魔法少女いろは☆マギカ 第2部 RE:Ms.Pain Planter(休載中 第二章一部完結済)   作:hidon

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FILE-2 #22 祟られる原因

 

 

 

「「「はあ!?」」」

 

「かえでと、絶交したあっ!!?」

 

 突然のレナの告白に、全員がびっくり仰天した。

 

「うん……」

 

「かえでがいないし連絡つかないと思ったらなんでこういうことになってんだよおい!?」

 

「実は……」

 

 こくりと頷くレナ。

 怒りの形相で問い詰めてくるももこにレナは暗い顔で語りだす。

 

 

 

 

 

『最低だよ……! レナちゃん……っ!!』

 

『んなっ……!?』

 

『もうレナちゃんとはやっていけないよ……!!』

 

『ちょ、ちょっと待ちなさいよかえでっ!!』

 

『いつもいつも、私の気持ちを踏みにじって……ッ!』

 

『えっ!? 一体、レナが何したってのよ……!?』

 

『それはレナちゃんが一番良く知ってるはずだよね……!?』

 

『わ、わかった、謝るから!! 年下だからってレナが先輩風吹かせまくったことも、無理矢理コンビニに使いっ走りにした事も、レナが好きなフルーツタルトが無くて怒ったことも……それで、気を使って、わざわざペットの餌台使ってレナの好きなスイーツ買ってくれたのに、気に入らないからって投げちゃって服を汚しちゃった事も、お金を返さなかったことも、ペットのカメレオンがキモいって言って、今もそう思ってる事も……全部全部謝るからっ!!』

 

『やっぱり、レナちゃんはなんにも分かってないっ……!!』

 

『え……』

 

 

『向井さんのことだよ』

 

 

『っ!?』

 

『レナちゃん、いっつも向井さんと楽しそうに喋ってて、ご飯食べにも言ってて……本当に狡いよね」

 

『あ、あの人はヒーローショーの先生みたいなもんで……そういう関係じゃ』

 

 

『誤魔化さないでよっ!!』

 

 

『っ!!』

 

『私だって、向井さんの事好きだもん!! 大好きだもんっ!! なのに、何でレナちゃんばっかりっ!?』

 

『だ、だから、違うって言ってるでしょう!』

 

『嘘だよ!! 正直に言ってよ!! 好きだから自分からご飯に誘うんでしょっ!! べったりくっついてるんでしょ!! そのパンパンなおっぱいも武器にできるもんね!!』

 

『な……っ!! あんた、人が気にしてる事を……もういい。折角仲直りしようって思ってたのに、そこまで言うならアンタなんて知らない!!』

 

『うるさい!! レナちゃんのバカ! アホ! カス! ゴミ! 人間の屑! 死ね!!』

 

『バカアホカスは百歩譲るとしても最後の三つは酷すぎでしょ!? ああもう、そっちがそうならこっちも……』

 

 

 

 ――――『絶交』よ!!

 

 

 

 

「ありゃあ~……かんっぜんに痴情の縺れッスね~……」

 

「っていうかかえでちゃん、向井さんの事好きだったのっ!? 全っ然気づかなかったよっ!?」

 

「なんでいろはがそこでショック受けてんだよ……」

 

「レナさあ……喧嘩するにしてもタイミングってもんがあるだろっ!!」

 

「うっ……ごめんなさい……」

 

「普段からかえでの大らかさに甘えてた癖に……たくもぉ!」

 

「ごめんってば…………」

 

「でも秋ちゃん(かえで)がそんなに溜め込んでたなんて以外ッスねー」

 

「……はい。平気で言いたい事言ってくるタイプだと思ったのに……」

 

「いろはの言い方、何か恨みを感じるわね……」

 

「あ、そういえば!」

 

「ん? どうしたのよいろは?」

 

「うん……。なんで『絶交』を言ったのはレナちゃんの方なのに、消えなかったのかなって……?」

 

「そんなのレナが知りたいわよ……」

 

「それよりかえでだ! 早くみんなで探しにいかないと大変なことになるぞ!!」

 

「! は、はいっ!!」

 

「! そ、そうね……っ!」

 

「モモ、待つッス。いろはちゃんと波ちゃん(レナ)も。気持ちは分かるけど“祟り”に遭ってたら探しようが無いッスよ」

 

「うっ……!」

 

「それは……分かってますけど……!」

 

「じゃあ、どうしたらいいのよ!?」

 

「確か……魔法少女の失踪者は初だった筈……。遅かれ早かれ警察から捜査協力要請が来るでしょうし。その時に、警察と一緒に捜索した方が断然合理的ッス」

 

「だけど……!」

 

「モモ……秋ちゃんがここにいたら、きっとそう言ってくれた筈ッス」

 

「っ……! そうだよな。ごめんな。こういう時こそ、アタシが落ち着いて判断しなきゃいけないのに……」

 

「ももこさん……」

 

「それにしても、いろはの言ってた事がどうも気になるぜ。……っ! おい、そういや今日は捜査本部で会議があったよな?」

 

「! そうだった……警察は何か掴んでるかもしれないな……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『喧嘩した二人の内、“絶交を告げた方”が祟りに遭う』。

 

(……今までそう思ってたが、違うのか?)

 

 そんな疑問を抱えながら、水名警察署の大会議室に足を赴くももこ。

 予想通り、警察は慶治町の行方不明事件の捜査を念入りに行っており、詳細な捜査報告がなされた。

 

 

 ・まず、捜査課から、最初の犠牲者、田中寛治失踪・殺害事件について。

 

 彼の娘、田中麻由美。

 事件後、ショックにより憔悴しきっていたが、通院先のメンタルケアによって職場復帰した彼女から真相が話された。

 それは、父・寛治が行方不明になる10/21 22:00頃。

 逆上した父から絶縁のLINE文を送られた直後、麻由美は父と直接会っていたのだ。

 租界でカエレと口論した後に去った父の後を、ずっと尾行していた、という。

 水名中央団地の公園にある、滑り台の“階段”で黄昏れてた父は。

 

「俺が悪かった。麻由美、戻ってくれ」

 

 麻由美を見るなり、そう“謝罪”した瞬間――彼は、消えてしまった。

 

 

 ・次に、鑑識課から、監視カメラの映像について。

 

 映像の一部に、被害者が消えた瞬間を録画したデータがあった。

 確認すると被害者の一人・(少年A)は、家に帰る時間なのに、家とは逆方向に走っていた。

 そして、いつも昇る歩道橋の階段に足を踏み込んだ瞬間、消滅――

 

「画像を拡大・鮮明化したところ、Aさんは何かに焦っているような表情でした。友人である(少年B)さんの話によるとやはり、Aさんは部活終了後にBさんと口論、お互いに絶交宣言したようです。……しかし、先に、絶交を告げたのはBさんの方でした」

 

 つまり、『絶交を先に告げる』事は、条件に当てはまらない。

 それ以外の別の理由があって、少年Aは消えた、ということだった。

 Aは、Bと絶交して帰る途中、後ろめたいものを感じたようだ。

 そして、Bに謝罪するべく、引き返したのだと推測される。

 

 ももこは頭の中で、捜査課の田中寛治の話と擦り合わせる。

 そして……

 

「まさか……!」

 

 ある事実に、気づいたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ※おまけ イケメンの末路





「――って、ちょっちょちょちょちょ……ちょっとまってくれ!? 何で今の話の流れで全部俺のせいになるワケ!?」

「俺のせいって、どう考えてもそうだよな、いずも裁判長?」

「そッスねー、イケメンは有罪っ」

「向井さん……」

「ひっ……!? いやいやいや、おかしいでしょ!?」

 呆れ顔でそうぼやく、ももこ。
 ふう~、と溜息を付いてから、小さく返答する、いずも。
 二人に合わせるように、攻める様な視線を向ける、いろは。
 そして、あからさまに侮蔑を込めた氷の瞳を向ける三人の魔法少女を前に、震え上がる一般人・向井 翔がいた。

 捜査会議が終わった後。
 ももこはいずも、いろは、フェリシアを引き連れ(レナはカミハマンの仕事の為、不在)、超即効で駆け出した。
 そして、行きつけの喫茶店で休憩中の彼を見つけて、迷わずカチコミを仕掛けた訳である。

「そもそも、二人がそう思ってたなんて、俺は何も知らなかったけど!?」

 まさか、かえでとレナの二人が自分をめぐって争っていると知っただけでも衝撃だったのに、更に女性3人から責め立てられて、向井は大きく両手を振って慌てるしかなく。

「イケメンはこれだから……なあ調整屋」

 何やら含みのある言い方をするももこ。
 声を掛けられたいずもはコクリと頷くと、

「悪意が無いにしたって、女の子二人を惑わせた罪は重いっすよ」

 冷ややかに素っ気なく告げる。いろははというと、相変わらず鋭く睨みつけてくる。
 向井は口をあんぐり開けて硬直。
 いつもの体育会系特有のパワフルな雰囲気はどこへやら、顔を青ざめて意気消沈。

「お、俺は……レナちゃんの事を、本当によくできた教え子だとしか思ってなくて……。かえでちゃんとも、特にそういうつもりじゃ……。っていうか、かえでちゃんの事、あんまり知らないんだよ~……なのに……なんでぇ~……ええ~??」

 等と、消え入りそうな声で、ブツブツ呟きながら虚空を見上げる向井の姿は、まるでゾンビである。

「まあ、とかなんとか被告人はあんなしょーもないことをのたまってまッスけど。どうしまッス、ももこ弁護人」

「そうですねいずも裁判長。アタシとしては、もうレナにもかえでにも近づくなって怒鳴りたいとこですけど、向井さんは大事なビジネスパートナーですから、そういう訳にも行きませんし……」

「だったら、責任を果たすべきだと思います!」

 煽るいずもとももこ、鼻息を荒くして突きつけるいろは。向井はウッと息を飲む。

「責任って……そんな、どうしたら……??」

 顔を俯かせて考え込む向井。
 混乱する気持ちを少しでも宥めようと考えたのか、手元のコーヒーを口に付ける

「そりゃあ、一つしか無いよ向井さん」


「どっちが『好き』かハッキリさせるんッスよ」


「ブッ!!」

 いずもの強烈な一言に、口に含んだコーヒーを盛大にテーブルにぶちまける向井。

「うわっ、きったね~」

「拭いといてくださいよ」

「あ、ああ……悪い……」

 ももこといずもに言われて、慌てて布巾でテーブルを拭こうとする広斗。

「でも、ももこさんといずもさんの言う通り、それしか方法が無いと思います!」

 ――――男の甲斐性を見せるしか!!

 何故か異様に熱を込めていういろはに、向井は愕然。
 ショックの余り車椅子から転げ落ち、俗にいう「orz」の姿勢を取り、ガクガクと震えている。
 
(すごいねいろはちゃん……無自覚で追い打ち掛けてるよ……)

(天然って怖いっすね)

 ももこといずもは小声で話し合う。




「……あー、あんちゃん、気持ちは分かるぜ。イケメンに生まれるとさー、苦労すんだよなー、うん……」

「ほっといてくれ……」

 唯一フェリシアだけは、orzな向井の味方だった。
  








 会話シーンですが、思い切って、地の文を無くす実験をしてみました。
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