(・▽・)<モンスターはプレイヤーの攻撃、
(・▽・)<モンスター素材やオブジェクトから作った道具の攻撃が有効です。
(#ー#)<普通の武器にコーティングしても有効だな。
(#ー#)<モンスターからとれる魔石から作る。
(㈩*㈩)<上記をアーティファクトと呼ぶ。
(㈩*㈩)<勿論冥刀も入るんだけど、実はかなり違う。
そんな状態でも園長はやり返したりしなかった。
「右の頬を叩かれたら、左の頬を差し出しなさい」
彼女は、シスターらしくマタイの福音書を引用して言った。
「やり返したらやり返されるのです。だから手を出しては駄目なのです」
だからこそマリアは我慢した。
だが、我慢した所で生活は一向に良くならない。それどころか、苦しくなる一方。
そんな時、取り立てをしてくる一味から取引を持ちかけられた。
それはマリアに身売りを迫るもの。だが、それを受ければ、養護施設には二度と手を出さないと言って来た。そして、お金が定期的に施設に入ると言う。
ならば。
「……いいでしょう」
マリアはそれを受けた。
それから彼女はそのスタイルから、娼館へと売られ、体を売る日々を送った。
恥辱と凌辱の日々。それでも、施設の子供達のために耐える日々。
そんな日々が数年続いたある日、彼女は支配人から休暇を貰った。
なので、彼女は家族に会いに行く事にした。
「皆……元気にしているでしょうか?」
そして、その場所に帰った彼女を待っていたのは……
「は……?」
教会と施設はなく、見覚えのない建物が立っていた。
「え……、どういう……ことなの……?」
意味が分からなかった。
座り込んで、暫く呆然としていると……。
「お前……マリアか!?」
声を掛けて来たのは、よく手伝いに行っていた工事現場での顔見知りの男。
「アナタは……」
「お前よくあんな事しておいて顔を出せたな!」
「は?」
意味がわからない。
その男、馬鹿ではない。だから、マリアの表情と座り込んでいる体勢を見て、自分が知っている事と齟齬が発生している事に気づく。
なので。
「話せ。お前は今まで何をしてた?」
その言葉にマリアは自分がどうしていなくなったのか、何をしていたのかを話す。
それを聞いた男は沈痛な面持ちで顔を伏せる。
そして。
「気をしっかり持てよ。施設はな、お前が消えた日に強盗が入って全焼した」
「は……? こ、子供達は? 園長は?」
「全員死んだ。そして、お前がそれの犯人って思われている」
その言葉に全ての糸が繋がっていく。
全てはこのために自分を売ったのだと。
「あ、あ、あ……」
マリアの眼からポロポロと零れる。
そして。
「アァーーーーーー!!」
マリアは絶叫した。透明な涙は血の涙に変わる。
そのまま彼女は泣き続けた。
どれだけ泣いていただろうか。
突如マリアの泣き声が止まった。そのまま立ち上がる。
「……お、おい大丈夫k……ひ」
男は思わず悲鳴を漏らす。
マリアは凄絶な表情をしていた。怒りと悲しみが混ざったような顔。
「……」
無言のまま彼女は懐から布の包みを出した。それを開くとそこには五寸釘が入っていた。それを右手で掴み左肘当てる。
「【レギンナグラル】。聞いていただけますか」
そうして冥刀に声を掛けた。
「ワタクシは気づきました。右の頬を叩かれたら左の頬を差し出せ。アレは間違っています」
やっと気づけた。
「相手は調子に乗り、更に手を出してくる」
もうすべて遅いが。
「良心や親切をしてもそれが返って来るとは限らない」
ああ、何でもっと早く気づけなかったのか。
「やられたら倍にしてやり返す」
だからこそ。
「右の頬を殴られたら、左の頬に肘打ちをしてから、ボディブローを叩き込む」
もう間違えない。
「反撃する気がなくなるまで徹底的に叩き潰す。それしかない」
その言葉に五寸釘は震える。その通りと言っているよう。
「だからこそチカラがいる。協力して貰います」
そして、マリアは釘を肘から突き刺した。そのまま奥深くまで押し込む。
「ひ!?」
見ていた男が悲鳴を漏らす。アレは痛い。
しかも、男は知らないが、コレは冥刀なので、痛みは倍程度では済まない。
屈強な男性でも、絶叫し、のたうち回る痛み。
……モノによっては代償として発狂死寸前の痛みを与えて来る。
だが、マリアはそれを耐える。奥歯を噛みしめ耐えきった。
「……」
暫くはそのままの体勢でいた。
そして、男の方へ視線を移す。
「ちょっと訊ねて宜しいでしょうか?」
口調は穏やかだが、男にはわかる。
これは嵐の前触れだと。
「な、なんでございましょうか?」
「なぜ敬語なんですか? まあいいですけど……」
マリアは急に変わった男の態度に疑問を感じながらも、ある事を聞いた。
それは自分達を破滅に追いやった外道共の居所。
「あ、ああ……」
幸い有名だったので、男は話した。洗いざらい話した。
……話さなかったらどうなるか、わかったもんじゃない。
そうして聞き終えると、マリアは微笑んだ。……とっても怖い笑み。
「ありがとうございます」
そうしてマリアは踵を返していった。
●○
「え? あの日の事ですか? よく覚えています」
「依頼に失敗した……、というか先を越された日ですからね」
「まあ知っての通り、この時の私は、無差別殺人をやめてました」
「依頼を受けてから、対象に地獄を見せてから殺すようにしてました」
「まあいわゆるジョブチェンジですね♪ 殺人鬼から拷問士へと」
「え? どっちにしろ物騒?」
「アハハ。話を戻します」
「それで依頼があった……というか、自分で見つけたんですけどね」
「ある時、街を歩いていた時に、ビラ配りをしていた女性に会ったんです」
「何でも急に消えた恋人を探しているらしくて……」
「それで、チンピラに場所代を払えと絡まれてまして」
「まあそこを私が颯爽と♪ え? そのチンピラはどうしたか? ですか?」
「安心してください。生きてはいますよ」
「依頼も無かったですから、無用のブツを潰して、骨盤を粉々にするだけで許してあげました♪」
「……え、やり過ぎ? そうですかね? これでも撫でる程度なんですけど……」
「まあいいでしょう。とりあえず話を戻します」
「それでその女性に協力する事にしたんです。それで色々調べた結果……」
「その恋人さんは――もうこの世にいませんでした」
「なんでも、行方不明になったその日に死んでいたようです」
「ヤクザの親分に絡まれて、暴行を受けて死亡。そして遺体は魚の餌になったそうで」
「それを聞いた女の人は大激怒。刺し違えても殺すと言い出したので」
「どうにか止めて、代わりに私が動く事にしたんです」
「それでカチコミを仕掛けたら……」
「もうその一味死んでいたんです。皆殺しでした」
「死因? 殴られて顔面や急所が陥没……どころか粉砕してました」
「下っ端は一撃で殺されたようだったんですけど、幹部は問題でした」
「ある物は死ぬまで殴り続けられたのか、全身が倍に腫れあがっていました」
「そして、問題はターゲットの親分。アレは真っ二つに裂かれてました」
「裂けるチーズってわかります? 正にアレでした」
「あの惨状から、上顎と下顎を持って引き裂いたんでしょうね」
「しかも苦しむようにゆっくりとやったんでしょうね」
「顔が恐怖と痛みで引きつっていました」
「後で、調べてわかったんですけど、ソイツが土地の権利を奪うために殺し燃やした養護施設の生き残りに殺されたようですね」
「その人、他の所でも凄惨なコロシをやってまして、突き止めるのは簡単でした」
「ま、自業自得ですね。殺るなら殺られる覚悟がないと♪」
▼▽▼
仇を取った後、マリアは娼館に辞表の手紙を出してから、旅に出た。
誰も自分の事を知らない場所で一から出直そうと思ったのだ。
その道中、
「ヒャッハー! 良い女見ーつけた」
「姉ちゃん! ちょっと遊ぼうぜ!」
やはり何度も襲われた。
かつてだったら逃げるだけ。
だが、今は違う。
「女性を食い物にするクズには容赦はしません」
「ぐぎゃあ!?」
「だから死になさい。無様な虫けらのように」
「ほげぇええ!」
徹底的にやる。要するに命をきっちりと奪った。
一人たりとも許さなかった。
そうして旅をしている道中、
殺し合ったり、戦ったり、会話をしたり、世話になったりした。
そして辿り着いたのだは、とある国。
元は王制の国だったが、革命が起こり、そこの支配者が全員処刑されたとの事。そうして、革命軍のトップが政治をするようになった。
王が居た頃は、貧富の差があり、暮らしに困る日々。きっと暮らしが良くなると信じて皆戦ったそうだ。
ところが、良くなる所か、状況は更に悪化した。格差は更に広がり、暮らしどころか、食べるのにも困る日々。
更に、監視体制が強化されたせいで、ほんの少し不満を口にしただけで、捕まる。
そう言った要因で国には孤児が溢れていた。
「放っておけません!」
そう言う訳で、ボロ家を教会に改造し、孤児の面倒を見始めた。
お金には困ったが、道中手に入れた金目の物を売ったり、力を活かして働いたりして、どうにか養った。
警戒心が高かった子供達もいつしか彼女に懐いていった。
そんなある日の事だった。
「うー……ん?」
朝起きて教会の前に出て来た時だった。
何かが足に当たる。下を見ると、そこには人が倒れていた。
マリアに気づくと、顔を上げる。
中性的で髪が長い少年だった。
「み、水……、た、食べ物……」
「ちょ、ちょっと待っててください」
井戸から水を汲み、少年に与える。更に、パンを与えた。
彼は貰った水を半分飲んでから、パンを食べ――硬いパンなのに平然と嚙み切る――、残りの水をを飲みほしてから礼を言ってくる。
「ありがとう。命の恩人だ」
「そんなおおげさな」
話を聞くと、彼は旅をしている時に、ここに辿り着いたそうだ。
「俺はオウカだ」
「ワタクシはマリアです」
そうして自己紹介をし合った。
******
この時のオウカは、特にやる事もなかった。
なので、マリアを手伝う事にした。
子供たちの面倒を見たり、マリアと一緒に働いたり。
「旅をしているのではないのですか?」
「まあね。でも特に目的はないから」
道中の話を少し聞いたのだが、何でも、マリアが一時的にお世話になっていたお嬢様とメイドのところで働いていたそうだ。
「お二人は元気ですか?」
「……」
その問いにオウカは沈黙。
これは地雷を踏んだと、マリアは謝る。
「すいません」
「いいさ。知り合いなら知っておくべきだ」
そしてマリアはこの二人の最後を知った。
それに沈痛な面持ちとなるマリア。
ふと思い出したのは、自分がした問い。
「……アナタは何のために生まれて来ました?」
「ん?」
「あ、いえ。昔その二人に訊ねたんです」
「どう答えた? ……まあ予想つくけど」
オウカの疑問にマリアは少し微笑んで告げる。
「〔わたくしは幸せに生きるために生まれましたわ〕、〔わたくしめはお嬢様に仕えるために生まれました〕だそうです」
「うんうん。予想通り」
うんうん頷くオウカにマリアは問いかける。
「アナタは何のために生まれて来ましたか?」
それにオウカは少し考えてから答えを出す。
「それを知るために生まれた」
「!」
思わぬ答えに目を見開く。それにオウカは軽く苦笑。
「悪く言えばわからない。今も探し続けている。そっちは?」
「ワタクシは……」
マリアの視線がオウカから移る。その眼は子供達に移っていた。
「この子達を幸せにするために生まれました」
彼女はそう言うと地面にあった石を掴む。そして、握力で粉々にする。
「!」
「ワタクシは常人よりも優れた筋肉と骨を持って生まれました。だからその力は誰かのために使うのです」
それに対してオウカは……。
「凄いじゃないか」
称賛した。
それにポカンとするマリア。
「? どうした?」
「いえ、褒められたのは初めてなので」
それを言うと聞いた相手は、嘘言うなだの、綺麗ごとだの、本当の事を言えだの、貶されてばかりだったからこそ。
「そっか。でも俺は綺麗だなって思うよ」
「ありがとうございます」
少し頬を染めるマリア。
そんな彼女に子供達が囃し立てる。
「あ、お姉ちゃん顔赤い!」
「恥ずかしいの~」
「アナタ達!」
それにマリアは子供達を追いかけ始めた。
その顔は笑っていた。
【TIPS:ベアトリクス&アンジェリカ】
(・▽・)<お嬢様とメイド。国とか都市とかから離れた辺鄙な場所に
(・▽・)<大きな屋敷があって、そこで暮らしていた。
(・▽・)<サクは一時働いていた。マリアさんは一時逗留した。
(#ー#)<故人なのか?
(・▽・)<はい。因みに珍しく他の人が関わる壮絶死ではない。
(㈩*㈩)<……サクの友人達、ほぼ全員が他の人が関わる死だものね。
(㈩*㈩)<あなた筆頭に。
(・▽・)<てへ♪
(#ー#)<……(自分の死をそれで済ませるのか)……。