冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:アガートラム】
(㈩*㈩)<義手型の<冥刀>。由来はケルト神話のヌアザ。

(・▽・)<ファンタジーで御馴染みですね。

(㈩*㈩)<能力は持った物の剣化と、剣による戦闘技術の強化。

(#ー#)<剣化? 後者はわかるんだが。

(㈩*㈩)<簡単に言うなら、手に持ったナイフとか、棒とかを名刀に出来る。

(㈩*㈩)<本当はもっと応用効く。空気を剣にしたり、地面から大量の剣を生やしたり。

(㈩*㈩)<でも、オウカの場合、ディアンの改造のせいで少し弱体化。

(㈩*㈩)<後、他の<冥刀>も使ってるから、その機能はない。

(㈩*㈩)<戦闘技術と剣強化が主。現在もパッシブで使ってる。


【TIPS:デア・ズィンゲンド・クノッヘン】
(㈩*㈩)<骨の<冥刀>。その一つ。因みに元ネタはグリム童話の「歌う骨」。

(#ー#)<他の骨もあるのか……。

(㈩*㈩)<うん。義体タイプは複数あるから。義手とか、義足とかね。

(㈩*㈩)<まあそれは追々。今回はコレの話。

(・▽・)<どんなチカラがあるのですか? やっぱり骨を操る感じ?

(㈩*㈩)<そっちは別の方。【スケルトン】がそれ。

(㈩*㈩)<こっちは地力強化。補正高め。後、コスト半減が主。


六四

 ◇◆◇◆

 

 楽しい海水浴が終わって数日後。

 

 オウカの姿は≪昴咲高校≫にあった。因みにマユとネラはいない。

 そして、その恰好は――昴咲の制服であるブレザー姿。

 実はこの日、バイカと約束していた稽古だった。

 とは言え、≪昴咲高校≫は女子高なうえに、男子完全禁制。教師は勿論、資材の搬入業者の人員すら女性。男性の入る余地はゼロ。

 なので、オウカは別の場所でやろうと言ったのだが。

 

『大丈夫。許可、取った』

『は!?』

 

 何でも学長や担任などと掛け合ったらしい。

 その結果……

 

『前例、作ろうって』

 

 あの対校戦で大活躍(?)したからこそ、何かしら良い刺激になるのではないかと言う判断だった。

 とは言え、いきなり入校させるのもアレなので。

 

『はい』

『……これは?』

『ブレザー。ウチ、制服』

 

 見ればわかる。

 

 だからこそ、オウカは女装して行くことになった。それだけでは不安だったので、髪と眼の色を変え、普段は流している髪の毛を縛る。

 そして、許可証を出して中に入り、バイカを探していると。

 

「あ、いた。おーい。バイカ」

「……誰?」

 

 見つけたので声を掛けた。因みに、変声しているため、男の声とはバレないようにしている。

 とは言えわからないようなので声を戻す。

 

「俺だ。サクヅキだ」

「!?」

 

 眼が真ん丸になる。そして、言葉が漏れる。

 

「凄い。女の子、しか、見えない」

「誉め言葉と受け取って置こう」

 

 そして、二人は挨拶のため学長室に向かう。そして、そこでも驚かれる。

 

「凄いわね……。多分脱がなきゃ分からないわよ?」

「こちらも誉め言葉として受け取って置きます」

 

 そして、注意事項を聞き、正式な許可を貰い、退出。

 ただ、学長が何か思いつき、企んでいるような顔をしているのは気になったが。

 その後、模擬戦などに使う部屋に行き……

 

「ハアアアアアア!」

「うん。悪くない」

 

 稽古が始まる。VFを使っての模擬戦が主。

 バイカは愛刀を振るい、オウカは最初は段平で戦い、その後、槍、薙刀、ナイフ、ウルミなど武器を変える。

 とは言えぶっ続けでは持たないので、偶に休憩を入れる。

 

「よし休憩」

「……うん」

 

 オウカはまったく息を切らしていないが、バイカは汗だくで息も絶え絶え。

 スポーツドリンクを飲みながら、思う。

 

(本当、凄い。彼、頼んで、良かった)

 

 一方、オウカは水分補給して、塩ラムネを食べながら周りを見渡す。

 因みに、彼ら以外にもここを使っている人はいる。

 そんな中で目に留まったのは――一心不乱に棍棒を振るう少女。

 夏休み中でもチラホラ生徒は見かけ、制服や運動着姿が多い。

 なのだが、この少女は季節外れどころか、場所外れな外套で全身を覆い、眼もバイザーで覆っている。

 そして、手足は甲冑を着ているのか銀色。

 

(何か気になる……)

 

 そんな事を思うも、今はバイカとの稽古中なため、心の片隅に留めるだけにしておいた。

 この二人の邂逅はもう少し。

 

 ******

 

 

 とある日の夕方。

 オウカはふらりと散歩をしていた。

 

「そんな時代も~、あったね~と」

 

 最近、マユが何かしらの準備をしていて、それをネラが付き合っているのでこの日も一人。

 

『夕食はどうする?』

『そうだな……。偶にはどっかで食べて来る』

『そう。わたしたちは出前でも取ろうかな』

『おう』

 

 実はマユは結構お金持ち。元々は無一文だったのだが、<冥刀>のメンテナンスを引き受けるようになってから、結構稼いでいる。曰くリピーターも多いらしい。

 しかも、そこまで浪費癖もないので、金は貯まっていく一方。

 その上、投資や株も始め、手堅く堅実にやっているそうで、金はドンドン増えていくとの事。

 なので出前くらいではびくともしない。

 

(俺は何食べようかな?)

 

 そして、オウカも生活費と言う事で、彼女からある程度お金を貰っている。なので、ちょっと豪華な物を食べても平気。

 

 そんな事を思っていると。

 

「アレ~、サクヅキクン~?」

 

 聞き覚えのある間延び口調が聞こえた。

 振り向くと、そこにいたのは、担任であるアシヤ=キョウコ。

 

「先生。どうしたんです?」

「用事の帰り道~。そっちは~?」

「散歩です。それと夕食どこで食べようか迷い中」

「そっか~」

 

 するとキョウコが何か思い付いた顔になる。

 

「良かったら~、一緒に食べない~?」

「はい?」

 

 そういう訳で二人は夕食を取る事になる。

 場所は寿司屋。手頃な値段で食べられる回るお寿司屋である。

 

「俺も出しますよ?」

「いいから~、いいから~」

 

 そういう訳で、奢って貰う事になったオウカ。

 席は仕切りがあり、プライベートが守られている。

 

「好きなネタ何~?」

「マグロです。そちらは?」

「ワタシ~、ヒラメ~」

 

 オウカはマグロ、キョウコはヒラメをまず食べる。

 とは言え、食べるだけでなく、雑談もする。

 そんな時、オウカが口を開く。

 

「先生」

「うん~」

 

 良い機会なので言う事にする。

 

「改めて、ありがとうございます。それとすいません」

「改まって~、どうしたの~?」

「色々迷惑掛けてるな~って」

 

 その言葉に、キョトンとしたキョウコ。だったが笑う。

 

「気にしないで~。それに~、キミのせいじゃない場合も~、多いでしょう?」

「その言葉に救われます」

「大げさな~」

 

 そうして二人は食べ続けた。

 因みに合計金額はそこまでもなかった。

 

 

 ■□■□

 

 

 夏休みも半ばに差し掛かったある日。

 マユは最近ある準備をしていた。そして、この日ついに準備を終え、その活動を始める事にした。

 それは……

 

「どうも。皆さん初めまして」

 

初めまして。

わくわく

サムネに釣られて来たよ。

 

「これから【叢雅の<冥刀>講座】を始めます」

 

 動画配信だった。

 

 場所は、鍛冶に使っている小屋。彼女の部屋のような物なので丁度良かった。

 そして、身バレしないように、変声機能と認識阻害機能を持つひょっとこのお面を被っている。因みにコレ、オウカの知り合い(?)の殺し屋である、無貌の組織のモノ。

 実は、金に余裕出てきてから、その組織――≪御面屋≫のパトロンをしているため、その権限で譲り受けた。

 

 そもそもこの世界にとって<冥刀>は異物。間違った情報や嘘が飛び交っている。

 それに加え、この間の驚天動地の死闘――オウカVSソルドアット――を視聴した人は結構いたので、それが更に加熱。

 それがマユには許せない。なぜなら、ほぼ全ての<冥刀>製作に彼女は携わって来たのだから。

 

「まずは自己紹介を始めます。わたしは刹那叢雅。<冥刀>を作った叢雅一門の一人」

 

村正じゃないの?

そもそも製作者って本当?

何で今さら出て来たの?

 

 実は機械関係にも明るい、ネラにも手伝って貰って、あちらこちらで宣伝をして、本日ライブ配信となった訳である。そのおかげか、視聴者は程々にいる。

 因みにオウカにはまだ知らせてない。

 理由? タイミングがつかめなかった(笑)。

 

「信じて貰えるとは思っていない。だから今回は――<冥刀>の基礎知識についてやる」

 

 そうして、彼女は解説を始める。

 

 そもそも生まれたきっかけ、全ての始まりの刃――<神刃>について、叢雅の始まり、<天剣>の誕生、叢雅一門の創設を話していく。

 

 そうしていると、マユは気づく。視聴者が増えている。それにお面の下で笑みを浮かべる。

 

「今日はとりあえずこれで終わり。信じるか信じないかはあなた次第」

 

それお前のセリフじゃねえだろう。

都市伝説……に近いから間違いじゃないけど。

作り話……にしてはよく出来ていたな。

解説はわかりやすかったから、またやって欲しい。

次はいつやりますか?

質問コーナーやって欲しいです。

 

 そんなコメントにマユは次の配信日と配信時間を伝えた後、配信を切った。

 

「ふう……」

 

 お面を外し、一息付くマユ。疲れはあったが、充実感のある疲労感だった。

 

 

 ※※※※※※※

 

 

――――――

【<冥刀>について語るスレ Part44】

 

555:名無しさん

<冥刀>が欲しいー!

 

556:名無しさん

金あれば手に入る事はあるけど、最低億だからな……。

 

557:名無しさん

そんな金はない!

 

558:名無しさん

普通の武器に擬態している事もあるらしいよ?

 

559:名無しさん

気に入った相手に飛んできたって事例もあるよ。

 

560:名無しさん

頼む! 来てくれー! まだ見ぬ武器よ!

 

561:名無しさん

>560

切実だな!?

 

562:名無しさん

そういえば、最近<冥刀>の値段が、高騰しているらしいよ?

 

563:名無しさん

ただでさえ億なのに!?

 

564:名無しさん

ほらあの対校戦の『バトル×三』で

 

565:名無しさん

ああ、アレな! 凄かったよな!

 

566:名無しさん

用事あって見れなかった(´;ω;`)

 

567:名無しさん

何でリアルタイムでしか見れなかったんだろう……

 

568:名無しさん

公式の発表だと、呼び出された人がそういう風にしたらしい。

 

569;名無しさん

>567

映像に残したら、駄目だと判断したんじゃない?

 

570:名無しさん

残してよー!

 

571:名無しさん

でも、アレ本当やばかったよな。最上級クラスだろ。絶対。

 

572:名無しさん

ところでさ、今更何だけど、<冥刀>って一体何?

 

573:名無しさん

一説だと、<ダンジョン>が生成した<アーティファクト>だってね。

 

574:名無しさん

滅んだ世界の遺物とも言われてるね。

 

575:名無しさん

自然生成説が一般だよね。そもそも作ろうとしても作れないからね。

 

576:名無しさん

本当にアレなんなんだ?

 

577:名無しさん

共通項は……

・三つのナマエを持つ。

・能力と代償がある。

・魂魄と意志を持つ。

 

578:名無しさん

アレ? 神話や伝説の武器の銘が付くのは?

 

579:名無しさん

付かないのもある。童話や物語、幻獣や神の名前のもチラホラある。

 

580:名無しさん

形も色々だしね。

 

589:名無しさん

本当にアレなんだ?

 

590:名無しさん

噂はあるけど、信憑性ゼロだからな。

 

591:名無しさん

何か動画で解説している人いるぞ?

https://XXXX/XXXX.jp

※ひょっとこのお面の女性が解説

 

592:名無しさん

ハア!? <冥刀>製作者?

 

593:名無しさん

馬鹿も休み休み言えよ。

 

594:名無しさん

でも、結構面白いし、わかりやすいから、見てみるといいよ。

 

595:名無しさん

なら見てみるか。

 

596:名無しさん

暇だしな。

――――――

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 楽しい夏休みも終わりに近づいたある日。

 この日、日課の鍛錬を終え、部屋でくつろいでいるオウカの元にやって来たのは。

 

「デートしようぜ!」

 

 ソルドアットだった。

 そんな彼女に……

 

「野球じゃないの?」

「中〇君じゃないんだから」

 

 オウカはボケる。それにツッコミを入れるソルドアット。

 そして、話題を戻す。

 

「まあそれは置いておこう。デート……してくれる?」

「断る理由はないからいいぜ」

 

 オウカの肯定の言葉に笑みを浮かべるソルドアット。

 そうして二人はデートに出かける。

 

 出店を見て回ったり、屋台で甘い物を食べたり、映画を見たりと言った事をする。

 そして、ある店で御揃いの腕輪を買った時だった。

 

「そういえばさ、あの二人にはちゃんと伝えてある?」

「遅くなるとは伝えたけど……」

 

 その言葉に笑みを浮かべるソルドアット。

 

「じゃあ行こう!」

「……どこへ」

 

 そうして二人がやって来て中に入った場所は……

 

「ラブホじゃねえか……」

 

 そういうコトをするホテルに入った二人。

 ソルドアットは真面目に説明する。

 

「ソル、こういう経験ないから、シテおこうかなぁって」

「だからって……」

「キミは経験豊富だろう? それにソルはキミの事嫌いじゃないし」

「……」

 

 何も言えなくなるオウカ。

 そんな彼にソルドアットは服を脱ぎながら近づく。

 

「初めてだから、優しくしてね?」

 

 全裸になったソルドアットの言葉にオウカは……

 

 

 ******

 

 

 しばらくして店を出る二人。やってきた場所は彼らが暮らす街が一望できる場所。

 

「あー今日は楽しかった」

「まあな」

 

 伸びをしたソルドアットにそう答えたオウカ。

 そして、ソルドアットはこう言う。

 

「これで心置きなく……消えれる」

 

 その言葉にオウカは驚いた風もない。薄々わかってた。

 ただ静かに訊ねる。

 

「ロスタイムや延長戦は無理なのか?」

「やろうと思えば出来なくはないよ? でもしないよ」

 

 なんでとは言わないオウカ。

 彼はわかっている。

 ソルドアットが修羅道でしか生きられない事を。

 

「だからさ、笑顔で送って。お願いだから泣かないで」

 

 オウカは自分の頬を抑える。どうやら泣いていたらしい。

 なのでオウカは無理矢理笑う。

 

「じゃあな」

「うん。じゃあね」

 

 そして、ソルドアットは背を向けるが。

 

「あ、忘れ物、忘れモノ」

「?」

 

 オウカにある事を伝え、あるモノを託す。

 そして。

 

「じゃあ改めて。さよなら」

「ああ」

「生まれ変わったらまた会おう」

「……。そんなの御免だね」

「……そうだよね」

「俺は――お前がいいんだ」

「! アハハ」

 

 ソルドアットは笑う。その顔は泣き笑いだった。

 そして、戦闘狂は――消えた。

 

 彼女の置き土産が役立つのはまだ先の話。

 

 

 3.5章 Fin. Next 肆ノ章……




【後書】
(・▽・)<間章完結! 駆け足な上、抜けも多いですけど。

(㈩*㈩)<新しい試みも出来たから、まあ……五十五点くらい?

(#ー#)<自己採点したんだ……。

(・▽・)<前話と前々話みたいなのはいずれやります。

(・▽・)<まあそれはともかく次回予告を。

(・▽・)<次回から第四章。前にも何度か言いましたけど、復讐の話。

(㈩*㈩)<サクの復讐に対する考えが見れる。彼の狂気も……。

(㈩*㈩)<いや、狂気は次々章かも。人は怒り過ぎると感情が消える。

(#ー#)<内容決まったのか? 結構迷っていたけど。

(㈩*㈩)<うん。まあネタバレになるから、少しだけ言うなら。

(㈩*㈩)<サクに最大最悪のピンチが襲い掛かる。

(・▽・)<……それって【オートクレール】裏切り事件とどっちが酷いですか?

(㈩*㈩)<う~ん。……どっちもどっちだから、比べるのが難しいけど、

(㈩*㈩)<外はそっち、内はこっち

(・▽・)<外?

(㈩*㈩)<内?

(・▽・)(㈩*㈩)<どういう事?

(㈩*㈩)<初めからいきなり始まる予定だから、多分そういう事かってなる。
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