(・▽・)<八か所中七か所が決着したのでおさらいと、ちょっとこぼれ話を。
赤 :軍勢:骨と屍。人。量が膨大。
橙 :軍勢:骨と屍。獣。
黄 :軍勢:骨と屍。人。質が高い。
黄緑 :軍勢:骨と屍。人と獣。上記三つを足して割る。
緑 :単騎:剣士
青 :単騎:属性魔法使い
藍 :単騎:魔法剣士
紫 :??
(・▽・)<実はこんな感じで差異がありました。
(㈩*㈩)<……何で皆同じにしなかったの?
(#ー#)<つーか本体どこにいるんだ?
(・▽・)<それは追々明らかに……というか説明します。
(㈩*㈩)(#ー#)<誰が。
(・▽・)<本人。
(㈩*㈩)(#ー#)<は!?
★☆★☆★
八つの結界の内、七つが解除された。
その結界の核となる、エドリーゲインの分身体の撃破に成功している。
それは戦法が上手く噛み合ったり、個々の実力によるところ。
そして、何より分身体は思考が単純で、新しい発想を生み出す事が出来ない。これが陰陽師、精鋭、殺し屋が勝てた理由。
だからこそだろうか。最後の結界はかなり毛色が違っていた。
■□■□
紫の結界。最後の結界。
そこでは、ヒナタが最後の分身体と戦闘を繰り広げていた。
その戦闘は他の所より激しいものだった。
ヒナタは外套を多数の獣顎にして中距離でローブに攻撃。それに対して、ローブは骨の兵士を多数召喚して攻める。それだけではなく、彼女の後ろから屍の兵士を攻撃させる。骨の兵士よりもステータスが高く、武器を振るうだけでなく、属性を操ったり、特殊な能力を使って来たりする。
それに、ヒナタはメイスからストックしてあった炎攻撃を放つ事で一気に殲滅。そこへローブが炎を突っ切って間合いを潰してくる。そして剣を振り下ろす。
「!」
「……ッ!」
そのまま連続斬撃。それをヒナタは避け防ぐ。
パワーでは有利なうえ、スピードは互角なのだが、相手は技を上手く使ってくる。
(強い! 厄介な……)
ヒナタは強い。チカラを求め手に入れ、研鑽を積んだ。
はっきり言って今回のメンツでも、経験は劣るだろうが、実力的には見劣りしない。なのだが……。
(他の所は皆倒したみたい。よくこんなのを……)
ヒナタは、他の所が自分が戦っているような相手を倒したと知って、実力不足を痛感していた。
だが、彼女は知り得ない事だが、ここのローブは他の所と比べ物にならない位に強い。
はっきり言って、他の所に出ていたら、敗北した人もいるであろう強敵。
まず、他の結界のローブは、軍団を率いる代わり、本体は弱いか、単体で凄く強い代わり、軍団を召喚できないの二パターン。
なのだが、この結界のローブは単体でも強いうえ、軍団を率い、更にコンビネーションまで使ってくる。
更に、時間経過と共に、戦闘力が高くなっている。
様々な手札を持つ彼女だからこそ渡り合えている。
そして、何より厄介なのは……。
「キャア!」
「うわあ!?」
骨と屍の兵士達の攻撃が自分以外に向く。それをメイスで防ぐ。
「……!」
これが厄介だった。
逃げ遅れた人がいる。それを庇いながらヒナタは戦っていた。
見捨てればもっと楽に勝てるかもしれない。
だが、それは出来ない。
(顔向けできないもの……)
それは亡き家族と友達。
だが、そんな事は出来ない。
だからこそ――見捨てない!
ヒナタは一回深呼吸。そして思考。
(
いわゆる魔法剣士。
本来だったらどっちつかずになりやすいのだが、こっちは高水準。
(軍団は骨と屍。骨は雑魚だけど、屍は生前の戦闘スタイルを使ってくる)
更に、連携まで使い、
それがかなり厄介だった。
そして、最大の問題がある。
(まだ本命がいる……)
今戦っているのは分身体。つまりはまだ本体が控えているのだ。
だからこそ、全てを使い切る訳にはいかない。
(……ん?)
何かひっかかりを覚える。
なので状況を整理していく。
(八つの結界があって、残りはここだけ。リソースが集中しているから強くなっている)
ヒナタは馬鹿ではない。
だからこそ、時間経過と共に強くなるトリックがわかっていた。
(他の人達はそこまで消耗ない。だったら――任せよう)
家族の仇は取りたい。
だが、それは自分でなくても構わない。
(サクヅキくんとミヨシさんだって残ってる)
それは、彼女の心境の変化。
オウカとの交流で起こった変化。
(大事なのは――結果)
本来なら自分で仇は打ちたい。でも、それで犠牲が出たら元も子もない。エドリーゲインさえ死ねばいい。
「よし」
ならばここで使う。
自身の冥刀に呼びかける。
「【テーセウス】」
使い手の意がわかったのだろう。メイスが震える。まるで「良いのか?」という風に。
「大丈夫。お願い」
彼女の言葉に、メイスは答える。
ストックしてあった攻撃全てを敵に放つ。
ミサイル、熱線、雷轟、破壊エネルギー、剣の五月雨、超振動波。
「!?」
流石に不味いと思ったのだろう。
屍の一人が三角錐の障壁を張り、その後ろにローブと屍達が隠れる。
そして、着弾、爆発、炎上。
骨の兵士達が殲滅される。
その中をヒナタは突っ切る。爆発の中を進む。ダメージはあるが構わない。
そして、障壁の近づき。
「下はがら空き」
「「!?」」
外套から作り出した棘が、地面から剣山のように飛び出し、相手を串刺しにした。障壁のせいで逃げられないのが災いした。
剣山のような棘は枝分かれし、相手を逃がさないようにする。
これで相手は拘束出来た、と思われた。
「!」
嫌な予感がして地面を転がるように避ける。するとそこにローブが剣を振り下ろしていた。一瞬でも回避が遅れていたら真っ二つ。
(逃げたのか……。でも……)
よく見ると、ローブはボロボロで、動きがぎこちない。
今が最大のチャンス。
「奥義」
その言葉が紡がれると同時だった。
普段はトレンチコートの形状にしている【パダルン・レドコウト】が姿形を変えていく。
全身に張り巡らされ、普段は出ている顔や手足までも覆いボディスーツのような形状となる。
これこそが奥義。外套を外付けの筋肉と鎧にする事で自身の戦闘力を引き上げる大技。因みに、結構変質している【パダルン・レドコウト】に元から存在している技だった。
それにローブは下がって様子を見ようとするが、それにヒナタは空の左手――黒い鉤爪になった掌を振るう。
「!?」
ローブが引き寄せられた。空間を削りとる事で相手を引き寄せる技。因みにコレは【パダルン・レドコウト】の技。
そしてそのまま、右手に持ったメイスを振るう!
「ハア!」
ローブは避けきれないと判断、剣を盾代わりにするも。
「!?」
直撃。極限まで強化された一撃は、相手の防御ごと叩き潰す。
剣は無事だが、ローブは腕を圧し折られながら吹っ飛ぶ。
それでも、攻撃の手は緩めず、魔法を幾つも放つ。
「……!」
無視してヒナタは突っ切る。
スピードを高めるため、メイスをその場に放りだした。
そして、鉤爪にチカラを集中させ
「ハアアアアアア!」
振るう、振るう、振るう、振るう、振るう、振るう。
相手が細切れになるまで振るい続けた。
そして――
「はあ、はあ」
カランと音と共にローブが持っていた、先端が鎌のようになったファルシオンが落ちた。
それと同時、ヒナタは膝をつく。それと同時、ボディスーツはトレンチコートに戻る。
奥義は強力だが、体力の消耗があるうえ、暫くは【パダルン・レドコウト】に使用制限まで付く
それに加え、逃げ遅れた人に気を掛けながら戦わなければならなかったので、集中力をかなり使った。
(これでノルマは達成。……後は結界g)
ふと上を向いて絶句したヒナタ。
結界が解けていない。
それどころか、いつのまにか結界が変化していた。
紫色の結界が、漆黒の結界となっていた。
(これは……何かが起こる……)
確実に不味い事態になる。下手をすれば本人が出て来る。
ならば今出来る事をする。
「【レドコウト】。お願い」
その言葉と同時、外套から細い紐が伸び、ヒナタの手足に巻き付く。
これは身体をマリオネットのように動かす荒技。
そして、逃げ遅れた人へと近づく。どうにか安全な場所へ逃がそうとする。
(後は、サクヅキくんに任せよう)
そんな事を思う。
逃げ遅れた人は十人程の老若男女を見て、柔らかく言うヒナタ。
「皆さん、安全な場所へ行きまs」
最後まで言えなかった。
腹部に激痛が走る。
視線を移すと、剣が――ローブが持っていたファルシオンが貫通していた。
「え、は」
ヒナタは呆然とした。
意味がわからなかった。
「「!?」」
「「!!」」
逃げ遅れた人達も意味がわかっていなかった。
なぜなら、ファルシオンを持っていたのは、逃げ遅れた人の一人である――少年であった。
その少年が悍ましい笑みを浮かべ告げた。
「ご苦労様。中々の見世物だったよ」
そして、ファルシオンを引き抜きながら、ヒナタを蹴り飛ばす!
「ゴフッ」
ヒナタは地面を転がっていく。だが、転がりながら傷を、外套から伸びる紐を更に細くした糸で塞ぐ。万全状態なら、ストックしているクロスでこれぐらいの傷は癒せるのだが、今は縫って出血を抑えるのが限界。
(な、内臓が……)
悪い事に内臓が傷ついている。なので糸で内臓も塞ぐ。
どうにか転がる体を止めて、無理矢理手足を操り立ち上がる。
そして、改めて相手を見やる。
「へえ、中々器用だな」
少年の姿が変わっていく。
昆虫や爬虫類の脱皮のように、皮と服が剥がれる。
そこには英国風の紳士がいた。手にはファルシオンを持っている。
その顔をヒナタは知っている。よく知っている。
絶対に忘れない。忘れられる訳がない!
「エドリィーーゲェイィンンンン!!」
ヒナタが絶叫した。それは喉が枯れる程の、魂からの叫び、
それに笑みを浮かべ、エドリーゲインが答える。
「Exactly。その通り」
優雅に一礼する。
その時だった。
逃げ遅れていたうちの一人である女性がエドリーに向かって叫ぶ。
「ヒロヤは! ヒロヤはどうなったの!?」
どうやらその様子から、少年の母親だったらしい。
それにエドリーは事もなげに答える。
「ああ。安心してくれ」
一拍置いて。
「殺してやったから」
事もなげに答える。
その言葉に女性は泣き崩れる。
それに追い打ちをかけるエドリー。
「この術を使うには、相手を殺さなきゃならないんだ」
丁寧に説明していく。
彼がここ数年使うようになった禁術。
殺した相手の皮を剥いで成り代わる事ができる。更には、違和感がないように、記憶や口調なども生前のまま振舞える。
ただし、自分のチカラは成り代わった状況では使えないというデメリットがあるうえ、解除した場合、その人物に再度成り代わる事は不可能。
「まあ、死体は有効活用してやったからよ、安心してくれ」
その言葉にヒナタはある事に思い至る。
それは、彼が使役していた骨の兵士。
体格がまちまちだった。大柄な骨もいれば、小柄な骨もいた。更には、子供や赤ん坊の骨としか思えない者までいたのだ。
「まさか……お前……」
その呟きが聞こえたのか、エドリーゲインは笑いながら答える。
「お! 気づいたか。これが【タナトス】のチカラだ」
これもご丁寧に説明する。
【タナトス】
先端が鎌のようになったファルシオンという、形としては結構オーソドックス。
その能力は死体操作。言うなればネクロマンサーのような事が出来る。
操作する物は本来なら二パターン。
骨として操作するか、屍として操作するか。
骨の場合、一定以上の強さにはなるが、生前の技能は使えない。だからこそ、雑魚に使う。
屍の場合、生前の能力がある程度発揮可能なうえ、死んでいるのでステータスも高くなる。だからこそ、強敵だった者を主に使う。
更にそれらを亜空間にストックしておく事も可能。
「だから、お前の餓鬼はキッチリ有効活用してやったよ」
今頃粉々かな、とケラケラ笑うエドリーゲイン。
「アアアアアアア!」
女性は更に泣き出し、他の面々も胸糞悪いの顔色が悪い。
ヒナタは鬼のような形相をしている。
そんな彼らの様子を知ってか知らずか、エドリーゲインは続ける。
「でもなあ、それだけじゃ味気ないだろう。だから何か出来ないかと思ってたんだ」
それこそが畢竟。
屍操作の応用であり、複数の死体を混ぜ合わせ、更に自分のより多くのチカラを込める事で、自分と同等のチカラを持つ分身体を作り出せる。
それは最大八体。込めるリソースで多少強さに差異が出る。
「んで、ソイツらはオートでも操れるんだが、マニュアルも可能なんだ」
だからこそ、彼は潜んで操っていたのだ。
【TIPS:タナトス】
(㈩*㈩)<能力は上記の通り。だから捕捉する。……何を?
(#ー#)<知るか馬鹿!?
(㈩*㈩)<何かない? アイディア頂戴。
(#ー#)<……。じゃあ代償は?
(㈩*㈩)<死体の収集。事前に集めとかないとただの切れ味の良い剣。
(#ー#)<普通? のネクロマンサーが使うモノと何が違うんだ?
(㈩*㈩)<同じ所もあるけど、違う所もある。
(㈩*㈩)<ネクロマンサーの場合、怨念や呪いを使ったりもするけど、コレは出来ない。
(㈩*㈩)<後、扱えるのは死体だけだから、レイスは無理。魂視認も出来ない。
(#ー#)<魂が無事なのは救いか……。
(㈩*㈩)<だったんだけど……。
(#ー#)<え!? 何かあるの!?
(㈩*㈩)<それについては追々。