(・▽・)<叢雅一門が作った超常兵器である冥刀。
(・▽・)<下記の特徴がある。
・三つの名前を持つ事。
・意志と魂を持つ事。
・能力と代償を持つ事。
(・▽・)<なので、冥刀は武器と生物の中間。
(#ー#)<持っているチカラは三つに分けられる。
・補正:身体や五感の強化。もしくはその延長線上。
・変形:刀身を伸ばす縮める、刃を潰す、二刀にする、違う武器にするなど。
・能力:自然を操る、概念を操作する、術技を使うなど。
(#ー#)<まあ、特化した奴だと、どれかが皆無な物もあるな。
(㈩*㈩)<そして、特殊な金属と、作り手の魂魄を使う。
(㈩*㈩)<そして、製法も口伝で秘伝だったから、もう作れないし、作らせない。
(㈩*㈩)<……まあ、素材とか、作り手のせいで、極稀に近いモノが誕生する事もある。
(㈩*㈩)<まあもっと詳しい話をいずれやるかもしれない。
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目的を果たした一同は外に出る。
狭い空間に居て、気疲れしたのか、伸びをしたり、体をほぐしたりする。
「ふう~」
「コキリ、コキリ」
「んん……」
「フワァ……」
「ござんす……」
「ああああああ」
そして、
『久しぶりの外だ……』
メンバーがもう一人追加されていた。
それは――須臾叢雅。とは言えSDキャラのようになって周囲を浮遊している。
『拙はあくまで残滓だ。直に消えるからそれまでは一緒にいるよ』
との事。
(一緒にいれば面白そうだし)
と内心思っていた。
そんな中、彼はある事を思い出す。
(そういえば、刹那を連れ出した、と言っていたな)
なのでオウカに声を掛ける。
『サクヅキ=オウカ』
「何です?」
『刹那はどこだ? 消える前に会っておきたいのだが……』
その言葉は最も。知り合いに会っておきたいというのは当然の事。
なのだが、今はタイミングが悪かった。
オウカの表情が暗くなる。
『?』
疑問に思う須臾。
それに、このままではいけないと、オウカは懐から再び
それを見た須臾の顔色が変わる。一目で異変に気付く。
『……何があった?』
それにオウカは、今までの経緯を説明する。
それを聞いた須臾の顔は無表情になる。
「すいません」
謝るオウカに須臾は無表情を崩し、首を横に振る。
『いやいや、君のせいではない。……もしや』
そして、何かを考え始める。
そんな彼を後目に、他の面々は歩きながらこれからの予定を立て始める。
因みに、周りに聞かれないよう遮音の結界をマックスが張っている。
ノワールが音頭を取る。
「それで、これからどうするのである?」
「カチコミましょう!」
ルラの即答。
実際、黒幕が誰かも見当が付いているうえ、戦力もある。不安材料だった、オウカの武器もどうにかはなった。
兵は拙速を尊ぶべき。
だがそれに首を横に振るノワール。
「まだ早いのである」
「……なぜでしょう?」
「理由は三つ。相手の戦力がどれだけわからない、肝心要、目的である装置の場所も不明」
そして、一拍置いて続ける。
「オウカがまだ完全じゃない」
そして捕捉していく。
「痛み分けになったような強敵がいる可能性があるのである」
「アレは策略の一つですか?」
「タイミングが良すぎるから、十中八九そうである」
その言葉に、納得する一同。
オウカはあの相手を思い出す。
(かなり強敵だった……)
誰かわからないように、全身に靄を纏っており、それには高位の認識阻害までかけていた。ここまですると、顔見知りですら気づけない。
(でも、何か違和感あったんだよな……)
これといった特殊能力は使わず、五体で戦う。硬く、速く、力がある。それが厄介なのだが……。
「俺は、アレが誰かを知ってる……?」
ボソリと呟きが漏れた。
それが聞こえたのか、ノワールが聞いて来た。
「戦った相手が知り合いなのであるか?」
「既視感があったんです」
「フム……」
少し考えていたノワールだが、今は考えてもわからないので、話を戻す。
「次に装置の場所。全くもって不明である」
「大きさや形は?」
「そういえば言っていないのであるな」
知らない面々に説明する。
大きさは二メートル程。
形は不定。球体、立方体、三角錐などと、めまぐるしく形を常に変えるオブジェと、それを乗せている(というか浮かせている)台座で構成されているとの事。
「強度は?」
「わからん。まあ最悪は吾輩が破壊する」
「場所はわからないんですよね?」
「ああ。でも当てはある」
何でも装置の改変力は強いのだが、範囲がそこまででもないらしい。
「だから効いている場所を探ればどこかしらにあるのである」
匣に仕舞ったりしたら装置は働かない。表に出ているのは間違えない。
「そして、オウカ」
ノワールの視線が向く。
「まだ完全ではないだろう?」
「それは……まあ」
冥刀を手に入れたが、片方は使わない事にして、もう片方は欠点のせいで完全ではない。
「それにしても……」
ルラが訊ねた。
「何で指輪腕輪にしたのですか? まだランチャーハンマーの方がシンプルでしたのに」
実はオウカは二つの選択肢で、【グウェンゾライ】を選んでいた。【ムジョルニア】は仕舞ってあり、使い手はいない。
「そうした方がいいと思ったので」
「……勘ですか?」
「はい」
それにルラは、
「なら仕方ないですね」
すんなり納得した。
それにジョージが問いかけて来る。
「良いんですか?」
「勘は大事ですよ。それに……」
「それに?」
オウカを見てから、ルラは続ける。
「これはまだ確定ではないので、言わないで置きます」
「「えぇ……」」
勿体ぶるルラに呆れた。
その時だった。
「ん……」
最初に気づいたのは、感覚が鋭敏なジョージ。
「「ッ!」」
少し遅れて他の面々も気づいた。
それはこちらに近づく人の気配。
「相手は一人……だな」
「この面々に挑むって正気でござんすか?」
マックスが呆れるのも当然。ここにいるのは一騎当千の戦士ばかり。死にに来たようなもの。
そして、全員が警戒する中、その人物が姿を見せた。だが、靄を纏っているせいで、性別どころか、背丈すらわからない。
鑑定を使える面々が使うが、何もわからない。
(駄目か。何もわからない)
シロが思うが、オウカには覚えがある!
「お前は!?」
驚くオウカ。
「……知り合いですか?」
ルラの疑問に一拍置いて答える。
「チカラ奪われる前に痛み分けになった奴です」
「「!」」
全員が驚く。全員が彼の強さを知っている。だからこそ警戒する中、
「今回は戦いに来たわけではない」
合成音声のような声が響く。
そのせいで、男か女かわからない。
「では何をしに?」
ルラが前に出て、モップを構える。
それに指を指し答える靄。
「お前に会いに来た」
指はオウカを指している。
「俺に? 何で?」
「……」
それに沈黙する。
暫くして。
「わからん」
その答えに全員ズッコケた。
どうにか起き上がったオウカは問いかける。
「わからないって……」
「どうにもお前が気になってしかたないんだ。また会えばわかるかと思ったが……」
わからないままだ、と肩を竦めた靄。
それにふとノワールは思い出す。
「そういえば、オウカも似たような事言っていたであるな。既視感があると」
「お前もか?」
「ああ。どっかで会った事がある気がするんだ」
オウカの言葉に、靄は何か考えるような仕草をする。
そして、意を決したように発言する。
「私には記憶がないんだ」
「「え?」」
「気づいた時には組織にいて殺し屋稼業をしていた」
「「殺し屋!」」
何人かが警戒する中、靄はこう言う。
「ああ安心してくれ。もうやめた」
「簡単にやめれるものなの?」
「仕留めきれなかったせいでな」
曰く、失敗には死、と言って襲い掛かって来たので、全滅させて置いたとの事。
簡単に言うが、簡単な事ではない。
その言葉に円卓勢は警戒する中、オウカは問いかける。
「つまり俺を殺す気はない?」
「ない。なんだったら依頼者について教える」
至れり尽くせりだが、警戒を一同は解かない。
「なら姿を見せるべきでは?」
ルラの言葉に靄は少し考えていたが……
「そうだな」
そうして靄が消える。
すると、現れたのはローブ姿の小柄の人物。フードを目深に被っているので、まだ性別や顔はわからないが、この場の面々で一番小柄なオウカより小さい。
(女性か?)
シロが思う中、ローブを脱ぐと、現れたのは仮面を被った――女性の肢体。着ている物が全身を覆う顔以外をぴっちりと覆うボディスーツなので、スタイルがまるわかり。
胸と尻が大きく、腰はくびれている、いわゆるロリ巨乳という奴であろうか。
「ナイスバディって奴だね~」
「フン!」
「痛い!?」
ジョージの軽口にルラが足を踏んづける。
そんなコントを無視して、その女性は仮面を脱ぐ。
そして、素顔が露わになる。
「「!?」」
その顔をルラとジョージは知っていた。見覚えがあり過ぎた。
思わず、オウカを見る。
彼の顔は驚愕に染まっていた。
「な、何で……」
彼は知っている。この人物を知っている。
「お前がここにいる! マリア!」
その顔はオウカの親友であった修道女、“ハカイシスター”と呼ばれたマリアだった。
そう呼びかけられた女性は納得したような顔をする。
「そうか。お前は私を知っているのか……。私はマリアと言うのか……」
「その言い方からすると、他の名前で呼ばれていたでござんすか?」
マックスが気になったのか訊ねた。
それにマリアは答える。
「名無しと呼ばれていた」
「そのまんまでござんすね」
そんな会話を続ける中、オウカは思考している。
(本当にマリアなのか? 他人の空似と言う可能性もある)
どうにか冷静さを取り戻し、オウカは訊ねる事にする。
「幾つか質問していいか?」
「構わない」
「じゃあ、一つ目。その左腕は自前の物か?」
「いや冥刀が代わりになっている。最初から無かった」
そう言うと、着ているボディスーツを少しだけ脱ぐ。露わになる胸元。
「フン! フン」
「何もしてない!?」
「巻き込まれた!?」
ルラがジョージとマックスの足を踏みつける。
そんなコントに構わず、マリアは生身の左腕を見せる。
「「!」」
そこにあったのは機械腕。義手のようであるが、色が血を染めたような真紅だった。
「偶然適合した冥刀――【カズィクル・ベイ】が義手になってくれている」
「なるほど……」
納刀形態で、体の一部に代替する場合は数少ないが確認されている。
それより気になるのは【カズィクル・ベイ】という冥刀の
それはワラキア公国の君主であった、ヴラド三世の異名のトルコ語読み。
(これだけじゃどんなのかはわからない……)
納刀では義手だが、抜錨時にはどうなるのだろう。
とは言え。
(それを聞くのはマナー違反だからな……)
普段だったら、マユが教えてくれるのだが、今はいない。
「ままならない……」
小声でつぶやいた時だった。
「【カズィクル・ベイ】は阿僧祇の作品だよ」
男の声が聞こえた。それは須臾。
ここにはもう一人叢雅がいる。
『パイルバンカーの冥刀だ』
全員の補助をしていたからこそ、ほぼ全てについて知っている│刹那《マユ》に比べれば劣るが、代表作や異色作ならわかる。
「「パイルバンカー!!」」
「そんなのもあるんだ……」
「何でもありなんですね」
テンションを上げる男性陣に対し、呆れている性別不詳と女性。
『何でもではないがね……』
嘆息する須臾。
そんな彼にマリカは視線を向ける。
「お前は?」
『ああ。ただの残影だ。気にしないでくれ』
「そうか」
マリアはオウカに視線を戻す。
((本当に気にしない人初めて見た!?))
内心ツッコミをいれるメンバー。
一方オウカは質問をする。
「二つ目。記憶はどこから?」
「春頃からだ」
気づけば、自分が誰かもわからず、記憶もない。知識も穴だらけ虫食い状態。さらに左腕は無く、服もズタボロ、怪我だらけ。
彷徨っている時に、体に目を付けた奴らに襲われ、返り討ちにしていたが、体力気力の限界が来て倒れたところを、捕まり売られた。そして殺し屋組織に買われたそうだ。
「まあ扱いは悪くなかった。衣食住用意してくれたし、冥刀を貰えたし」
その言葉にオウカは内心言う。
(そりゃあそうだろう)
マリアはフィジカルが凄まじい。しかも鍛えなくても力強くなっていく。だからこそ、身体スペックだけで大抵の敵は圧倒出来る。
戦闘を職業にする者なら垂涎ものだ。
「一応世話になったから、見逃そうとも思ったが殺しに来たから……」
束になれば勝てると思ったのだろうか。まあ全快じゃなかったからどうにかなると思ったのだろう。結果は御覧の通りだが。
「それでこれからどうしようと思った時に、貴方を思い出した」
オウカにマリアは近づき告げる。
「だから会いに来た」
「そっか」
オウカは納得した。
【TIPS:雷電系冥刀】
(㈩*㈩)<形状と電気を生み出す方式を違うけど、チラホラある。
(#ー#)<そりゃあな。因みにオレは籠手の【ヤールングレイプル】。自家発電方式で、緊急発電も可能だな。
(㈩*㈩)<同じ籠手でも【イルアン・グライベル】というのもある。こっちは増幅方式で、雷のエナジーブレードを作り出す。
(・▽・)<オーソドックスな【ミョルニル】とかないのですか?
(㈩*㈩)<あるよ。
(#ー#)<オレの持ちネタ!?
(・▽・)<……貴方のではないと思いますけど。
(㈩*㈩)<あ、そうそう。【ムジョルニア】の解説は再登場時……というか使用時に。