冥刀抜錨トリニティGEAR   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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【TIPS:警備ロボ】
(#ー#)<学校を巡回して、戦闘も可能なロボット。

(#ー#)<地味に科学と魔法の融合作品。だからゴーレムとも言える。

(・▽・)<イメージ的には?

(#ー#)<丸っこいのに手足が生えている感じだ。

(㈩*㈩)<カスタムもあるの?

(#ー#)<部活で改造している所がある。そんで操作もオートからマニュアルに変えられる。

(#ー#)<そちらは鋭角的になって、腕が槍みたくなっている。

(㈩*㈩)<イメージしづらい……。

(・▽・)<イメージ出来ない人は、と○フラで出て来るエネミーの一つ、ゴーレムを思い浮かべてくれれば♪

(#ー#)<おい!?


玖拾捌

 ■□■□

 

 

 一方他の面々、マックスは……

 

「畜生、どこだ!?」

「真っ白で見えねえ!」

 

 そこは煙が充満して何も見えなくなっていた。

 それだけならまだマシなのだが、この煙は他の感覚も鈍らせ、更に機械やスキルの探知すらも掻い潜る。

 

 その中を悠々と進むのはマックス。冥刀は喧嘩煙管【エル・フマドール】。

 コレのおかげで戦闘すらせずに彼は担当場所を探していく。

 

(見つからんでござんす)

 

 だは見つからない。

 そんな事を思いながら、彼は捜索を続ける。

 

 

 ******

 

 

 ノワールの方も戦闘は避けて捜索していた。 

 

 かつて倒したモンスターの素材を加工して作ったアーティファクトで、自らをネズミ程の大きさに縮小し、隠密状態で探す。

 この状態だと、ステータスもサイズ相応になってしまうので、戦えない。

 

(見つからないのである……)

 

 内心思う。

 

(本当にこの場所にあるのであるか?)

 

 疑問に思うノワールだったが、シロの情報――ある日の深夜に、妙なオブジェが搬入された事と、様々な探知方法――占いやアーティファクトなどを使った結果、この場所を指し示している。

 

(ならば、置いてある場所が違う?)

 

 首を捻るノワール。

 だが、今は虱潰しにしていくしかない。

 

「是非も無し……である」

 

 捜索を続けるノワールだった。

 

 

 ******

 

 

 戦闘避ける事に成功したノワールとマックスに対し、マリアはと言えば……

 

「……」

 

 ものの見事に交戦中だった。

 左手の巨大なパイルバンカーをを使い、ロボと交戦していた。

 ロボが放つ弾丸に対し、防御せず、避けず、ただ右手で顔を覆うだけで防ぐ。

 ほぼノーガードに近い状態だが、弾丸はマリアを貫く事は出来ない。

 彼女が纏うスーツの防御力に加え、地力の防御力の合わせ技により、ダメージは少ない。

 

「……うっとおしい」

 

 それでも、うっとおしいのは変わりない。

 そのまま進み続け、ロボに到達。左手を振りかぶり……

 

「ハア!」

 

 パイルバンカーを振り下ろす。

 衝突、轟音、破壊。

 一機を破壊してから、そのまま他の機体も破壊する。

 

 暫くすると、辺り一面には機械だった物が転がっていた。

 

「フウ……」

 

 一息付く。

 そして、装置の捜索を開始する。

 

(サクヅキ=オウカは無事かな?)

 

 そんな事を思ったマリアだった。

 なぜか、目が離せず、放って置けないのだ。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

 そして心配されているオウカはと言えば……

 

(何でこうなった?)

 

 心の中で首をひねっていた。

 ――伸長する白刃屈んで防ぎ、ショートソードの斬撃を避ける。

 

(他の面々はロボとか、警備員なのに……)

 

 溜息が出そうになる。

 ――連射される火炎弾と呪詛の矢を、どうにか躱す。

 

「……チッ」

 

 舌打ちする。

 ――光刃による連続斬撃を、紙一重で躱す。

 

(俺……運ないのか?)

 

 心の中で嘆く。

 ――光刃に紛れていた爆裂光球が起爆。地面に伏せる事でダメージを抑える。

 

(どうしてこうなる?)

 

 改めて状況を見やる。

 

 辺り一面には、ロボだった物が散らばっているが、それは問題ではない。

 問題なのは今オウカが戦っている相手。

 

 

 両手が蟷螂の鎌になったサングラスをした男。

 金髪金眼で刀と呪符を持った女。

 ショートソードとボウガンを構えた男。

 槍を使うトリプルテールの女。

 両指に炎を灯したチャラ男。

 セーラー服とシスター服を折衷して着ている女。

 

 

 カミキ、カナタ、スドウ、ランコ、タナカ、リア。

 オウカの大切な友達・仲間である。

 彼らとの戦闘で大ピンチになっていた。

 

 自身の担当場所の捜索中に警備ロボと接敵。どうにか倒した所で、彼らがやって来て戦闘と相成った。

 これが裏切りで向かって来たのなら、容赦なく叩き潰せるのだが、今回は事情が違う。

 

(改竄を受けているからな……。元に戻る可能性がある……)

 

 だからこそ、こちらからは手出ししづらい。

 ならば、退却すれば良いと思うかもしれないが、それも出来ない。

 リアによって結界が張られている。

 

(加えてこっちのコンディションは最悪……)

 

 普段の状態だったら、どうにかあまり傷つけないように戦闘不能状態に出来る。

 だが、今は戦力半減以下。そして、一対六なので、回復する隙すらない。一方、相手は回復役がいるので、このままだと削り取られる。

 

(本当に覚えていないのか……)

 

 自分に容赦なく向かってくる彼らを見て悲しくなるオウカ。

 体のダメージも積み重なっているが、心のダメージの方が大きい。

 

(気分が沈む……。こういう時は楽しい事を考えよう)

 

 ふと思い出したのは……友達の顔。

 人(の皮を被ったケダモノ)を苦しめてから地獄に送る事を生業としていた女性――モンセラート。

 

(ああ、アイツを殺すのが今から楽しみだ)

 

 オウカが浮かべたのは狂気的な笑みだった。

 

 

 ++++

 

 

 その笑みに怯む六人。

 追い詰めているのは自分達……なのだが、どうも違和感がある。

 

 

 一つ目。相手は反撃をしてこない。

 二つ目。本気で守っているが、攻めてこない。

 三つ目。初対面……のはずなのだが、どうにもやりにくい。

 四つ目。彼に攻撃し、傷ついていく度に心が痛む。

 

 

(やりづらい……)

(……どうなってんだ。おい)

(私は、彼を誰かを知ってる?)

(なんや? コレ?)

(……知り合いなのか?)

(彼は……一体?)

 

 そんな時だった。

 彼らに通信が入る。

 

[おいおい何をしているんだ?]

 

 それは彼らの仲間の声。

 この場の面々は世話になっている。

 その名前は――ワクイ=サクタ。

 その愛称は……

 

「「サク!」」

 

 彼らのの呼びかけに侵入者……オウカの顔が狂気的な笑みから無になった。

 それに気づかず、その声は告げる。

 

[アレは敵だ。俺の命を狙う。だから殺してくれ]

 

 その言葉に六人は迷いを振り払い、オウカに向かおうとする。

 

 一方、オウカは……

 

(アイツ……絶対に殺す)

 

 その胸中は殺意が満たしていた。

 アレは触れてはいけない物を触れた。

 

(だが、どうする……?)

 

 このままでは退く事も出来ない。

 そんな時だった。声が響く。

 

「手を貸しますわ」

 

 それと共に結界が砕ける轟音が響く。

 結界の外から現れたのは――和の姿の女。

 彼女の姿と、しでかした事にリアが叫ぶ。

 

「ベニバナさん! 何をやっているんですか!?」

 

 “竜龍(ダブルドラコン)”ハナヤマ=ベニバナ。

 

「え? 何って結界を破壊しただけですわ」

「敵に逃げられます!」

 

 リアが張っていた結界は強度は凄まじい代わり、準備に時間がかかるうえ、再度張るのに時間が掛かるのだ。

 

「言えば少し開ける位はします!」

 

 リアの言葉に、ベニバナはキョトンとした顔をしてから告げる。

 

「だって、壊さなくては彼を逃がせませんですわ」

「「は!?」」

 

 そのまま呆然としている彼らの所を通り過ぎ、オウカに近づき……

 

「ん」

「!?」

「「な!?」」

 

 軽く抱擁する。そのまま耳元で告げる。

 

「サク」

「!!??」

 

 それはオウカの愛称。

 命を懸けられ、命を懸けてくれる者にしか許さないもの。

 

「お、お前……覚えて」

「ええ。状況も理解してます」

 

 ベニバナはオウカから離れ、彼を守るように立つ。

 

「ここは(わてくし)が足止めしますわ。だから貴方は目的を果たしなさいですわ」

「ウチもいる」

 

 もう一人の声が響いたと同時、ベニバナの影からもう一人の人物が出現した。

 黒いトレンチコートを着て銀の手足を晒す、バイザーを付けた女。

 

「……ヒナ」

「そうだよ。サク」

 

 彼女――ソラナキ=ヒナタは微笑む。

 最後に見た時より笑うのが上手くなっている。

 そんな彼女はオウカへ近づき……

 

「ちょっとゴメン」

 

 頬の傷に顔を寄せチロリと舐めた。

 

「「!?」」

 

 そのまま他の傷に触れて、舐める。

 ……ベニバナ含め一同唖然。

 暫くしてオウカから離れる。

 

「はい。これで大丈夫」

「何g」

 

 オウカは気づいた。

 体が軽い。呪詛が抜けている。

 

 そこにベニバナが噴火する。

 

「な、何してますのー!?」

「え? 浄化」

 

 平然と答えるヒナタ。

 

 彼女の冥刀である義肢――【ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】は穢れを消去できる。その範囲はかなり広く、ヒナタが穢れていると感じるものを寄せ付けない。……体を無遠慮に触る人すら弾く。

 

「他にも方法あったでしょうが!」

 

 プリプリ怒るベニバナの言葉を右から左へ流しながら、オウカへ言う。

 

「まあそういう訳だから。行って」

「でも……大丈夫か?」

 

 不安そうなオウカに二人は。

 

「「大丈夫」」

 

 サムズアップする。

 

「修行の成果を見せますわ!」

「ずっと寝てたけど……、まあどうにかする」

 

 ベニバナとヒナタがオウカを守るように立つ。

 

「「だから行って!」」

「頼む。信じる!」

 

 二人の言葉にオウカは背を向けて走り出す。

 

「「逃がすか!」」

 

 遠距離攻撃を持つ者達が、その背に向けて攻撃を放つ。

 喰らえばひとたまりもないであろう攻撃に対し、ヒナタは手を翳す。ただそれだけ。

 するとその攻撃がまとめて消え失せる。

 

 その隙にオウカの姿は完全に消えた。

 

「「な……」」

「ヒュー」

 

 驚く面々。

 一方事前に聞いていたベニバナは口笛を吹いて称賛。

 

「流石ですわね」

「ウチのチカラじゃない。冥刀の置き土産」

「それでも貴方の力である事には変わりありませんわ」

 

 ベニバナは前に出る。

 

「前衛やりますから、後衛のサポートお願いしますわ」

「わかった」

 

 そんな二人にカミキが問いかける。

 

「これはどういうつもりだい?」

「どうもこうもありませんわ。これが(わてくし)がすべき事ですの」

「ベニバナさん。今のアイツらには何言っても無駄」

 

 言葉を掛けるベニバナとは対照的に、冷たいヒナタ。

 それにベニバナは苦笑して告げる。

 

「一歩間違えれば、(わてくし)達もそうなってましたわ」

「……」

 

 沈黙するヒナタ。顔を伏せる。

 

「……言い過ぎましたわ。さ、やりますわよ」

「わかった」

 

 ベニバナはドラゴン状のオーラを纏う。

 ヒナタは外套から顎を幾つも出す。

 

「……何を言っても無駄か」

 

 カミキが嘆息する。それに応じるように五人も戦闘態勢を取る。

 

 そして、激突した。

 

 

 ▼▽▼

 

 

 時間は戻る。

 

 改竄装置が発動する前、ベニバナは某場所で山籠りしていた。

 理由は〈心牙〉を完全にものにするため。

 

(ステータス上昇と配分だけじゃ物足りませんわ)

 

 対校戦のアレはまだ不完全。完全だったらあんな無様は晒さなかった。

 

 そして、装置発動時、ベニバナは対状態異常の〈心牙〉を使っていた。加えて、彼女は人工シャーマン。人間の枠からはみ出している。

 この二つの合わせ技で難を逃れた。

 そして、オウカ達のカチコミの日に、事情を知ってやって来たのだった。

 

 

 ******

 

 

 一方ヒナタは、まだ意識が戻っていなかった。加えて、大病院の施設は、呪殺などの間接攻撃対策がバッチリしてある。更に、義肢の冥刀は状態異常を穢れと判断して寄せ付けない

 トリプルコンボにより改竄の影響から逃れられた。

 

 そしてカチコミ当日。

 どこと言えない場所で母と語らうヒナタ。

 すると彼女が言ったのだ。

 

「ヒナ、そろそろ戻りなさい」

「え」

「でないと戻れなくなりますよ?」

 

 母の言葉に、ヒナタは母にしがみつき言う。

 

「別に良い! お母さんと居る!」

「待っている人、いるでしょう?」

「あ……」

 

 ヒナタは思い出す。

 自分の復習を手助けしてくれた人の事を。

 

「サク……」

「今、彼はどうやらピンチなようですよ」

「え、じゃあ早く行かないと……」

 

 母から離れるヒナタ。

 そんな彼女に母は笑う。

 

「どうやらお迎えも来たようですよ?」

「お迎え?」

 

 振り向くと、そこにいたのは金髪の女性。

 会った事ないはずが、既視感はある。

 

「【テーセウス】?」

 

 それにコクリと頷く女性。

 どうやら冥刀が迎えに来てくれたらしい。

 そのまま【テーセウス】はヒナタを抱えると……ぶん投げた。

 

「え~~!?」

 

 叫び声を上げて吹っ飛ぶヒナタ。

 そんな彼女に【テーセウス】は微笑みサムズアップ。

 娘に母親は。

 

「もう来たら駄目ですよ~」

 

 こう言った。

 そして、目覚めたヒナタは事情を知りやって来た。




【TIPS:改竄装置から逃れる方法】
(・▽・)<本体もっと後にやるはずでしたけど、やっちゃいます。

(#ー#)<普通の状態異常対策じゃ駄目なんだよな?

(・▽・)<はい。百%だと貫通されるので、二百%でないと防げません。

(㈩*㈩)<普通のより強力なアーティファクト、スキル、術技を使えば良い訳か……。

(・▽・)<はい♪ 逃れた人はこんな感じです。


アーティファクトの強化、強力な物(冥刀含む):ルラ、ヒナタ
スキル(レアやユニーククラスでないと防げない):ジョージ
術(最上位クラスでどうにか):マックス、ベニバナ、??
対象外:オウカ、ワクイ、ノワール、(ベニバナも半分含む、)??


(・▽・)<要するに強力なモノか、合わせ技を使うしかありません。

(#ー#)<なあ、この対象外って?

(・▽・)<装置の範囲外です。使い手と対象。そして……

(・▽・)<これは最後の方に明かされます。

(㈩*㈩)<あのワンちゃんが対象外って事は……。
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