紫電奔る   作:浜騎士

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や、悟

土煙を掻き分け、三人の男たちが仙台の地を踏みしめる。

三名ともに、最強の名を恣にした実力者ーーー!

 

現代最強(五条悟)江戸最強(鹿紫雲一)、そして、史上最強(両面宿儺)

三者が呪力を迸らせ、滾らせる。

 

「邪魔すんなよ、五条悟」

 

「こっちの台詞ね」

 

軽口を叩き合う二人を四腕の魔神は大きく破顔した。

 

「二人相手か?いいぞ、来い!」

 

開戦の火蓋を切ったのは、雷神、鹿紫雲。

かの最速の術師と呼ばれた禪院直毘人を超えるほどの超速で宿儺へ肉弾戦を仕掛ける。

速さと呪力によるブーストがかかった拳を肉薄しながら、宿儺は解による切断により、バツンと地面ごとバラバラにし、鹿紫雲にその四本の魔腕でラッシュを仕掛ける。

 

「術式反転『赫』」

 

しかし、その隙をついた五条悟が鹿紫雲ごと吹き飛ばす!

解体された地面ごと穿つ呪力の発散は仙台に残ったビル三棟を軽々と破壊し、最強二人を空中へと誘う。

空中戦となった二人は、鹿紫雲は宙に浮いた鉄筋クズを磁力で操り、宿儺の身体に纏わりつかせ、急所である鳩尾にその拳をめり込ませる。

下の口が呻き声を上げながらも、またも解による全体切断攻撃により鹿紫雲の肌を切り刻んでいく。

空中20mの位置、蒼による瞬間移動によってその場に現れた五条の拳は宿儺の背骨を粉砕する。

反転術式で回復していくその魔神を更に赫による追撃で地面へと叩き落とし、蒼によるブーストをかけた踵落としを振り下ろす。

だが、その一撃は防がれる。

 

「…、なんだ、結局来るのかよ」

 

「や、悟」

 

額に縫い目をつけた塩顔の美男が無数の目玉が蠢く呪霊によりその踵下ろしを受け止めていた。

さらに、全てを凍らせる絶対零度が地上150m上から仙台の地を襲う。

凍星と謳われた裏梅の巨大な氷塊から、羂索は降りてきたのだ。

 

「羂索…!」

 

鹿紫雲は羂索を睨みつけ、紫電を迸らせる。五条もまた、親友の死体を乗っ取る不届きものをどう殺そうかと考えていた。

羂索、裏梅もまた緊張を表に出さぬよう、鉄面皮を顔に張り付けている。

 

「羂索、何の用だ?今俺はこの闘いを楽しんでいる。用があるなら後で聞く、さっさと消えろ」

 

宿儺もまた、苛立ちを積もらせていた。

ただでさえ自分の領域に足を踏み入れる術師二人、この二人を討ち滅ぼし、勝利を刻みたいと心の奥底で望んでいた。

共に介入者を望まない状況、羂索の来た理由は簡単であった。

 

「何、二人がかりは駄目でしょ、既に想定を超えてきてるからね。ここらで修正でもしようかと思ってね」

 

羂索はそういって、呪霊を無数に解放しようとしたーーーが、それは全て、切り刻まれる。

簡易領域、その弱者の領域の達人のみが辿り着く”空”の領域ーーー日下部篤也が、仙台に参上する。

いや、それだけではない。

氷塊があった遙か上空では領域が展開されており、秤金次、裏梅の戦闘が開始されている。

羂索を取り囲むのは、高専一級術師である七海建人、日下部篤哉、そして特級術師である乙骨憂太!

そして虎杖悠仁とその協力者、日車寛見が集まっていた。

 

「作戦通りだ!ここで止めるぞ!」

 

日下部が叫ぶ。

 

高専術師が、打って出る

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