焼き鳥野郎は真の不死鳥に 作:焼き鳥はどっち派?
「は?」
俺の提案を聞いた宵ノ坂呑子は完全に呆気に取られていた。
「つまりだ、俺の眷属になれば宵ノ坂といえど迂闊には手は出せないからな」
そう言うと、呑子は口を開く。
「例えそうやったとしても、アタシは面倒事の種やで。ライザー言うたな、アンタが眷属に迎え入れるメリットはなんや?」
「簡単だ、宵ノ坂現当主が排除を考えるほどの力と才能を持つ逸材が眷属に入るってだけで十分メリットになるがそんな答えを聞きたいというわけじゃないだろ」
「せや、アンタの言うたそれらを引っくるめた本音を聞かせて貰おうやないか」
俺を見る呑子の目は鋭くなる、これは下手な返しは許されない。
「俺は強くなりたいんだ、家族を仲間を守るための力が欲しい。誰が相手であろうとも負けない力が欲しい、それは俺一人では手にすることは出来ない。だからこそ、俺は共に進んでくれる仲間が欲しい」
「・・・」
「だからこそ、"宵ノ坂呑子"お前を俺ライザー・フェニックスの眷属に迎え入れたい」
「・・・・・・台詞が臭すぎるわ」
頑張って言った本音をバッサリと斬り捨てられた俺は顔を真っ赤にしてこう言った。
「こういうのは不慣れなんだよ、それに眷属に勧誘したのはお前が初めてだ」
「まぁ、初めてにしてえぇんとちゃうか?臭かったけど」
「それはもういいっての!!それで返事は?」
「三時間だけ待って貰えるか?」
勧誘の返事を聞くと呑子がそう言葉を返してくる。
「理由聞いても良いか?」
「そない難しいことちゃうんや、単に荷造りしに帰るだけや」
その言葉に俺は口角を上げる。
「じゃあ、何処で落ち合う?」
「このホテルの入り口でどうやろ」
「決まりだ」
そうして、俺は「宵ノ坂呑子」を眷族に勧誘することが出来たが悪魔に転生するのは京都を出てからにすることにした。
今、悪魔にしてしまうと宵ノ坂全員で消しに来ることが確定する。
そんなリスクを避けるために今は転生させないことにした。
そうして、きっちり三時間後宵ノ坂本家からホテルまでやってきた呑子を迎えて次の目的地に進むことにした。
次の行き先は・・・中国だ!!
宵ノ坂本家・当主の間、そこでは現当主・宵ノ坂醸之介が酒樽の酒を飲んでいた。
「呑子め、よりにもよって悪魔になるとは・・・」
その言葉には怒気が込められており、周囲の見えぬ圧力で軋み始める。
「親父、それならば姉貴を誑かした悪魔を殺せば良い」
殺害宣言をする青年は呑子の弟であり次男坊の宵ノ坂酌人。
「ふむ、それもそうだが呑子暗殺依頼をした奴はどうした?」
「あんな役立たずは既に片付けましたわ」
「なら良い、いずれはこの宵ノ坂が全ての者の頂点に君臨するのだからな」
月夜が照らす中、宵ノ坂醸之介が不気味に笑うのだった。