冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:復習】
(㈩*㈩)<叢雅は冥刀を作成した刀工。十三人いる。

(・▽・)<刀工じゃないのいますよね。

(#ー#)<アクセサリーデザイナーとか、建築士とか、医者とか。

(㈩*㈩)<……黙って。全員仕事名として「~叢雅」と名乗る。

(㈩*㈩)<「~」には大数や小数は付く。

(㈩*㈩)<リーダーは無量大数叢雅。

(㈩*㈩)<そして、わたしは刹那叢雅。

(・▽・)(#ー#)<さりげなく名乗った!?


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 どうして手に入れたのかはわかった。

 方法については論ずるまでもない。

 

[何かしら奪ったスキルを使ったんだろうさ]

「邪眼なりクロスなりですか……」

[ああ。アレらは同じモノでも人によってかなり違う]

 

 例えば――《ヴァイオレットクロス〔ミラー〕》の場合。

 

 

 ある者は――攻撃の反射。

 ある者は――鏡の中を移動。

 ある者は――分身。

 ある者は――対象の姿と能力の模倣。

 ある者は――太陽光の光線化。

 ある者は――上記の幾つか。ただし条件や制限あり。

 

 

 完全同一はおらず、何かしらが変わる。

 

「でもよ。そんなにスキルがあるのって容量どうなってんだ?」

 

 ジョージが呟く。

 

「奪うのだって条件があるだろうし、キャパシティ・スロット限界だってあるだろう?」

[本来ならね。でもスキルでないチカラの場合は違う]

 

 スキルではないチカラ。

 稀にプレイヤーに覚醒する術技・能力の事。

 スキルとの違いは、鑑定などを使っても見れない事。

 カナタの相手の強さを測るチカラが良い例。

 他にも、予知に近い第六感、睡眠貯蓄、パワー増強など色々確認されている。

 

[アレは結構インチキなのも多いからね。そもそもスキル封じ喰らっても使えるし]

「……でも無制限って訳じゃないでござんしょ?」

[それはそうだろうね。それは賭けても良い]

 

 シロが断言するのも無理はなかった。

 そもそもノーリスクなどあり得ない。

 

[それに今回は幾らなんでもやりすぎだ。何かしら代償を支払っているのは間違えない]

 

 そもそもそうでなければ、幾ら弱っているとは言え、オウカからチカラを奪う事など不可能。

 

「つまりは狙うなら早い内がいいのですね」

「そのようでござんす」

「じゃあ早速作戦立てましょうや。……情報屋さんも協力してくれるんでしょう?」

[協力させて貰うよ]

 

 そうして円卓と情報屋の話し合いが始まろうとする。

 そんな中。

 

「忘れる所だったのである」

 

 ノワールがオウカの方を向く。

 

「サクヅキ=オウカ。今回は外れるのである」

「……」

 

 沈黙するオウカ。

 

 理由はわかる。

 今の彼のチカラは半減どころでは済まない。

 残っているのは経験と技術、そして、かき集めた武器位。

 

「それにまだ狙われているでござんしょ?」

 

 実は謎の人物に襲われ、オウカは死に掛けた。

 その状態だからこそ、チカラを奪われたのだ。

 

「アレ?」

 

 ルラがある事を思い出す。それは彼の相棒二人。

 

「ネラさんとマユさんは?」

 

その言葉にオウカは顔を伏せる。そして懐から何かを出す。

 

「……」

 

 掌に乗せて無言で見せる。

 

 それは、│櫛《マユ》と│機械アリ《ネラ》。なのだが二つ共色褪せていた。そしてどちらもピクリとも動かない。

 

「生きてはいますが、動けません」

「……一体何が?」

 

 それにオウカは説明する。

 

 

 △▲△

 

 

 その日、クエストを受けた帰り道、突然二人に異変が起こった。

 

「これは!?」

「不味!?」

「どうした!?」

 

 今思えばソレは装置の発動。だが、この二人は効きが悪かった。

 

「認識が……、変わる……」

「は?」

「│主人《サク》……、殺害……」

「大丈夫か!?」

 

 だからこそ、正気な内に自らを休眠させた。

 

「ごめ……なさ……、しばらく……眠……」

「足引……、絶対……、駄目……」

 

 だからオウカは異変に気づく事が出来た。そこへ謎の人物の襲撃を受け、死にかけたところへ、今回の黒幕にチカラを略奪されたのだ。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

「ん? ちょっと待て。じゃあ天剣もか!?」

「アイツも似たような感じです」

 

 目を伏せる。

 どうやら地雷だったらしい。

 なのでルラは。

 

「お馬鹿!」

「痛!? 姐さん! 足、足砕ける!!」

 

 ジョージの足を踏んづけた。何度も何度も。……一応手加減はしているが、常人なら恐らく骨が砕ける程の威力。

 

 それを見たオウカは苦笑い。

 

「こちらに牙をむく事はないので安心してください」

「そ、そうでござんすか」

「なら安心ですね」

 

 ほっとした一同。

 流石に数多の手札に加え、時間と空間まで操ってきたら手に負えない。

 

 そして、ノワールが喋る。

 

「つまり今は戦いに使えるチカラはないのであるな?」

「……三つほどは残っています」

 

 今残っているのはディアンの置き土産(オストラコン)くらい。ただし冥刀の再現は出来ない。

 数多の経験と、修羅の戦闘技術、糸巻き付きによる死に辛さの三つが今のオウカの手札。

 

「「……」」

 

 それに円卓は沈黙。

 足手纏いにはならないだろうが、やはり物足りない。

 そう思っていた。

 

 そんな時だった。

 シロが口を挟む。

 

[何かしら予備の武器とか、アーティファクトとか持っていないのかい?]

「全部匣に仕舞っていたので……」

 

 オウカの匣は能力みたいなモノ。

 それまで盗られてしまったのだ。

 

(一応自宅にもあったんだけど……)

 

 一旦戻ってみた所、完膚なきまでに壊されており、武器や金目の物まで奪われていた。

 

(こんな事になるんなら、ソルを見習ってあちらこちらに隠しとくべきだった)

 

 戦闘狂の彼女は、武器や金目の物をあちらこちらに、栗鼠や百舌鳥のように隠していた。

 その時だった。

 突如大声を出すオウカ。

 

「ああ!!」

「「!?」」

 

 オウカは思い出した。

 

「ど、どうしたのである?」

「戦力増強……できるかもしれない」

「「え!?」

 

 

 △▲△

 

 

 それはソルが消える前に託したモノ。

 

「あ、忘れ物、忘れモノ」

「?」

 

 首を捻るオウカにソルは続ける。

 

「何かあった時のために隠しておいたんだ」

「……もしや?」

「うん。武器と換金出来る物」

「こっちでもやっていたのか……」

 

 それにソルは真顔になり続ける。

 

「何があっても良いようにさ。それに……」

 

 オウカを真っ直ぐに見る。

 

「ソルが消えてもサクの役に立つだろう?」

「お前……」

「迷惑かけちゃったからね。色々と。だからその償いさ」

 

 そして、彼女は隠してある場所を言う。

 

「もしチカラが欲しい時は行ってみて」

「わかった。でも何があるんだ?」

「冥刀と武器。後金目の物。それと……」

 

 にんまり笑うソルドアット。

 

「面白いものがあるから」

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

「――てな感じです」

「「なるほど」」

 

 そういう訳でオウカがやって来たのは、近くにある山。標高はそこまでなく、雪も積もらず、モンスターもいない、ハイキングにピッタリの山。

 

 装備を整え、山登りをしている訳だが……。

 

「……皆、ついて来たんですね」

 

 オウカ以外もメンバーがいた。

 ルラ、ジョージ、マックス、ノワールの円卓勢。

 そして。

 

「興味があるんだろうね。まあそれは自分もだけど」

 

 シロまでそこにいた。

 

 曰く、

 

『面白いものが見れそうだから』

 

 との事。

 この人物、こういう嗅覚が鋭い。

 

 因みに長老はいない。流石に留守番である。

 

 そうして暫く歩き、辿り着いたの場所にあったのは洋館。幽霊とか出てきそうな雰囲気。

 立入禁止のテープが張ってあるが、それをオウカは無視して入っていき、他の面々も続く。

 

 ギシギシと鳴る床を踏みしめ進み、奥に到達。そこは大広間。

 

「ええと確か……」

 

 オウカは呟きながら、床を踏んでいく。すると一際大きな音が鳴る所があった。

 

「ここだな」

 

 オウカは床を外す。

 

「あった!」

 

 彼の大きな声に、他の面々が何だ何だとやって来た。

 彼らの目線の先にあったのは……

 

「階段?」

 

 どうやら地下空間があるらしい。

  そうして階段を降りる六人。

 明かりが人の気配に反応して付く。

 

 ジョージが呟き、それにノワールがしみじみと言う。

 

「至れり尽くせりだな。それにしても……こんな部屋があったとは」

「今の時代は色々な道具や素材があるであるからな。その気になれば一日もかからずに作れるのである」

 

 彼はこの世界に、モンスターやダンジョンが流入する前から生きている。だからこその言葉だった。

 

 そうして階段を降り終わると、そこは小さな部屋。机とベッドしかない。

 

「……何もないでござんすよ?」

 

 首を捻ったマックス。

 だが、オウカはそれに構わず、机に近づき、上の板を外す。そこには手紙が入っていた。

 オウカはそれを読んでいく。

 興味を持ち、覗き込むルラだが……

 

「読めない……。なんて書いてあるんです?」

 

 読めなかった。

 それはそうだろう。異世界の文字で書いてある。恐らくこの世界で読めるのは、オウカやマユくらいだろう。

 

「要約すると、ここに居るって事は困っている時。だから、必要になりそうな物を置いておいておくと」

 

 因みに、この場所の権利も買ったので、好きに使えとある。

 この事態……もしくは似たような事になる事を、ソルドアットは予想していたのかもしれない。

 

「叶わないな……」

 

 そう呟いたオウカ。

 

 他の面々は辺りを見渡す。だが、それらしい物は見えない。

 

((一体どこに?))

 

 一方、オウカはわかっているのか、迷う事なく動き出す。

 

「ここかな?」

 

 そこにあるのは簡素なベッド。

 マットをひっくり返すと、そこは収納のようになっている。

 そこには幾つかの匣らしき小さな鞄がある。どれも懐、腰、足など目立たないように装着できる。

 

「……何が入っているのかな?」

 

 一言呟き、中を物色し、広げていく。

 

「武器ですね」

「武器だな」

「武器でござんす」

「武器であるな」

「武器だね」

 

 様々な武器が入っていた。

 

 シンプルな剣、刀、双刃剣などの武器、金砕棒、ウォーハンマー、モーニングスターなどの打撃系、拳銃、機関砲、重火器などの兵器、手裏剣、鉤爪、鎖分銅などの暗器、ハルバード、アパッチ・リボルバー、鎖鎌などのマルチウェポン、盾、鎧、ガントレットなどの防具etc。

 

 対校戦の際に、似たような光景を見たルラとジョージは平然としていたが、他の面々は少し面食らっていた。

 

「……武器屋でも始めるのかい?」

 

 シロのツッコミをもっともである。

 

「俺の普段仕込んでいる量に比べれば少ないな……」

「武器屋経営しているんでござんすか?」

 

 オウカの言葉に呆れるマックス。

 それにオウカはこう言う。

 

「気分とか、相手によって武器を使い分けしたくなるので」

「でも、その場合熟練度が低くならないのかい?」

 

 シロの疑問はもっとも。

 幾つもの武器を極めるのは難しい。一つか二つを極めるのがやっとだろう。

 それにオウカは苦笑し、

 

「俺はインチキしているので」

「インチキ?」

 

 気になるシロ。

 だが、それにオウカは答えず、武器を匣に戻し、体の各所に装備する。

 それが終わると、ベッド自体をひっくり返す。

 

「……まだ何かあるのであるか?」

「そういえば……今までの武器は普通の物でしたね」

 

 ノワールの疑問に、ルラが思い返す。

 どれもこれもプレイヤーやモンスターには通用するだろうが、術技や能力はない。補正はあったが。

 

「冥刀があるのか?」

 

 ジョージの言葉と同時だった。

 独特の圧がベッドのあった場所から発せられた。

 ここにいる面々のものではない。つまり……

 

「あった。しかも二つも」

 

 そこには何かを包んである布の塊と、手で持てるサイズの箱。

 

「……凄いね。一つでも手に入れようとすると大変なのに」

「大……変……?」

「姐さん姐さん、アンタは例外」

 

 シロの言葉に首を捻るルラ。それにジョージがツッコミを入れた。

 実はルラの冥刀は、ある日突然彼女の目の前に現れた。だからこその言葉だった。

 

「あっしもそこまで大変だった記憶はないでござんすね」

 

 マックスの場合、常連の煙草屋から貰ったモノ。

 因みに、ジョージはガンショップで偶然見つけて購入した。

 

 閑話休題。

 

 そうして、オウカは中に入っている冥刀の確認をする事にする。

 

 まずは布を解く。そこに入っているのは大きなハンマー。ウォーハンマーと呼ばれるシロモノ。

 なのだが、鈍器部分が回転弾倉のようになっており、柄には折りたためるギミックと、引鉄がある。

 

(もしかして瞬息の作品?)

 

 マルチウェポンかもしれないと思いながら、次のに取り掛かる。

 

 箱を開けるとそこに入っているのはペンダント。

 金色の小さな正四角形が鎖に繋がれている。よく見ると四角形はボードゲームに使う盤のようにマス目があった。

 

(これは須臾の作品だな)

 

 そう思ったオウカだった。




【後書】
(㈩*㈩)<サクに何が起こったのかをわかりやすくまとめると……


①オウカ、クエストで遠出
②黒幕、装置を起動
③認識改変。マユとネラは休眠に入る。
④■■■、オウカを襲撃。
⑤対決は痛み分け。
⑥黒幕、チャンスと見てオウカを襲撃。チカラを奪う。
【アロンダイト】(オートクレール)、敵に回ぐらいならと自らを破壊。
⑧オウカ、どうにか自宅に戻る。
⑨オウカ、会えた知り合い全員、自分を知らなくなっているので身を隠す。
⑩オウカ、長老に拾われる。


(㈩*㈩)<こんな感じ。

(#ー#)<詳しくはやらねえの?

(㈩*㈩)<作者、心が痛むからあまり書きたくないらしい。

(#ー#)<おいおい……。

(㈩*㈩)<要望が(沢山)あれば、カクヨムサポパスでやるかもしれない。

(#ー#)<何か付け足した!?
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