冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【前書】
(・▽・)<注意事項。

(・▽・)<少し性的な表現が出ます。

(㈩*㈩)<ここ最近多い気がする。

(#ー#)<作者曰く、挑戦だとさ。どこまで行けるかの。


【コソコソ話】
(㈩*㈩)<【オルナ】と【リサナウト】の違いは、剣と斧という武器の種類。

(㈩*㈩)<それと【オルナ】は、制限なく大きくなるけど、その分の重量や空気抵抗など諸々がかかる。

(㈩*㈩)<【リサナウト】は、制限があって、一定以上にしかならないけど、重量はそのままなうえ、空気抵抗もかからない。

(㈩*㈩)<サクはパワーを増強させて無理矢理振るっている。


七十

 ******

 

 

 全ての鑑定が終わり、後始末――痕跡除去や死体処理等――を終え、その足で向かうのは、それらを売却できる店。人通りの少ない場所の地下にある、どう見ても合法には見えないうえ、店主が認めた人物しか入店出来ないとの事。

 

「出所を詮索されないし、結構高値で買って貰えるから」

「ふうん」

 

 そこの店主である老婆に査定して貰う。ついでにオウカも入店許可を貰った。

 

「イーヒッヒッヒ。アンタとは顔見知りになった方がいい気がするねえ」

「そう。じゃあ宜しく」

 

 そして、オウカはヒナタを連れて家に帰る。

 

(……家?)

 

 そこにあったのはトレーラーハウス。その近くには小さな小屋がある。

 

(まあいいか。車やバスに住んでいる人だっている)

 

 そう思いながら、オウカの後に続きトレーラーハウスに入る。

 

「ただいま」

「お邪魔します」

 

 その声に答えるのは少女と機械アリ。

 

「おかえり」

「朝帰。女連?」

「ネラ、その言い方やめて」

 

 そしてオウカは紹介する。

 

「ソラナキ。こっちがマユ、このアリがネラ」

「よろしく」

「宜願」

 

 二人の挨拶にペコリと頭を下げる。

 

「ネラマユ」

「「何その言い方(何言)!?」」

「こっちがソラナキ=ヒナタ」

 

 その紹介にマユが思い至ったという顔になる。

 

「交流出来たんだ」

「ああ。お陰でな。それでお願いがあるんだが……」

「メンテナンスでしょう? 任せて」

 

 そしてマユはヒナタに近づきこう言う。

 

「じゃあ三つ半の冥刀見せて」

「!?」

「は?」

「意味、不明」

 

 その言葉にバイザー越しでも分かる程、驚愕の表情になる。一方、オウカとネラは意味が分からないのか疑問符を浮かべている。

 それにマユは説明する。

 

「近くて見て初めて分かった。【パダルン・レドコウト】がかなり変質している」

 

 目を細めて続ける。

 

「別のがくっついている。コレは――【カリュブディス】。合体してる」

「前言ってたな奴だな……。確か同化型の代替タイプだっけ?」

「そう」

 

 オウカの疑問に、マユは唇を開き、歯を指さす。

 

「歯を置換する。口を増やす事が出来て、咬合と消化が強化される」

「能力、一体?」

「どんな物でも食べれるようになる。更に食べて吸収した相手の能力をコピー可能」

 

 そこまで説明すると、驚いていたヒナタが再起動する。

 

「何でそこまで知ってるの?」

 

 完全に警戒している。

 なのでマユは。

 

「サク」

「いいぞ」

 

 オウカに許可を取り説明する事にする。

 

「わたしの名前は刹那叢雅。冥刀の製作者の一人」

 

 普通だったら信じて貰えないであろう言葉だが。

 

「それなら当然か」

 

 ヒナタはあっさりと信じた。

 それに逆にマユが疑わしそうになる。

 

「何で信じられるの?」

「ウチは真偽を判定するスキルを持ってる。それにすぐに外套の様子に気づいたから」

 

 その理由に納得するマユ。

 

 そうしてメンテナンスが始まる。

 とは言えまずは見る事から始める。

 

 ヒナタは棍棒を出して渡す。

 それをマユは受け取ると、眺め始める。暫く見ていると、持ち方を変え軽く振るう。すると、棍棒がメイスへと変わる。それを眺めていくマユ。

 

 暫くして、マユはメイスをヒナタに返す。

 

「ちょっと失礼」

「……」

 

 そして、外套を見始める。見るだけでなく時に触っていく。 

 暫くして見終わったのか、マユはヒナタに声を掛ける。

 

「義手と義足を見る。触る」

「お願いします」

 

 最後に、マユは手足を見始める。

 始めに義手から。外套が長袖なので、袖を捲り見ていく。腕は銀一色で、球体関節となっている。マユはそれを見て触る。特に関節部を重点的に見ていく。

 次に義足。外套の裾を捲り見ていく。足も腕と同じようになっている。そして、足は裸足だった。

 それにネラが訊ねる。

 

「聞良?」

「? 何を?」

「裸足、汚付」

 

 その言葉にヒナタは説明する。

 

「同化型の冥刀は常時能力が発動しているから、大丈夫です」

「それに義足型の冥刀は地面から数ミリ浮いている」

 

 マユの捕捉。

 それにネラは納得。

 

 そんな風に会話をしていると、マユの見るのが終わる。

 オウカが彼女に声を掛ける。

 

「どうだった?」

「元々ある程度メンテナンスしていたのと、義手のおかげでそこまで酷くない」

 

 【ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】の穢れの消去は、埃や塵にすら適応される。なので、関節部などにそれらが溜まる事もない。

 

「でも激戦を重ねて来たせいか、負荷がかかってる。特に外套は……」

 

 少し沈黙して続ける。

 

「結構無茶させている。一回全部オーバーホールした方がいいかもしれない」

「お、オーバーホールって……」

「冥刀、精密、機械」

 

 マユの言い方に、ヒナタとネラが奇妙な顔をする。

 そんな彼女にマユは訊ねる。

 

「どうする?」

「どれくらいかかりますか?」

「三つ……実質四つだから明日の朝には終わる」

 

 ほぼ丸一日。オーバーホールなので仕方ないが。

 

「明日か……」

 

 ヒナタは迷う。

 そんな彼女にオウカはこう言う。

 

「こんな機会滅多にないぞ? やって貰え」

「……」

 

 ヒナタは考える。

 暫くして。

 

「……(コクリ)……」

 

 頷いた。

 

 そういう訳でオーバーホールをする事になったのだが、ヒナタは義肢なので外すと、動けなくなる。

 なので。

 

「サク、この子の事お願い」

「俺!?」

 

 驚くオウカにマユは最もな事を言う。

 

「うん。ネラはサポートに回って貰うから」

「でもなあ……」

 

 チラリとヒナタを見る。

 つまりはトイレや入浴の世話をしなくてはならない、と言う事。

 だが、ヒナタは意外と冷静だった。

 

「別に構わない」

「でもお前、女の子だろう」

 

 その言葉にヒナタは無表情にこう言った。

 

「冥刀を使うと決めた時点で、羞恥心は捨ててるから」

 

 ヒナタはオウカに訊ねる。

 

「義肢外すから、座って邪魔にならない場所ってある?」

「あ、ああ」

 

 そういう訳でクッションを載せた椅子を用意する。

 

「ありがと」

 

 そして、ヒナタは冥刀を外していく。

 初めに手に持った【テーセウス】。マユに渡す。

 次に【パダルン・レドコウト】。普段は足元まで長さのあるコートとして使っているモノを、太腿までの長さのマント状に変形させて脱いだ。

 

「「!」」

 

 その下に現れた体に驚く三人。オウカはすぐさま顔を隠して視線を逸らす。

 それは当然。なにせ――ほぼ全裸だった。絆創膏で大事な所は隠しているが、それ以外は何も着ていない。

 下着(インナー)くらいなら着ていると、三人は思っていたのだ。

 そんな彼らの反応を予想していたヒナタは、マントをマユに預けて続ける。スタイルの良い体を隠そうともしない。

 

「【カリュブディス】を混ぜてから、色々強化されたけど、代償が重くなったの」

 

 そのせいで、下着すら着れないと言うヒナタに、マユは納得する。

 冥刀の修理に、壊れた冥刀を使う場合、能力や代償に変化が起こる事がある。

 

 最後に義肢を外し始める。

 椅子に座り、義足を外し、マユに渡す。そして、左手の義手を外して渡す。残りの右手は自分で外せないので。

 

「サクヅキくん」

「……何?」

「腕外して」

「お、おう」

 

 オウカに頼んだ。彼は彼女の体を見ないように【ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】を外した。 そして、マユに預ける。

 そうして、全てを外すと、色々な意味で犯罪臭がする少女が椅子にいた。

 

「じゃあ、後は宜しく。ネラ手伝いお願い」

「うん」

「了解」

「あ、そうそう。食事は要らない。二人で食べて」

「え」

 

 まさか今日一日、手足の無い裸の女の子と過ごすの、と戦々恐々しているオウカにマユは追い打ちをかける。

 

「強くなりたいなら、オウカにアレを頼むと良いよ?」

「おい!?」

「じゃ」

「頑張」

 

 マユとネラは出て行った。

 

 そして、二人きりになる。

 とりあえずオウカは、ヒナタを見ないようにして言う。

 

「何か用事がある時は言って」

「じゃあ……喉乾いた」

「了解」

 

 そういう訳で、麦茶をゆっくりと飲ませる。オウカはヒナタを見ないように、眼は瞑ったまま。

 

「ありがとう」

 

 飲み終わったタイミングで、すぐに後ろを向くオウカ。

 

「テレビ付けとこうか?」

「別にいい」

 

 そして、暫く沈黙が続く中。

 

「ねえ」

「何だ?」

「さっき、マユさんが言ったアレって何?」

「……」

 

 沈黙するオウカ。

 暫くして答える。

 

「魔力系ってあるだろう?」

「体内にある魔力の通り道でしょう?」

 

 神経系みたいなものである。

 

「ああ。戦闘を繰り返すと澱みが溜まっていくんだ」

 

 魔力を使わないで休息すれば取れる。のだが、連戦すると溜まりやすくなる。

 

「それを針治療みたいな感じで取り除くんだ」

 

 そうすると、魔力をコストするスキルが使いやすくなる。

 因みに、メイド師匠から習った方法である。

 ただこれ欠点がある。

 

「初めて聞いたのだけど」

「師匠曰く、知っているのはごく一部のノーブルくらいなうえ」

 

 一拍置いて続ける。

 

「裸を見る必要があるんだよ。薄布一枚も身に付けられない」

 

 だから廃れたとは、メイド師匠談。

 

 それを聞いたヒナタは躊躇なくオウカに頼む。

 

「じゃあ丁度良いからお願い」

「え!」

「もう見られてるからいい。時間もあるだろうから」

 

 その言葉にオウカは溜息を吐いて。

 

「わかった」

 

 頷いた。

 

 そういう訳で作業をおこなう。

 細長い針を用意して煮沸する。その間に、ベッドのシーツを新しい物にして、ヒナタをお姫様抱っこで持ち上げ、横たえる。

 

「じゃあ始めるぞ。外す」

「……(コクリ)……」

 

 まずはバイザーを外す。そこから現れたのはオッドアイの瞳。どうやら両方共移植したモノのよう。

 

(だから隠してたんだ)

 

 納得した後、局部の絆創膏を外して、改めてヒナタの全裸を見るオウカ。

 

 胸はそこまで大きくないが、形が良いため、女神像のような裸身であり、性的よりも美的を感じる体。肌には火傷跡や古傷があるが、それらもコントラストになっている。

 少しだけ見惚れるオウカにヒナタはこう言う。

 

「見ても面白くないでしょう? 火傷や古傷だらけだから」

「そんな事ないと思うよ? 十分綺麗だと思う」

 

 彼の言葉にヒナタはほんの少し口元を歪める。

 

「そ。誉め言葉として受け取っておくわ」

 

 そうして処置が始まった。

 

 暫くして。

 

「ふう……」

 

 処置が終わる。

 オウカに肉体疲労はないのだが、精神疲労が凄い。

 

 一方ヒナタは……。

 

「ハァ……、ハァ……、ハァ」

 

 荒い息を吐いている。

 こちらは肉体的にも精神的にも疲労しており、体中汗みずく。なので。

 

「サクヅキくん」

「……何でしょう」

「トイレとお風呂。手伝いお願い」

「……」

 

 沈黙するオウカ。

 それにヒナタはこう言う。

 

「今更でしょう。ここまでウチにさせたんだから」

「人聞きの悪い事言うな!?」

 

 ツッコミを入れる彼にヒナタは口元を歪める。

 オウカは分かって来ていた。これで笑っているらしい。上手く笑えないのだろう。

 

「ね? お願い」

「……わかったよ」

 

 そして、トイレと入浴の補助をする。

 それらが終わり、体を拭いてから、ふと気になったので訊ねる。

 

「そういえばバスタオルで体を隠すのはどうなの?」

「短時間……湯上りの時間位なら黙認してくれる」

 

 冥刀の代償の取り立ては結構容赦がない。

 

 例えば、記憶を代償とする場合、忘れないように何かに書き留めたとしても、それを読むのも一苦労なうえ、どうにか読んだとしてもすぐに忘れてしまう。

 

 ヒナタの場合、ソレ以外の物を着たり、纏ったり、履くとすぐさま弾け飛ぶとの事。

 アクセサリーや頭装備はセーフなのだが、普通の衣服どころか、下着、手袋、履物、靴下はアウト。

 とはいえ、【パダルン・レドコウト】には温度調整機能があるため、極熱・極寒・極湿・極乾も平気なうえ、【ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】のおかげで、靴がなくても汚れない。

 

「それなら付けとけ」

「……」

 

 そういう訳で、ヒナタの体をバスタオルで、胸から下を隠す。

 一息付いたオウカが時計を見ると、時刻は昼。

 お腹が空いて来た。

 

「昼作るか。アレルギーや好き嫌いある?」

「ない」

「じゃあ……パスタがあったからスパゲッティだな」

 

 そういう訳でオウカが作る事にしたのは――スパゲッティ。

 休日の昼は麺類が多い。

 

「今日の日は~、さようなら~」

 

 冷蔵庫を見て何にするかを考え。

 

「よし」

 

 オウカが選んだのはカルボナーラ。

 チーズや卵などの材料を出して、手早く作っていく。

 暫くして。

 

「出来た」

 

 食器を減らすためフライパンで出す。

 そして、フォークでくるくる巻き。

 

「あーん」

「……(あーん、パク。モグモグ、ゴクン)……」

 

 ヒナタの口に入れる。彼女は咀嚼して飲み込んで感想を言う。

 

「美味しい」

「それはありがとう」

 

 自分も食べる。

 そうしてカルボナーラを食べていった。




【TIPS:パダルン・レドコウト】
(#ー#)(・▽・)<……(絶句)……。

(㈩*㈩)<何も言えなくなってる。まあしょうがない。そういう訳で解説。

(㈩*㈩)<外套型の冥刀。元ネタはブリテンの十三の宝の一つ。

(㈩*㈩)<能力は形状を変化させて、攻撃や防御がこなせる。

(㈩*㈩)<刃状の帯や腕に変えるのが主。オールレンジ・広範囲殲滅も可能。

(㈩*㈩)<代償は服がそれだけしか着れなくなる。下着や手袋、靴はOKだけど。

(㈩*㈩)<更に、彼女の場合、死んだ【カリュブディス】を手に入れて混ぜたから

(㈩*㈩)<ソレのチカラまで使えるようになってる。

(㈩*㈩)<獣状の顎を出せるようになり、相手の捕食が可能。

(㈩*㈩)<その分、代償も重くなったけど。

(・▽・)<……と。つまりコピーも習得した?

(㈩*㈩)<それについては追々。ただこれだけ。代償分のチカラは手に入れた。
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