葬送の魔法使いと創世の魔法使い   作:ぺてんし

3 / 7



───王様は言った。
   人には人の正しさ(運命)あると…


第2夜 名もない旅人

 

 

頑丈な部屋──その部屋の中では沢山の(ルフ)が飛び回る。その眩しさは目が眩む程だ。床には古い魔導書や魔道具が雑然と並べられる。それよりも目を引く大きな扉が一つ、刻まれた八芒星。所々にひび割れや傷が目立つこの部屋で唯一、綺麗な状態で維持されていた。

 

───アラジン、本当に会いに来たんだね。

 

青いがっしりした巨体の男が呟く。男の目の前では穏やかに眠りについている青年が一人。

 

───できれば起きている状態の貴方に会いたかったが、そうもいかないみたいだ。

 

男は腕を動かし青年の額に触れる。

その瞬間、八芒星の光る紋様が浮かび上がった。

 

───きっとこの力は、また貴方を救うだろう。我が王よ、偉大なる魔法使いよ、運命の逆流が貴方を襲い、多くの苦難と試練が訪れるだろう。それでもまた会う日まで、いつまでも貴方を俺たちは待っている。

 

男の声と共に扉が開門した。すると(ルフ)たちは青年の身体を持ち上げると否や扉の方へと進んでゆく。そんな青年の様子を見ながら男は愛おしそうに見つめていた。

 

「アラジン。今君と話すのは難しい…けれど君は必ずここに辿り着くと信じてる。だから───……」

 

 

 

 

 

 

 

 

───冒険の始まり───

 

 

 

太陽が照りつける大地。木の軋む音とゴトゴトと馬車の進む音が自然豊かな森の中に響く。綺麗な空気と雲一つない快晴な空を見ながら青年───アラジンは安堵の息を吐いた。

 

「それにしてもお客さん、馬車を直して頂き本当に助かりました。これがないと私は仕事が出来なくてね」

 

馬車の運転手の男がアラジンにお礼を兼ねた言葉を発した。

 

「何を言うのさ、困った時はお互い様じゃないかおじさん!」

 

運転手の言葉になんでもないようにアラジンは答えた。アラジンの屈託のない笑顔に「それもそうですな!あっははは!」っと、運転手の男は豪快に笑う。

 

「でもお客さんも変わってますね。馬車のお礼にこの世界の常識を教えてくれなんて…、本当にそんなことでいいんですか?」

「うんおじさん。僕は最近この世界に来たばかりでね。ここの常識がよくわからないんだ」

「あっははは!お客さんは本当に変な事を言いますなぁ!いいでしょう!私でよければ、街に着くまでいくらでも教えましょう!」

 

 男は語る。この世界の常識を───。

 

この世界の歴史──人類と魔族の壮絶な争いを。

この世界の歴史──迷宮(ダンジョン)の伝説を。

この世界の歴史──魔王を倒した勇者一行の物語を。

 

 

男は語りに語り、辺りは暗くなっていた。

 

「そうだお客さん。少し遠まりをしてもよろしいかな?」

「どうしてだい?」

「いやね…。ここ近年、断頭台のアウラって言う大魔族が暴れていましてね」

「………」

「いや〜、酷いもんですよ。その断頭台のアウラって奴は。なんだって魔法で操って首をこう───ね、やってしまうんだとか」

「なんでそんな事するんだい?」

「さあ、魔族の考えてる事なんて分からんですよ」

「そうかい」

「そうだお客さん。後この道を真っ直ぐ行けば着きますが、もう暗いですからね…この辺で一休みしましょうか」

 

馬車から降り、辺りを見渡すアラジン。空を見渡した後、街がある方を視線を向ける。その瞬間───奥の方で何かが光った。途端にルフがざわめく。

 

「………」

「どうかしましたか?」

「ねえ、おじさん」

「はい?」

「この道を真っ直ぐ行けば街に着くって言ったよね」

「えぇ……言いましたがそれが…」

「…そうかい。ありがとうおじさん。

ここから先は僕一人で行くよ」

「なっ!危険ですよお客さん! いくらお客さんが凄い魔法使いだとしても夜にこんな……」

「大丈夫さ。でも、おじさんはもうここを引き返しておくれ」

 

アラジンの一点の曇りもない瞳に馬車の運転手の男は息を呑んだ。男は下を向き数秒考えた後、真っ直ぐアラジンを見つめた。

 

「…そうですか……。僅かながらですがこれを」

 

男はある物をアラジンに渡す。とても小さな物だがおおかた御守りと言ったところだろう。

 

「ありがとう…おじさん。

それじゃ僕はもう行くよ」

 

そうアラジンは言うと、額に着飾れた宝石を外した。その刹那、宝石はあれよあれよという間に大きな布に様変わりした。

 

「飛べ!魔法のターバン!」

 

その瞬間、空高くアラジンは舞い上がったのだった。

 

 

 

 

 

 






不思議な程書けないそして短い何故なんでしょう。
何はともあれゆっくりと更新していきます。
あと次回は多分バトル回かもしれない多分ね。
それではもしよければ評価とご感想お願いします…
モチベに繋がるので。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。