(・▽・)<ヒナタさんは結局殺しませんでした。
(#ー#)<頭だけじゃ、もう死んだようなもんだろう……。もう末路は確定だし。
(㈩*㈩)<でも。殴っただけだと、何か物足りないような気がする。
(#ー#)<そんな事ないだろう……。
(・▽・)<それについてはご安心を。
(・▽・)<外道に煉獄の苦しみを与えるのは次章でやるので。
(#ー#)<は!?
(㈩*㈩)<……(何の話をやるんだろう)……。
******
復讐劇の幕が閉じて暫くして。
この日、天ノ角高校は学園祭だった。
プレイヤー養成高校の学園祭は、一週間遅れで順々にやっていく。
同日にやらないのは、他の所も参加したい人への配慮。
モンスターやダンジョンあるから全部は参加不可能じゃないのか、と思うかもしれないが、今の時代は、オンラインでも参加可能なので、家にいながら、学園祭を楽しめる。
閑話休題。
出し物は勿論ある。
部活ごと、クラスごとに何かしら――飲食やアクセサリーの出店や、何かしらの展示物などなどをやる事になっている。
これらは普通の高校と変わらない。……強いて言うなら少しファンタジー成分があるだろうか。
それは人によって違い、オウカはクラスの出し物を手伝う事になっていた。
その内容は――
「いらっしゃいませご主人様」
喫茶店だった。
男子は執事服、女子はメイド服を着て、接客をおこなう。
そんな中でオウカは――
「ご注文はどうなさいますか?」
「え、えとアイスティーで」
「かしこまりました」
メイド服を着ていた。しかも男子で一人だけ。
着慣れているせいか、心なしか誰もよりも着こなしており、実際メイドとして働いていたおかげか、練習もしないで完全ぶっつけ本番に近いのに、誰よりもスムーズに動いている。
「本当に男子とは思えないよね……」
「背丈も小柄だし、肌は綺麗だし」
「完全に男の娘じゃない?」
クラスメイトの女子がそう言うのも無理はなかった。
△▲△
なぜこうなったのかと言えば――話はオウカが久しぶりに高校に登校した所まで遡る。
怪我、消耗、反動が激しく、数日はベッドで寝た切りで、ようやく日常生活が送れるようになり登校した訳だ。
「お久しぶり~」
そう言って登校した彼にジンナが告げる。
クラスのまとめ役に近い事をしている。
「サク君」
「うん?」
「明日メイドね」
それにオウカはキョトンとした後。
「わかった」
即答した。
「「いや、突っ込めよ!?」」
それに全員がツッコミを入れた。
何でもオウカがいない間、丁度学園祭の準備期間だったらしい。
なので、来なかった時の分働けとの事。
それにオウカは。
「ああ。いいよ。こういうのは慣れている」
にべもなく了承。
因みに……
「俺は執事服じゃないの?」
「「メイド服の方が似合うでしょう」」
全員の意見だった。
◇◆◇◆
休憩を挟みながら働いていると、声が掛かった。
「サクヅキ! 今入店したお客様を出迎えて!」
オウカは頷く。
そして、入店した客を出迎えたのだが。
(……この人、何者だ?)
今の時代変わった髪や眼の色は珍しくはない。なのだが、この女性は透明な髪の毛をしていた。
そして、何よりこの人の護衛らしき人があちらこちらにいる。
その数も多い。
(後ろに控えている三人だけじゃない。客の中や店の外にもチラホラいる)
指の数で数えたりない。恐らく気配を完全に消した者や、天井とか壁にもいるだろう。
その正体が気になる所だが、知らぬが仏、藪をつついて蛇を出したら困る。
なので、オウカはそんな事をおくびにも出さず接客する。
「いらっしゃいませ、お嬢様」
「……随分と本格的ですね」
その女性はポツリと呟く。
そして、護衛らしき人と共に案内に従い、席に着く。
「ご注文は?」
「紅茶とスコーンをお願いします」
「かしこまりました」
一度引っ込み、紅茶とスコーンを出す。
「お待たせしました。どうぞごゆっくり」
そう言ってその場を離れようとしたが、女性が呼び止める。
「少し話しませんか。メイドさん……いえ、サクヅキ=オウカさん」
その言葉に足を止め、女性を見る。
「貴方は?」
「自分は――リアの知り合いです」
遠まわしな言い方だが、オウカは気づく。
「まさか……」
「はい。お察しの通りです」
微笑む女性にオウカは少しだけ溜息を吐く。
そして、近くを通りがかったクラスメイトに言付けしてから、同じ席に着いた。
少しして、女性が口を開く。
「まずはお礼を。ありがとうございます。お陰様で翅が戻ってきました」
「俺だけじゃない」
「それでもです。あなたが発起人と聞きましたよ?」
「カモさんだと思うけど……」
それに女性は紅茶を一口飲んで続ける。
「勿論、彼女にも感謝をしておきました。会えた他の人達にも」
「……それ大丈夫なの?」
彼女は本来滅多に出歩かない……というか本拠地から出ない。
更に言えば、本拠地が凄まじい所にあるので、出歩く事事態大変。
それに女性は少し困り顔をする。
「自分は大丈夫と言ったのですけど」
「貴方が死んだら前みたいになるよ」
その言葉にたははと笑う女性。
「そう言えば――その件も御礼を言ってませんでしたね。改めてありがとうございます」
そして、女性――聖霊教の大聖女はお礼を言った。
******
大聖女と会話を交わした後、オウカは休憩に入る。
そして、あちらこちら見ていると――
「サクさん!」
「リア」
いつもの服装をしたリアがいた。
普段ならランコがいるのだが……。
「あ、ランコはあちらの護衛をしています」
「あー」
いない理由に納得するオウカ。
そういえば今日は彼女を見ていない。
そして、二人で歩く。
「やっぱり急な話だったんだ」
「はい」
今回の件と、前回の件。どちらも結構大事だからこそ、自分で礼を言いに行くと言い出したとの事。
「もう皆さんてんやわんやです」
「だろうね……」
苦笑するリア。
「ただでさえ別件があるのに……」
「別件?」
「あ、今のは聞かなかった事に」
どうやら聞いては不味い事らしい。
なのでオウカはこくりと頷き、別の話題を振る。
「そう言えば……あの外道は?」
あの後、エドリーゲインの体をマックスは回収していた。
翅の引き剥がしがあるとの事。
『ちゃんと終わったら処分するでござんす』
『当然である』
マックスとノワールもそう言っていたらしい。
……この時、オウカは意識を失っていたので、キョウコからの又聞きだったが。
それにリアはにっこりと笑う。どことなく凄惨な笑みを浮かべる。
「大丈夫です。輪廻転生すら許さないように処分しました」
「うわ……」
つまりは肉体と精神はおろか、魂魄まで処分したという事であろう。
「それと【タナトス】も封印しました」
曰く、本部にある危険物を保管・封印する場所に入れたとの事。
「そこ大丈夫?」
「はい」
何でも行くのも帰るのも転移をしなければ難しい本部にあるうえ、違う位相にあるとの事。そして、入るには大聖女の許可がないと入れない。
「勿論ソレ事態にも封印処置を施しました」
何でも円卓にそれ専門の人がいるらしい。
「だからもう犠牲は出ません」
「そっか」
それなら一安心。
そして、話題を変えるリア。
「アシヤ先生は忙しいようですね」
「あの五人、色々動いていたらしいからな」
世界的大犯罪者を捕えたのだ。
未だにニュースでやっている。
「規模がデカくて隠蔽は無理だったからな……」
なにせ被害が拡大するような場所でやるのだから。
しかも結界が張られるので目立つ。
「だから聖霊教と陰陽師が動いたって事にしたんですね」
「そういう事」
オウカの言葉にリアは納得した。
******
学園祭が終わっても、まだやる事がある。
「こういう片付けも学園祭の一部だな」
「帰るまでが遠足と同じだね」
「だな」
ジンナの言葉に頷く。
オウカはクラスメイトと一緒に後片付けをしていた。
雑談しながら片付けていると、ジンナが話題を振る。
それは――
「サク君、あの事件に関わっていたんだよね」
「まあな……」
実はオウカは友人達に何があったかの連絡をしていた。
……まあ終わってからだったうえ、途中経過では何もしなかったので、多少小言は貰ったが。
「強かったの?」
「ああ」
思えば、エドリーゲインは自分と同じタイプだった。
他者の経験を自身の物としているため凄まじい技術を持っている。
更に。
「軍団を率いて戦わせる事もできるからな」
数を確保する事もできるうえ、質すらどうにかなる。
「多分一人じゃ無理だった」
「それはそうだよ。人間一人じゃ出来る事は限られているもの」
その言葉に頷くオウカ。
そして、少し顔を顰める。
「犠牲も出たちゃったからな」
今回の件は八か所同時進行したうえ、エドリーゲインの戦法が戦法なので、死傷者が出てしまった。
場所によっては、担当者や相手の戦闘スタイルのおかげで死傷者ゼロの所もあったが、それでも本体や、数や質の軍団が凄まじかった所は一般人が死んでいる。
「非難もあるからな……」
今回の件は秘密裡に進行した。
そのせいで犠牲が出ただの、もっと大々的にやっていれば、未然に防げただの色々言われている。
「でもそういうの少ないって聞いたよ」
「それが救いだ。それに聖霊教とアシヤ先生が矢面に立っているから」
だからこそ、オウカの生活には影響がない。
だが、“かきくけこ”は今も色々てんてこまいらしい。
「まだ学校来れないみたいだね」
「……」
「どうしたの?」
ふと黙り込んだオウカの顔を覗き込んだジンナ。
「なにかあの人に結構迷惑かけてるなって」
それに答えたオウカ。
「サク君が問題事起こした訳じゃないでしょう?」
「それでもだよ」
本人も気にするなとは言っているが、どうもいたたまれない。
それにジンナが笑っている。
「教師はそういうのも仕事だし、メリットもあるでしょう?」
「だと良いんだがな……」
そうこうしているうちに片づけが終わった。
■□■□
後片付けが終わった後、打ち上げがおこなわれた。
「売上一位おめでとうぅー!」
「「イエー!!」」
全員で盛り上がる。
ピザやお菓子を広げ、お酒……は駄目なのでジュースや炭酸で盛り上がる中。
「アレ?」
タナカがある事に気づく。
「サクヅキがおらへんな……」
キョロキョロ見渡していると、ジンナが声を掛けて来た。
「どうしたの?」
「サクヅキが……」
「ああ。さっき出て行ったよ」
「え……」
「用事があるんだって」
「ふうん」
ジンナの表情が少し寂しそうなので、それ以外にも何かあると感じたが……。
「そか」
納得した。
そして、タナカが離れたのを確認し、ジンナがぼそりと呟く。
「まあ、騒ぐ気分にはなれないよね」
◇◆◇◆
ある病院。
そこの一室にオウカはやって来た。
「来たぞ」
返事の声はないが、それでも言わずにはいられない。
そこにあるベッドにいたのは――ソラナキ=ヒナタだった。
服装はいつもの黒い外套姿なのだが、病院に合わせているのか、病院の衣服のようになっている。
あの後、意識を失った二人。
オウカは翌日には目覚められたのだが、ヒナタは未だに目を覚まさない。
やはり怪我が酷かったうえ、止血も碌に出来ず、反動まであったのだから。
名医や聖女に治療や回復をして貰い、どうにか死なないようには持ち直したが。
『後は、彼女次第です』
との事。
オウカはベッドの傍らの椅子に座り近況を報告していく。
「お前も来れれば良かったのに……」
呟くオウカ。
そして、ヒナタの手を握り、額に当てる
「早く起きてくれ。次は笑顔で会うんだろう?」
返って来る言葉はなかった。
■□■□
意識を失ったヒナタはどこかわからない場所にいた。
(どこだろう?)
とりあえず進んでいく。
彼女は気づかないが、いつの間にか背丈が縮み、服装もワンピースになっている。
暫く進むとそこには人がいた。
「あ……」
その顔を彼女は知っている。
「かあさん!」
走って彼女の元へ飛び込む。
それを女性――ソラナキ=サヤ(旧姓カモ)は受け止める。
「あいたかった、あいたかったよ……」
大粒の涙を流すヒナタを撫でながらサヤは言葉を掛ける。
「わたしもですよ」
「つらかった、かなしかった……」
「ええそうですね。よく頑張りましたねヒナタ」
ヒナタは顔を上げてサヤを見る。
「あのね、はなしたいことがたくさんあるの」
「ええ話してください。幾らでも聞きましょう」
そして、ヒナタの話をサヤは聞き始めた。
肆ノ章 Fin. Next 伍ノ章……
【後書】
(#ー#)(㈩*㈩)<何この結末!?
(・▽・)<これがいいかなって事で、こうなりました。
(#ー#)(㈩*㈩)<
(・▽・)<さあ、次回から新章開始。
(#ー#)(㈩*㈩)<流した!?
(・▽・)<かなり毛色が違ううえ、賛否の否が多いでしょうし、
(・▽・)<とある展開のせいで読者のメンタルに来るかもしれません。
(・▽・)<さらにある事をします。これも否が多いでしょう。
(・▽・)<でも、作者はハッピーエンドが好きなので、ちゃんと良い結末になるので安心してください。
(#ー#)<……何が起こるんだよ。
(㈩*㈩)<不安しかないんだけど……。
(・▽・)<じゃあ、ちょっとヒントを。
(・▽・)<B○EACHや銀○の~編、仮○ライダーセイバーのVシネクスト、ウ○トラマンメビウスのとある話。
(・▽・)<この四つが近いです。では次を楽しみに~♪
(#ー#)(㈩*㈩)<出来るか!?