───貴方の願い事はなんだ?
世界中の人々を巻き込み、広大な未知なる大地への旅路。青い髪を三つ編みにした青年と金髪の角のような癖毛が特徴的な青年が道行く道を突き進む。そんな二人の青年達を左側にサイドポニーにした長い赤髪が特徴的な女性が穏やかな表情で微笑む。
世界の常識が変化してゆく中で、“運命”に抗いながらも絶望を希望に変え、未来を切り開く彼等の瞳はどこまでも真っ直ぐなもの。いつかの約束を叶える旅。その究極な冒険譚も終わりを告げる───。
二人の青年の手に持つ日記は年月を感じさせるほど使い込まれていた。それ程までに彼等が過ごした時間と旅の物語は濃いものだった。
「なあアラジン。おまえはこれからどうするんだ?」
名前を呼ばれた青い髪の青年アラジンは金髪の角のような癖毛が特徴的な青年に目線を合わせた。
「僕かい?僕は…… ウーゴくん達に会いに行こうと思ってるんだ。何年掛かるか分からないけどね。そう言うアリババくんこそこれからどうするんだい?」
アラジンは質問に答え、質問をし返す。今度は金髪の角のような癖毛が特徴的な青年アリババがアラジンに目を合わせ口を開いた。
「俺は… 他の世界の奴らの世界に行って…俺の知らない文化や歴史を見に行きたい。もちろん商人としても他の世界の奴らと交渉もしようと思ってる。そしたら…シンドバッドさんともいつかまた会えるかもしれないしな!」
お互いこれからの事を話しだす。未来に向けて期待と不安を抱きながら。
「けど… 不安なんだ…、俺なんかにできるかって…」
アリババは顔を伏せて弱々しく呟く。そんなアリババの様子にアラジンは励ますように静かな声で───昔のように言葉を紡いだ。
「できるよ!アリババくんなら」
「アラジン…」
「僕は知っている。君は勇気ある人だって!」
アラジンの言葉に笑顔を綻ばせるアリババ。お互いの時間を共有するのはきっとこの旅が最後かもしれない。そんな想いを抱きながら二人は空を見上げる。日は沈み、暗い空間に光り輝く星々。
「もしかしたらあの星にも、僕たちと同じような人たちがいるのかもしれないね」
「ああ、そうだな」
何気ない旅の話。長く短く感じる時間が流れてゆく。二人を包み込むように運命の歯車は動き出していた。
───3ヶ月後。
「アリババくん。準備はいいかい?」
「ああ!いつでもいいぜ!」
あれから二人は旅から帰還し、お互い自分たちの目標を達成するためにとある魔法陣の上に立っていた。
「アリババくん…一つ言い忘れていたことがあるんだけど…聞いてもいいかい?」
「なんだよアラジン。改まって」
「モルさんと一緒に行かなくていいのかい?」
「………」
アラジンの言葉にアリババの表情が曇っていく。何かを噛み締めるように、哀しみに暮れた日のように涙を流し始めた。
「ア、アリババくん!? 大丈夫!?」
「グスッ…大丈…夫」
「大丈夫じゃないよね!?」
アラジンが驚くのも無理もない。モルさんと呼ばれた女性ことモルジアナはアリババの妻であり、とても仲が良いことで周囲に認知されていた。アリババ居るとこにモルジアナあり。と言うほどに。そのモルジアナが何故、アリババとの旅に賛同しない理由は───
アリババ曰く、モルジアナは暗黒大陸の調査をより進めるため、アリババとの旅に一緒に同行できないのだとか。その代わりとしてお互い帰還した時にその思い出を語り合おうと話していると、後にアリババは語る。
「アリババくん!元気出してよ!」
「…アラジン」
「ほら!お顔を上げて!」
アラジンの言葉に従い顔を上げアラジンを見つめるアリババ。すっと手をアリババの前に出し、アラジンは握手の構えをした。
「なんだよ」
「いいから!」
おずおずと握手をする両者。アリババはきょとんとしながら握手をしたままの手を見つめる。どのくらい経っただろうか。そう思うほどに長く感じる時間だった。アラジンは少し顔を伏せ言葉を呟き出した。
「これが最後になるかもしれないね」
「何言ってんだよアラジン!」
アラジンの発言に驚愕の表情を浮かべる。
「だってそうじゃないか。これから行う魔法は行き先が決められないし…それに…金輪際アリババくんたちに会えなくなるかもしれない」
アラジンの不安そうな声にアリババは眩しいほどの笑顔でアラジンを見やる。
「なあアラジン。別にいいじゃねえか」
「…え」
「どんなに離れていても俺たちはずっと友達だろ!だから大丈夫だ!それに世界は一つに繋がってるんだからいつか絶対会えるって!」
アリババの言葉に目を見開き口角が上がる。
「アハハッ!やっぱり君が友達でよかったよ!」
お互い笑顔を作り、ニッ、とさらに笑う。
「それじゃ始めようか!」
「ああ!」
アラジンは杖の先端を地面に叩きつけるように向ける。杖を媒体に
掛け声に反応するかのように魔法が発動する。
「アリババくん!次会う時は、今度はみんなでいろんな世界を見に行こう!」
「おう!約束だからな!アラジン───」
アリババの声が遠のいていく。その刹那───今はもう可視化することの出来なくなった
浮遊感に包まれながら薄っすらと目を開ける。目の前に広がるいくつもの星々。いつか見た光景にアラジンは驚愕の表情を浮かべた。光の向こう側には光り輝く八芒星。
ゆっくりとした時の中、睡魔がアラジンを襲う。次第に瞼が閉じ眠りにつく。こうして別の世界へ旅立った者の新たなる冒険の幕が上がった。
本編がまだ始まってない件。それとマギの知識がうる覚えのせいでなんか口調とか変な気がするが確かこんな感じだった気がする。それでは、もし宜しければ感想や評価を頂けると励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。続きは多分書きます。多分。