冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【コソコソ話】
(#ー#)<陰陽師と言えば、占いの国家公務員だ。

(・▽・)<エ○スプロージョン? 本能寺とか、小野妹子とかの?

(#ー#)<言うな!? おほん。そんでこの“かきくけこ”も勿論できる。

(#ー#)<まあ精度は様々。まあまあから素人同然まで。

(㈩*㈩)<素人同然は駄目じゃない? 仮にも陰陽師なんだから。

(#ー#)<得意分野……退魔というか戦闘特化だからな。


lⅹⅹⅵ

 それにカヤは何かを考えていたようだが、オウカを見て確認する。

 

「絶対に斬れる……とは言い切れませんよね?」

「一回なら確実に」

 

 彼は断言した。

 強度が高かろうが、概念を纏っていようが、次元ごと切断すれば斬れる。ただし、チカラを振り絞る必要があるからこそ、回数制限を付けた。

 

 その言葉にカヤは何かを考えていたが、少ししてこう言った。

 

「わかりました。ではサクヅキさんは遊撃を」

「他ノ面々ハ、待チ伏セデスカ?」

「ええ。ぴったりなので」

 

 そう言うと、彼女は映像を切り替えると、日本地図になる。

 更に赤い点が八か所に浮かぶ。

 

「キョウコとクラマの二人に占い結果、ここまで絞れました」

「占いに頼るんですか?」

 

 不安そうなヒナタにカヤは笑って言う。

 

「大丈夫です。馬鹿二人の占いの精度は高めです」

「「おい」」

 

 さらっと貶された二人の抗議を無視してカヤは続ける。

 

「コウはいつも通りに後方支援でお願いします」

「わかっておりますえ」

 

 鉄扇を広げて口元を隠すコウ。

 

「ここにサクヅキさんとコウ以外の八人を配置します」

「それで~、誰かが接敵したら~、そこに乗り込む~?」

「ええ。サクヅキさんのチカラがあれば行けそうなので」

 

 使い捨ての転移アイテムを出して配るカヤ。

 

「出来る事なら、一騎打ちは避けてください」

「というか一騎打ちにならないでござんす」

「奴の冥刀が厄介である。しかも翅のせいで更にとんでもない事になってしまったのである」

 

 円卓二人の言葉にオウカが訊ねる。

 

「翅だけ封じるって出来ないのですか?」

「可能である。ただ……」

 

 ノワールが顔を顰める。

 

「その場合、こちらの翅も封じられてしまうのである」

「駄目じゃねーか」

 

 クラマの指摘にマックスが答える。

 

「だからこそあっしらが派遣されたでござんす」

 

 曰くこの二人は翅が無くても、どうにかなるとの事。

 それにオウカが納得する。

 

「そっか。だからルラさんとジョージさんじゃないんだ……」

 

 それに一人と一匹は捕捉する。

 

「この二人は翅のチカラ結構使ってるでござんす。なしでも強いですけどね」

「それに別件で動いているからな」

 

 別件が気になったが、機密情報もありそうなので訊ねない事にしたオウカ。

 そのまま色々な事を話し合い、情報を共有した。

 そうしてお開きとなるはずだったが。

 

「せっかくだから〜、もっと色々しない〜?」

 

 キョウコが提案した。

 それにクラマが意味不明と言う顔をする。

 

「何言ってやがんだ?」

「一時的とは言え〜。パーティメンバーだし、共闘するのだから〜、互いの理解を〜、深めよう〜」

 

 その言葉に、一同納得する。

 

「確かに否定の材料はないな」

 

 無貌がそう言い、何人かも頷く。

 カヤが反対しそうなヒナタを、チラリと見るが、嫌そうにはしていなかった。

 

(サクヅキさん、感謝します!)

 

 心の中で感謝したカヤ。

 すると、ケイリラがふと言葉を漏らす。

 

「ココニイルノハ、性格モマトモナ人バカリデスカラネ。拒否者ハイナイデショウ」

 

 それに否を唱えたのは円卓の二名。

 

「あっしらはそうでござんすが……」

 

 口火を切ったのはマックス。

 

「一部の面々だと、争いどころか、殺し合いになりかねないのがいるでござんす」

「だからこそ、吾輩らが派遣されたのである」

 

 との事。

 哀愁漂っている態度には全員同情した。

 

 そして、それから質問タイムとなる。

 口火を切ったのは――ノワール。

 

「確かにサクヅキ=オウカだったな」

「何です?」

「大抵の者は、吾輩を見ると驚くのであるが、貴公は驚かなかったであるな」

「友達が似たような存在だったから」

 

 今の世界で、通常の動植物が魔力の影響で変異するコトがある。

 異形化、巨大化、狂暴化して討伐されるのがよくあるパターン。

 ただ中には知能が上がり、人間との共存を選ぶモノが存在する。

 ある都市と友好関係にあるハチや、店を営むネコが有名。ノワールはソレだった。

 

「何の生物であるか?」

「ゴキブリ、ドブネズミ、シロアリ」

「「!?」」

 

 当たり前だが、全員ドン引き。

 流石のノワールも引いている。

 なのでオウカが質問をする。

 

「じゃあ……」

「何デショウ?」

「その体って絡繰人形ですか?」

「ハイ。ゴ推察通リ絡繰デス。絡繰人形カラ、置キ換エマシタ」

 

 病気の体がどうしようも無かったので置き換えた。

 今では脳以外、全部置き換えている。

 

 その答えにオウカはもう少し踏み込む。問いを投げかける。

 

「その素材に……神楽舞姫を使っていませんか?」

「「?」」

「「!」」

 

 それに疑問と驚愕が半々な反応になる。

 ケイリラは眼を見開いて驚く。

 

「知ッテマシタカ。随分マイナーナノニ。モシヤ見タ事ガアルノデスカ?」

「ええ。見た事もありますし、触った事もあります」

「!」

 

 ここまで答えさせたのだから、答えるの礼儀。

 

「舞姫壱式イヨ。俺の育ての親です」

「ナルホド。ダカラ、コノ体ガ気ニナッタ訳デスネ?」

「はい」

 

 その頷きにケイリラは少し笑ってこう言った。

 

「ワタシノ体ノ九割ハ“舞姫伍式イツワ”ガ使ワレテマス」

「「そうなんだ……」」

「いや、友人達も知らなかったのであるか?」

 

 ノワールがツッコミを入れる。

 どうやら友達四人も知らなかったらしい。

 

「絡繰人形って事は知ってたけど~」

「由来までは知りませんでした」

「知ったからどうしたって話だ」

「変わる物はないでありんす」

 

 その言葉にケイリラは少し笑う。

 

 そんな中、マックスが問いかける。因みにヒナタも少し興味津々。

 

「その神楽舞姫って何でござんす?」

「昔々にある絡繰技師が作った、人型の絡繰人形です」

 

 木と金属で出来た人形でありながら、球体関節以外は、人と見分けが付かず、自我と特殊装備を持っている。

 十体程作られたらしいが、今はほとんど残っていないとの事。

 

「イヨさん……母さんに頼まれたんだ。出来ればでいいから姉妹の行方を捜してくれって」

 

 師匠にも頼んだ結果、分かった事は、行方不明と完全破壊ばかり。

 特に動乱期にこうなった。

 

「まさかこんな事になっているとは……」

「怒ッテマス?」

「それしかなかったんならしょうがないでしょう」

 

 聞くところによれば、頭部がない状態だったとの事。

 ならしょうがない。

 

「母さんも多分怒らないと思います」

「その人はどうしたの?」

 

 ヒナタの問いかけにオウカは悲しそうに言う。

 

「もういない。俺を助けるために自爆した」

「……ゴメン」

「別に気にしていない」

 

 その言葉にキョウコはある事を思い出す。

 それは十年近く前に、超名門で起こった騒動。

 ゴキブリ、ドブネズミ、シロアリのモンスターのスタンピードで、屋敷の大半が焼失する大惨事。

 

(家出って言ってたけど、彼の実家って)

 

 開眼するキョウコ。

 友人達がぎょっとする。

 

「何があったのですか? キョウコ?」

「おい何だ?」

「ドウシタノデス?」

「眼が開いているでありんすよ」

 

 友達の問いにキョウコは糸目に戻り。

 

「何でもないよ~」

 

 頭の隅に追いやった。

 

 誤魔化すためにキョウコはノワールへ訊ねる。

 

「ワンちゃん~」

「……その言い方はやめてほしいのである」

「そう言えるのは大聖女様だけでござんすよ」

 

 何でも、彼は怪我、病気、死亡などで代替わりしている円卓の中でも古株……どころか最古参のメンバーとの事。

 

「じゃあノワちゃん~」

「……妥協するのである」

 

 それでも嫌そうだが。

 

「キミは~、どうして円卓に~?」

「簡単な事である。我が主が発足した宗教法人だからである」

 

 彼は初代大聖女の飼い犬だったそうだ。

 それが魔力の影響で、知能と戦力を手に入れた。

 同時期に、彼女もセイレイサマに選ばれた。

 

「守りたいものを守る事は当然である」

 

 それに一同しんみりする。

 そして、次にクラマが訊ねる。

 

「マックスって言ったけ?」

「そうでござんす」

「何でその恰好?」

 

 それは全員気になっていた。

 因みに。

 

「それは吾輩も気になっていたのである」

「アナタも知らなかったのね……」

 

 ヒナタが呟く。

 そしてマックスは答える。

 

「よく見た時代劇に憧れたんでござんす」

「「意外に普通の理由!?」」

「え!? 皆さんどんな理由だと!?」

 

 そして、そのまま質問タイムは続いていく。

 

「そこの無貌さん」

「何だ?」

「普段は何をやっているでありんすか?」

「殺し屋だ」

「「!?」」

 

 元から知っていたオウカ以外ぎょっとする。

 

「それでも義は重んじる」

「……じゃあリアの件は?」

「情報がガセだったうえ、内部のゴタゴタのせいだ」

「……苦労しているでありんすね」

 

 他にも。

 

「えっと、ソラナキ=ヒナタ?」

「何?」

「その恰好はなんでござんす?」

「……冥刀の代償」

 

 こんなのや。

 

「では我も聞こう。そこの花魁」

「あちきでありんす?」

「「お前しかいないだろう……」」

「なぜその恰好をしている?」

 

 その問いにコウは暫く考えて。

 

「わからへん」

 

 その答えに全員ズッコケたり。

 

 時には。

 

「良い機会だから聞いていいですか。クラマ」

「オレ!? 何だカヤ」

 

 長い付き合いの友人に訪ねる事もある。

 

「彼氏とはどうなのですか?」

「「今聞く事!?」」

「良い機会なので聞きたかったのです」

 

 こんな質問の回答は。

 

「……もうすぐ結婚だ」

「「お幸せに(爆発しろ)!」」

「おい! 誰か貶しただろ!?」

 

 因みに、女装家の人が相手らしい。

 

 こんな感じでこの面々は仲を深めた。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 そうしてこの九人と一匹は連絡を定期的に取り合いながら、配置場所に付いていた。

 “かきくけこ”の面々は全員ノーブル。なので彼女らが色々手配していた。場所への潜入から、必要物資などなど。

 ヒナタは他の人を巻き込むようで、あまり良い顔はしていなかったが。

 

「ヒナタ。これは私の問題でもあるのですから。気にしては駄目ですよ」

 

 カヤにこう言われたうえ、他の面々からも言葉を掛けられる。

 

「友達の姪を助けるのは~、当然の事~」

「子供は大人を頼るもんだ。頼れ頼れ」

「悪イノハソノ下衆野郎デス」

「人を助けるのに理由なんていらないでありんすよ」

「あんな下衆、この世に生きていく資格はない」

「楽に死ぬ権利もないでござんす」

「煉獄の苦しみを与えてから死んでもらうのである」

 

 そしてオウカはこう言う。

 

「友達を助けるのは当然の事だよ」

 

 それにヒナタは泣きそうな顔で顔を歪めた。

 

 そして、八日後。

 遂に事態が動く。

 

 “かきくけこ”のビルの一室。いくつものモニターが存在する部屋。

 

「おはようでありんす」

「おはようございます」

 

 そこにオウカとコウは寝泊りをしていた。

 このビルは、トラップや生活必需品以外にもm転移がしやすくなるような仕掛けや、各地の連絡の中継など色々あるので、丁度良い。

 

「今日は日曜か……」

「時間間隔狂うでありんすね」

 

 会話を交わす二人。

 コウが呟く。

 

「来て欲しいという気持ちと、来ないでくれという気持ち。二つが鬩ぎ合っているでありんす」

「その気持ちわかります」

 

 目的の人には来て欲しいが、その場合犠牲が出る。だからこその思いだった。

 

「そろそろ定期連絡の時刻でありんすね」

「……コーヒー淹れますけど、飲みます?」

「お願いでありんす」

 

 そうしてオウカがコーヒーを淹れ持って来た時だった。

 

『出た! エドリーゲインだ』

 

 クラマの報告。

 それにオウカは、コーヒーを置いて、すぐさま転移を使おうとしたが。

 

『こちらに出現しました』

 

 カヤの報告。

 それにオウカの動きが止まる。

 更に。

 

『出現したよ~』

『コチラデス』

『当たりはこちらでござんす』

『出て来たである』

『来た』

 

 ヒナタ以外の全員から報告。

 それにオウカとコウが絶句する。

 

「どういう事でありんすか?」

「分裂? 分身?」

 

 顔を見合わせる二人。

 だが、答えは出ない。

 そして、連絡はないヒナタも恐らくは接敵している。

 

「この状況どうする……」

 

 オウカは考え始めた。

 




【コソコソ話】
(・▽・)<サクの家出って結構有名なんですね。

(#ー#)<ノーブルの間ではな。一般市民は知らん。

(㈩*㈩)<一応死亡したってなっているんだよね。

(#ー#)<この世界は、餓鬼一人で生き抜ける程優しくないからな。

(#ー#)<メイドに拾われなかったら死んでたうえに、

(#ー#)<後日、メイドが色々細工したらしいからな。

(㈩*㈩)<細工って?

(#ー#)<血を付けた衣服を置いたり、千切れた手足を置いたり。

(㈩*㈩)<え!?

(#ー#)<部位欠損を直せるポーションを持っていたから治せる。

(㈩*㈩)<……。だからってそこまでする?

(#ー#)<しなきゃバレる。そして、駄目押しに顔を特殊なアイテムで変えた。

(㈩*㈩)<苦労しているのね……。
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