(㈩*㈩)<義手型の<冥刀>。由来はケルト神話のヌアザ。
(・▽・)<ファンタジーで御馴染みですね。
(㈩*㈩)<能力は持った物の剣化と、剣による戦闘技術の強化。
(#ー#)<剣化? 後者はわかるんだが。
(㈩*㈩)<簡単に言うなら、手に持ったナイフとか、棒とかを名刀に出来る。
(㈩*㈩)<本当はもっと応用効く。空気を剣にしたり、地面から大量の剣を生やしたり。
(㈩*㈩)<でも、オウカの場合、ディアンの改造のせいで少し弱体化。
(㈩*㈩)<後、他の<冥刀>も使ってるから、その機能はない。
(㈩*㈩)<戦闘技術と剣強化が主。現在もパッシブで使ってる。
【TIPS:デア・ズィンゲンド・クノッヘン】
(㈩*㈩)<骨の<冥刀>。その一つ。因みに元ネタはグリム童話の「歌う骨」。
(#ー#)<他の骨もあるのか……。
(㈩*㈩)<うん。義体タイプは複数あるから。義手とか、義足とかね。
(㈩*㈩)<まあそれは追々。今回はコレの話。
(・▽・)<どんなチカラがあるのですか? やっぱり骨を操る感じ?
(㈩*㈩)<そっちは別の方。【スケルトン】がそれ。
(㈩*㈩)<こっちは地力強化。補正高め。後、コスト半減が主。
◇◆◇◆
楽しい海水浴が終わって数日後。
オウカの姿は≪昴咲高校≫にあった。因みにマユとネラはいない。
そして、その恰好は――昴咲の制服であるブレザー姿。
実はこの日、バイカと約束していた稽古だった。
とは言え、≪昴咲高校≫は女子高なうえに、男子完全禁制。教師は勿論、資材の搬入業者の人員すら女性。男性の入る余地はゼロ。
なので、オウカは別の場所でやろうと言ったのだが。
『大丈夫。許可、取った』
『は!?』
何でも学長や担任などと掛け合ったらしい。
その結果……
『前例、作ろうって』
あの対校戦で大活躍(?)したからこそ、何かしら良い刺激になるのではないかと言う判断だった。
とは言え、いきなり入校させるのもアレなので。
『はい』
『……これは?』
『ブレザー。ウチ、制服』
見ればわかる。
だからこそ、オウカは女装して行くことになった。それだけでは不安だったので、髪と眼の色を変え、普段は流している髪の毛を縛る。
そして、許可証を出して中に入り、バイカを探していると。
「あ、いた。おーい。バイカ」
「……誰?」
見つけたので声を掛けた。因みに、変声しているため、男の声とはバレないようにしている。
とは言えわからないようなので声を戻す。
「俺だ。サクヅキだ」
「!?」
眼が真ん丸になる。そして、言葉が漏れる。
「凄い。女の子、しか、見えない」
「誉め言葉と受け取って置こう」
そして、二人は挨拶のため学長室に向かう。そして、そこでも驚かれる。
「凄いわね……。多分脱がなきゃ分からないわよ?」
「こちらも誉め言葉として受け取って置きます」
そして、注意事項を聞き、正式な許可を貰い、退出。
ただ、学長が何か思いつき、企んでいるような顔をしているのは気になったが。
その後、模擬戦などに使う部屋に行き……
「ハアアアアアア!」
「うん。悪くない」
稽古が始まる。VFを使っての模擬戦が主。
バイカは愛刀を振るい、オウカは最初は段平で戦い、その後、槍、薙刀、ナイフ、ウルミなど武器を変える。
とは言えぶっ続けでは持たないので、偶に休憩を入れる。
「よし休憩」
「……うん」
オウカはまったく息を切らしていないが、バイカは汗だくで息も絶え絶え。
スポーツドリンクを飲みながら、思う。
(本当、凄い。彼、頼んで、良かった)
一方、オウカは水分補給して、塩ラムネを食べながら周りを見渡す。
因みに、彼ら以外にもここを使っている人はいる。
そんな中で目に留まったのは――一心不乱に棍棒を振るう少女。
夏休み中でもチラホラ生徒は見かけ、制服や運動着姿が多い。
なのだが、この少女は季節外れどころか、場所外れな外套で全身を覆い、眼もバイザーで覆っている。
そして、手足は甲冑を着ているのか銀色。
(何か気になる……)
そんな事を思うも、今はバイカとの稽古中なため、心の片隅に留めるだけにしておいた。
この二人の邂逅はもう少し。
******
とある日の夕方。
オウカはふらりと散歩をしていた。
「そんな時代も~、あったね~と」
最近、マユが何かしらの準備をしていて、それをネラが付き合っているのでこの日も一人。
『夕食はどうする?』
『そうだな……。偶にはどっかで食べて来る』
『そう。わたしたちは出前でも取ろうかな』
『おう』
実はマユは結構お金持ち。元々は無一文だったのだが、<冥刀>のメンテナンスを引き受けるようになってから、結構稼いでいる。曰くリピーターも多いらしい。
しかも、そこまで浪費癖もないので、金は貯まっていく一方。
その上、投資や株も始め、手堅く堅実にやっているそうで、金はドンドン増えていくとの事。
なので出前くらいではびくともしない。
(俺は何食べようかな?)
そして、オウカも生活費と言う事で、彼女からある程度お金を貰っている。なので、ちょっと豪華な物を食べても平気。
そんな事を思っていると。
「アレ~、サクヅキクン~?」
聞き覚えのある間延び口調が聞こえた。
振り向くと、そこにいたのは、担任であるアシヤ=キョウコ。
「先生。どうしたんです?」
「用事の帰り道~。そっちは~?」
「散歩です。それと夕食どこで食べようか迷い中」
「そっか~」
するとキョウコが何か思い付いた顔になる。
「良かったら~、一緒に食べない~?」
「はい?」
そういう訳で二人は夕食を取る事になる。
場所は寿司屋。手頃な値段で食べられる回るお寿司屋である。
「俺も出しますよ?」
「いいから~、いいから~」
そういう訳で、奢って貰う事になったオウカ。
席は仕切りがあり、プライベートが守られている。
「好きなネタ何~?」
「マグロです。そちらは?」
「ワタシ~、ヒラメ~」
オウカはマグロ、キョウコはヒラメをまず食べる。
とは言え、食べるだけでなく、雑談もする。
そんな時、オウカが口を開く。
「先生」
「うん~」
良い機会なので言う事にする。
「改めて、ありがとうございます。それとすいません」
「改まって~、どうしたの~?」
「色々迷惑掛けてるな~って」
その言葉に、キョトンとしたキョウコ。だったが笑う。
「気にしないで~。それに~、キミのせいじゃない場合も~、多いでしょう?」
「その言葉に救われます」
「大げさな~」
そうして二人は食べ続けた。
因みに合計金額はそこまでもなかった。
■□■□
夏休みも半ばに差し掛かったある日。
マユは最近ある準備をしていた。そして、この日ついに準備を終え、その活動を始める事にした。
それは……
「どうも。皆さん初めまして」
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「これから【叢雅の<冥刀>講座】を始めます」
動画配信だった。
場所は、鍛冶に使っている小屋。彼女の部屋のような物なので丁度良かった。
そして、身バレしないように、変声機能と認識阻害機能を持つひょっとこのお面を被っている。因みにコレ、オウカの知り合い(?)の殺し屋である、無貌の組織のモノ。
実は、金に余裕出てきてから、その組織――≪御面屋≫のパトロンをしているため、その権限で譲り受けた。
そもそもこの世界にとって<冥刀>は異物。間違った情報や嘘が飛び交っている。
それに加え、この間の驚天動地の死闘――オウカVSソルドアット――を視聴した人は結構いたので、それが更に加熱。
それがマユには許せない。なぜなら、ほぼ全ての<冥刀>製作に彼女は携わって来たのだから。
「まずは自己紹介を始めます。わたしは刹那叢雅。<冥刀>を作った叢雅一門の一人」
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実は機械関係にも明るい、ネラにも手伝って貰って、あちらこちらで宣伝をして、本日ライブ配信となった訳である。そのおかげか、視聴者は程々にいる。
因みにオウカにはまだ知らせてない。
理由? タイミングがつかめなかった(笑)。
「信じて貰えるとは思っていない。だから今回は――<冥刀>の基礎知識についてやる」
そうして、彼女は解説を始める。
そもそも生まれたきっかけ、全ての始まりの刃――<神刃>について、叢雅の始まり、<天剣>の誕生、叢雅一門の創設を話していく。
そうしていると、マユは気づく。視聴者が増えている。それにお面の下で笑みを浮かべる。
「今日はとりあえずこれで終わり。信じるか信じないかはあなた次第」
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そんなコメントにマユは次の配信日と配信時間を伝えた後、配信を切った。
「ふう……」
お面を外し、一息付くマユ。疲れはあったが、充実感のある疲労感だった。
※※※※※※※
――――――
【<冥刀>について語るスレ Part44】
555:名無しさん
<冥刀>が欲しいー!
556:名無しさん
金あれば手に入る事はあるけど、最低億だからな……。
557:名無しさん
そんな金はない!
558:名無しさん
普通の武器に擬態している事もあるらしいよ?
559:名無しさん
気に入った相手に飛んできたって事例もあるよ。
560:名無しさん
頼む! 来てくれー! まだ見ぬ武器よ!
561:名無しさん
>560
切実だな!?
562:名無しさん
そういえば、最近<冥刀>の値段が、高騰しているらしいよ?
563:名無しさん
ただでさえ億なのに!?
564:名無しさん
ほらあの対校戦の『バトル×三』で
565:名無しさん
ああ、アレな! 凄かったよな!
566:名無しさん
用事あって見れなかった(´;ω;`)
567:名無しさん
何でリアルタイムでしか見れなかったんだろう……
568:名無しさん
公式の発表だと、呼び出された人がそういう風にしたらしい。
569;名無しさん
>567
映像に残したら、駄目だと判断したんじゃない?
570:名無しさん
残してよー!
571:名無しさん
でも、アレ本当やばかったよな。最上級クラスだろ。絶対。
572:名無しさん
ところでさ、今更何だけど、<冥刀>って一体何?
573:名無しさん
一説だと、<ダンジョン>が生成した<アーティファクト>だってね。
574:名無しさん
滅んだ世界の遺物とも言われてるね。
575:名無しさん
自然生成説が一般だよね。そもそも作ろうとしても作れないからね。
576:名無しさん
本当にアレなんなんだ?
577:名無しさん
共通項は……
・三つのナマエを持つ。
・能力と代償がある。
・魂魄と意志を持つ。
578:名無しさん
アレ? 神話や伝説の武器の銘が付くのは?
579:名無しさん
付かないのもある。童話や物語、幻獣や神の名前のもチラホラある。
580:名無しさん
形も色々だしね。
589:名無しさん
本当にアレなんだ?
590:名無しさん
噂はあるけど、信憑性ゼロだからな。
591:名無しさん
何か動画で解説している人いるぞ?
https://XXXX/XXXX.jp
※ひょっとこのお面の女性が解説
592:名無しさん
ハア!? <冥刀>製作者?
593:名無しさん
馬鹿も休み休み言えよ。
594:名無しさん
でも、結構面白いし、わかりやすいから、見てみるといいよ。
595:名無しさん
なら見てみるか。
596:名無しさん
暇だしな。
――――――
◇◆◇◆
楽しい夏休みも終わりに近づいたある日。
この日、日課の鍛錬を終え、部屋でくつろいでいるオウカの元にやって来たのは。
「デートしようぜ!」
ソルドアットだった。
そんな彼女に……
「野球じゃないの?」
「中〇君じゃないんだから」
オウカはボケる。それにツッコミを入れるソルドアット。
そして、話題を戻す。
「まあそれは置いておこう。デート……してくれる?」
「断る理由はないからいいぜ」
オウカの肯定の言葉に笑みを浮かべるソルドアット。
そうして二人はデートに出かける。
出店を見て回ったり、屋台で甘い物を食べたり、映画を見たりと言った事をする。
そして、ある店で御揃いの腕輪を買った時だった。
「そういえばさ、あの二人にはちゃんと伝えてある?」
「遅くなるとは伝えたけど……」
その言葉に笑みを浮かべるソルドアット。
「じゃあ行こう!」
「……どこへ」
そうして二人がやって来て中に入った場所は……
「ラブホじゃねえか……」
そういうコトをするホテルに入った二人。
ソルドアットは真面目に説明する。
「ソル、こういう経験ないから、シテおこうかなぁって」
「だからって……」
「キミは経験豊富だろう? それにソルはキミの事嫌いじゃないし」
「……」
何も言えなくなるオウカ。
そんな彼にソルドアットは服を脱ぎながら近づく。
「初めてだから、優しくしてね?」
全裸になったソルドアットの言葉にオウカは……
******
しばらくして店を出る二人。やってきた場所は彼らが暮らす街が一望できる場所。
「あー今日は楽しかった」
「まあな」
伸びをしたソルドアットにそう答えたオウカ。
そして、ソルドアットはこう言う。
「これで心置きなく……消えれる」
その言葉にオウカは驚いた風もない。薄々わかってた。
ただ静かに訊ねる。
「ロスタイムや延長戦は無理なのか?」
「やろうと思えば出来なくはないよ? でもしないよ」
なんでとは言わないオウカ。
彼はわかっている。
ソルドアットが修羅道でしか生きられない事を。
「だからさ、笑顔で送って。お願いだから泣かないで」
オウカは自分の頬を抑える。どうやら泣いていたらしい。
なのでオウカは無理矢理笑う。
「じゃあな」
「うん。じゃあね」
そして、ソルドアットは背を向けるが。
「あ、忘れ物、忘れモノ」
「?」
オウカにある事を伝え、あるモノを託す。
そして。
「じゃあ改めて。さよなら」
「ああ」
「生まれ変わったらまた会おう」
「……。そんなの御免だね」
「……そうだよね」
「俺は――お前がいいんだ」
「! アハハ」
ソルドアットは笑う。その顔は泣き笑いだった。
そして、戦闘狂は――消えた。
彼女の置き土産が役立つのはまだ先の話。
3.5章 Fin. Next 肆ノ章……
【後書】
(・▽・)<間章完結! 駆け足な上、抜けも多いですけど。
(㈩*㈩)<新しい試みも出来たから、まあ……五十五点くらい?
(#ー#)<自己採点したんだ……。
(・▽・)<前話と前々話みたいなのはいずれやります。
(・▽・)<まあそれはともかく次回予告を。
(・▽・)<次回から第四章。前にも何度か言いましたけど、復讐の話。
(㈩*㈩)<サクの復讐に対する考えが見れる。彼の狂気も……。
(㈩*㈩)<いや、狂気は次々章かも。人は怒り過ぎると感情が消える。
(#ー#)<内容決まったのか? 結構迷っていたけど。
(㈩*㈩)<うん。まあネタバレになるから、少しだけ言うなら。
(㈩*㈩)<サクに最大最悪のピンチが襲い掛かる。
(・▽・)<……それって【オートクレール】裏切り事件とどっちが酷いですか?
(㈩*㈩)<う~ん。……どっちもどっちだから、比べるのが難しいけど、
(㈩*㈩)<外はそっち、内はこっち
(・▽・)<外?
(㈩*㈩)<内?
(・▽・)(㈩*㈩)<どういう事?
(㈩*㈩)<初めからいきなり始まる予定だから、多分そういう事かってなる。