“魔王”と呼ばれるとある海賊の兄の話   作:繊月・影

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第十四話 魔王と別れと百獣

 

 午前10時、アラバスタの国が平和を取り戻し、新たな歴史を刻む祝典と王女ビビの「立志式」が始まった。

 

ビビは"始まりの日"を思い出していた。

 

イガラムから、アラバスタを陥れようとする地下組織があるという話を聞いたあの日、国の為にじっとしていられず、イガラムを説得して地下組織に潜入を決めた。あの時イガラムと約束したたった一つの事。

 

「死なない覚悟は、おありですか?」

 

何度も何度も死にそうになり、諦めそうになり、悔し涙に溺れてしまいそうになった自分を守り、戦い、諦めるなと励まし続け、どんな暗闇にも希望があることを教えてくれた仲間との出会い・・・。

 

ビビは国民に向けて話しだした。

 

「少しだけ、冒険をしました。それは暗い海を渡る"絶望"を探す旅でした・・・。国を離れて見る海はとても大きく、そこにあるのは信じ難く力強い島々、見た事もない生物、夢とたがわぬ風景。波の奏でる音楽は、時に静かに、時に激しく、弱い気持ちを引き裂くように笑います。

 

暗い暗い嵐の中で一隻の船に会いました。船は私の背中を押してこう言います。『お前にはあの光が見えないのか?』

闇にあった決して進路を失わないその不思議な船は、踊る様に大きな波を越えて行きます。海に逆らわず、しかし船首はまっすぐに・・・たとえ逆風だろうとも。そして指を指します。『見ろ、光があった』

 

やがて歴史はこれを幻と呼ぶけれど、私にはそれだれが真実。そして・・・・・・・・・・・」

 

そこでビビ王女のスピーチは止まった。

王宮前広場では、ビビに扮しているのがイガラムだとばれて、民主のブーイングを買っていた。ビビ王女の姿は、王宮のどこにもなかった。

 

 

約束の地、アラバスタ東の港「タマリスク」では、ビビの放送を聴きながら麦わらの一味は”仲間”を待っていたが、放送を聞いて、ビビが王女である事を選択したことを悟り、アラバスタを静かに後にしようとした・・・その時、「みんなァ!!!」という懐かしい声が船に届いた。

ビビとカルーは、王宮を抜け出して『タマリスク』へ来ていたのだ!!!

 

 

麦わらの一味はビビが来たことに、喜びを隠せずに歓迎し、早速ビビを乗せる為に寄港の準備にとりかかった。

 

だが、ビビは言う。

 

「お別れを言いに来たの!!」

 

ビビは電電虫を手にとって、麦わらの一味に向かって精一杯に叫んだ。

 

「私・・・一緒には行けません!!!今まで本当にありがとう!!!冒険はまだしたいけど、私はやっばりこの国を愛しているから!!!!!だから、行けません!!!!」

 

ビビの言葉に絶句して悲痛な顔をしていたルフィは、その想いを聞いて納得した。

 

「・・・・そうか!」

 

 ビビは言葉を続けようとするけれど、ルフィ達との冒険の日々を思い出して涙があふれ、言葉につまった。流れる涙をぬぐうこともせず、ビビは言葉を絞りだした。

 

「私は・・・私は・・・ここに残るけど・・・!!!いつかまた会えたら!!!もう一度、仲間と呼んでくれますか!!!?」

 

 ルフィがビビに大声で応えようとした時、ナミがその口を塞いだ。メリー号を追ってきた海軍の船が近くにいて、ビビの存在に気付いている。ここで、アラバスタ王女と海賊が”仲間”である事を悟られると、ビビは"罪人"となる。

 

「このまま黙って別れましょう」

 

ナミはそう言ってビビのいる岸に背を向けた。

 

 メリー号から返事がない・・・。自分が船を降りたことで、もう自分は麦わらの仲間ではない・・・ビビは悲しみに立ち尽くした。

 

だが、次の瞬間、ビビの目に飛び込んできたものは-------------

 

 

 アラバスタに入る時に、皆の腕に刻んだ”仲間の印”!!!あの時には自分達はもう”麦わらの一味”で、仲間だったんだとビビは泣いた。

アラバスタの岸で、ビビとカルーもその左腕の"仲間の印"を高く、高く突き上げた。

 

 

ゴーイング・メリー号は仲間に別れを告げ、新たな冒険に旅立って行った。

 

「出航~~~~!!!!!」

 

 

「お疲れさん」

「アノスさん。いいえ、悲しんでばかりでもいられませんから。さぁカルー、帰ろう!!アルバーナへ!!」

 

 その後アラバスタ王国は、諸国も目を見張るばかりの速度で、実に見事な復興を遂げていく。

 

 

 さて、これからのことはアレ(・・)以外俺が手を出す必要はないだろう。

 

「となれば」

 

 

「ウォロロロロロ!!世話になったな、うちの部下が」

「いやなに、こちらとしてもあんたが来てくれて嬉しいよ」

 

 場所は新世界の無人島。相手は青龍。

 俺は今、暇潰しに百獣海賊団とビッグマム海賊団に喧嘩を売っていた。いやぁ〜、ドレークが襲うはずだったとこでもあてたのか、飛び六胞はともかくカイドウとはまだ戦う予定はなかったんだが。

 

「覚悟は出来てるんだろうなぁ。黒獅子ぃ!!」

「寝言は寝て言え。カイドウ!!」

 

まぁ、ヤる気ならしょうがねぇ!!

 

 

〜カイドウside〜

 

なんなんだ?こいつは、

 

「「“雷鳴八卦(らいめいはっけ)”!!」」

 

 攻撃がぶつかり合い、天は割れ、弾かれる。

 本当にこいつはどうなってやがる。今、俺とやりあえるのはリンリンや白ひげのジジイ、あとギリギリ赤髪の小僧といったところのはず。

 何度も何度も打ち込んだが、全てを後出しの(・・・・)攻撃で止められた。どうにも攻め気が感じられねぇが、むしろその状態で本気ではないとはいえ完封するたぁどうなってやがる。

 

「「軍荼利龍盛群(ぐんだりりゅうせいぐん)!!」」

 

ドドドドガガドドドッ!!!

 

「ぐぬぅ!」

 

 本当に、

 

「誰だ?テメェは」

「あん?」

 

 訝しげなアイツに視線を返してやると納得した様な顔をしたのち、面白そうな、可笑しそうな顔で、

 

「モンキー・D・アノス」

 

言ってのけやがった。

 

「お前を超えて『最強』になる男だ!!!」

 

 

「ウォロロロロ!!!・・・やってみなぁ!!黒獅子ぃ!!!」

 

 







在庫出し切ってますのでこっちの更新遅れます。すみません。

下の作品と魔王学院で2つ目投稿しようと思ってますが、どれがいいですか?(下のが原作とします)時間がかかったらすみません。100超えたら確実に書きます。

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