(㈩*㈩)<新たなる章の開幕。
(・▽・)(#ー#)<ちょっと待って!?
(㈩*㈩)<何?
(・▽・)<いきなりバトルジャンキーが前回消えましたよね!?
(㈩*㈩)<突然じゃないよ? 伏線はある。
(#ー#)<どこにだよ。
(㈩*㈩)<彼女が死んだ理由。
(・▽・)<え……。あ!
(㈩*㈩)<アイツは、平和な世界で生きられないから。
【コソコソ話】
(・▽・)<この章から、カッコ、線、記号を変更・消去してみます。
(・▽・)<他の章の訂正はあえてしません!
(#ー#)<面倒だからか?
(㈩*㈩)<面倒だからでしょ?
(・▽・)<……。
▼▽▼
ある所に、一人の少女がいた。どこにでもいる普通の少女。
両親と弟妹の五人家族であり、家族間に特に問題もなく、幸せに暮らしていた。
よく喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、笑い、遊ぶ。表情がコロコロ変わる。
そんな彼女には夢があった。それがプレイヤーになる事。両親が優秀なプレイヤーなので、自分もそうなりたいと思った。
とは言え彼女にこの時点で才能はなかった。だが、なれる手段は幾つかある。なので親も応援していた。
幸せな毎日。だが、そんな日々は脆くも崩れ去る。
休日に遊びに行った先で“大惨劇”に巻き込まれ、彼女は全てを失った。
そして、叔母に預けられた。
その先で、彼女は忘れず、復讐を誓った。
喜ばなくなり、楽しまなくなり、笑わなくなり、残った感情は壮絶な怒りと深い悲しみだけ。
全く遊ばず、復讐の事しか考えず、無表情になり、全く笑わなくなった。
とは言え、彼女はチカラを持っていない。才能もなかった。
だが、チカラを手に入れて、昴咲高校に入学出来た。
しかし彼女は……。
『この程度じゃ足りない』
実質ガチャであるクロスのナノマシンを投与し、更なるチカラを求め、手に入れた。
そして、日々牙を研ぎ続ける。鍛錬と修行に明け暮れ、私生活で削れるもの――友人関係、食事、睡眠は全て削る。
そんな日々を送っていたある日の事。
彼女は、学長――保護者でもある人――からあるお願いをされた。それが対校戦の出場。
勿論、彼女は即拒否した。そんな時間などない。
だが、報酬を提示された事で、渋々出場する事になった。
本来なら、競技の日に来て、終われば、即引き上げる算段だったが、初日から最後までいるという条件で、報酬上乗せなうえ……
『何か発見や刺激があるかもしれないわよ? 特に『バトル×三』は面白い事になりそうよ?』
そう言われた。
なので、新人戦の『バトル×バトル×バトル』に参加し、(目立たぬよう)三位入賞した後は、期待をせず見ていた。大方は彼女の予想通り、特に見るべき物ではなかったのだが、最後の『バトル×バトル×バトル』。これだけは違った。
『……』
言葉が出ない程の激闘。様々な属性、概念、武器が舞う戦い。
そして、聞いた事がない詠唱。デュナミストである彼女には分かる。
そして、戦いが終わり、彼女は思う。
(あのチカラがあれば……!)
選手を食い入るように見た。忘れないように。
この二人の邂逅はもう少し先である。
◇◆◇◆
楽しい夏休みが終わり、新学期が始まる。
オウカはいつものように、余裕を持って登校する。この日は
彼がこう呟くのも無理はない。
「この三人で移動するの久しぶりだな」
その言葉にバツの悪そうな顔をするマユとネラ。
「「……」」
両者共に沈黙していたが。
「聞かないの?」
意を決してマユが訊ねた。
それにオウカは短く話す。
「何を?」
「何をしているのか……とか?」
「……」
それに沈黙したオウカは、少しして言葉を発する。
「あえて言わないんなら、何かあるんだろう? 俺は無理には聞かないさ」
「「……」」
その言葉にマユとネラは顔を合わせる。黙って置く理由や隠す理由はないうえ、丁度タイミングはいい。
そして、今度はネラは口を開く。
「不言、理由、機会、有無」
「確かに」
頷くオウカ。タイミングが合わなかったのはある。
そして、マユとネラがついに言う。
「最近始めた」
「動画、配信」
「ふ~ん……。!?」
一拍置いて驚くオウカ。
眼を真ん丸にしていたが、すぐに元に戻る。
そして、訊ねる。
「何を?」
「冥刀についての配信」
「……いいのか? それ?」
下手をすれば、神刃だのをやりかねない馬鹿が出るのではないか、というオウカの問いにマユは首を横に振る。
「無理。そもそもこの世界に天剣はないし、
<断剣>
破壊された天剣の欠片から作られた<冥刀>を指す。
【アロンダイト】から作られた【オートクレール】ら十本などが該当し、実は隠れもちらほらある。
そのチカラはどれも凄まじいが、こまで数はない。
「サクがやった手段はヴィシュヴァカルマンやディアンがいてこそ出来た」
叢雅によってはセーフティーを掛けている。それを取っ払える者など、一流の鍛冶師で出来るかどうかだろう。
「だから大丈夫」
「だといいけど……」
少し不安そうなオウカだったが、気持ちを切り替える。
「それで? どんな解説してるんだ?」
「始まりとか、叢雅一門について」
いずれは個別に解説しようと思っているらしい。
そんな彼女にオウカが告げたのは……
「身内の恥を晒すのか?」
「そこは身内自慢って言って!?」
「笑笑」
オウカのあまりにあんまりな言葉に、マユが珍しくツッコミを入れて、ネラがケラケラ笑った。
話している内に、高校に辿り着く。
中に入り、教室を目指していると――
「サク君!」
オウカを呼び止める声。それに振り向くと、そこにいたのはカナタ。
表情は怒りや悲しみがブレンドされている。
その理由にすぐに思い至るオウカ。
「……ソルの事ですよね?」
「知っていたの!?」
[揺れる~]
[落下!?]
オウカの肩を掴みガクガクと揺する。マユが揺れ、ネラが落ち掛ける。
カナタとソルドアットの二人は同居していた。というかソルドアットが、カナタの家に居候していた。
一緒にご飯を食べたり、遊んだりもしたが、ずっと一緒にいる訳でなく、ソルドアットはよく出かけ、一日や二日くらいの泊りがけもあったので、心配はしていなかった。
そもそもが、彼女は滅茶苦茶強いので、事件に巻き込まれても、叩き潰せるだろうと思っていた。
ところが、ずっと帰って来ないのに心配して、何か手がかりがないかと、彼女に貸していた部屋に入ったら、そこは綺麗に片付き、手紙があった
それはカナタ宛の手紙があり、そこには世話になったお礼と、自分の残り時間があまりなく、読んでいる頃にはこの世にいないであろう事、交流のあった人物へ手紙を渡して欲しい事などなどが書かれていた。
「貴方はソルさんから聞いていたの?」
ガクガク揺すりながら問いかけて来るので、とりあえず落ち着かせ、場所をいつもの屋上に移す。
因みに、二人きりだけでなく、いつもの面々が付いて来た。因みに、彼女らもソルドアットがいなくなったのは初耳である。
そして改めて、カナタは問いかける。
「で? どうなの?」
「聞いてはいませんでしたよ? でも薄々は知ってました」
微妙な言い方をしたオウカに、何人かが怪訝な顔になるが、ならなかった人がいる。それがジンナ。
「あの人、戦いの中でないと生きられないから……だよね?」
「ああ。そういえばジンナには話してたな」
なので改めて話すオウカ。ソルドアットの生き方と性質、そして、オウカとの決着。因みにマユもところどころ捕捉する。
そして、話し終わると全員が沈黙。
暫くして、一番交友が深かったカナタが呟く。その顔は悲しそうだった。
「それは……本当にどうしようもなかったのかしら?」
それに答える者はいなかった。
暫くして、ベニバナが訊ねる。
「カナタさん。ソルさんの手紙あるですわ?」
「うん。持って来た」
そして、各自に手紙を渡したので、それを読む事になった。
******
朝の一幕の後は、普通の高校生活送る。
それが終われば、普通の生徒なら、部活や委員会の仕事があるのだが、オウカの場合、帰宅部なうえ、対校戦のような用事もないので、すぐに帰るのがいつものパターンなのだが、新学期からは違った。
「オウカ」
天ノ角高校の正門前には、
「迎えにきたのか」
「うん」
「じゃ、行こう」
そういう訳で昴咲高校へ向かう二人。
オウカは新学期から、放課後に昴咲高校に行くようになった。バイカの鍛錬に付き合うためである。
因みに、わざわざ着替えるのが面倒なので、着衣交換機能を持つ匣を使う事で、早着替えならぬ、一瞬着替えが可能になっているので、この場で着替える。
更に移動時間を短縮するために……
「頼むぞオートクレール」
『タクシー代わりに使われるのはいい気分ではありません』
「不満?」
『女、よく言いました! そうに決まっています!』
天剣を利用する。時空操作能力を持っているので、移動は一瞬。
そして、他の生徒も利用する部屋で向かい合う二人。
この日、利用生徒は疎らだったのだが。
(今日もいるな……)
夏休み中、オウカとバイカの稽古中、毎日見かける少女。この日も棍棒の素振り中。外套、バイザー、銀手足が特徴的。
なぜか彼女が妙に気になる。ベニバナのように校則をぶっち切っているから?
「違うよな?」
思わず口に出してしまうと、それを偶然聞いたバイカが訊ねる。
「何、話?」
「ん? ああ。よく見かけるなって」
「……? ああ」
辺り一面を見渡して、納得するバイカ。
「あの子、気になる?」
「少しな……」
一心不乱に棍棒を振るい続ける少女。オウカにはわかる。あの素振りには殺意と憎悪が乗せられている。
その鬼気迫る後ろ姿を見る彼に、バイカは口を開く。
「一応、同級生」
「ほう」
バイカ曰く。
彼女の名前は――ソラナキ=ヒナタ。
成績は優秀ではあるのだが、授業は出ない時もある。因みに対校戦の新人戦でも活躍した。
プレイヤーとしてのタイプはデュナミスト兼クルセイダーらしい。
「人、交流、しない」
何でも最初の自己紹介で、名前しか言わなかったうえ、いつも一人で、人付き合いも突っぱねる。
「挨拶、無視。話しかけ、その場、去る」
「それはなあ……」
人との交友関係を完全に拒絶している。
「後、噂。学長、知り合い」
「へえ」
一応、昴咲高校学長とオウカは繋がりがある。
なので聞いてみよう、と思うオウカだった。
そして、いつもの稽古を始める二人。
オウカのこの日の武器は――大太刀。身の丈以上はあり、振るうにも苦労しそうだが、彼は軽々振るう。
バイカは自身の愛刀である【オーバギュ】を構えて抜錨状態にする。機体は召喚しない。
実戦形式のためにV.F.を展開。そして。
「フッ」
「ハッ!」
同時に飛び出す。そして、剣戟乱舞。響き続ける金属音。
今回は――オウカが有利。リーチの差で、バイカを近づけさせない。
(このまま、一方、負ける!)
そのせいで、オウカのV.F.値は減らないのに。バイカはガリガリ削れていく。
(どうする……)
思考、思考、思考。
(賭け、出る)
それしかない。
一回間合いを離す。オウカはそれを追わず、待ちの態勢に入る。
(第一、クリア)
バイカは身を低くして刀を構える。まるでそれは獲物を狙う肉食獣のよう。
「行く」
「来い」
飛び出すバイカ。トップスピードで迫る。
それを迎撃するオウカ。
「イカメシじゃあああ!」
オウカは大太刀をフルスイング。ジャストタイミングのはずだが、それは残像。
「!?」
(第二、クリア)
急激な緩急をつけた足捌きで大太刀を空振りさせ、自身の間合いに入る。
長物の弱点は間合いに入られる事。だからこそ。
「ハア!」
自身の距離で刀を振るう。それはオウカを捉え……
「舐めるなよ?」
「!」
られなかった。
大太刀の刃を掴む事で強引にリーチを縮め防ぐ。
策は尽きたかと思いきや……
「まだ!」
発勁の寸勁と浸透勁を応用した攻撃。腰と足の動きを利用して放つ零距離・内部破壊の技。
それをモロに喰らうオウカ。
だが。
「ねえ知ってる?」
「!?」
「そういう攻撃は同系統の攻撃をぶつければ相殺できるって」
オウカにとっては想定内。
こちらも腰と足の動きで、同系統の技を放ち相殺どころか、圧倒。
体内に浸透した衝撃のせいで、動けなくなるバイカにオウカは。
「袈裟斬りじゃあああ」
「カフッ!?」
最大威力の一撃を放つ。それはV.F.値を全て削り取った。
******
そして、休憩する二人。
バイカは飲み物を飲んでいる。その顔はくやしそう。
「いける、思った」
「甘い甘い」
オウカは飲み物を飲みながらケラケラ笑う。
そして、こう言う。
「俺がどれだけ戦って来たと思ってる?」
それに何も返せないバイカだった。
【コソコソ話】
(・▽・)<ソルドアットは戦闘狂で破綻者なのですが、それを感じさせません。
(・▽・)<外面はよく振舞う事も出来ます。意外と礼儀作法も完璧です。
(#ー#)<人は見た目によらないな。
(#ー#)<(そういうやコイツもか。家族すらその異常性に気づかせなかったそうだし。)
(・▽・)<逆を言えば、だからこそ本性に誰も気づけなかったんですけどね。
(・▽・)<特にこの世界の人達。平和な世界ですからね。
【断剣フラグメント】
(㈩*㈩)<破壊された天剣の断片から、作成された冥刀の事。
(㈩*㈩)<【オートクレール】とかの十本が有名だけど。
(#ー#)<それはそっちでだろう? こっちにはない。
(㈩*㈩)<他にもチラホラある。隠れも多い。
(#ー#)<スルーしやがった……。