(#ー#)<スゲー今更だが、説明する。
(#ー#)<多種多様の魔を扱う者が持つ石。<モンスター>から剥ぎ取り、
(#ー#)<霊系や妖怪ならドロップする。
(#ー#)<用途は色々。魔力の電池代わり、粉末にして色々利用だな。
(・▽・)<本当に今更な説明ですね。
【TIPS:ゴブリン】
(#ー#)<RPGとか、ファンタジーで御馴染みだな。
(#ー#)<この作品では生態も大体同じか?
(#ー#)<比較的害のない【ホブ】はともかく、通常種は害獣扱い。
(#ー#)<百外あって一利なしだから、即刻討伐対象。
(#ー#)<【キング】とかの上位種がいた場合、討伐隊が組まれる。
(#ー#)<でも……倒しても大して益ねえんだよな……。
(㈩*㈩)<ドロップアイテムとかないの?
(#ー#)<魔力の電池代わりになる【魔石】を落とすかどうかってとこだな。
(#ー#)<後は使ってた武器くらいか? 上位種とか特異とかだと話は変わるけどな。
◇◆◇◆
今の時代、旅行は気軽に出来ない。というかチカラを持たない一般人は、暮らしている範囲からほぼ出ない……というか出れない。
都道府県、都市町村の境は、<モンスター>が生息しているので、護衛を頼んで移動するしかないのだから。
そういう訳で、海水浴に行く、というのは自殺行為に近い。海の<モンスター>は巨大かつ強力になりやすい。
だから、泳ぎに行くのならプールに行くのが、お手軽である。だが、上手い事やって海水浴場を経営している所や、プライベートビーチを持つ人もいる。
とは言え、オウカは元々泳ぎが嫌いではないが、積極的に行こうとは思わなかった。
女の子の水着が見たくないのか? の疑問にはこう答える。
『別に』
ある理由により、そういう欲が薄いオウカである。……実はこれでもマシになった方であり、リリアーヌが矯正しなければもっと酷い事になっていたかもしれない。
そんな彼であるが。
「♪~」
鼻歌を歌いながら、楽しそうに準備をするオウカ。実は友人達と、海水浴に行く事になっていた。
きっかけは対校戦十三日目、懇親会後の二次会。
カナタがいつもの面々を、プライベートビーチに誘ったのである。
前述の通り、海水浴なんて気軽に行く機会はあまりない。なので、誘われた面々は全員乗り気。
そういう訳で、予定を擦り合わせて行く事になった。
因みに、現地へはカナタの転移で行く事になる。
なので全員、高校に集合する。
[楽しみ]
[同意]
│櫛と機械アリ《いつもの状態》である、マユとネラもどことなく楽しそう。
実はこの二人、現地では人形態で、水着を披露するとの事。
マユはともかく、ネラは大丈夫なのかと不安になるオウカだったが
『平気。│先輩《マユ》、調整、何度』
マユが何度もメンテナンスをしたらしく、人形態の活動形態が伸びたそうだ。
「ま、無理はすんなよ」
そういうオウカだった。
そうして、特に何もなく、遅刻もなく今回のメンバーが集合。
とは言え万が一があるので。
涼しそうなワンピース姿のカナタが点呼を取る。
「点呼を取るよ。一!」
答えるオウカ、ジンナ、リア、ランコ。
「二」
「三!」
「四です」
「五だ」
カミキ、スドウ、ベニバナ――先輩勢も返事する。
「六だ」
「七」
「八! ですわ!」
バイカ、マユ、ネラ、ソルドアット――≪天ノ角高校≫ではない面々が返事する。
「九……」
「テン」
「十一」
「トゥエルブ」
「「英語が混ざった!?」」
ツッコミが入る中、返事をしたのはこのカップル。
「ボケた方がエエ? 十三」
「別に良いと思う。十四」
それはタナカとヤマダの二人。誘われた際には、少し遠慮していたが、
『頼む! 来てくれ! 生かしといてやるから』
『人に物を頼む態度じゃない!?』
『というか殺す気なの?』
女子と先輩だけは、流石にアレなので、オウカが頼んだ。
そして、最後の一人が返事をする。
「十五……でよろしゅうございますか?」
それは、この場で一番の年上の人。初老の女性。チヨという人で、久遠家の使用人。今回の引率兼保護者である。
そうしてカナタが最後に確認を取る。
「これで全員……だよね?」
それに全員頷いたので、カナタは呪符を出す。
「じゃ、移動しよっか」
そして、転移で移動して現地に到着すると、荷物を置き、着替えて海に行く事になる。
皆、様々な水着を着ていた。まあ、ベニバナは晒と褌スタイルで、全員の度肝を抜き、バイカはスクール水着でツッコミを貰っていた。
が、それより目立ったのは、
「あまり見られると恥ずかしいんだけど」
オウカだった。全員が思わずガン見してしまう。
水着は普通のトランクスだったのだが、その体が問題だった。
元々、オウカが小柄な上、痩せ型。更に顔が中性的なので、よく女子に間違えられる。
だが、その体は、着痩せするタイプだったらしく、かなりがっしりしており、筋肉質。そして、それより目立つのが全身に付いた傷の痕だった。
刺し傷、切り傷、火傷、痣の治った痕。しかも……
「心臓の位置に傷があるよね……」
「背中にもありますわね……。え? 貫通してる?」
「このお腹の傷と、肩から脇腹の傷って……まさか真っ二つになったの?」
完全致命傷の痕がある。
更に……
「腕の色が違うぞ? これってもしかして別の人の腕か?」
「足の色も違うな。左右で違う」
「というかさ、ところどころ肌の色も違うよね? ブ〇ック・ジャックみたいになってる」
手足の肌の色が違う。どうやら別の人の手足や肌がくっついているらしい。
そんな視線に耐え切れなくなったのか、オウカは話し始める。
「まあ色々あったんです。色々と」
思い出したくもない事もあるので、これで済ませようとしたが、
「「そんな説明で納得出来るか!!」」
一部の面々は納得しない。
「どう見ても、致命傷や、即死の怪我がある」
「何で、生きてる?」
「後遺症とかありそうですし」
ジンナ、バイカ、リアの言葉にオウカは溜息を吐いてから、
「わかった。何から聞きたい?」
質疑応答する事にした。
「じゃあまず、心臓の所」
「心臓って重要器官だけど、即死はしないんだ。どうにか仮死状態になって、友達が対処した」
「もしかして……<冥刀>を?」
その疑問に頷く。
「心臓と血のな」
心臓は【ザクレウス】、血は【イコル】。それぞれ擬似不死と性能強化のチカラを持っている。だからこそ、真っ二つになっても彼は生きていた。
……今残っているのは残滓だが、それでも役立っている。
「手足も?」
「ああ。昔達磨にされてな」
アレはヤバかったとケラケラ笑うオウカ。……笑えない。
「最初は<冥刀>を移植したんだ」
腕は【アガートラム】、足は【ウィーザル】。それぞれ剣撃と、蹴撃のチカラを持つ。
因みに、【アガートラム】は片腕、【ウィーザル】は本来靴なのだが、ディアンが改造して義肢にしたのだ。
暫くはそうしていたのだが。
「友達が逝った時、アイツ腕しか残らなかったんだ」
その言葉にリアは思い出す。それは彼の記憶で、オウカが誰かの千切れた腕に縋り付き泣き叫んでいたのを。
(あの腕……シスターさんのだったんですね)
彼女がそんな事を思うまも、説明は続く。
「そしたら、ディアンが移植してくれた」
因みに<冥刀>付で、釘型の【レギンナグラル】が埋め込まれていた。
因みに、骨も<冥刀>になっているオウカ。銘は【デア・ズィンゲンド・クノッヘン】。自前のはボキボキだったので補強代わりに移植した。
「じゃあ肌は?」
「肌移植の際にな、他の人の使ったから」
全身大火傷だからこそ、皮膚の移植が必要になり、病院にストックしてあったのを総動員したので、肌の色がバラバラという訳である。
「顔とかは比較的目立たないような色にしてくれたんだ。縫い目とかも目立たないようにもしてくれたし」
流石名医とオウカは笑う。
だが、明るく言うオウカとは裏腹に、周りの空気は沈んでいく。
「まあ終わった事だからさ、気にしないで。後遺症とかもないしな」
そんな彼らにオウカはそう言って笑った。
******
そして、気を取り直して思い思いに海で過ごす。
海で泳ぐ者、浜辺で遊ぶ者、パラソルの下で寝る者など。
そして、オウカはと言えば……
「砂遊?」
海で泳いでいたネラがオウカの傍に寄って来て訊ねる。
今回は、機械アリではなく、人の姿を取り水着を着ている。ビキニタイプの水着を着ている。
「水着、似合ってる」
「礼言」
彼女のスタイルの良さのせいか結構似合っている。
「ああそうだ。見ればわかるだろう?」
そう言ったオウカにネラは怪訝な目を向けて言う。
「不分」
そういうのも無理はない。
オウカは砂で城を作っているのだが、子供の遊びレベルではない。
西洋の砂の城を作ったのだが、ちゃんと城壁や堀まで作っており、大きさも小さな子供なら遊べる位のサイズはある。
ちゃんと作り込まれ一種の芸術品のようになっている。
「金取」
「そうか?」
時間掛ければ誰でも出来るけどな、とオウカはは言うが、そんなレべルではない。
その時だった。
「あ、手が滑ったー」
ワザとらしい声が響き、飛んできたボールが砂の城を粉砕する。
下手人はジンナ。
因みに、砂の城を作る際、水で上手く固めているのでそう簡単には壊れない。つまりは……
「テメェ、狙ったな……」
オウカがゆらりと立ち上がる。
「えー何の事?」
しらばっくれるジンナにオウカは
「いいだろう。そっちがその気になら……テメェの顔面を破壊してやる!」
「「そこまでやるの!?」」
ビーチバレーをやっていた面々のツッコミを聞きながら、彼女に向かって行った。
それに逃げるジンナ、追いかけるオウカ。
そんな二人を微笑まし気な目でマユは見守っている。
彼女は競泳水着を着ている。
そこへ話しかけてきたのは――
「止めなくていいんですか?」
リアだった。彼女はワンピースタイプの水着を着ている。
因みに、ランコはビーチバレーに参加しているので傍にはいない。……見える範囲にはいるが。
彼女の疑問にマユは答える。
「大丈夫。ほら」
その言葉に視線を移すと、捕まったジンナがオウカに頬を引っ張られていた。
「
「餅にしてやるー」
よく見ると二人共どこか笑っている。案外楽しそう。
「でもこのままだとジンナさんのほっぺが……」
「……。じゃあ止めようか」
その後、どうにかオウカは止まった。
そして、皆でビーチバレーをしたり、今度は日本風の砂の城を皆で作ったりして、彼らは楽しく過ごした。
■□■□
沢山遊び、夕食はバーベーキューをして、夜は……
「女子だー!」
「「オー!」」
ジンナの掛け声に全員が乗る。皆テンションが上がっている。
この場には女子全員が揃っていた。普段はオウカと一緒のネラとマユまで居る上に、更に……
『私まで何で……』
【アロンダイト】までそこにいた。マユが無理矢理連れて来たのだ。
「貴方、女子」
『まあそうですけど……』
ネラの答えに不承不承納得する【アロンダイト】。因みに<冥刀>の自我の性別は基本女性である。
「それで……何するの?」
マユが訊ねる。こういう催しは初めてなので、テンションが上がっている。
それにリアが答える。
「恋バナじゃないんですか?」
それにソルドアットがボケて、ツッコミを貰う。
「コイ……錦鯉? 真鯉?」
「「馬鹿!」」
「酷い……」
落ち込むソルドアットであったが、すぐに立ち直り、喋り始める。
「でもさ、この場で彼女がいるのって一人だよね?」
全員の視線がヤマダに移る。
それに身を縮こませるヤマダ。
「それとさ、この場の全員と交流あるのってサクだけだよね?」
全員何も言えなくなる中、マユが訊ねる。
「ソルドアットは、サクの事どう思っているの?」
「好きだよ」
即答に何人かの顔が赤くなり中。彼女は捕捉する。
「でもラブじゃない。ライクさ」
「本当?」
カナタの問いにソルドアットは平然と答える。
「うん。まあラブもいたかもだけど」
友人達の事を思い出しながらそう言う。
「もしさ、サクが好きなら注意して? アイツ幼い頃の経験で歪んじゃったから」
「「?」」
知らない面々が首を捻る中、ベニバナが口を開く。
「それって絡繰人形が親という?」
「それもだけどね……。何でも昔、輪〇される人見ちゃったせいで、女性に性的興奮できなくなってたんだよ」
あまりにもあんまりな経験に全員が絶句する中、ジンはとある言葉が気になり訊ねる。
「なってた? 過去形?」
「よく気づいたね! そうだよ」
何でもそれに気づいた友人の一人が矯正したらしい。だから……
「今は色仕掛けも通じると思よ?」
いたずらっぽく笑うソルドアットに、カナタの顔が真っ赤になる。
(あの時、下手したら自爆してたんだ……)
そんな彼女の様子に気づいたのか、ソルドアットがいたずらっぽく訊ねる。
「うん~。何したのかな? カナタちゃん?」
「全裸になって迫った」
「マユさん!」
「「え!?」」
「マジで!? そこに痺れる憧れるぅ」
「「憧れないで!?」」
マユの爆弾発言に全員がぎょっとする。
そのまま女子会は続き、夜は更けていった。
【TIPS:ザグレウス】
(㈩*㈩)<心臓の<冥刀>。
(#ー#)<擬似不死ってどういう事なんだ?
(㈩*㈩)<完全じゃないから擬似。
(㈩*㈩)<手足が千切れた、骨折れたくらいなら、すぐ引っ付くし。
(㈩*㈩)<真っ二つとか、心臓貫通、首チョンパでもどうにかなる。
(㈩*㈩)<まあ、無制限じゃないけど。カロリーが必要になる。
(㈩*㈩)<でも、サイコロステーキや、木っ端微塵は流石に無理だから。
(・▽・)<だから疑似なんですね。
【TIPS:ウィーザル】
(㈩*㈩)<靴の<冥刀>。元ネタは北欧神話のオーディンの息子。その靴。
(㈩*㈩)<能力はシンプルだけど、その分補正が高い。
(#ー#)<特殊能力なくても結構やっていけるんだな。