(・▽・)<どんな人だったんですか?
(㈩*㈩)<変態。ロボマニアに匹敵する変態。終わり。
(#ー#)<もっとちゃんとした説明しろ! 馬鹿!
(㈩*㈩)<……はあ。フェミニストでロリコン。男はそんなに好きじゃない。
(㈩*㈩)<売れっ子アクセサリーデザイナーだったんだけど、
(㈩*㈩)<どこか空虚さを感じてた。そんな時に無量大数にスカウトされた。
(㈩*㈩)<実は恒河沙以上に冥刀の真実を知っている。
(・▽・)<……それにしては今回態度が普通ですね。
(㈩*㈩)<サクはわたしの相棒だからって配慮と、彼は男らしくないから。
(・▽・)(#ー#)<そんな理由!?
(㈩*㈩)<中性的な人と、男の娘にも態度が軟化するから。あの変態。
須臾の作品は、アクセサリー。
オウカの親友であるモンセラートが使っていた【ルンペルシュティルツヒェン】のように、間接的、補助的な能力を持つモノが多い。……例外もあるが。
後ろから覗き見ていたルラが聞いてくる。
「ハンマーとペンダント……。どんなチカラなんですか?」
「わかりません。アイツがいれば解説してくれるんですけど……」
オウカは作成者と、有名どころならわかるが、全部はわからない。
「何か解説とかないでござんすか?」
「ないようだな……」
マックスとジョージが冥刀が入っていた場所を見てみるが、何もない。
「何かしらありそうであるが……」
「そうなんですよね……」
ノワールの言葉に、同意するオウカ。
あのソルドアットが手抜かりをする訳がない。
そんな時だった。
『
第三者の声が聞こえた。
『ハンマーは【ムジョルニア】、ペンダントは【グウェンゾライ・アプ・カイディオ】だ』
「「!?」」
警戒する一同。円卓勢は即座に武装を展開する。
それに、その声は続ける。
『そんなに警戒しないでくれ。害する気はない。というか出来ないのだから』
「だったら姿を見せなさい」
モップを構え言い放ったルラ。
それに声の主は嘆息し、答える。
『わかった。今から姿を見せるから……』
そして、六人の前に突如として声の主が現れる。
『驚かないでくれたまえ』
「「!?」」
それは長身の男。痩せ気味で線が細い針金のような印象がある。服装は奇抜ではなく、スーツに薄い色のサングラスを掛けている。
その人物に対し、真っ先に声を掛けたのは――ジョージ。
「……姿を見せろと言ったぜ?」
『見せているが?』
「本体を見せろよ。匂い、鼓動、呼吸が不自然、
ジョージは加護ノ翅のチカラで感覚が恐ろしく鋭敏。だからこそ気づけた。
それに男は苦笑。
『今はこれが本体だよ。体は大分前に失くしている』
「「……!」」
警戒を解かない
それに男はやれやれと首を振る。
ノワールが訊ねる。
「何者であるか?」
『よく聞いてくれた! とは言えここで知っている者はそうは居ないが。拙は』
名乗ろうとしたのだが……
「な、何で……」
男が出て来たから、動かなくなっていたオウカが再起動した。
「アンタがここにいる!」
その顔は驚愕している。
「須臾……叢雅!」
名乗る前に言われてしまった男――須臾叢雅は驚きを顔と表情で示す。
そのまま、押し黙ってしまう。
オウカの言葉に驚いたのはルラとジョージ。
この二人はオウカやマユから冥刀について聞いている。
だからオウカに訊ねる。
「叢雅……というと、冥刀を作った鍛冶師か!」
「その名前は確か……アクセサリーデザイナーでしたっけ?」
二人の言葉にオウカは頷く。
「はい。俺の
刀工……と呼ばれるが、実際はアクセサリーデザイナー。鍛冶技術なんて持っていない(笑)。……まあ一門では幾人がそういうのがいるが。
それに聞き捨てならないのが数名。
「え!? 冥刀を作った奴でござんすか!?」
「ほう。なるほどである……」
「……その話詳しく聞かせて貰っていいかい?」
一方、須臾は表情を戻して苦笑する。
『名乗る前に名前を言われてしまうとは……』
そして、オウカを見る。
『この世界で拙の事を知っているとは……。君は何者だね?』
その問いにオウカは少し逡巡してから答える。
「俺はただの通りすがりです」
「「どこが!?」」
「そして……マユ、刹那叢雅の相棒です」
その言葉に納得した顔をする須臾。
『そうか。彼女が居るのか……。もしや君が連れ出したのかね?』
「ええ。ですがご安心を。役目は終わっています」
他の面々には意味不明な会話。
だが、問いただす間もなく会話は続く。
『ほう。もしや
「はい。完膚なきまで。存在の一片すら残さず消しました」
『素晴らしい!』
手をパチパチと慣らす須臾。
『良い報告が聞けた。おかげで本体に良い報告が出来そうだ!』
「本体? どういう事か聞いてもいいかい?」
その物言いにシロが訊ねた。
『まあ隠す事でもないから……』
説明を始める須臾。
何でも、今ここにいるのは立体映像に、魂の一部と自意識の一部を混ぜた物。【グウェンゾライ・アプ・カイディオ】にそれをセットして置いたらしい。
『コレには思い入れがあるからね』
「最高傑作の【ルンペル】よりもですか?」
ルラの問いにそれに少しだけ笑う。そして――告げる。
『【ルンペルシュティルツヒェン】が“最高”なら、【グウェンゾライ・アプ・カイディオ】は――“最強”だからね』
その言葉には自信と自負があった。
「大きく出たな……」
「そんなに凄いんでござんすか?」
「説明してくれると嬉しいな」
ジョージ、マックス、シロの言葉に待ってましたとばかり、須臾は説明を始める。
『良いですとも。まずは……』
その目線はハンマーを見る。
『オーソドックスなモノだから【ムジョルニア】の説明からだ』
その言葉にオウカは、このウォーハンマーを見て、早々に思った事を聞いてみる。
「瞬息の作品ですか?」
『……よく知っているね』
呆れた目を向けて来るので、オウカは答える。
「m……刹那叢雅から色々聞いているので。それに」
言葉を切る。
「あの写真も見せて貰ったので」
『マジでか』
「薔薇を咥えてキザなポーズ取ってましたね」
眼を見開く須臾に、他の面々が疑問符を浮かべる。
なので、二人は説明する。
「叢雅一門の集合写真があるんですよ」
『全員が揃った最後の時に撮った物でね』
提案者は無量大数。
良い機会だし、こんな機会はもう無いから撮ろう、と言い出した。
反対する人もいたが、創設者権限で無視し、写真撮影を強行した。
そして、後日全員にその集合写真が配られた。
『ギミックを仕込んでいてね、コピーは出来ず、映像を撮る事すら不可能』
「人数分しかないんですよ」
つまりは十三枚しか存在しない。
それに加え……
『恐らく今は刹那叢雅しか持っていないだろうね……』
「あんな事がありましたからね……」
「「あんな事?」」
『言っていないのかい?』
「……言ってないです」
『まあ進んで語りたい事ではないね……』
そういえばまだ言ってなかった、と思い至るオウカ。それに須臾が説明する。
『テロを喰らって全滅したんだよ』
そうして、彼が詳細を語る。
その日、写真撮影の数年後。
ほぼ全員が集まり、食事会(飲み会)を開いていた。定期的におこなうのだが、全員揃う事は極めて稀。なのだが、この日はほぼ全員揃った。
そこを極右組織は狙った。とは言え、護衛や迎撃装置がある中、叢雅一門を殺すのは至難の業。なのでその組織のリーダーは倫理と道徳を度外視した戦法に手を出した。
それが核爆弾。それにより、食事会の場所どころか、そこに暮らしていた何の罪もない人々が犠牲になった。
それにより叢雅一門は断絶した。公的には全員死亡となった。
だが、生き残りが一人だけいた。それが、撮影会以降は異空間に引きこもり、端末で参加していた刹那叢雅である。
一同絶句する。
言葉も出ない中、須臾は語る。
『ここで拙の本体は死んだ訳だが、今はこうしている。他の面々も何かしら遺しているとは思うよ』
だからと続ける。
『もう終わった事だから、君達が悲しむ必要はない』
「「……」」
そう言葉を掛けられても、やはり一同黙り込んだまま。
なので、オウカは須臾に説明を促す。
「……さっきの続きお願いします」
『ああ。そうだな。話していれば気が紛れるだろうからね』
ウォーハンマーを細い指先が指す。
「【ムジョルニア】はハンマーだが、ミサイルランチャーにもなる」
「「合体武器!」」
「男の子はこういうの好きだね~」
テンションを上げる男勢に、シロがそう言った。
それにルラが気になったのか訊ねる。
「……貴方は男じゃないのですか?」
「さあ?」
フフフと笑うシロ。
説明は続く。
『由来のごとく、雷の力を持っている』
「電気を生み出す方式は?」
雷や電気の冥刀はモノによって(大きく分けて)五つの手段で冥刀を生み出す。
自家発電。
電気を吸収。
雷雲を呼び、それを操る。
体力、気力、魔力などを、電気に変換。
生体電流を増幅。
このどれかが一般的。かつて出て来た【ヤールングレイプル】は発電方式である。
……まあ全部可能な
『増幅と変電』
「……二つあるの?」
『ああ』
説明曰く、本体と薬莢(六発)で電気を生み出す方式が違うとの事。
本体は生体電流を増幅し、蓄電しておく事が可能。
薬莢は体力、気力、魔力を電気に変換し、圧縮して、蓄電する。
普段の戦闘時には、本体が発電した蓄電分を使うのだが、強敵との戦闘時は、回転式弾倉に装填されている薬莢を炸裂させる事で、瞬間的な威力底上げが出来るとの事。
勿論、雷電榴弾による遠距離攻撃も可能。
『瞬息の作品は複数の形態を持つからこそ、出来る業だ』
「流石」
パチパチとオウカは手を鳴らす。
マユから、色々器用な人と聞いていたが、そこまでとは思わなかった。
「……代償は?」
『電気を生み出す方式自体がそれだ』
術技や能力を使うのに、制限や条件がある冥刀がある。
それ自体が代償であり、こういうタイプは那由他の作品で多い。
「那由他氏みたいな感じですね」
『よく知ってるね……』
多少マユから聞いているルラの呟きに、半ば呆れ、半ば感心する須臾だった。
こうして【ムジョルニア】の説明が終わる。
『では次は拙の最強の冥刀――【グウェンゾライ・アプ・カイディオ】の説明だ』
須臾の目線がペンダントに移る。少しだけ声のトーンが上がっている。
((楽しみにしてたんだ……))
そんな事を思った一同。
それを知ってか知らずか、説明が始まる。
『まずこのペンダント形態は納刀形態
つまり抜錨しろという事らしい。
なのでオウカはペンダントを首に掛け、念じる。
すると、ペンダントが金色の粒子となり、形を変える。
それにシロが呟く。
「指輪と腕輪か……」
次の瞬間、オウカの両手には――指輪と腕輪が付いていた。
金色の金属に銘のごとく、チェスの駒の意匠が付いている。駒は右手は水晶、左手は銀となっている。
指輪は、親指から、キング、クイーン、ビショップ、ナイト、ルークとなっており、腕輪はポーン。駒の数まで再現されている。
そのデザインにシロは感心する。
「由来通りなんだね……」
『よく知っているね。マイナーなのに』
「「由来?」」
半分以上が首を捻る中、須臾が苦笑して説明する。
『ブリテン十三の宝の一つ。自動で駒が動くチェス盤と駒だよ』
「「へえ……」」
補足説明が入れてから、元の説明に戻る。
『これの能力は――武器や道具の冥刀化だ』
その言葉にオウカは幾つかの冥刀が思い至る。
「【ルンペルシュティルツヒェン】、【アガートラーム】、【アイガイオン】みたいな?」
『近いね』
この二つは直接的な殺傷力や破壊力は低い。その代わり、条件を満たした物の性能を引き上げる。
そして、一拍置いて須臾は告げる。
『【グウェンゾライ・アプ・カイディオ】は冥刀ではない武器や道具を、強化し、能力を付与する事で冥刀に出来る! しかも腕輪と指輪の数……十二本分だ!』
「「おお!!」」
その言葉に驚く一同。つまりは十二本の冥刀を作り出せるという事。
普通に強い。なのだが……
(ん?)
シロはとある事を思い出す。
それは、この冥刀は最強ではあるが、最高ではない、と言っていた点。
そして、ソルドアットという人物が出て来るまで仕舞われていた点。
(何か致命的な欠点がある?)
そう思っていると、須臾の視線がシロを捉える。
『その通り。欠点があるんだよ。致命的な……ね』
「……心を読まないでくれ」
『ハハハ』
シロの言葉に、須臾は笑ってから、欠点を説明をした。
【後書】
(㈩*㈩)<遂に語れた、一門全滅の理由。
(#ー#)<……(絶句)……。
(㈩*㈩)<しかも一発だけじゃなくて、百発近く放ったから、その国の人口九割九分が死んだ。
(・▽・)<よくそんなに持っていましたね。
(㈩*㈩)<組織のメンバーに優秀なハッカーが居て、各国のシステムをハッキングした。それに……
(#ー#)<それに?
(㈩*㈩)<この頃から、人々がおかしくなっていたし、