冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS】

《ヴァイオレットクロス》
(・▽・)<人工物……でしたっけ?

(#ー#)<ああ。人の手で作られた物のチカラを使える。

(㈩*㈩)<例えば?

(#ー#)<時計、電話、電池、時計みたいな物から

(#ー#)<石鹸、薬、消火器、独楽、梯子とか。

(#ー#)<日用品、機械、生活支援の器具とか。

(#ー#)<マジで色々あるんだ。当たり外れも滅茶苦茶多い。

(・▽・)<要するにジ○ドグマ怪人?

(#ー#)<言うなって言いたいけど、それが一番近いんだよなぁ。

(㈩*㈩)<そういえば武器ってあったよね?

(#ー#)<ん? ああ。

(㈩*㈩)<微妙な物ない? 鋏とか、ナイフとか。

(#ー#)<それな。……ぶっちゃけると両方。

(㈩*㈩)<どういう事?

(#ー#)<それについていずれな。




「姉さんと外食っていう事になったんだけど」

 

 前を歩くジンナはかく語りき。

 

「友達も連れてきて良いよって。それぐらい奢る懐具合はあるってさ」

「他の知り合いは?」

「生憎と皆先約があるみたい。それに」

 

 苦笑して続ける。

 

「家族水入らずの雰囲気に水差したくなかったのかも」

[行きづらかったのかもしれない?]

「んー」

 

 ジンナの意見とマユのコメント。この二つにオウカは曖昧な返事を返す。

 そして、気になった事を聞く。

 

「でも、俺で良かったの?」

「うん。それに……」

「それに?」

[?]

 

 疑問符を浮かべるオウカ(とマユ)。

 

キミの事知りたかったから

「?」

「……なんでもない」

 

 そういう訳でオウカ(とマユ)がジンナに連れられてやって来たのは、町中華の店。あの混乱期も開いていた店。

 

「そういえば……」

[?]

「こういう所入った事ないな……」

 

 元々生まれと育ちがアレなので是非もない。外食経験自体が少ない。

 

[わたしは昔に。何人かで]

[ああ……]

 

 マユが刹那叢雅として活動していた頃は、場所によっては比較的普通の生活を送れた。だからこその経験だった。

 

[どうだったの?]

[……]

 

 その時の光景を思い出すマユ。

 

『イッキ! イッキ!』

『六徳死ぬとこ見てみたい!』

『ガボガボガボ!?』

 

 六徳が不可思議にアルハラされ、那由他が煽る。

 

『フン』

『……(呆れ)』

『アルハラやめろ。一気飲み強要やめろ。馬鹿姉妹』

 

 無視する恒河沙、呆れる弾指、止めようとする清浄。

 

 その光景を思い出すマユ。皆楽しそうだった。……約一名死に掛けてはいたが。

 

[楽しかった]

[そっか]

 

 そんな会話をしていると、

 

「どうしたの? 入ろう」

 

 ジンナがそう言うので中に入ると、そこには先客がいた。

 

「ヤッホ~」

「先やってるよ~」

 

 キョウコとザンカだった。

 二人が座っている四人掛けのテーブルの上には、ラーメン・餃子・炒飯の三本柱を中心に、エビチリ、麻婆豆腐、シューマイ、八宝菜、ビールなどが並んでいた。

 

「キョウコ先生! もしかして姉さんが?」

「誘われたから~」

 

 との事。

 そういう訳で奇妙な四人での夕食が始まった。

 

 席につくオウカにキョウコとザンカが話しかける。

 

「いっぱい食べてね~。奢りだから~」

「……それアタシのセリフっす。まあいいっすけど」

「どうもありがとうございます」

 

 頭を下げるオウカに今度はマユが話しかける。

 

[何食べるの?]

[そうだな……]

 

 テーブル(回転テーブルも載った)上の食べ物を眺める。

 

[とりあえず野菜系から]

 

 オウカが最初に目を付けたのは八宝菜。……別に冷えては無い。

 大皿に盛られた八宝菜を、自身の小皿に取り、目の前に置く。

 

「いただきます」

 

 そうして食べ始める。そんな彼に話しかけたのはザンカ。

 

「サクヅキ君って強いっすよね」

「そうですか? まだまだです」

 

 食べながらもオウカの食事ペースは変わらない。小皿の八宝菜があっという間に消え、今度はエビチリを取って食べ始める。

 

「やっぱり師匠とかいるんすか?」

「ええまあ」

 

 エビチリがあっという間に消える。

 そんなオウカにキョウコが訊ねる。

 

「微妙な言い方~?」

「師匠と弟子ってだけの関係性じゃなかったので」

[そうなの?]

 

 マユを筆頭としたこの場全員の疑問に、オウカは答える。

 

「親代わりでもありましたし、姉みたいな人でもありました」

 

 彼女との日々を思い出す。

 おそらく彼女がいなければ、オウカは野垂れ死んでいた。

 

「とは言え、俺が師匠から習ったのは……」

 

 思い出す。

 

「<プレイヤー>に関する知識全般、<モンスター>について……」

「「うんうん」」

 

 姉妹が仲良く頷く。

 

「体の動かし方、護身術、ゾーンへの入り方……」

「やっぱり~、そういうモノ学ぶのね~」

 

 自分も聞いてみたいと思うキョウコ。

 

「チャカの扱い、ドスを使った戦闘方法、段平の基礎…」

(チャカ~?)

(……ドス?)

(段平?)

 

 言い方がおかしい事に疑問符を浮かべる三人。

 

「薬作り、簡単な武器の作成と修繕……」

(あ、ちょっとまともになったっす)

 

 一安心するザンカ。

 

「料理、洗濯、家事、裁縫、掃除……」

(変な方向に~?)

 

 キョウコが首を捻る。

 

「後は……」

「……あのちょっといい?」

「?」

 

 ジンナがオウカを止める。疑問符を浮かべる彼に、

 

「キミの師匠って……ヤクザ?」

「いんや。メイド」

「「メイド!?」」

 

 三人の驚き声が重なる。

 

「だから戦闘より家事とかの方に比重も寄ってた」

 

 そう言ってケラケラ笑うオウカだった。そして、三つの指を立てる。

 

「皆さん気になる事もあるでしょうし、奢って貰ってる身なんで……」

 

 一拍置く。

 

「三つ。答えますよ?」

 

 小皿に餃子を取り食べていくオウカ。

 多分気になる事が沢山あるのだろう。全部に答える訳には行かないが、ある程度なら答えよう。

 

[いいの?]

[うん。ヤバイ事とか秘したい事はぼかす]

[そう。なら止めない]

 

 相棒も許可したのでこれで大丈夫。

 そんな彼に三人は暫くコソコソ相談していたが、

 

「アタシからいいっすか?」

 

 まずザンカが手を上げる。

 

「単刀直入に聞くっす」

 

 一拍置く。そして思い切って聞いた。

 

「その戦闘技術どうしたんすか?」

 

 一回目を消費する。

 それは全員思っていた。どうもてもオウカの戦闘力はおかしい。歴戦の戦士のようである。

 それに、オウカは答える。

 

「ちょっとインチキしているんで」

「「インチキ?」」

 

 首を捻る三人にオウカは話す。

 

「昔持ってた<冥刀>の置き土産です」

「置き土産~?」

「ええ。使い手である二人は知っているかもしれないけど」

 

 オウカの目線が姉妹二人に映る。

 

「<冥刀>って生物でもあるんです。だから死ぬ時がある」

「ほう~」

「それで、死んだ時に使い手にチカラを遺す事があるんです」

 

 豹は死んで毛皮を遺す。人は死んで名を遺す。<冥刀>は死んでチカラを遺す。

 

「「そうだったんだ……」」

[知らなかったの?]

 

 どうやら知らなかった姉妹にツッコミを入れるマユ。聞こえてはいないが。

 

[でも仕方ないか……。自我が薄いし]

 

 <冥刀>の自我は個々により違う。この姉妹が持つモノは簡単な受け答えや、ある程度の意志を伝えるのが精一杯なのだろう。

 これは余談だが、不可思議の作品はだいたいが自我が濃い。

 

「それで俺が使ってたのが【ティルヴィング】です」

「え!? ソレって……」

「アレ~? それって確か北欧神話の~」

「……呪われた剣っすよね?」

 

 三人とも元ネタを知っていたらしい。

 

 オーディンの血を引く王であるスウァフルラーメが、二人のドヴェルグに作らせた剣である。しかし彼らは去り際に、この剣が悪しき望みを三度は叶えるが、持ち主にも破滅をもたらす呪いをかけた。そのせいで、持ち主や近親者がこの剣により死んだ。

 まあこれはあくまで元ネタだが。<冥刀>はこういう元ネタになぞらえて作っている場合がある。まあ無視する人もいるけど。そもそも逸話が少ない剣って多いので。

 

「それで三つの願いを叶えるチカラがあるんです」

 

 とは言え、何でもは叶えられない。叶える方法がわかっている願いの過程を与える事が出来るのが【ティルヴィング】のチカラ。だが当然の如く対価がある。

 

「それで俺は戦闘技術を願いました。だから」

「ちょ、ちょっと待って」

「うん?」

「何で生きてるの?」

 

 元ネタが元ネタならオウカは死んでいるはず。なのにどうして。

 ジンナの疑問にオウカは寂しそうに笑って答える。

 

「破滅をアイツは肩代わりしてくれたんですよ」

 

「じゃあ次はワタシ~」

 

 キョウコが手を上げる。

 

「<冥刀>を幾つ持って~、いや」

 

 言い直すと同時に開眼する。

 

「今まで幾つ使っていたの?」

 

 さっきの「遺す」話から確信する。恐らく今のオウカは<冥刀>を持っているが、そこまで沢山持っていない。「遺したモノ」を使っているのだと。決闘で使ったのはソレだと。

 

「それ聞きますかぁ……」

 

 頭を掻くオウカ。結構困った事を聞かれた。何より……

 

「言いづらいなら~、おおまかでもいいけど~」

「いや、そうじゃなくて」

 

 一拍置いて答える。

 

「数えた事ないんで」

「「は!?」」

 

 唖然とする三人。暫くしてジンナが再起動。

 

「ど、どういう意味?」

「俺が使ったモノの中で、特殊なのがあって……」

 

 そうして彼は説明を始めた

 

 曰く、彼が使っていた<冥刀>に、単体では全く意味のないモノがあった。

 一見すると、何の能力もなく、補正もない。大多数のモノが持っている身体強化・可変機能もない。

 だが、この<冥刀>は他の<冥刀>を使う事で本領発揮をする。

 

「要するに、複数持ちになれる<冥刀>です」

「そ、そんなモノが~」

「「初めて知った……」」

「アハハ」

 

 そんな彼女らに苦笑するオウカ。

 実際、今この世界に存在する<冥刀>は一部に過ぎない。

 製作されてすぐに破壊されたモノ、隠蔽・秘匿されたモノ、色々ありすぎたモノなどなどが存在する。

 冥刀図鑑というのがあるにはあるが、載っていないモノもあるうえ、稀に更新されるのでキリがない。

 だからこそ全部を知るモノなどいない。

 ……実際、叢雅一門の全員が内緒で作った作品が存在する。

 

 閑話休題。

 

「後、他のも結構変わり種があって……」

 

・条件付きで、相手の<冥刀>のチカラを共有・借用する。

 

・<冥刀>の破片を取り込み、そのチカラを振るう。

 

・倒した相手の<スキル>を使用可能になる。

 

「あ、だからわからないって言ったんだ~」

「はい」

 

 キョウコは納得する。確かにそういうのを持っていればわからないのも当然だと納得した。

 

(煙に巻かれた~、気もするけど~)

 

 これ以上聞くのは躊躇われた。

 なので、

 

「ありがとう~。もういいよ~」

 

 質問を打ち切った。

 

 そういう訳で最後はジンナ。

 なのだが、

 

(聞く事と言っても……)

 

 先程の相談で二つの質問はすぐに決まったのだが、残り一つは……

 

『ジンナちゃんの好きにして良いっす』

『何でも良いよ~』

 

 と年上二人に言われてしまった。

 なので困ってしまう。

 オウカの質疑応答を聞きながら、どうにか考えていたが……

 

(思いつかない……)

 

 なので、

 

「ええとさ」

「うん。何が聞きたい?」

 

 訊ねるオウカ。

 

「取って置く事って出来る?」

「うん?」

「っす?」

「ふへ~」

 

 上から、オウカ、ザンカ、キョウコである。

 反応に思わず笑うジンナ。

 

「アハハ」

 

 そして、改めて説明する。

 

「今は思いつかないからさ、思いついた時に聞いて良い?」

「う~ん」

 

 それは予想していたなかったオウカ。そういう訳で相棒(マユ)に相談する。

 

[どうしよう?]

[良いとは思うけど? 答えたくないなら答えないって言えば?]

[そうだな]

 

 そういう訳で、

 

「良いよ。でも答えたくないのは答えない」

「うん。それで良い」

 

 ジンナは笑う。その笑みに釣られてオウカも笑う。

 

「じゃあ夕飯再開っす」

「飲むよ~」

 

 年上組が食べるのを再開しようとしたが、

 

「「!」」

 

 テーブル上の皿は空だった。何も残っていない。ビールや飲み物は残っていたが。

 

「あ、おいしかったです」

「「全部食べたの!?」」

 

 犯人はオウカだった。

 

[意外とサクは健啖家だから]

 

 マユがコメント。

 因みに、オウカは幼少時あまり食べられなかった反動でこうなった。食べられる時に食べるのが彼である。

 

 

 ******

 

 

 夕食を終わり帰途に就くオウカ。薄暗い夜道をお腹をさすりながら歩く。

 あの後、追加注文して、楽しい夕食会となった。

 

 因みにその時に……

 

『ボクの事は名前で呼んで。姉さんと混ざるから』

『じゃあ俺も……オウカでいい』

 

 そういう訳でオウカとジンナは名前で呼び合う事になった。

 

「フンフフフーン」

 

 鼻歌を歌うオウカ。手にはお土産として貰った肉まんとあんまんの袋がある。

 そんな彼にマユが話しかける。

 

[それにしても……]

[どうした?]

 

 マユと念話で会話。人形態に戻るタイミングがなかったので、櫛形態のままのマユ。

 

[実技授業で戦闘スタイル色々だった]

[まあな]

 

 授業の事を思い出していた。

 

[一口に<プレイヤー>っても様々だから]

[確かにそう]

 

 広義では、術技・能力にあたる<スキル>を使える人だが、現在ではプロとして活動する人を指す言葉になっている。

 

 そして、それらにも分類(クラス)がある。

 

・オーソドックスな戦士や魔法使いを<ファントム>

 

・<プレイヤー>としての歴史がある名家の血を引く<ノーブル>

 

・《クロス》などの後天的な手段を使った<クルセイダー>

 

・<冥刀>の使い手である<デュナミスト>

 

・武器、道具、料理、薬品などを作る<クラフター>

 

 この五種類で分けられる事が多いが、<ファントム>を戦闘方法によって細かく分けたり、ハイブリットやどれにも当てはまらないモノもある。

 

[サクは<デュナミスト>?]

[そうなるな]

 

 正確には元クルセイダーのな、と心の中でオウカは付け足した。

 

 

 間章 Fin. Next 壱ノ章……




【コソコソ話】
(・▽・)<主人公の師匠はメイドさん。

(・▽・)<ただし実家が極道。しかも体に蜈蚣の刺青を彫ってる。

(㈩*㈩)<どんな極道?

(#ー#)<どんなって……。

(・▽・)<仁義と任侠の極道です♪ 人間がバグっている方です♪

(・▽・)<……間違っても忍者と戦ってる極道ではないです。

(㈩*㈩)<アレは極道っていうか蛮族。

(㈩*㈩)<天○組、京○組、獅○王組、天○寺組はキレる。

(#ー#)<話がズレてるぞ!?


【TIPS】

<プレイヤー>について
(・▽・)<術技・能力を使える人、特殊な武器を振るう人全般ですね。。

(・▽・)<だけど、今では冒険者、探索士、傭兵、狩人みたいな事をしている人を指します。

(・▽・)<そして、学校を卒業した人をプロって呼びます。

(・▽・)<さらに大きく分類すると


・<ファントム>

・<ノーブル>

・<クルセイダー>

・<デュナミスト>

・<クラフター>


(・▽・)<に分類され、ここから更に分類する事もあります。

(・▽・)<因みに<ダンジョン>探索を主にする人は<シーカー>。

(・▽・)<<モンスター>討伐を主にする人は<ハンター>と呼ぶ事も。


【後書】
(・▽・)<次回の更新は来週の土曜日です。

(㈩*㈩)<ここからが本番。色気、残酷、ポロリもあります。

(#ー#)<……どうせ首がポロリだろう?
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