───王様は言った。
人には人の
頑丈な部屋──その部屋の中では沢山の
───アラジン、本当に会いに来たんだね。
青いがっしりした巨体の男が呟く。男の目の前では穏やかに眠りについている青年が一人。
───できれば起きている状態の貴方に会いたかったが、そうもいかないみたいだ。
男は腕を動かし青年の額に触れる。
その瞬間、八芒星の光る紋様が浮かび上がった。
───きっとこの力は、また貴方を救うだろう。我が王よ、偉大なる魔法使いよ、運命の逆流が貴方を襲い、多くの苦難と試練が訪れるだろう。それでもまた会う日まで、いつまでも貴方を俺たちは待っている。
男の声と共に扉が開門した。すると
「アラジン。今君と話すのは難しい…けれど君は必ずここに辿り着くと信じてる。だから───……」
太陽が照りつける大地。木の軋む音とゴトゴトと馬車の進む音が自然豊かな森の中に響く。綺麗な空気と雲一つない快晴な空を見ながら青年───アラジンは安堵の息を吐いた。
「それにしてもお客さん、馬車を直して頂き本当に助かりました。これがないと私は仕事が出来なくてね」
馬車の運転手の男がアラジンにお礼を兼ねた言葉を発した。
「何を言うのさ、困った時はお互い様じゃないかおじさん!」
運転手の言葉になんでもないようにアラジンは答えた。アラジンの屈託のない笑顔に「それもそうですな!あっははは!」っと、運転手の男は豪快に笑う。
「でもお客さんも変わってますね。馬車のお礼にこの世界の常識を教えてくれなんて…、本当にそんなことでいいんですか?」
「うんおじさん。僕は最近この世界に来たばかりでね。ここの常識がよくわからないんだ」
「あっははは!お客さんは本当に変な事を言いますなぁ!いいでしょう!私でよければ、街に着くまでいくらでも教えましょう!」
男は語る。この世界の常識を───。
この世界の歴史──人類と魔族の壮絶な争いを。
この世界の歴史──
この世界の歴史──魔王を倒した勇者一行の物語を。
男は語りに語り、辺りは暗くなっていた。
「そうだお客さん。少し遠まりをしてもよろしいかな?」
「どうしてだい?」
「いやね…。ここ近年、断頭台のアウラって言う大魔族が暴れていましてね」
「………」
「いや〜、酷いもんですよ。その断頭台のアウラって奴は。なんだって魔法で操って首をこう───ね、やってしまうんだとか」
「なんでそんな事するんだい?」
「さあ、魔族の考えてる事なんて分からんですよ」
「そうかい」
「そうだお客さん。後この道を真っ直ぐ行けば着きますが、もう暗いですからね…この辺で一休みしましょうか」
馬車から降り、辺りを見渡すアラジン。空を見渡した後、街がある方を視線を向ける。その瞬間───奥の方で何かが光った。途端にルフがざわめく。
「………」
「どうかしましたか?」
「ねえ、おじさん」
「はい?」
「この道を真っ直ぐ行けば街に着くって言ったよね」
「えぇ……言いましたがそれが…」
「…そうかい。ありがとうおじさん。
ここから先は僕一人で行くよ」
「なっ!危険ですよお客さん! いくらお客さんが凄い魔法使いだとしても夜にこんな……」
「大丈夫さ。でも、おじさんはもうここを引き返しておくれ」
アラジンの一点の曇りもない瞳に馬車の運転手の男は息を呑んだ。男は下を向き数秒考えた後、真っ直ぐアラジンを見つめた。
「…そうですか……。僅かながらですがこれを」
男はある物をアラジンに渡す。とても小さな物だがおおかた御守りと言ったところだろう。
「ありがとう…おじさん。
それじゃ僕はもう行くよ」
そうアラジンは言うと、額に着飾れた宝石を外した。その刹那、宝石はあれよあれよという間に大きな布に様変わりした。
「飛べ!魔法のターバン!」
その瞬間、空高くアラジンは舞い上がったのだった。
不思議な程書けないそして短い何故なんでしょう。
何はともあれゆっくりと更新していきます。
あと次回は多分バトル回かもしれない多分ね。
それではもしよければ評価とご感想お願いします…
モチベに繋がるので。