(㈩*㈩)<良い機会だからネタバレ込みで話す。
(㈩*㈩)<上記で述べた、形、戦闘方法の他にもある。
(・▽・)<作者分類とか?
(#ー#)<能力分類もありそうだな。
(㈩*㈩)<どっちも正解。なんだけど、能力分類にも分け方がある。
(#ー#)<どういう風に? 属性とか、概念とかで分類すんじゃねえの?
(㈩*㈩)<そういう場合もあるけど、能力の発動方法で分ける時がある。
(・▽・)<あ! それ聞いた事あります。確か――任意、常時、条件ですね♪
(㈩*㈩)<正解。こっちもよく使われる。
■□■□
ノワールと骨怪獣は戦っていた。
骨怪獣の周りを駆けまわり、爪牙と尾剣で斬り付ける。相手からの攻撃はひらりと躱す。
こちらのダメージは零。だが……。
(埒が明かないのである)
この骨怪獣は強い。
属性や概念を操る訳でない。動きも遅い。力があり、硬いだけ。それが厄介だった。
ノワールの爪や牙は通じず、蛇腹剣ですら軽微なダメージに留まる。このままでは先に崩れるのは自分。
(増援を待つか? だが他の場所でも同じようになっているであろう)
助っ人は要らないと言った手前どうにかしたい。
「……仕方がないである」
ノワールは決意した。鬼札を切る事を。
(本来なら、残しておきたかったであるが……)
背に腹は代えられない。あの骨怪獣を残しておくわけにはいかないのだから。
骨怪獣の近くで駆けていたノワールが間合いを一気にあけて着地。
その全身をオーラが覆い物質化、形を作っていく。それは――砲台。形成された瞬間、ノワールの圧が増す。
それに骨怪獣は前進を止め、戦っていたプレイヤー達も動きを止め、骨の雑兵――碌な思考回路がない――すら動きを止める。
「な、なんだ?」
「寒気がする……」
そして、次の瞬間。ノワールが射出。
それと同時、骨怪獣が真っ二つになった。まるで何かが砲弾が着弾したかのように。
「!?」
ローブは驚きながらも、骨怪獣を再生させようとした。
だが全て遅かった。
骨怪獣は、二回の砲弾により木っ端微塵になって消え、四発目の砲弾により、骨の雑兵たちはまとめて消える。
そして、最後の砲弾が着弾と同時、ローブも消え失せ、すり鉢状の地面が残る。
そこにはノワールがいた。
「……ッ」
足がもつれて倒れそうになる。
が、どうにか堪える。
(やはり負担が激しいのである……)
これがノワールの奥の手。
オーラ操作の極致にして、絶対理論である〈心牙〉。
本来は竜の技であり、極一部の竜しか使えぬ深奥。……それ以外の生物も理論上は使用可能ではあるが、更に難易度は高くなる。
因みに、ベニバナも使えるようにはなっているが、まだ練度が甘い。恐らくノワールとぶつかり合いをすれば負ける。
ノワールの場合、砲台を形成して自身を砲弾にして射出する。
だが、破壊力とスピードは凄まじく、あらゆる防御を貫通し、スピードは相手よりも必ず早くなる。
だが、勿論代償は存在する。反動は凄まじく、
自然回復に任せるしかない。
(皆……大丈夫であるか?)
ノワールは祈るしか出来なかった。
******
黄の結界。
そこでは軍勢同士が激突していた。
骨や屍の兵隊を使役するのは、ローブ姿の人物。
武者、鬼、類人猿、女の式神を使役するのは、OLスーツを着こなした人物。
それぞれ、エドリーゲイン(分体)と、カモノ=カヤ。
どちらも、それ以外をする余裕はない状況下。
そのおかげで、他のプレイヤー達はそのアトラクションの来場者の守りに集中できる。
(どうしますか……)
状況は拮抗。
数はローブが有利だが、質ではカヤが有利。
更に、キョウコの式神達は役割分担がある。
攻撃、防御、ダメージ肩代わり、デバフ、回復などなど。
だからこそ、崩されない。
それでも、向こうを突破出来ない。
数が圧倒的な上、質が高いのがチラホラ混ざっている。
(どうしましょう……)
このま長引かせる訳にはいかない。
(アレ使いますか)
避難も終わった。ならば大丈夫だろう。
「巻き込んだらごめんなさいね」
彼女が出したのは式神の呪符。そこから実体化したのは童女。……どことなく不気味。
「十、九、八、七、六、五、四、三、二、一」
カウントダウンを始めるカヤ。それに不味いと思ったのかローブが直接カヤを狙い始めるが、防御やダメージ肩代わりの式神が通さない。
そして。
「零」
それと同時、その場の全員が倒れた。骨や屍は崩れ落ち、式神は紙に戻る。ローブは倒れる。
これはカヤがコウに協力して作った、即死呪殺の式神。
一定範囲内の敵味方無差別なうえ、インターバルが長いので、滅多に使わない。
「ふう」
童女を式神に戻し、一息つく。そして、ローブを捲る。そこにいたのはやはり本体ではない。
「本体はどこに?」
カヤの呟きが解けて消えた。
******
黄緑の結界。
そこはあっという間に終結した。
「やれやれ~」
ベンチに座ったキョウコが呟く。
その周りには、大量の骨と屍の兵士の残骸。
そして、黒焦げのローブの人物。
結界が張られたと同時、キョウコはすぐさま仕込んであった折紙呪符を発動した。
その結果がこれである。
そもそもキョウコ相手に時間を与えるのは悪手であり、待ち伏せや場所を指定させるのも悪手。
つまりは相手が悪すぎたのである。
「ここに本体はいないみたいだけど~」
紙飛行機で偵察させたが、怪しい人物はいない。
「どこにいる~」
その時だった。彼女の近くに見知った気配を二つ感じる。
「あら~、どうしたの~?」
その人物に話しかけたキョウコだった。
******
緑の結界。
そこは少し毛色が違っていた。
骨や屍の兵隊達が暴れまわる……訳ではなかった。
各地の結界にいるエドリーゲインの分身が、先端が鎌のファルシオンを持ったローブ姿の人物が単体で暴れていた。無差別殺傷をしていた。
その時だった。
「ッ!」
一瞬で間合いを詰めた人物――クラマが拳を叩きつける!
それをローブは咄嗟にファルシオンを盾にして防ぐ。
響き渡る鈍い音。
「へえ……中々の業物だな」
クラマは感心する。
なにせ彼女の拳は岩や金属、どころか幻想金属すら破壊可能。生半可な武器は拳一発で砕ける。
「だったらこうだ」
拳の連打!
それをローブは、時に受け流し、時に避ける。そして、反撃を見舞う。
それにクラマは、反撃を攻撃をぶつけ、時に自身のチカラを使いダメージを軽減する。
シゲオカ=クラマは陰陽師であるが、戦い方はアグレッシブ。他の面々のように、式神を使ったり、術や呪いを使う訳ではない。
ただ身体能力を高めての接近戦を挑む。勿論、ただ強化してぶん殴るだけではなく、方角を意識したり、特殊な歩法を使う。
そして極め付けが〈金剛化〉。
五行の土と金を使い、身体の硬度、密度、重量を高める。今の彼女は金剛石より硬く、密度があり、重い。
そして、それを活かすために戦闘技術を高めている。魔力使用なしても、彼女はかなり強い。
だが、相手もさる者。凄まじい技術で対抗している。
(他の所は、【タナトス】の能力頼みなのに……、こちらは随分と毛色が違う。どういう事だ?)
首を捻るクラマ。
実はこれ、この時の彼女は知らない事なのだが、【タナトス】の能力を拡張させた結果、こうなっている。
エドリーゲインが殺して来た相手には、戦闘技巧者が多数存在しており、その死体を彼は収集している。そして、その体に刻まれたその技術や経験を抽出し、自身やその分身に行使させる事も可能。
だからこそ、この状況。
「オラア」
「……!」
拳打と斬撃がぶつかり合う。お互い消耗していく中、遂にその均衡が崩れる。
そして、倒れたのは――ローブ。
「フウ……」
一息ついたクラマ。
その理由は防御力と回復の差。
クラマは生半可な攻撃では傷つかず、継続回復のアクセサリーを付けているので、傷ついたとしても回復する。
だからこそ友人達から“難攻不落”と呼ばれているのだ。
******
青の結界。
ここも緑の結界と同じように、ローブが単体で暴れる結界。
とは言え、緑の結界にいたローブが剣を使った戦闘主体――剣士スタイル。
一方、こちらは剣技に加え、属性魔法使った戦闘をおこなう――魔法使いスタイル。
担当し、相対しているのは、友人達から“五行絡繰”と呼ばれる陰陽師、ユゲ=ケイリラ。
彼女の戦闘方法は、自身の体を五行を操る。手足を五行にし、纏わせ、放つ。
だからこそ、その戦闘は派手になる。……必然的に周りが荒れ果てる。
ケイリラは口から火球を連射する。それをローブは剣を振るう事で生み出した大波で打ち消す……どころか、そのままケイリラに迫るが、それを手を地面に打ち付け土の壁を作り、水をせき止める。
ローブは土の壁で前が見えなくなった隙に、飛び上がり、上空から鎌鼬を放つも、それをケイリラは、足を上げ踏みしめ金属の壁を作り防ぎ切るも、高熱を纏わせた剣によって金属の壁は溶断され、更にケイリラに高熱の刃が迫るが……、剣が止まる。
「……!」
ローブの足元が氷漬けになり、動けなくなっていた。咄嗟に氷を融かそうとするも、それは隙になる。
「逃ガシマセン」
ローブの周りから樹木が出てきて全身を縛り付ける。そして――
「ハア!」
足に金行を纏わせ、硬度と切れ味を上げ、蹴りを加える。
クラマの〈金剛化〉と似ている術だが、あちらより硬度は劣るので、足を鋭角化させ切れ味を上げる事で補う。
その蹴りはローブの剣を持った腕を切断する。
これで戦闘不能にしたと、気を抜いた瞬間、ローブが大爆発を起こす。
「ッ!」
咄嗟に凍らせ、土と金で覆い、爆発の規模を減らし、自身も下がる事で、巻き込まれる事は防げた。
それでも数十メートル範囲が消し飛んだ。
(ナルホド。武器ヲ手放シタ場合、爆発スルヨウニシテイタノデスネ)
顔をしかめるケイリラ。
(趣味ガ悪イ)
趣味が良い人は大量虐殺なんてしない。
(他ノ所ハ……)
端末を確認すると、各地でエドリーゲインの分身体が撃破されている。
だが、気になる点があった。
(戦イ方ガ違ウ? 軍勢ト単騎。ドウイウ事デショウ?)
首を捻るケイリラ。
更に同じ軍勢と単騎でも戦い方に差異がある。
(本体モ未ダ出テコナイ。嫌ナ予感ガシマスネ)
ケイリラは結界が無くなったおかげで見えるようになった空を見上げた。
******
藍の結界。
ここにいるローブも単騎による戦闘。
こちらは剣と魔法を合わせた魔法剣士スタイルで戦う。
遠近、三百六十度対応可能なので、一見すれば強そうに見える。だが、やはりこれもどっちつかずになりやすい。
だが、ここにいるローブはどちらも高水準。緑や青の結界の剣士や魔法使いと同等であろう。
生半可な相手ならすぐに倒される。だが、ここにいるのは生半可な相手ではなかった。
剣と鎌がぶつかり合い、金属音を連続して響かせる。その様は正に竜巻のぶつかり合い。
片方はローブの剣使い――エドリーゲインの分身体。
もう片方は、柄も模様もない無地のお面を付けた人物――無貌。
とは言えこの二人、武器を使った戦闘をおこなうだけではない。
ローブは周囲に魔法陣を複数展開し、火球、鎌鼬、光弾を放つ。それを無貌は鎖を縦横無尽に走らせ撃ち落とし、時に魔法陣を破壊する。
更に無貌は手裏剣を投擲、それをローブは左手で打ち払う。
(剣は使えないと判断したか……ならば)
攻め方を変える事にする無貌。
間合いを開けると同時、炸裂弾を投げる。それをローブはその場から飛びのく事で爆発のダメージを最小限にする。
そして、無貌は爆発腕輪状の匣から巻物を取り出す。それを広げ大量の四方手裏剣を投擲。
それをローブは剣技だけでは防ぎきれないと判断し、風を剣に纏わせ、竜巻を起こし、手裏剣を全て撃ち落とす。
それに対して、無貌が出したのは別の巻物。そこからは大量の棒手裏剣が出て来る。
それをローブは先程と同じ手段で撃ち落としにかかるが……。
「!」
棒手裏剣は風の守りを突破する。そして、ローブに突き刺さる。
その棒手裏剣は――風避け、熱耐性、防御貫通が付咒された特殊性。実はかなりお高い。
そのダメージを無視してローブは攻めようとする。とはいえ、体の各部に棒手裏剣が突き刺さっているので、魔法を使う。
魔法陣を展開し、様々な魔法を放つ。それに対して無貌は粉末を投擲。それは目くらましだけでなく、引火し爆発する物。
大爆発。
結界が消えるのを確認してから無貌はその場から消える。
そして、端末を確認。
(結界は七か所解除。残り一か所)
その他の報告を見ていく。
(分身体は七体撃破)
そして、思考していく。
(本体は結界にはいないのか?)
遠距離で楽しんでいるのかと思ったが、何か違和感がある。
「報告待ちだな」
ボソリと呟いた。
【TIPS:属性術】
(#ー#)<一般的な魔法使い……四大元素や五行などの属性使いの場合、
(#ー#)<広く浅く習得するか、狭く深く習得するかに別れる。
(㈩*㈩)<具体的には?
(#ー#)<前者なら――火・水・風・土・雷を網羅する代わり、中級までしか使えない。
(#ー#)<後者なら――火しか使えないが、大体習得みたいな感じだな。
(㈩*㈩)<なるほど。
(#ー#)<どうしても
(・▽・)<広く深くは絶対に不可能なんですか?
(#ー#)<絶対不可能とは言わん。何かしらの手段で広く深くしている奴もいる。
(#ー#)<今回出て来たコイツらもその例だ。