パソコンが調子悪かったり、色々あったり、ハプニング等ありましたが、一話、書きあがりました。
過去編スタートです。
何話でまとめられるかしら。
―ーグッドガイ人形。
十年以上前に大人気だったおもちゃ。
社会現象を巻き起こし大人気を持っていたがある出来事から販売中止となった。
それはおもちゃが人を殺すという噂。
実際の所、それは真実だったのだが誰も信じず、当事者達も早く忘れたい事から噂だけが独り歩きしていた。
しかし、事件から長い年月が断ち。人を殺すおもちゃという噂が薄れた事からとあるおもちゃ会社が状況の打破の為にグッドガイ人形の再販を決定した。
決定したのは社長のサリバンと副社長のジャック・ネーピア。
工場の施設をゴッサムに移してグッドガイ人形の人気を再燃させようとした。
その事をクリス・ハリガンは知ったのは偶然だった。
「以上の事からお前をゴッサム警察に配属させればより犯罪悪化の一途をたどる可能性がある事から採用を断る事にした」
ゴッサム警察の一室。
俺の前でニヤニヤと悪意ある笑みを浮かべる男の話を右から左へ聞き流す。
相手の名前はエクハート警部補。
どうも人事を担当しているらしい。
人事担当の所へむかった際に「悪いがエクハート警部補の部屋にいってくれ。すまんな」と言われて回された。
この太った警部補、裏で色々とやらかしているな。
警察官になる以前に体験した出来事から直感だが腹に一つ二つ抱えている人間についてわかるようになっていた。
「わかりました。ところでゴードン刑事と話をしたいんですけど、今は?」
「知らねぇな。そもそも部外者であるお前に話す理由もない」
上司じゃないなら殴って良いよね?
衝動にかられそうになるも必死に抑え込んで会釈して部屋を後にする。
「また、蝙蝠男が」
「ファルコーニの事件もアイツの仕業だって噂だ」
外に出た所で制服警官達が話している声が聞こえた。
蝙蝠男?
その言葉が気になりながら警察署を後にする。
ゴッサムは既に夜になっていた。
犯罪が多発しているゴッサムの中で夜は危険がいっぱいだ。
「裏道を行こう!」
目の前で三人の家族が路地裏へ入っていく。
ゴッサムの路地裏は危険がいっぱいだ。
少し離れたところでニタニタと不気味に笑う男達も路地裏に続く姿をみた。
流石に目の前で犯罪に襲われる危険のある人達を見捨てるなんて警察官を志している人間のやっていいことじゃない。
「全く」
後を追いかける。
案の定というべきかガラの悪い二人組に家族が絡まれていた。
「フリーズ!」
俺は腰に隠していた拳銃を向ける。
刑事ではないが警察官、加えてゴッサムは犯罪都市と悪名高い。
護身用として所持するのは当然だ。
拳銃を向けた事で男達はひるむことなくこちらに発砲してきた。
流石はゴッサム、この程度で怯むことはしないか。
近くの壁に隠れながら数発、発砲。
全力で走って怯えている家族を近くのごみ箱まで避難させた。
「いいか、ここに隠れたまま動かないで」
「は、はい!」
「大丈夫だ、すぐになんとかしてみせる」
怯えている子の頭を撫でながら隠れていたゴミ箱から飛び出す。
飛び出すと同時に発砲。
弾丸は男の肩に当たる。
悲鳴を上げて地面に崩れ落ちる。
続けてもう一人を狙おうとしたところで彼が現れた。
「あ、ああぁああああああああああああああああ!?」
暗闇から現れるダークナイト。
彼は音もたてずに降り立つと残りの一人を掴んで空中へ連れ去っていく。
「今の……」
しばらくして宙づりになった男がぶらぶらと落ちてきた。
足にワイヤーが巻き付かれている。
「吊るされた男か……洒落ているねぇ」
◆
「で?部外者であるお前がヒーロー気取りか」
もう顔を合わせることがないと思っていたエクハートと僅か一時間以内の再会です。
人を小馬鹿にしたような態度に文句を言いたい。
奴は俺が犯人を二人まとめて倒したと思い込んでいる。
もう一人いることを伝えたいところだが、人の話を信じていない。
「警部補、後は自分が引き継ぎます」
「おー、真面目なゴードンの登場か。後は任せようじゃないか」
ちらりとある方向を見てエクハート警部補はその方向へ歩き去っていく
「あぁいう奴へ反抗的になってしまうのは仕方ないがもう少し隠すことを覚えるべきだな」
「すいません」
「……大きくなったな」
ポンと俺の肩を叩いて微笑んでくれるのはゴードン刑事。
まだ俺が幼い頃、この街で過ごしていた時に色々と面倒を見てくれた優しい人。
彼の家族とも親しくさせてもらったなぁ。
「あの小さな男の子が今や警察官か」
「本当はゴードン刑事と一緒に働きたかったのですがこのような形になってしまい、申し訳ありません」
俺の謝罪にゴードン刑事は肩を叩く。
「キミのせいじゃないさ。あれはキミのせいじゃない」
彼の言葉に救われた気持ちになる。
「ありがとうございます」
「……ところで、キミは見たのか?」
「蝙蝠男ですか?」
「蝙蝠男、バットマンと呼ぶ者もいる。キミは彼をどう思う?」
「一瞬の事だったので、なんとも、ただ」
「ただ?」
「俺を助けてくれたように感じました」
「……そうか」
もういっていいぞとゴードン刑事は言う。
ただし、数日はこの街にいてほしいと告げられた。
「あの!」
彼と別れて人込みの中へ入ろうとしたところで声をかけられる。
先程、助けた家族の子どもだ。
手の中に大きな包みを持っていて、俺を見上げている。
「どうしたんだ?」
「助けてくれてありがとう!」
「俺は警察官だから当然の事だよ」
男の子と目を合わせる。
「僕もいつかお兄ちゃんみたいになりたい!」
「そうか、ありがとう」
俺みたいになりたいか。
ゴードン刑事と出会った時に抱いた気持ちをこの子も抱くなんて、な。
「その包み、大事に持っていたけれど、宝物かい?」
「うん、ゴッサムにしか売ってないおもちゃなんだ!」
そういって彼は包みを解いていく。
中から露わになったものに俺は目を見開いた。
「それ」
「知っている?グッドガイ人形だよ!」
「……あぁ、その、よーく、知っているよ」
震えそうになるのを堪えながら俺は答える。
「ぼく、大事にするんだ」
「そっか、大事にするといいよ」
男の子の頭を撫でながら俺は言う。
――調べないといけない。
人込みの中を行き交いながら俺はある方向を目指す。
もし、あそこの工場で作られたのなら危険だ。
アレが目覚めるかもしれない。
「実はもう目覚めているんだぜ?さぁ、楽しい楽しいゲームのはじまりといこうぜ?クリスチャーン、我が友よ~」
人込みの中を歩く俺を見つめる小さな影に気付かなかった。
◆
路地裏の事件後、しばらくゴッサム滞在となった事からゴッサムにある格安ホテルに宿泊した。
チェックインしてわずか数分で選んだホテルを後悔した。
流石は犯罪の温床と言われるゴッサム。
宿泊したホテルが殺人パーティーを行っており、数時間しか睡眠をとることができなかった。
「そして、まさかここにくるなんてなぁ」
「あまり眠れなかったようですね?コーヒーをどうぞ」
「ありがとう、アルフレッド」
老執事アルフレッドからコーヒーの入ったマグカップを受け取る。
俺がいるのはウェイン邸。
幼い頃、両親がまだ生きていた頃、ほんの少しの期間だが交流があった。
頼るのはどうかと思ったが行く先々で犯罪に遭遇してしまっては目的を調べることも出来ない。
「あんな時間に押しかけて悪かった。その迷惑だっただろう?」
「気にすることはありません。貴方も私にとっては息子のようなものです」
「そういってもらえると嬉しいよ。ところで、ブルースは?」
「……ブルース様はお遊びから先ほど、帰ってきましてシャワーを浴びているところです」
「家主に挨拶はしないとなぁ」
この家の主、ブルース・ウェインと俺は友人の関係にある。
もっとも何年も交流を断ってしまっていたから友人と言えるか怪しいところであるけども。
「ブルース様もクリス様とお会いできることを楽しみにしておりますよ」
アルフレッドのフォローに感謝するしかない。
一時間ほどしてこの家の主、ブルース・ウェインがやってくる。
彼は俺を見ると笑顔で近づいてきた。
「久しぶりだな。クリス」
「ブルース、久しぶり、突然の来訪を赦してくれてありがとう」
「キミは数少ない親友だ。頼ってくれて嬉しいよ」
俺の言葉にブルースは嬉しそうに手を握りしめてくれる。
「……ブルース、何かスポーツを?」
「まぁ、色々と、どうして?」
「いや、なんか、凄い手がゴツゴツしているなと」
「これでも資産家だからね。色々と楽しみはある」
ブルースの言葉にアルフレッドが小さく咳をする。
「それで、どうして急にゴッサムへ?」
「実は」
彼が着席したのと合わせて俺は事情を説明する。
ゴッサム警察の刑事課へ志願するも弾かれた事。
この街でグッドガイ人形が発売されているという話。
そして、グッドガイ人形を俺が危険視する理由。
信じてもらえるか不安だったが、ブルースは疑うどころか。
「辛かっただろう?」
そういって俺の肩を優しく叩いてくれた。
あの時は誰も信じてくれなかったけれど、今回は信じてくれる人がいる。
その事実がとても嬉しかった。
マイケル・キートン主演のバットマンをベースにした過去です。
小さい頃にみたバットマンっていうことで思い入れも強いです。
ただし、ダークナイト三部作の展開も混ぜつつやります。
その為、ゴードンは本部長ではなく刑事からのスタート。
次回から、更にキャラが増える予定。
ジョーカーを次回くらいに登場させたい。
次回更新はなるべく頑張ります。