貞操観念逆転世界へ変わっていく一般人たちの反応 作:ねこ次郎
この話には、差別用語や誹謗中傷、その他不快な表現があります。苦手な方は飛ばして読んでいただいても構いません。
この物語はフィクションです。実際の人物、国、宗教とは一切関係ないので、あまり深く突っ込まないでくれると嬉しいです。
この世の中に『生理解消薬』が発表されてからしばらくの時が経った。
当初は、世の中の若い女性たちがこぞって薬を手に入れて、彼女たちは女性特有の悩みと苦労を一気に消し去ってしまった。その時の苦痛からの解放により、彼女たちは大盛り上がりだったようだ。
しかし、その後に別の悩みが浮上してきて、彼女たちの生活は大きく変わってしまった。元々、貞操観念が緩かった女性たちは、むしろ自分たちが美しく綺麗になったからと、あの薬のデメリットを簡単に受け入れて、自身の欲望と上手く付き合っている。
だが逆に、貞操に厳しい女性、性に嫌悪感を持っていた女性にとって、今の世の中は地獄に思えていた。
「…………。」
カタカタ……カタカタカタ……
カーテンも閉め切った暗い部屋で、女は1人、パソコンに向かってキーボードを打ち鳴らしていた。ディスプレイの明かりが彼女の顔を照らしている。黒い長髪はボサボサに荒れていて、彼女の眉間には皺が寄っていて目尻が吊り上がっていた。
彼女の顔はシュッとした輪郭で小顔、目鼻立ちも整っていて、明るい所で見れば間違いなく美人だと確信できる容姿をしていたのだが、鋭く険しい目つきが邪魔をしていた。
「……ああ、くそ」
この女は、以前、『生理解消薬』を飲んでしまったことから、自室に引き篭もるようになっていた。今もブツブツと呪怨を垂れ流しながしながら、ネットの掲示板に恨み言を書き殴っていた。
「くそ、くそ、くそ。ほんとカスだよ。全員死んじまえばいいんだ……」
彼女が書き込んだ掲示板は、それなりに繁盛しているようで、彼女がレスを書き込んだすぐ後に、一個二個とレスが更新されていく。
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【速報】ワイ女氏、クリスマスの予定が埋まる【祝】
1. イッチはサンタクロース
3ヶ月前から狙ってた彼をデートに誘えた! これで勝つる!
おまいらが、1人でイジイジ洗ってる内に、ワイは彼氏とズッコンバッコン楽しんでくるわ!
2.名無しはサンタクロース
言いたいことはそれだけか?(血の涙を流しながら)
3.名無しはサンタクロース
>>1 貴様なんぞのキモオタに彼氏が出来るわけねぇだろ。
取り敢えず、その彼の連絡先教えてくれる? 寝取ってあげるから♡
4.イッチはサンタクロース
>>2 >>3 ワイだけ性夜でごめんねww
あっ、聖夜だったっけ? チミたちも聖夜を楽しんでねーww
スレ民「おほぉぉぉ♡ クリスマスオ◯ニー、略してクリオナが気持ちィィのぉおお♡」プシャーww
5.名無しはサンタクロース
こいつ。いちいちムカつく奴だな!
誰か、コイツを特定できる奴いねぇのか!?
6.名無しはサンタクロース
>>5 無茶言うなってよ。IDくらいしか分かんないのに特定とか無理ゲーじゃね?
7.名無しはサンタクロース
>>4 アナタヲ ワタシヘノ「侮辱行為」トシテ起訴シマス。
情報開示請求ヲ タノシミニマッテテクダサイ。
8.イッチはサンタクロース
ふへへ……おまいらの嫉みで飯がうめぇなぁ〜
そうだ。今夜は焼き鳥にしよっか。祝い酒も追加で。
9.名無しはサンタクロース
>>8 その晩餐のチョイス。さてはお前、おばさんだな?
10.名無しはサンタクロース
>>8 ここで焼かれるのは貴様じゃー!
嫉妬の炎で丸焼きにしてくれるッ!!
11.名無しはサンタクロース
お前ら全員アホか? 男なんて皆んな猿以下のクズなのに、そんなに彼氏欲しいの? 男なんてセックスにしか興味がなくて、頭ん中は女を犯すことしか考えてない最低最悪なんでこの世に存在してるか分からないゲス野郎共なのに、お前らは彼氏ほしー、男ほしー、とか、アホらしいって思わないの?
そんなに男が欲しいなら、作り方教えてやるからさっさとカス同士でくっついて頭ん中馬鹿になればいいよ。
男なんてね。おっぱいチラ見せして誘って、スカート捲ってやれば簡単に鼻息荒くして目を血走らせてくるクソ野郎だから、そのまま股開いたら犬みたいに犯してくるから、あんあん雌犬のように鳴けばクソはご機嫌に腰振ってやめつきになってくれるよ。ほんと、アホらし。ほら、さっさと人間辞めてクソ犬どもと獣姦してろよカス
12.名無しはサンタクロース
は?
13.名無しはサンタクロース
うわ、でた。キショフェミ女さんじゃん
14.名無しはサンタクロース
おいおい。こんなご時世でも売れ残ってるフェミ女がいたんですね。
ここは、イッチの彼を寝取るためのスレなんで、アナタのような方がいらっしゃる場所じゃないんですよ。
15.名無しはサンタクロース
お帰りください! お帰りください!
腐ったフェミさんはお帰りください!
16.イッチはサンタクロース
>>14 ちょ!? まだワイの旦那を狙ってるのかい!?
早く諦めてクレメンス。まぁ、来れるもんなら来ていいよ^ ^
17.名無しはサンタクロース
>>16 言ったな? 後悔させてやる。
ネットの影に隠れるだけの女の癖に生意気なんだよ!
喧嘩売るなら、さっさと彼氏の連絡先載せろや。
18.名無しはサンタクロース
>>16 おいおい。こいつ、さらっと『旦那』呼びしやがる……。
まだ付き合ってもいないのに、気が早いんじゃないか?
19.名無しはサンタクロース
〜クリスマス1週間前〜
男『ごめん、クリスマスに予定入っちゃって』電話越し
イッチ「……うん、気にしないで^ ^」
男『ほんと、ごめ……うっ、お、おい』
女『んほぉ♡ 男のチンポ気持ちいいんじゃ〜♡ナカに出してくれてありがと♡ クリスマスも一緒にたくさんエッチしようね♡』
イッチ「(脳破壊)」バカンッ!
20.名無しはサンタクロース
こうして、イッチは、全く知らない女に男を寝取られて、ひとりクリオナして過ごすことになりましたとさ。めでたしめでたし。
21.イッチはサンタクロース
>>20 めでたくないんだけどぉ!?
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「はぁ、クソ。やっぱりカスばっかりかよ……」
女が書き込むと一つ二つとレスが付くが、どれも私のことを『フェミ』と一括りにして叩いてくる奴ばかりだった。男がカスでクズなのは自明の理で、あの忌々しい薬の開発者だって男だと噂で聞いたから、男の欲望に塗れた薬を、私たちは嬉々として飲んでいたのだから、ほんと私たちも救えない馬鹿だ。
以前、掲示板ですれ違った私の『同志』も語っていたが、今の世の中のフェミニストがどんどん消えていってるらしい。
生理解消薬が世に出てから、日本どころか海外にもその薬が出回り、その危険性に気づかなかった女たちは簡単に安価で手に入れてしまった。
昔っから宗教の中での女の扱いは、聖女や女神以外は汚れ物扱いになっていたため、どの国の上層部の男共も『生理解消薬』の規制を取らなかった。むしろ、彼女たちの出血が起こらなくなることから、逆に『聖女になれる神聖な薬』と扱う者までいる始末で、半強制的に接種することを義務付けられた国もあったらしい。
その結果、フェミニストはどうなったのか?
正直、私もフェミニストと一括りにされるのは非常にムカつくが、彼女たちは自分の権利を主張して男を排斥したいだけの馬鹿の集まりだ。自身の女としての苦悩をリスクなしで取り除けるとするならば、彼女たちは自分たちが優先して使うべきだと疑うことなく主張し、その需要に応えるように、あの製薬会社は彼女たちに公平に薬を与えた。
彼女たちが喜んだのは束の間。薬の発表から2ヶ月後の発表によって、彼女たちは怒り狂い、あの製薬会社にテロ予告を出すなど、過激なSNSでの投稿が相次いだという。しかし、それもすぐに鎮静した。
それはフェミニスト同士の裏切り合いにあった。ただ単にモテなかったフェミ女が、薬によって少し美人になったことで男への当たりが弱くなって「男も悪くないよね……」と許す、フェミニストにあるまじき行為をする輩が増えたからだ。
しかも、長い期間『浄化』していないと、ムラムラと股下が疼いてきて、街行く男の誘惑に耐えられなくなったり、今まで痛いとしか感じなかった強姦被害者も『洗浄』の快感を覚えてしまって、昔に抱えていたトラウマを解消した例もあるらしい。
おそらく、この生理解消薬の影響は、日本よりも海外の方が醜悪なのかもしれない。特に治安が悪い所では、より酷いことになっているだろう。だが、世界はその事実から目を逸らしている。
世界のトップが男だらけなんだ。フリーフ◯ックのメスが増えるのならば、彼らは喜んで世界中の女を生贄にするだろう。今の世の中はそんな時代になった。……ほんと、この世の中はクソだらけだ。
「………ちっ。ほんと、ここには肥溜めに集るハエしかいないのか」
今日も、クソ共しかいない掲示板の中を巡る。自分もそのクソの一員だということを認めたくはないものの、今の自分のカラダでこの世の中を生きるのは辛すぎて耐えられない。だから、私は……
「っ!?」
マウスをクリックした瞬間、目の前の画面には二人の男女が結合しているGIFが流れてきた。掲示板では良くあるアフィリエイトの18禁サイトの広告画面だった。そうやって男の欲情を煽り、サイトに飛んでもらおうと画策する汚い手だ。
だが、二人の結合部を激しく打ち合う様をドアップで映し出されてしまえば、私の身体は瞬時に反応してしまう。
「ぅっ、……くっ」
股下とお腹の下あたりがムズムズと甘く疼く。それを我慢するように太ももを閉じて擦り合わせれば、余計にカラダはナニかを求めて頭の中に指令を飛ばしてくる。
シタイ……シタイ♡ ………ワタシヲ サワッテ♡
イジッテ♡ イジッテ♡ ハゲシイ ノガ イイノ♡♡
「あっ! くぁッ! ッぅ!」
マウスを持っていた右手は、いつのまにか太ももの所まで来て、私は自身の欲求に負けまいと、空いた左手で右手を抑える。
だが、それでも欲求は強まるばかりで、目の前に映る男女の
「あっ」
そうして、私の右手は、自身の欲求を満たそうと股下に潜り込んだ。ピリ、と甘い快楽。だが、同時に途轍もない嫌悪感に襲われた。
「あ……あぁ、いやぁ……」
血の気が一気に引く、さっきまでの甘くて切ない欲求は一気に吹き飛び、残っているのは、あの日に犯された時の『奴』の幻像。
「いや……やめて……」
『奴』は、まだ中学生になったばかりだった私を乱暴に押し倒して、今まで見たことがない怒張を、何の準備も出来ていない私に向かって無理矢理。
「やめて……やだぁ……いや、いやぁぁ!!」
叫んだら顔を叩かれた。何度叫んでも誰も助けてくれなかった。
「お母さん! 助けて、お母さんッ!!」
叫んだ、殴られても叫んだ、引っ掻き殴ろうとした手は全て頭の上で抑えられて一切の抵抗ができない。『奴』の顔が一気に近づく、私にキスしてくると気がついて、必死に頭を振って抵抗するが、またもや顔を叩かれ、頭を『奴』の手で固定されてしまい、唇を容赦なく奪われる。臭い、汚い、嫌悪感しか湧かないのに、股下をガンガン乱雑に犯されていると、快感とは到底呼べない生理的な痺れが私を襲ってくる。
「いや! いやぁぁぁああぁあぁ!!」
そうして、私は狂った声で叫びながら気を失った。
気を失う寸前、あの時に吐き出された勢いも幻痛しながら……。
しばらくして、私は机に突っ伏した状態で目を覚ました。
パソコン画面はスリープして真っ暗になっていた。私はスリープ画面を立ち上げ、そのままパソコンをシャットダウンする。
「………ふぅ」
一息ついた私は椅子から立ち上がった。冷や汗でベトベトになった体でお風呂場へ向かう。既に洗ってある風呂に栓をして、スイッチを入れた時、玄関からチャイムの音が響いた。
「ん? 通販は頼んでないと思うけど……」
一体誰だろうか、とインターホンに近づき応答すると、スピーカーから聞こえてきたのは、とても優しげな女性の声だった。
『すみません。若林佳菜子さまのお宅でよろしかったでしょうか?』
「はい。そうですが……どちら様ですか?」
『
「はぁ?」
いきなり宗教団体が訪問してきて、私はため息を溢した。しかも、イブ教会なんて聞いたこともないし、そんな怪しい宗教に誘われるほど、私は情弱じゃない。
「そういうのは結構ですので」
『生理解消薬』
「ッ!?」
唐突に言い放たれたその単語を聞いただけで、私は身震いしてしまった。相手の女性にも、それが伝わったのか、彼女は真剣な声音で話し始めた。
『あの忌々しい薬によって、この世界の女性は穢されました。アダム様とイブ様から始まった私たち人間の身体を、あの悪魔は汚し狂わせました。だから、私どもは、そんな世界を元の有るべき姿に戻すべく活動しています。どうか、佳菜子さまも私どもの活動に協力して頂けませんか? そして、元凶たる悪魔を、この手で始末したくありませんか?』
「…………」
『若林佳菜子さま。貴方さまの抱えているモノを私は存じています。きっと辛い幼少期を過ごしたのでしょうね。信じられるものが何もないから貴方はこうして、1人、殻の中で閉じこもっている。ですが、これからは私が貴方さまの仲間となり友となり運命共同体になるのです。貴方さまは1人ではありません。どうか、私と一緒に世界を救いませんか?』
「……………」
私はミヤコと名乗る女の話を聞きながら、私は考えていた。
この怪しい宗教に乗るのは正直に嫌で、宗教というだけで嫌悪感が膨れ上がってくるが、彼女の話を聞けば、だんだんと彼女が今の私の味方になってくれるんじゃないのかと、淡い希望が沸々と湧いてきていて、私はつい乗り気になってしまう。だから、私は聞いてみることにした。
「……ひとつ」
『はい』
「ひとつ、聞いておきたいんだけど」
『なんでしょう? なんでもおっしゃってください』
「私が、その、イブ? 教会に参加すれば、アイツに制裁できるの?」
『……えぇ。もちろん。幼少期に貴方さまを壊した方々も、貴方さまが引きこもる原因になったあの悪魔も、必ず裁きを受けさせることを約束いたします』
「………分かった。じゃ、どうすれば入会できるの?」
『ありがとうございます。今日は集会はありませんが、場所だけはお教えしましょう。私に着いてきていただけませんか?』
ミヤコの誘いを受けて、私はすぐさま外行きの服に着替えて玄関を開ける。ヒューと冷たい風が頬を撫でてきて、私は慌てて部屋に戻り、タンスの中からコートをひったくって着た。
すぐに外に出れば、ふわもこの可愛らしいコートを着た20代の、私よりも若い女性がニコニコと柔和な笑みを浮かべながら私を待っていた。
「では、行きましょうか」
「えぇ。これからよろしく、ミヤコさん」
「さん付けは要りませんよ。佳菜子さま。ミヤコで結構です」
「だったら、私も同じように呼んでよ。ミヤコ」
「私の方はクセみたいな物なのでお気になさらず」
トコトコと、歩幅の狭い足で歩いていくミヤコに私は着いていった。こうして、私は『神聖なるイブを讃える会』と関係を持つようになった。
登場人物
若林佳菜子(わかばやし かなこ)
引きこもりの20代後半の女性。昔っから容姿に恵まれていたことが災いを呼び、まだ初潮も間もない頃に、母親の再婚相手に強姦された過去を持っている。当時、彼女は母親に助けを求めていたが、自分よりも娘の方に興奮している夫(再婚相手)を見て、冷めた嫉妬を娘に向けていた。その結果、娘は極度の男性恐怖症を抱え、夫はDV、強姦などの罪で刑務所に入れられて、母は娘と距離を置くことにした。
それから10数年、娘、佳菜子は大人になり、フェミニストとして発散することで男性恐怖症は徐々に快復傾向にあったが、生理解消薬の騒動に便乗してしまって、性衝動が発生するとトラウマが再発し、男性恐怖症が酷くなって、仕事も出来ず引き篭もる毎日を過ごしていた。
ミヤコ
神聖なるイブを讃える会、通称イブ教会の信徒。彼女は噂ではかなりの高い位置にいるらしい。生理解消薬に並々ならぬ憎悪を抱えており、この薬の開発者、ならびに、薬の効果を悪用している男たちに制裁を与えることを行動原理にしている。情報収集能力が高く、仲間になれそうな女性を探しては勧誘をしていた。
イッチ
今年のクリスマスはついに処女卒業だと目論んでいたのだが、男にその気はなく、食事には行けたのだが、男が彼女持ちだと聞いて無事、脳破壊されましたとさ。めでたしめでたし。
ちなみに、男は、イッチの先輩だったから食事を奢っただけで、彼に悪気はなかった模様。寝取り? 寝てから言えや。