(㈩*㈩)<サクの友達・仲間だけど、多少述べた人以外にもいる。
(㈩*㈩)<月日的には短くても、影響を与えた人も含むから。
(㈩*㈩)<今回少し述べる、ポンコツお嬢様と毒舌メイドもそれ。
(#ー#)<アイツの知り合いは変人しかいないのか?
(㈩*㈩)<……それはわたしも含まれてる?
(#ー#)<う~ん。アイツはともかくお前は微妙なラインじゃねえの?
(㈩*㈩)<そ。あそうそう。今回ちょっと閲覧注意。過去のネタバレあり。
復讐者は復讐を果たしたらどうなるのか?
それは人により様々。
ある者は、復讐後に自殺した。復讐のために沢山の人を巻き込んだ呵責に耐え切れなかったのだ。
ある者は、仇を道連れに死亡した。それしか手はなかったからこそ、この手段を取った。
ある者は、仇の親族によって殺された。その復讐対象の事を、大切に思う人もいたのだ。
このようにほとんどが悲劇的な末路となっている。
だが、世界で最も有名な復讐者は、自分が救った者と共に旅立った。救いはあったのだ。
カナタは、だからこそオウカに訊ねた。
それにオウカは沈黙。暫く後、ヒナタの視線に耐え切れなくなったのか答える。
「カスミは直後に死んだ。冥刀のチカラが切れてな」
「どういう事?」
「瀕死だったのを、状態固定して動いていたんだ」
目的――復讐を果たせば終わる命。それを使い切った。
「アレイナは……」
言葉に詰まる。それでも言い切る。
「俺を庇って死んだ」
「!?」
「約束してたんだ。全部終わったら、この世界を案内するって」
自分の大事なものはこの世界にはなくなってしまった。
だから、帰る時は連れて行って欲しいと願っていたのだ。
オウカも二つ返事で引き受けた。
だが、そんな未来は来なかった。
「どうしてそんな事になったの?」
ヒナタの疑問にオウカは一から答える。
「【アロンダイト】を破壊してからは、まあフラフラしてたんだけど」
「やる事なかったの?」
「特にはな」
「帰還は?」
帰る事はどうしたのか、と聞かれるかと思ったが、案の定聞かれた。
「ん~? あんまり考えてなかったな」
元々自分は此処にいるはずない異物。だからこそ時が経てば、自然に帰る事が出来ると思ってた。
「それにこの世界に未練はあんまりなかったし」
友人はいない、というか皆死んだ。
大切な人は、師匠くらい。だが、あの人の場合、この世界にもやって来そう(笑)。
「だから、友人の手伝いしたりしてたんだ」
「どんな?」
「そうだな……」
思い返すオウカ。
「まずは仕置人? 復讐代行の手伝いかな?」
「……。カスミさんやアレイナさんにやっていた?」
「かなり違う」
そして、オウカは説明する。
「あの二人は補助だけど、こっちは主体でやってた」
依頼人に変わって、執行するのだ。
「しかも、普通に殺さないで、苦しめてから殺してた」
「!?」
平然と放たれた言葉に絶句したヒナタだった。
そんな彼女にオウカは躊躇いながらも続ける。
(絶対アイツの事嫌いだろうからな……)
でも話す事にする。
反面教師にはなるだろうし、意外な所でバレる可能性がある。
「ソイツは元々……シリアルキラーだったんだけど、ジョブチェンジしたんだよ」
「……は?」
意味が分からない。
それにオウカは説明する。
「元々アイツ……モンセラートは先天的な異常者だったんだ」
「……」
「誰かを殺さなきゃ生きられなかった」
本人曰く、物心付いた時から、殺人衝動に苦しんでいた。
「そんな奴死んだ方がいい」
ばっさりと斬り捨てたヒナタ。それにオウカは苦笑する。
「アイツも最初は我慢してた。家族に迷惑かかるってな。でも家族が死んで弾けた」
そこからは殺人鬼として暴れた。あまりにも殺し過ぎたせいで“殺戮鬼”と呼ばれるようになっていた。
「でもある時、殺した事でお礼を言われたんだって」
「誰に?」
「盗賊のせいで家族を失った少年に」
ありがとう。仇を取ってくれて本当にありがとう。
そのように感謝されたそうだ。
「それが嬉しかったんだって」
だからこそ、彼女は殺人鬼を廃業して、仕置人になった。
「それからはターゲット以外は、正当防衛と、どうしようもない時以外は殺さなくなった」
だがその分、衝動を抑えきれなくなった。
「だから、相手を苦しめる事にしたんだって」
古今東西あらゆる拷問を使い、ターゲットを苦しめる。
時には組み合わせ、時にはオリジナルの拷問をする。
「それの手伝いをしてたんだ」
「……」
「一人じゃ大変なのもあるし」
「……例えば?」
「ほら、串刺しとか。固定したり、刺したり、持ち上げたりとかあるだろう?」
それ以外にも、複数を同時拷問する事もあるので、助手が必要だった。
「まあ長くは続かなかったけど」
「……人の恨み買ってたんでしょう?」
「まあな」
だからこそ、モンセラートは死んだ。
……まあ嵌めた奴は道連れにしたが。
「アイツの最後の言葉を、俺は守ってる」
「?」
「相手を理解しろって。味方も敵も」
「敵も?」
「ああ」
どういう動機で戦っているのか?
どういう戦い方なのか?
大事なものはあるのか?
「でもさ」
ヒナタが訊ねる。
「もし、相手に同情すべき点があったら? だったら知らない方がいい気がする」
殺す手が鈍るのではないか? そういうヒナタにオウカはこう言う。
「それでもだ。何も理解しないでやっていたら、いずれ訳の分からないものに潰されるってさ」
その言葉を聞いたヒナタは、何かを考え始めた。
一通り話終わり、ずっと話していたので、小休止代わりにお茶(午後なのでノンカフェイン)を淹れ、お菓子代わりのカステラを出す。
「はい」
「……ん」
切り分け、ヒナタの口に入れるオウカ。そして、お茶も飲ませる。
「どう?」
「美味しい」
「そっか」
ヒナタに食べさせた後、オウカも自分のを食べる。そして呟く。
「思えば、ここまで話したの初めてかもしれない」
「他の人達は?」
その疑問にオウカは答える。
「他の面々は疎らだな。アッチの事は話していても、コッチは話していないとか」
「そっか」
「マユは話していないけど、知っている」
「?」
「お互いの記憶を見せ合った際にな」
だからこそ、相棒なのだ。
そうしていると、皿のカステラが無くなり、お茶も無くなる。
「大分話したな。後何かあったっけ?」
こめかみを触りながら、思い起こそうとするオウカ。
そんな彼にヒナタが問いかける。
「どうしてここにいるの?」
「? どういう意味?」
「向こうにいるって選択肢もあったんでしょう? ならどうして帰って来たのかなって」
その言葉に、オウカの顔が歪む。
暫く沈黙後、呟く。
「そっちの事は知っているのに、こっちの事は知らないのは不公平だな。よし話す」
少し気合を入れオウカは話し始める。
「何度か言ったけど、あの世界が可笑しいっていっただろう?」
「ヒト科の害獣しかいないんでしょう?」
「うん」
ほとんどが自分以外どうなろうが知ったこっちゃない、の精神を持っている。
だからこそ、人を幾ら踏みにじっても何とも思っていない。
「そうなった元凶がいたんだ」
「え……」
「全ての始まり。神の刃」
ある日、やって来た意志を持った超常兵器。
完全復活するために、暗躍をした。
様々な事をしていたが、その内の一つが、人々を狂わせたこと。
「外的要因があったのね」
「うん。でソイツと戦う事になってね」
その戦いで友達・仲間達は次々と脱落していった。
「同じ土俵に立って、最後はどうにか荒技使って勝ったんだ」
【オートクレール】最後の置き土産。それを使った。
だが、代償は大きかった。
「荒技って?」
「時間遡行による相手の消滅」
「!?」
絶句するヒナタに構わずオウカは続ける。
「代償もデカくてね。皆俺の事を忘れた」
アイツ以外はなと、オウカは悲しそうに笑った。
そして、平和になった世界で、自分以外に記憶を留めていた友達との決着を付け、彼は帰った訳である。
そして、その後も色々騒動に巻き込まれ、今に至る。
「ふう……」
話を終え、一息付くオウカ。
「夕食作るか。少し待ってて」
「……(コクリ)……」
キッチンで準備と料理を始めた彼を見て、ヒナタは思う。
(ウチ程辛い目にあった人はそうはいないと、思ったけど……)
結構身近にいた。
(手の届く人しか助けないって言ってたけど、それ以上助けてるよね)
特にリアやカナタの件。
頼まれたって断れば良かったのに。
そして自分。
(復讐の先に希望か……)
思えば、自分は復讐する事しか考えていなかった。それさえ果たせれば後はどうでも良かった。
でも、それは違った。
もう終わっていたカスミと自分は違う。その先にも自分の人生は続いている。
そんな事を思っていると。
「おやつも食べたから、軽めにしたぞ」
オウカが持って来たのは、野菜と肉が入ったおじやだった。
「はい。アーン」
「……(アーン、パクリ)……」
もう完全に慣れてしまった二人。
そして、夕飯を終え、入浴となる。
準備をし始めたオウカに、ヒナタが口を開く。
「ねえ」
「?」
「一緒に入りましょう」
「はい?」
「だって、ウチは隅々まで見られているのに不公平でしょう?」
「……それはそうだろうけど」
「その方が時間も短くて済むわ」
「……わかった」
そういう訳で二人でお風呂に入る事になる。
……何か異性と風呂に入る機会が多い気がする。
そういう訳で、服を脱ぎ、ヒナタと一緒に浴場に入る。
「引き締まっているね」
ヒナタがオウカの体を見てこう言った。
「それと傷だらけ」
「……まあな」
そして、体を洗い、背中合わせ風呂に浸かる。
ヒナタが口を開く。
「ウチね、家族を亡くしてから、全部一人でやろうと思ったの」
「ああ。自分の事情に巻き込みたくなかったんだろう」
「それもあるし、大事な人が出来て奪われるのが怖かった」
「……」
「でもね、やっぱり寂しかったし、悲しかった」
「そっか」
そのまま両者沈黙。
暫くしてヒナタがポツリと呟く。
「サクヅキ君。ウチを助けてくれる?」
その言葉にオウカは断言する。
「当たり前だ」
それにヒナタは泣き笑いの顔になる。
「ありがと」
「おう」
そして、その後、風呂から出た後、眠ってしまうまで雑談した。
次の日。
オウカは朝食としてパンケーキを大量に作る。
「偶に食べたくなるんだよな」
朝食は和食(御飯、味噌汁、おかず)がお決まりのパターンなのだが、偶には別の物が食べたくなるオウカである。
そう言う訳で、パンケーキにメイプルシロップ、蜂蜜、餡子、ジャムなどを塗って食べていく二人。
オウカもヒナタの補助に慣れて来たのか、右手で自分のパンケーキを食べ、左手でヒナタに食べさせる。
「フワフワで美味しい」
「そうだろう。隠し味に色々入れてるんだ」
ヒナタもオウカに心を開いたのか、自分から話すようになっている。
そんな時だった。
「疲れた」
「疲労、空腹」
マユとネラが帰って来た。その顔には疲労が滲んでいる。
「おかえり。食べるか?」
「うん」
「馳走」
この二人がそろそろ戻ると思って、オウカは沢山パンケーキを作った訳である。
そういう訳で四人でパンケーキを平らげる。
「ところで、作業は終わった?」
「完璧」
「なぜネラが言う?」
そう言う訳で付けていく。
「サクヅキ君、付けて」
「え? いや、女子にやってm」
「いいから」
そう言う訳で、またオウカがヒナタの補助をする事になる。
義肢を付け、外套を着せ、メイスを渡す。
「どう?」
マユの疑問に、ヒナタは暫く手足を動かし、外套をはためかせ、メイスを振るう。
そして。
「今までで一番調子が良い」
「えっへん」
胸を張るマユにヒナタが頭を下げる。
「ありがとうございます。お代はいか程でしょう?」
「初回サービスでタダでいい」
実はこのサービス結構やっている。
「でも……」
「二回目以降は金取るから」
「じゃあお言葉に甘えます」
メイスを亜空間に仕舞うと、ヒナタは出口に向かう。
「じゃあお暇します」
「え……」
「もう少しゆっくりすればいいのに」
「昨日十分ゆっくりしたので」
少し顔に笑みを浮かべる。
「それに早く試してみたいので」
「だったら、相手になろうか?」
「え……」
オウカの提案に、ヒナタは驚く。
「いいの?」
「ああ。俺と良い勝負出来れば、大抵の敵には勝てるよ」
「「だろうね」」
三人のツッコミがハモる。
彼女にとってそれはありがたい。百戦錬磨の彼との戦いは良い経験になる。
「ああ。でもどこでやるか……」
「それなら良い場所を知ってる」
そういうと、ヒナタは端末を操作し誰かと連絡を取り始めた。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<捕捉説明。実は彼女、結構名家出身。公爵令嬢だった。
(#ー#)<マジで!? そういえば所作とか丁寧だもんな……。だから我慢してたのか。
(㈩*㈩)<そういう事。家族の事は愛してたから。迷惑をかけたくなかった。
(㈩*㈩)<だから、我慢し続けて、限界が来たら。
(㈩*㈩)<自分で幕を閉じようと思ってたみたい。
(#ー#)<そういえば前言ってたな。ところで、家族が死んで弾けたんだよな?
(㈩*㈩)<母国で、軍がクーデーター起こして、家族処刑された。目の前で。
(#ー#)<……なんともはや。
(㈩*㈩)<それで、その場の全員と、国民を皆殺しにして、家族のお墓を建ててから、旅に出た。