上手く固めているのでそう簡単には壊れない。つまりは……

 

「テメェ、狙ったな……」

 

 オウカがゆらりと立ち上がる。

 

「えー何の事?」

 

 しらばっくれるジンナにオウカは

 

「いいだろう。そっちがその気になら……テメェの顔面を破壊してやる!」

「「そこまでやるの!?」」

 

 ビーチバレーをやっていた面々のツッコミを聞きながら、彼女に向かって行った。

 それに逃げるジンナ、追いかけるオウカ。

 

 そんな二人を微笑まし気な目でマユは見守っている。

 彼女は競泳水着を着ている。

 そこへ話しかけてきたのは――

 

「止めなくていいんですか?」

 

 リアだった。彼女はワンピースタイプの水着を着ている。

 因みに、ランコはビーチバレーに参加しているので傍にはいない。……見える範囲にはいるが。

 

 彼女の疑問にマユは答える。

 

「大丈夫。ほら」

 

 その言葉に視線を移すと、捕まったジンナがオウカに頬を引っ張られていた。

 

ふぁふぇふぇー(やめてー)

「餅にしてやるー」

 

 よく見ると二人共どこか笑っている。案外楽しそう。

 

「でもこのままだとジンナさんのほっぺが……」

「……。じゃあ止めようか」

 

 その後、どうにかオウカは止まった。

 そして、皆でビーチバレーをしたり、今度は日本風の砂の城を皆で作ったりして、彼らは楽しく過ごした。

 

 

 ■□■□

 

 

 沢山遊び、夕食はバーベーキューをして、夜は……

 

「女子だー!」

「「オー!」」

 

 ジンナの掛け声に全員が乗る。皆テンションが上がっている。

 

 この場には女子全員が揃っていた。普段はオウカと一緒のネラとマユまで居る上に、更に……

 

『私まで何で……』

 

 【アロンダイト】までそこにいた。マユが無理矢理連れて来たのだ。

 

「貴方、女子」

『まあそうですけど……』

 

 ネラの答えに不承不承納得する【アロンダイト】。因みに<冥刀>の自我の性別は基本女性である。

 

「それで……何するの?」

 

 マユが訊ねる。こういう催しは初めてなので、テンションが上がっている。

 それにリアが答える。

 

「恋バナじゃないんですか?」

 

 それにソルドアットがボケて、ツッコミを貰う。

 

「コイ……錦鯉? 真鯉?」

「「馬鹿!」」

「酷い……」

 

 落ち込むソルドアットであったが、すぐに立ち直り、喋り始める。

 

「でもさ、この場で彼女がいるのって一人だよね?」

 

 全員の視線がヤマダに移る。

 それに身を縮こませるヤマダ。

 

「それとさ、この場の全員と交流あるのってサクだけだよね?」

 

 全員何も言えなくなる中、マユが訊ねる。

 

「ソルドアットは、サクの事どう思っているの?」

「好きだよ」

 

 即答に何人かの顔が赤くなり中。彼女は捕捉する。

 

「でもラブじゃない。ライクさ」

「本当?」

 

 カナタの問いにソルドアットは平然と答える。

 

「うん。まあラブもいたかもだけど」

 

 友人達の事を思い出しながらそう言う。

 

「もしさ、サクが好きなら注意して? アイツ幼い頃の経験で歪んじゃったから」

「「?」」

 

 知らない面々が首を捻る中、ベニバナが口を開く。

 

「それって絡繰人形が親という?」

「それもだけどね……。何でも昔、輪〇される人見ちゃったせいで、女性に性的興奮できなくなってたんだよ」

 

 あまりにもあんまりな経験に全員が絶句する中、ジンはとある言葉が気になり訊ねる。

 

「なってた? 過去形?」

「よく気づいたね! そうだよ」

 

 何でもそれに気づいた友人の一人が矯正したらしい。だから……

 

「今は色仕掛けも通じると思よ?」

 

 いたずらっぽく笑うソルドアットに、カナタの顔が真っ赤になる。

 

(あの時、下手したら自爆してたんだ……)

 

 そんな彼女の様子に気づいたのか、ソルドアットがいたずらっぽく訊ねる。

 

「うん~。何したのかな? カナタちゃん?」

「全裸になって迫った」

「マユさん!」

「「え!?」」

「マジで!? そこに痺れる憧れるぅ」

「「憧れないで!?」」

 

 マユの爆弾発言に全員がぎょっとする。

 そのまま女子会は続き、夜は更けていった。




【TIPS:ザグレウス】
(㈩*㈩)<心臓の<冥刀>。

(#ー#)<擬似不死ってどういう事なんだ?

(㈩*㈩)<完全じゃないから擬似。

(㈩*㈩)<手足が千切れた、骨折れたくらいなら、すぐ引っ付くし。

(㈩*㈩)<真っ二つとか、心臓貫通、首チョンパでもどうにかなる。

(㈩*㈩)<まあ、無制限じゃないけど。カロリーが必要になる。

(㈩*㈩)<でも、サイコロステーキや、木っ端微塵は流石に無理だから。

(・▽・)<だから疑似なんですね。


【TIPS:ウィーザル】
(㈩*㈩)<靴の<冥刀>。元ネタは北欧神話のオーディンの息子。その靴。

(㈩*㈩)<能力はシンプルだけど、その分補正が高い。

(#ー#)<特殊能力なくても結構やっていけるんだな。
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