(・▽・)<この作品の主人公、サクヅキ=オウカ。
(・▽・)<一部の人の通称サク。
(・▽・)<異世界へ行って、冒険を繰り広げた。
(#ー#)<それに、出会いと別れがあったんだが、
(#ー#)<よく本編でも仲間の事は回想する。
(#ー#)<……狂人、変人、奇人ばっかり。
(㈩*㈩)<本編時系列では故人とも言えるし、生存とも言える。
(㈩*㈩)<なので、どれだけ登場するかは未定。
(㈩*㈩)<今の所、二人は出て来た。少なくともあと一人は出て来る。
そして、質問に戻る。
「三つ目。これからどうする気?」
オウカの問いにマリアはきょとんとした顔をした。
そして、少し考えた後、答える。
「考えてなかった」
数人ズッコケる。
その答えにルラが何かを思いついたような顔をする。
そして、提案する。
「では私達と一緒に来ませんか?」
「姐さん!?」
「何を言ってるでござんす!?」
「正気か! ……狂気だったな、お前は」
他の円卓勢のコメント。何気に酷い事を言っている。
それにルラはフフフと笑う。
そして続ける。
「今は戦力が一人でも欲しい状態です。それに彼女はオウカさんの友達だったらしいですし……」
チラリとオウカを見る。
「大丈夫ですよね?」
「う~ん……」
オウカは考える。
かつてのマリアだったら、その意見には即答出来た。だが、今の彼女は記憶を失っている。
(どうしよう……)
考えるオウカ。
そこへマリアが訊ねて来た。
「こちらも質問をいいか?」
「ん? どうぞ」
「私は一体どんなだったんだ?」
その問いにオウカは沈黙。
暫くして口を開く。
「長くなるし、あまり楽しい話じゃないけど……いいか?」
「ああ」
「私も興味あります」
そういう訳で話す事になった。
だが、それに待ったをかけるシロ。
「今ここで話すのも悪くないけど、時間的にそろそろ陽が沈む。どこか腰を落ち着ける場所で話したら?」
「それもそうであるな」
そうして一同は移動する事にした。
マリアも脱いでいたローブを被り付いて行った。
******
そうして一同やって来たのは、山の近くにあったホテル。
運よく大部屋が空いていたうえ、ペット(モンスター込み)可だったので、そこにチェックイン。
「さて、何か作りますか……」
「見せて貰えるかね?」
「お好きに」
途中買って来た材料を使い、ルラが料理を作る。須臾は見る。
その光景を見たオウカが、ジョージにボソボソと言う。
「ルラさん、料理出来たんですね……」
「伊達や酔狂でメイド服を着てるんじゃねえんだよ、姐さんは」
マックスも捕捉する。
「意外と上手いでござんすよ」
「へえ……」
シロは外に出ている。
長老への連絡と、情報集めとの事。
そして、ノワールとマリアは。
「……」
「……(どうしてこうなったのである)……」
一緒にいた。
マリアがひたすらノワールをモフっていた。
ノワールも振り払おうとしたのだが、力が強すぎて振り払えない。
(誰か~、助けて~である~)
心の中で助けを求めるノワールだった。
******
夕飯はラザニア。全員一緒に食べる。
上手く出来ており、オウカは素直に称賛する。
「美味しいです」
「それは良かった」
人数がいるので、多めに作ったが、無くなってしまった。
そして、明日は早くなりそうなので、早く寝る事になる。
そう言う訳で、シャワーや歯磨きなどをして、各自ベッドに入るなり、ソファに寝っ転がるなり、クッション並べて布団代わりにして、早めに就寝と相成った。
******
真夜中。
「目が覚めた」
一度眠ると、朝になるか、刺客でも襲いかからない限り起きないオウカ。だが、珍しく目が覚めてしまう。取りあえずノンカフェインのお茶を淹れていると。
「サクヅキ=オウカ」
「ん?」
呼びかけに振り向くと、そこには椅子に座ったマリア。
どうやら起きていたらしい。
「私の話は? してくれるんじゃないの?」
「……ああ」
「忘れていた?」
そう思うのも無理はない。だがそれは違う。
オウカは首を横に振る。そしてこう言う。
「いや、覚えてる」
「なら何故寝た?」
それにオウカは少し顔を顰めて言う。
「あまり聞かせるべき話じゃない。プライべートな事だから」
「それもそうだな」
「後、あんまり面白い話じゃないし、それに……」
「それに?」
「……いやいい」
「?」
オウカの様子に疑問符を浮かべるマリア。
だがそれは当然。何せこれは、彼にとっても思い出したくない事が多い。
だがこの様子では話さなくてはならない。
「是非もないか」
そして、マリアの分のお茶を渡し、彼は始める。
「〔貴方は何の為に生まれてきた?〕アイツがよく言った言葉だ」
一人の修道女の半生(?)を。
▼▽▼
ある日、児童養護施設の前に赤ん坊が捨てられていた。
「可哀そうに……。でも、もう大丈夫」
その子はマリアと名付けられた。
夜泣きはせず、とても良い子だった。
(この子をどうして捨てたのかしら……)
疑問に思った園長。
だが、それはすぐに明らかになった。
ある日、いつの間にか外に出て、ハイハイしているマリア。
ベビーベッドはどうしたのだろうと園長は見て行くと。
「は?」
バラバラになっていた。
当たり前だが、木製であっても、そう簡単に壊せる物じゃない。
なので、今度は金属製のベビーベッドに入れた。
だが……
「嘘でしょう……」
マリアは金属製のベッドを飴細工のようにひん曲げて壊してしまった。
そういう訳で、知り合いの医者に診てもらう事になった。
その結果、マリアは常人を遥かに超える筋肉と骨の密度を持っていた。
ミオスタチン関連筋肉肥大かと思われたが、本来膨大なカロリーを必要とするはずが、同じ年の赤ん坊に必要摂取カロリー半分以下でも平気なうえ、それでも筋肉と骨はすくすく育っていった。
「正に神が与えた肉体だよ……」
医者は感嘆しながらそう言った。
だが、良い事ばかりでなかった。
その医者からの情報で、最近母親を引き裂いて生まれたという赤ん坊がいたとの事。
「なるほどね。だから捨てられたのね……」
納得した園長。
そして、決意を新たにする。
それは……。
「この子を立派に育て上げる!」
この力があれば、大勢の人を救える人になれる。聖人にもなれるかもしれない。
そういう訳で、マリアを育て始めた。
歪んで変な方向に突っ走ったり、狂人にならないよう、優しく、時に厳しく接した。
「貴方は誰かを幸せにするために生まれたのよ」
そう言い聞かせた。
ただ戦闘技術は一切関わらせなかった。
元々のスペックが凄まじいうえ、トレーニングをしなくても、筋肉と骨は育って行き、その力は凄まじい。だからこそ、あえて何も教えさせなかったし、触れさせなかった。
そうして彼女は特に歪まず、すくすくと育っていった。
マリアはとても良い子だった。そして、頭が良かった。
手伝いを率先しておこない、誰にでも優しく接していた。
更に、自分の力は誰かを傷つけるとわかっていたのか、早い内から制御を覚え、いつも手加減していた。
そうしてある時、将来何になりたいか聞かれた時、
「ワタクシも園長のようなシスターになります」
「そう……」
こう答えた。
そう言われた時、園長は飛び上がる程嬉しかったそうだ。
******
大きくなったマリアは、教会のシスターとなった。
教会や養護施設で彼女は働いた。
子供の面倒を見たり、一緒に遊んだり、事務作業をしたりした。更に周りに請われて、力を活かした手伝いをしたりした。
……ただ料理だけは関わらせて貰えなかった。料理当番の子の代わりに炊き出しをおこなったところ、大惨事を巻き起こした前科があるので当然と言っちゃ当然である。
勿論シスターなので神への祈りは欠かさない。
そんな彼女には全員に内緒にしているとある日課があった。
それは……。
「ハア! ハア! ハア!」
一日一万回の正拳突き。
マリアは他の子供達は格闘や剣などの戦闘や護身術を教える道場に通ったりする中、元から持つフィジカルだけで十分と通わせて貰えなかった。
園長としては、過ぎた力は自分に害を及ぼす、だから程々でいい。マリアには神の与えた体がある、それで十分と思っていたから。
なのだが、ある時マリアが行き倒れていたオッサンに、お弁当を与えた時に、彼から何も返さないのは主義に反するとの事で、拳の握り方と正拳突きを習った。
彼曰く。
『この世界は弱肉強食。一つでいいから武器は持って置け。役に立つから』
との事。
そして内心は。
(これだけのスペックを持っているのに、何もやらないなんてもったいない!)
である。
これは園長の教えを破る事になる。だが、この世界は物騒。いつ何があったもおかしくない、無駄にはならないと、毎日毎日おこなった。雨の日も、雪の日も、疲れている日も、体調の悪い日も。来る日も来る日も打ち込みをおこなった。
******
そんなある日の買い物帰り。いつものように凄まじい量を運んでいると、道端に落ちている五寸釘が目に入った。
「……?」
無視しようとも思った。だが、何故か目が離せない。
なので。
「よっと……」
少し行儀が悪いが、足で持ち上げ、買い物袋に入れて持ち帰った。
帰ってから見てみると、それは――
「これは……冥刀ですか?」
拾った時には、錆びて朽ちてボロボロだった物が、新品同然になっていた。さらに意思を伝えて来る。
「そう。アナタは【レギンナグラル】。ワタクシに使い手になって欲しいのですか……」
それに対して彼女は熟考した末に答えを出す。
「保留でお願いします」
『――』
代償が嫌な訳ではないし、怖いわけではない。
ただ自分を戦わせないようにしている、園長の思いを裏切るのが嫌だった。
「アナタはこんなワタクシを笑いますか?」
『――』
冥刀は笑わなかった。
「お金に困ったら売るかもしれません。なので見捨ててくれても結構ですよ」
そう言ってから、布にくるんで懐に入れた。
それから売らずに――経営がマジでヤバイ時には迷ったが――お守り代わりにしていたのだが、【レギンナグラル】はなくならなかった。
マリアと共にあり続けた。
******
マリアはその日、工事現場の手伝いをしていた。臨時の助っ人をよく頼まれ、収入が良いので引き受ける彼女。
そんな時、ある最年長のベテランの人に問われた。
「お前は何のために生まれて来た?」
「……」
暫し沈黙後、マリアは答える。
「誰かを幸せにするためです」
自分の力はそのためにあるのだから。
その答えにその人は更に質問を重ねる。
「それって誰だ?」
「それは……」
助けを求める人、不特定多数の弱者。
答えようとしたが、答えられなかった。
「……」
そんな彼女にこの人は言う。
「馬鹿か? ちゃんと名前を口にしろ、大切だって言え。お前のために頑張っていると、胸を張れ」
一拍置いて続ける。
「それだけの事をしているだろう?」
「……」
沈黙するマリアに更に続ける。
「でないと、いつか本当に大事なものを取りこぼすぞ?」
その言葉はマリアの胸に残った。
だからこそ、彼女はそれを考えた。
(本当に大事なもの……)
そうして家に帰った時だった。
「おかえり~」
「お土産ある~」
「あるわけねえだろう。働きに出てるんだぞ?」
出迎えてくれたのは施設の子供達。自分にとって家族当然の人達。
「ああそうか……」
彼女はこの時わかった。
そして、出迎えてくれた子供達を抱きしめる。
……勿論手加減はする。でないと殺しかねない。
「ワタクシはこの子達を幸せにするために生まれて来たのですね……」
ここの子供達は、親を失い、辛い目にも合って来たのだから、これから幸せになる権利がある。
だからそれを手助けしよう
マリアの決意だった。
******
大変な事もあったが、幸せな日々。だがそれは唐突に崩れ去った。
きっかけは街の長が変わった事。
それにより援助金が入らなくなった。更に、ガラの悪い人達の立ち退き要求が始まり、債権者が変わった事による激しい取り立てがおこなわれた。
それに付随するように変な噂を流され、近所の人達からは白い目や汚物を見る目で見られた。
それにより施設は限界寸前。
笑い声が響いて楽しい雰囲気だった所は見る影も無くなり、泣き声と叫び声が響く暗い場所になった。
マリアは朝から晩まで、碌な食事も取らずに駆けずり回り働いた。
それでも焼石に水だった。穴の空いた容器二度目のいくら水を入れても貯まらないのだから。
【TIPS:レギンナグラル】
(㈩*㈩)<おさらい。釘型の冥刀。代償が打ち込む際の痛み。
(㈩*㈩)<補正は高め。能力はダメージの浸透。
(・▽・)<釘○ンチ、二○の極み、鐵○断風ですね。
(㈩*㈩)<その通り。
(#ー#)<その通りじゃねえよ。馬鹿共。
(㈩*㈩)<そして、――実は
(#ー#)<確か……天剣の欠片が使われている奴の事指すんだよな?
(㈩*㈩)<そ。因みに使われたのは振動の【マーガ・カマル】。