紫電奔る   作:浜騎士

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ごじょせん強すぎんだろ…
誤字報告サンキュー!バーが真っ赤っかや


生徒の前なんでね。かっこつけさせてもらうよ。

「(中にいる特級呪霊がいない…?逃げた?いや、違うな。祓われたんだ)」

 

五条悟の眼は、辺りの地形に残った呪いの残穢を見逃す事はなかった。

自然への畏怖から発生した呪い”花御”は、屠られたらしい。

目の前の男ーーー鹿紫雲は、交戦的な笑みを浮かべ、五条へと目線を向けていた。

虎杖悠仁、東堂葵に目線を向ける。死に体ではあるが、死んではいない。さっさと反転術式で治してもらうのがいいだろう。

術式により、彼らを範囲外へと移動させ、鹿紫雲へと向き直る。

 

「受肉体か…。呪霊と組んでる術師?」

 

「(呪力総量は多い方だな…。だが、一番異様なのは、その呪力効率だ。無駄が一切ない)」

 

鹿紫雲は五条の一切の無駄のない呪力操作を肌で感じていた。

その圧倒的な才能、まさに天才と呼ぶに相応しいだろう。

 

「聞いてる?」

 

「なんであんな雑魚と組む必要がある?」

 

鹿紫雲は構えた。目の前の男は、きっと自分よりも強い。

試さずにはいられなかった。負けを知れば自分の渇きは癒えるのか?今、自分は五条悟という男への挑戦権を得たのだ。

 

「じゃあ何で、僕とやり合う気満々なんだよ」

 

「オマエ、強いんだろ?理由はそんだけだ」

 

戦闘狂(バトルジャンキー)に明確な理由は要らなかった。五条は久々の体験に肩を鳴らした。

 

「へえ、じゃあ僕が勝ったら君、呪術師になってよ」

 

宿儺とも戦わせてあげる。

 

五条悟はそう言った。紫電と閃光が鹿紫雲の身体から発せられた。

目の前の男は宿儺の事を知っている。受肉しているのだ。

口角が上がる。強敵との連戦。期待はしていなかったが、現代とはここまで魔境だったのか。

震えが止まらなかった。恐怖の震えではない。武者震いを鹿紫雲は感じていた。

 

「オマエが負けたらどうする?」

 

「負ける?ないない。だって僕、『最強』だから」

 

それが合図となった。

閃光が五条に炸裂する。20,000Vが五条悟へと向かう。

地面を吹き飛ばし、土煙が舞う中、雷獣が煙を斬るように五条悟へ追撃を行う。

腕を狙った一撃。最強の名乗るのであれば、領域展開など軽々と行えるであろう。

先ずはその手札を殺す!と鹿紫雲は考え、如意で叩き斬ろうとする。

だが、ピタリと五条悟と如意の間にある”何か”に阻まれる。

その隙を現代最強は見逃さなかった。

 

「生徒の前なんでね。かっこつけさせてもらうよ」

 

術式反転”赫”

 

キュンと風の音を超え、鹿紫雲は吹き飛ばされる。その距離200m。

高専の寺や建造物を破壊しながら、その体の体勢を立て直す。

鹿紫雲は困惑していた。攻撃が当たらないこともそうだが、ここまで一瞬で吹き飛ばす術式だ。

老人は青年と共に、その理由を共に考えていた。

 

「多分、領域を自分に纏わりつかせているとか?」

 

「彌虚葛籠で抜けるか?」

 

「どうだろう?でも分かった事はあるよ。多分、引力を操れるんだと思う」

 

鹿紫雲は思考する。

術式反転とあの白髪は言っていた。つまり、術式順転があるべき姿なのだ。

引き寄せる力と、弾き飛ばす力が備わっているのだろうと、青年は考えていた。

白髪に攻撃を当てるには、そこにある弾く力を攻略するしかない。

単純に術式を乱したり、破壊できるのであれば楽だが、そんなに楽な相手だとは思えない。

単純なのは、毒ガスや水責めが一番効くだろうと、青年の思考は終わる。

 

「お爺ちゃん。白髪の攻略方法を思いついた」

 

「んだよ。言ってみろ」

 

鹿紫雲はその場から、一番近い湖へと向かう事とした。

目指すは、花御を祓った場所へ、あそこには川が流れていた。

上流か下流へと向かえば、水が溜まった場所があるはずだ。

雷獣は駆ける。

 

 

五条悟は、空中を浮遊しながら、雷獣を観測していた。

術式を使わない理由は判明した。自身を雷として再構成する術式、術式終了時に死亡確定の術式だ。

だから、使えない。使わないのではなく、使えないのだろう。

 

「(受肉している青年と縛りを結んでるのか?)」

 

取り敢えず、思考を区切り、雷獣が向かった先へと空間跳躍を行う。

そこは、湖だった。並々と注がれた川の水が貯蔵された自然の壺にて、鹿紫雲は立っていた。

 

「来たな、白髪」

 

「五条悟ね。グレートティーチャー五条(GTG)だよ」

 

紫電が湖を奔る。爆発と共に、煙が立ち上る。

 

「(何をする気だ?目眩し?いや、だったら森に逃げたほうが効率的だし、隠れやすい。なんでこんな開いた場所で応戦しようとした…?)」

 

取り敢えず、この霧を払おうか。

 

術式順転”蒼”

 

ゴウッと煙が収束する。鹿紫雲は確信した。収束と発散が目の前の男ーーー五条悟の術式!

だが、既に毒は撒かれている。

 

五条悟に頭痛が走る。

 

「毒は効くようだな。最強」

 

「なるほどね。酸素過多にしたってことね」

 

水を電気分解し、酸素を多量に作り出す。酸素はある程度はないと人は生きていけないが、多すぎてもいけない。

多すぎる酸素は有毒となり、人を蝕む毒と化す。

しかし、上にいる最強は動じない。今の状態は上空に数十秒いるだけで昏睡するくらいの濃度のはずだった。

何故、降りてこない。そして何故眠らない。

鹿紫雲はピリと、雷で火花を作り出す。

 

閃光がその森を大きく破壊した。

 

「おい小僧(ガキ)!毒が効かねえ!」

 

「嫌、効いてたんだ!でもそれを上回っていたんだよ!」

 

「特定毒物の反転術式だぞ!?引力を操作するっていう術式を使いながらそんな緻密な操作もできるのかよ…!」

 

鹿紫雲は驚愕と共に再認識する。

五条悟、現代最強は江戸最強の想定を悉く上回っていた。

 

「正解、頭が回るね。お前」

 

煙を吹き飛ばし、五条悟(最強)は姿を現した。

服にはシワひとつついておらず、その真っ白な髪な端正な顔立ちは砂埃の汚れさえついていない。

毒物での攻略は不可能となった。ならばもうひとつの案を実行するしかない。

五条悟の領域を、俺の彌虚葛籠で削り切る!

 

空の領域で中和を目指す。雷神、最強へ挑む。




カッシー、術式がかなりアレなタイプだからマジで可哀想。領域展延できればもう少し話は変わったのかも知れない。
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