焼き鳥野郎は真の不死鳥に 作:焼き鳥はどっち派?
人間界に眷属を集めるためにやってきた俺ことライザー・フェニックスが最初に向かったのは京都だ。
中学の修学旅行以来の京都に来た理由は観光だ。
眷属集めはするがメリハリがなければ続かないからな、さて楽しむぞ~!!
ちなみにだが、許可証は発行されているためもめ事の心配はない。
そうして、京都を観光し最初の夜がやって来る。
「さて、今日はもうホテルに戻って寝るとするか」
そう言いながらホテルに向かっていると、血の匂いが鼻を通った。
「穏やかじゃねぇな」
俺はそう言いながらより血の匂いの濃い方向に走っていく。
先に進むにつれて人気が無くなっていき、やがて完全に消え失せる。
そして、最も血の匂いの濃い場所に辿り着くとそこには一人の少女が血溜まりの中に倒れている。
そして、その横には二本のナイフを握る男の姿があった。
「おや、人払いの結界を張っていたんだがなぁ・・・。いや、お前のその感じは人ではなく悪魔か」
「俺のことを見抜くって事はこっち側の人間って事だな」
俺の姿を視界に捉えた男はそう言い、俺もそう返した。
「いかにも・・・、俺は暗殺請負人K・・・」
「とりあえず寝とけ」
「カペッ!?」
俺は馬鹿丸出しで名乗ろうとしている暗殺者に蹴りを食らわせて強制的に眠らせる。
そして、血溜まりに倒れる少女に近付き抱き起こし傷の具合を確認する。
「不味いな、思ったよりも傷が深い上に血が止まらねぇ」
傷口から血が今も流れ出している以上出血死まで時間がない。
「母上が持たせてくれたコイツを使うしか無い」
そう言って俺が懐から取り出したのは「フェニックスの涙」、コイツで傷を癒やす。
そうして、小瓶の蓋を開け少女の傷に垂らすと傷が見る見る内に塞がる。
傷が塞がったのを確認した後、俺は霧の死ぬ気の炎で姿を隠しながらホテルに向かう。
あっ、暗殺者も忘れずに引き摺りながら連行する。
ホテルに着くと、俺はベッドに少女を寝かせ暗殺者はその辺に転がしておく。
「はぁ、初日から面倒事に出くわすとはな・・・」
備え付けの椅子に腰を下ろしながらそう言っていると、少女が目を覚ます。
「ん、ここは・・・?」
「目がさめたようだな」
「誰や、お前!!うぐっ!?」
目を覚ました少女に声を掛けると、飛び起きた拍子に塞がったばかりの傷から激痛が走り悶える。
「少し落ち着け、お前はさっきまで死にかけていたんだ」
「うるさいわ・・・、それでお前は何者や・・・。お前もアタシを殺しに来たんとちゃうんかい」
俺の言葉に対してそう返してくる少女。
「もし、そうなら傷を治すなんて真似するかよ。それにここまで移動させることもないだろ」
「うぐっ・・・」
俺に論破された少女はバツの悪そうな顔をする。
「それでお前は何で其処に転がっている馬鹿に暗殺されそうになったんだよ」
「いや、何でそいつまで連れて来とんねん」
「情報を抜き取るためだよ」
俺は少女にそう言って暗殺者の頭に触れる。
「あぁ、自己紹介がまだだったな。俺の名はライザー・フェニックス、悪魔だ」
「アタシは宵ノ坂呑子、人と鬼の混血だ」
「そうか」
ん? その名前、どっかで聞いたような・・・。
まぁ、聞いたことがあるなら後で思い出すだろうからまずはコイツに専念しよう。
『この女、「宵ノ坂呑子」を殺せ』
『良いですかい、この娘アンタの
『構わん、私よりも強い「宵ノ坂」は必要あらんへんのや』
そこで俺は暗殺者の記憶を見るのを止めた。
そして、次に今見た記憶を宵ノ坂呑子に見せる。
「・・・・・・そうか、成る程な。これで色々合点がいったわ」
そう言う彼女の顔は背けられていたから解らない、声もかけれない。
こういった時、どう言葉を掛けていいのか俺には解らないからだ。
だが、俺には提案が出来る。
「宵ノ坂呑子」
「なんや、ちょっとはそっとさせてや・・・」
「悪魔に転生する気はないか?」
その一言は現状に一石を投じるものになりえるかは