(・▽・)<作中、ポツポツ出て来たのでおさらいです。
(・▽・)<素材がない。特殊な金属を使用するので。
(・▽・)<製法が途絶えた。魂魄を削って埋め込むので。
(#ー#)<……さりげなくヤバイの混ざってるな。……まあ、ありそうな理由だな。
(㈩*㈩)<悪用されるのわかっていたから、口伝で秘伝にしてたから。
「ていうか知らないの?」
「知らない」
冥刀はこの世界で生まれたモノではなく、異世界で生まれたモノ。言ってしまえば異物である。
そのせいか、嘘や憶測が飛び交っている。
だからこそ、
(まああの世界の記憶がないんじゃ仕方ないか……)
なのでオウカは説明しようとしたが、
「なら拙が説明しよう」
聞こえたのは、第三者の声。
それに二人が振り向くと、そこには須臾叢雅がいた。
SD状態から普通の人型になっている。
「製作者が話すのが筋だろう?」
それに二人が向けたのは白い目。そして、気になった事を訊ねる。
「「聞いていた?」」
それに須臾はフフフと笑っただけで答えず、説明を開始した。
☆★☆★☆
人に超常のチカラを与える冥刀。モノによっては、全く戦った事のない一般人に大軍を相手取れるチカラを与えるモノまである。
だが、それは代償がある。それもモノによって違い、試練や手足など前払いのモノ、体力や気力の消費で済むモノ、血肉や寿命など命に関わるモノ、特定の服装や行動などおかしなモノもある。
だからこそ、能力の強大さや、代償の危険性から手放そうとする人がいる。……この世界では案外少ないが。
だが、契約を解除は難しい。そもそも冥刀と使い手は肉体、精神、魂魄の三つと密接に繋がっている。……逆に言えば、それだけ密接に繋がっているので奪うのは不可能に近い。
なので、手放す方法としては、死ぬくらいしかない。
遠くに逃げたとしても、追いかけて来る。……だからこそ、オウカは動かない左腕(冥刀同化中)を見て死んだと思ったのだ。
それ以外の契約破棄方法はあるにはあるが……
代償の不履行は、大抵が強制徴収するので不可能。更にモノによっては代償を支払わない場合、それ相応の罰を与えるのでオススメしない。
弟子や後継者に継がせられるモノはあるが、冥刀は意志を持つので、気に入らないと拒否してくる。
だからこそ、冥刀との契約は慎重にならなければならない。
そもそも一人一刀であるので、恒河沙叢雅に言わせれば――
『伴侶を選ぶようなものだ』
だからこそ彼はこうも言っている。
『だからこそ、慎重に選べよ?』
との事である。
◇◆◇◆
『――という訳だ』
説明を終えた須臾叢雅。
「そうなのか……」
「……」
マリアは納得した。
一方、オウカは知っていたので復習になった。
それに須臾の視線がオウカへ向く。
『そっちは知っていたようだな』
「向こうにいたので」
『そうか』
須臾も納得してくれた。
そして、彼は嘆かわしいという表情を作る。
『こちらの住人は使っているのにあまり知らないようだな……』
「それはそうですよ。こちらで作られたモノじゃないし……」
一拍置いて続ける。
「こっちじゃ作成出来ていない。というか貴方方が死んでから、修理するのが限界ですし」
『そりゃあそうだ』
真顔で須臾は言った。
『そういう風したのだから』
「まあ悪用する人絶対出ますもんね……」
『……その言い方から察すると君は知っているのかね?』
「ええまあ……」
旅の最中で、色々知った。
でも……
「墓場まで持って行くのでご安心を」
『ならいい』
その会話を聞いていたマリアは口を挟まず聞いていた。
(何か深刻そうだな。触れずに置こう)
そう思った。
******
次の日。
丁度全員揃ったので、朝食の席で今後の予定を話し合う。
メニューはルラが作ったパンケーキ。
「うん、美味い」
「確かに」
シロとマリアが同意する中、オウカは……
「俺が作るのより、フワフワしてる」
少し悔しそうだった。
オウカの料理はプロには及ばないが、それでも上手な方。そして、相手はメイドなうえ、偶に作るパンケーキなので、悔しいのである。
そんな彼にルラが声を掛ける。
「よろしければ、隠し味教えましょうか?」
「是非お願いします」
「わかりました。実は――」
そんな和やかな時を過ごした後、今後の予定が話し合われる。
「では吾輩が仕切るのである」
ノワールが音頭を取る。異議は特に無さそうなので、続ける。
「これからどうするかであるが……」
「カチコミましょう」
「「そればっかり!?」」
ルラの前と同じ意見にツッコミが入った。
嘆息したノワールが反論する。
「まだ装置の場所も不明であるうえ……」
視線がオウカを捉える。
「オウカは、まだ戦力不足である」
「行けなくはないですよ」
オウカはこう言うが、実際【グウェンゾライ】のある欠点のせいで、まだ不完全。
『アッハッハ』
「「お前のせいだろ!?」」
笑う須臾にもツッコミが入った。
そんな彼にシロが問いかける。
「もうちょっとどうにかならなかったのかい?」
『無理だ』
笑い顔から真面目な顔になった須臾が答える。
『何かしらの代償――制限、欠点、弱点、コストを付けねば、強いモノは出来ない』
それにと、誰かを思い出すような顔をして続ける。
『彼女ならこう言うさ、〔平坦な人生はつまらない。山あり谷あり、ハイリスク・ハイリターンじゃなきゃ〕と』
「不可思議さんですね」
『やっぱり知っていたか』
不可思議叢雅。姉妹の姉の方。
ハイリスク・ハイリターンの作品ばかり作った刀工。
「会った事はないですけど、その逸話は色々聞いてます」
『一番の問題児だからね……』
二人揃って溜息を吐く。
それに興味を持ったのは他の面々。
代表してルラが訊ねる。
「その人はどんな人だったんですか?」
『恒河沙さんに言わせれば……』
(あ、さん付けで呼んでる……)
『馬鹿姉妹の姉だ』
姉妹で叢雅一門に所属していた。
『妹は那由他叢雅。双子だったんだ』
顔立ちや眼元はそっくりで、同じ恰好と髪型するとどちらがどちらかわからなくなる。
だからこそ、不可思議はショートヘアー、那由他はロングヘア―にしていた。……偶にウィッグを付けたり、鬘を被ってたしして、どっちがどっちかわからなくしている(笑)。
『作品系統は真逆だ』
「と言うと……那由他って人はロウリスク・ロウリターン?」
『その認識で構わない』
那由他の方は、特定条件下で発動、回数制限、体力や気力の消費など、正にロウリスク・ロウリターン。
不可思議の方は、血肉骨、寿命、生命力など、取り過ぎると、命に関わる物を代償とするモノが多い。他にも、相手の防御をゼロにする代わり、自身の防御力もゼロにするモノなど正にハイリスク・ハイリターン。
『そして、全てが真逆な二人だった』
ちゃんと職に付いていた那由他に対し、無職の不可思議。
金は貯金しておく那由他、宵越しの銭は持たない不可思議。
料理が下手で掃除が上手い那由他、料理が上手で掃除が下手な不可思議。
『でも仲がとても良かった』
那由他が六徳に一気飲みを強要すれば、それを煽る不可思議。
寝る時と起きる時は一緒。食事も一日一回以上は一緒に取る。
死ぬときすら、一緒で手を繋いだまま二人は逝った。
******
話が脱線したが、どうにか軌道修正する。
そうして話し合いがおこなわれた結果、暫く準備期間を設ける事になった。
『せめて、どの辺にあるのかだけでもわからなければならないのである』
そういう訳で情報収集に当てる事になる。
因みに……。
『自分も協力するよ』
シロも協力するとの事。
一方、オウカは別行動となった。
『良いのですか?』
自分も動いた方が良いのではないかと、思ったが……。
『構わないのである』
『その間に収集をしてください』
『情報は逐一送る』
『頑張れでござんす』
円卓勢にこう言われたので、一人別行動を取る事になった。
そして須臾は……
『拙は君に付いて行こう。面白そうだ』
という訳でオウカと共に行動する事になった。
なので、オウカは一旦河川敷に戻って来る。
「ただいま戻りました~」
「おかえり~」
「無事で何より」
「お土産はあるのか?」
その言葉にオウカは匣から色々出していく。
食べ物があれば、酒もある。
ルラやジョージから貰った差し入れである。
「どうぞ」
「「おお!」」
そういう訳で、酒盛りを始める一同。
それを少し離れた所から見守るオウカ。
「……」
自分の分を食べていく。
酒は取っていない。飲酒と煙草の年齢には達していないので、バレると面倒だからだ。
因みに、
「フウ……」
そんな彼の元に、誰かが近づいて来た。
「眼が明るくなったの」
「長老……」
彼の手には酒瓶がある。
「来た時とは大違いじゃ」
「希望が見えたので」
「なら良かった」
酒をそのままラッパ飲みする長老。
「だ、大丈夫ですか? そんな一気に飲んで」
「ワシは酒には強いんじゃよ」
「ならいいんですけど……」
そのまま二人で他愛ない話をしていく。
そんな時、ふとオウカは思う。
今の内言っておこうと。
頭を下げて感謝を示す。
「本当皆さんには感謝してもしたりません」
「ワシらは何もしとらんよ」
「いえ、十分してくれています」
「そうかい」
そうしてこの日の河川敷は賑やかだった。
ただ一人を除いて、酔っぱらって眠ってしまった。
******
翌朝。
「ふわあ……」
ホームレスの一人が目覚める。
「お前ら朝だぞ〜」
皆を起こしていく。そうして起きた順に身支度していく中、
「ああ!?」
仲間の大声が響いた。それに全員駆けつける。場所は│オウカ《新入り》が寝床にしていた所。
「これは……」
「アイツ……」
ブルーシートとダンボールが折り畳まれて置いてあった。上には手紙。
長老が読んでいく。
「……」
「なんて書いてある?」
「――世話になったじゃと」
やる事が出来たから、ここから出ていくと書かれていた。お礼も書かれている。
「サクラちゃん……」
「挨拶くらいすればええのに……」
「一言だけでもな」
少し不満そうな一同に、長老は笑って告げる。
「全てに│決着《ケリ》が付いたら改めて挨拶しに来るんじゃと」
それならいいかと一同納得。
そのままいつものように活動を開始する。
唯一事情を知る長老は空を見上げ、呟く。
「頑張れよ」
******
噂をすれば影。
「へくしゅん!」
[古典的だな]
街中を歩くオウカはくしゃみをする。その姿はコートにフード姿。外は寒いのであまりおかしくない。
そんなにオウカに須臾がツッコミを入れる。今は人混みにいるので姿は見せず、念話で話しかけている。
[誰か噂でもしているかな……]
[ホームレス達じゃないのか?]
今のオウカは忘れられているので、かなり絞られる。
「まあ是非もないか……」
手紙一つで、挨拶もせずに出て行ってしまったのだから。
そう思っていると、須臾が訊ねる。
[一ついいかね]
[一つと言わずいくつでも。暇ですので]
念話で話す二人。
[では遠慮なく。なぜあそこから出て行ったのだね?]
[……と言うと?]
[あのまま留まって行動するのでも良いと思うが……]
その言葉にオウカは答える。
[恨みってのはどこで買うかわからないんだ]
[ほう]
[これからする事は恨みを買いやすいから。もし拠点場所がバレたら……]
[納得した]
外道や畜生は自分が悪い事をしても、全く悪いと思わず、逆恨みをしてくる。
そういう輩は逃がさず皆殺しにするが、絶対とは言えない。
[だから暫くはあちらこちら転々とする。幸い所持金はあるし]
[そうか。まあ話し相手くらいにはなろう]
[どうも]
そうしてオウカと須臾は人混みに消えた。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<実は不可思議と那由他の姉妹二人……
(#ー#)<二人……?
(・▽・)<何です……?
(㈩*㈩)<肉体関係もあった。姉妹百合。
(#ー#)(・▽・)<ブウ!?