貞操観念逆転世界へ変わっていく一般人たちの反応   作:ねこ次郎

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九話 おめぇら!ぜってぇ海に来いよな!

 

【紳士の為のスレ】おめぇら!ぜってぇ海に来いよな!

 

1.名無しの紳士

おいおいおい! 今年の海はヤベェよ! 水着のかわいい女の子がウロチョロしてやがる………。モテないおまいらにもお裾分けしてやるから、ぜってぇ来いよな!

 

『真夏の浜辺の画像』

 

2.名無しの紳士

こんな釣りスレに俺が釣られクマーーー!?

 

3.名無しの紳士

>>1 ちょっ!? その画像、よく見たら男女比バグってるだろ!?

野郎よりもレディが多いってマジか!? ちな、どこ浜?

 

4.名無しの紳士

>>3 熱海の網代海水浴場。東京から近いからか、今年のレディはレベルが高いぜ!

 

5.名無しの紳士

ちくせう! 俺も海に行きてぇよぉ〜。仕事が溜まりすぎて、そんな暇ねぇよぉ〜

 

6.名無しの紳士

ワイ富士登山中のおっさん。こちらは特に異常なし。相変わらずおじさんおばさんが多いし、外国人観光客も多いぞ。

 

早くも引き返したくなった。ワイも海でキャッキャウフフしたい。

 

7.名無しの紳士

こんな暑い時期に海に行くなんて馬鹿じゃないの?

冷房完備のワイ。高見の見物。

 

8.名無しの紳士

>>7 そんなだから女にモテないんだよ。引きニートが。

 

9.名無しの紳士

>>8 ブッブーー! ワイは働いてますー。上場企業の役員で、高層タワマンの77階住みの月収2000万でーす。ザコは大人しくROMってればええんよ。

 

10.名無しの紳士

>>9 日本一高いタワービルの最上階は61階だぞ?

 

11.名無しの紳士

>>10 間違えただけやし!! もう高すぎて階層なんか忘れてただけやし、その61階にワイは住んでるんや!

 

12.名無しの紳士

>>11 61階は嘘だぞ

 

13.名無しの紳士

>>11の霊圧が……消えた……

 

14.名無しの紳士

>>11 嘘を吐くほどの価値もなかったな。愚かなりジュウイッチ。

 

15.名無しの紳士

それよりもさ! 今は、海に来てほしい!ってスレなんだけど。独り身の紳士は絶対に来るべし! もう、マジで女の子が余ってしまって大変なんだよ!

 

16.名無しの紳士

どう見ても釣りですね。ありがとうございます。

 

17.名無しの紳士

釣りなら日本海側に行きたいな。遠いけど、今度の連休に行くか

 

18.名無しの紳士

>>17 やはり釣りか。いつ行く? 私も同行する。

 

19.名無しの紳士

>>18 華京院!?

 

20.名無しの紳士

本当にヤバいんだって!! 女の子の方がすげぇ積極的になってるせいか、そこらじゅうで逆ナンが起きてるマジで異常事態なんだよ!

 

俺は先輩の紹介で海の家でバイトしてる大学生なんだがよ。何回も声掛けられてマジテンパった。その相手全員、美人のお姉さんなんだから、危うく俺がテイクアウトされる所だったぜ。

 

21.名無しの紳士

へっ! モテ自慢とか恥ずかしくないの? 若いだけのチャラ男に寄りつくビッチなんて、こっちからお断りだよ。

 

22.名無しの紳士

ちなみに、今も美人のお姉さんが近くにいて、証拠を載せてもいい?って聞いてみたら、顔以外ならオッケーだよ。って言ってくれた。マジで感謝! あとでウチの特製かき氷でお礼するわ。

 

『画像』

『画像』

『IDと一緒に写された美女ツーショット写真』

 

23.名無しの紳士

エッッッッッッッッッ!!!

 

24.名無しの紳士

ほう、これは中々のモノをお持ちで

 

25.名無しの紳士

黒ビキニ巨乳美女と黄色パレオの清楚系美女………だと?

 

26.名無しの紳士

待て、顔は見えていないんだから美人かどうかは分からんはず………うっ、出るっ!

 

27.名無しの紳士

目元だけ隠すとか、もはやエロ画像なんよ。こちらも抜かねば……無作法というもの……ふぅ。

 

28.名無しの紳士

急にイカ臭くなってきたな。このスレ。

 

29.名無しの紳士

>>22 美女たちの献身を無碍するなど、紳士の名折れ。

この小生がイッチの元へ向かうとしよう。

 

30.名無しの紳士

>>29 やはり網代海水浴場か。いつ行く? 私も同行する。

 

31.名無しの紳士

>>30 華京淫!?

 

32.名無しの紳士

ぜひぜひ来てくれよな! 俺はバイトだから海の家に来ても、何もサービスできないけど、精一杯歓迎するぜ!

 

あと、当然だけど、オマイラ以外にも家族連れや一般人も来てるから、くれぐれも、その人たちの迷惑に掛けないようにな!

 

33.名無しの紳士

>>32 サンガツ、イッチ。

今週も天気が良いみたいだし、今週末にでも海に行くか!

 

34.名無しの紳士

仕事が………。いや、無理やり行けば俺にだって!!

 

35.名無しの紳士

行くぞ。海が俺たちを待っている。

 

 

…………

 

……………

 

燦々と照り付ける太陽。黄金色に焼けた砂。目の前に広がる海は、今日の空と同じくらいに青かった。

 

「……暑っつ」

 

季節は夏真っ盛り、俺、坂上昌は一般社会人だが、何も休みが全く無い訳ではなく、今は夏の大型連休の真っ只中、俺は束の間の休日を楽しんでいた。

 

昨年までの自分なら、猛暑が厳しい季節にわざわざ外出なんてしないし、そもそも、海水浴場なんかに来ようとはしない。なのになぜ、俺はこんなにも暑い砂浜に来ているのかと言えば、一つしかないだろう。

 

「あの〜……すみません」

 

「はい?」

 

見知らぬ女性から声を掛けられて、俺は振り向いた。そこには茶髪の髪を頭の後ろで結えた20前後の水着女性が立っていた。

 

「私たち、この海水浴場に来るの初めてで、上手くビーチパラソルが建てられないんです……。手伝ってくれませんか?」

 

「はぁ。」

 

彼女が指差した先には、二人の水着女性がクーラーボックスなどが置かれた荷物の側で、キャッキャと話し合っていた。時折、こちらの方を見てくるから、彼女の連れだと分かる。

 

彼女たちがとても困っている、という程ではないのだが、こうも女性から頼りにされたら、男としては、つい手伝ってしまいたくなる。もしも、俺が一人で来ていたのなら、ホイホイ着いて行ってしまうだろう。

 

だが、今日は一人じゃない。

 

「すみませんが、連れを待っていますので、他を当たっていただけませんか?」

 

「えぇ〜? 良いじゃないですか、ほんの少しお時間をいただくだけですし、人助けなんですからお連れさんも分かってくれますよ。ね♡」

 

水着女性が両手を合わせながら、俺の方に一歩近づいてきた。俺より身長が低い為か自然と上目遣いになり、両手を合わせた間には淡いピンク色の水着と寄せ上げられた谷間が見えてしまった。

 

(うっ……)

 

俺は自身の表情が固まってしまったことを自覚した。目の前の女性はかなり手慣れているようで、男に対しての『女』の魅せ方が分かっていた。ついつい引き込まれてしまいそうになるが、俺は困り果てた気持ちで周りに視線を彷徨わせ、目の前の女性から視線を外した。

 

そして視線を外した先、仮設のシャワー兼更衣室がある方に『彼女』を見つけた。

 

「あっ! 連れが来たので失礼しますね!」

 

「えっ? あっ。ちょっと!?」

 

茶髪の水着女性の静止を振り切って、俺はそそくさと彼女のいる所へ駆け出した。

 

ザッザッと砂浜を蹴りつつ彼女の方へ向かうと、俺の接近に気がついた彼女は、花が咲いたような明るい笑みを浮かべながら、こちらに近寄ってきた。

 

「お待たせしました! 昌さん!」

 

「いや、そんなに待ってないよ。涼子さん。」

 

そう。今日の海は、彼女、樫涼子さんと一緒に来ていた。俺たちは荷物を置いているパラソルの方へ歩きながら彼女の横顔を見ると、彼女は嬉しそうに笑っていた。

彼女の黒髪のショートボブには、彼女らしい明るい水色の髪留めが夏の光を反射してキラリと輝いている。俺の隣を歩く彼女はとても上機嫌に思えた。

 

「♪〜〜」

 

「上機嫌だね。何かいいことあった?」

 

「はい! 私、海に来るなんて初めてで楽しみだったんです! それに、男の人とデートで来るなんて……。きゃっ♡」

 

涼子さんは頬に両手を添えて、わざとらしく照れた様子を見せてきた。そんな仕草も可愛らしくて、俺はついつい見惚れてしまった。

 

今日は、涼子さんと待ちに待った海水浴の日だった。

 

俺は涼子さんの隣を歩きながら、彼女を海に誘った時のことを思い出していた。

 

 

…………

 

 

樫さんと出会ってから、もう3ヶ月以上が経つ。会社のエレベーター前で出会ってから、俺と樫さんの関係は順調に進んでいた。

 

会社帰りに一緒に夕飯に行くことも多く、休みの日も気軽に遊びに誘えるような仲になり、俺と樫さんは友達くらいの関係になっていた。

 

そんなある日、俺は樫さんとの関係をもう一歩近づきたいと思い、ふとした時に彼女の名前を呼んでみた。「涼子さん」と。

 

すると、樫さんは目を見開き、驚いて戸惑った様子で俺に聞き返してきた。

 

「あ、あの……坂上さん? 今、なんとおっしゃいましたか?」

 

「今度、一緒に海にでも行きませんか?」

 

「い、いえ! そっちではなくってですね……。も、もちろん! 坂上さんと海に行くのはやぶさかではないのですが……」

 

「涼子さん?」

 

「はい! あ」

 

大きく返事をした後、ポカンと呆けた顔をしている樫さん。樫さんは揶揄い甲斐があって面白いな。

 

「あぁ〜! 今、私のこと笑いましたね!! このッ! このぉ〜ッ!」

 

くつくつと笑い声を漏らす俺を見て、樫さんはようやく揶揄われていたことに気がついたのか、顔を真っ赤に染めてポカポカと俺の右腕を叩いてきた。

 

「ふん!だ! 坂上さんがそのつもりなら、私だって坂上さんのこと、あ、あ、あき、あき…さんって呼びますからね!」

 

「え? なんて?」

 

「だからぁ! 私も、あ、あき……うぅ〜〜!」

 

また、ポカポカと叩いてくる涼子さん。全然痛くない反応の中、俺の中のイタズラ心がむず痒さを伴って湧いてくる。26歳にもなって、俺は初めて、好きな子には意地悪してしまう小学生男子の心理を理解した。まずい、これは楽しすぎる。

 

「ともかく、今度の連休に近くの海水浴場に行きましょう。せっかくの夏ですし、夏らしいことがしてみたいんです」

 

「わ、分かりました……。今度の連休ですね」

 

「水着、楽しみにしてます。涼子さん」

 

「ッ〜〜!! え、えぇ、せいぜい楽しみにしててくださいよ! あきらさんの視線を独り占めしちゃうんですから!」

 

「お?」

 

「それじゃ! また!」

 

そう言って、涼子さんはバタバタと駆け足で俺と別れていった。踵が低いパンプスだが、あそこまで素早く駆け出してしまうと、足を挫かないか心配になったが、履き慣れているようだし、大丈夫だろう、多分。

 

それよりも、

 

「名前、覚えててくれたんだな」

 

まだ一回だけだが、それでも、好きな人から自分の名前を呼んでもらえる。そのことが、俺はとても嬉しかった。

 

「次の休みには水着を買いに行かないとな。楽しみだな〜」

 

俺は、相変わらず浮かれた様子で自分の家へと帰っていくのであった。

 







登場人物

坂上 昌
彼女と初の海デートに浮かれてる一般男性
容姿もごく普通の一般人なので、いきなりの逆ナンにとてもドギマギしたが、彼女と一緒に来ていたため、流されることなく逃げ切った。自分が逆ナンされるなんて露ほどにも思っていなかった。


樫 涼子
彼氏と初の海デートに浮かれてる一般女性
彼氏を悩殺するための水着の上にTシャツを着て登場。お着替えに時間が掛かってしまい、更衣室を出てきた時には、なんと、彼氏が逆ナンされているではありませんか!?
しかし、当の彼氏は、私を見つけるとすぐさま駆けつけてきたので、内心ご満悦な様子。海デートまでに彼氏の名前呼びを頑張って練習してた健気な子


逆ナンしてた女性
仲良し3人組で海に来ていた一般女性。困っている風を装って、男に近づき、あれよあれよという間に仲良くなって、その晩にはホテルでいいことをしている。初めに誘惑した一般男性は彼女持ちだったため手を引いたが、そのことを側で聞いていたチョイイケの男性にパラソルの設置を手伝ってもらっていた。ついでに『洗浄』も手伝ってもらい、無事、彼氏をゲットした。


名無しのイッチ
東京の大学の一般大学生。先輩に誘われて海の家でアルバイトをしている。仕事場の海水浴場が、あまりにも女性が多く、水着も大胆な人が多くいたため、好奇心に任せてスレを立てた。
二人の女性からデートに誘われたが、仕事中なため申し訳なく断っていたら、仕事が終わるまで待ってくれるそうで、お礼に1杯1000円もする特製かき氷を奢った。追加のシロップも注文した。
その後、二人にノコノコ着いて行くと更衣室に連れ込まれ、イッチ特製の白いシロップを二人に搾られ、ご馳走させることになった。



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