バカと二重と神の頭脳   作:カラン

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すいません!

リアルの方がテスト週間で、親からPC禁止を言い渡されてました。

こんな亀投稿ですいません。


3話:誰にでもある物『黒歴史』

FクラスからAクラスへの宣戦布告。

 

そんなことが無謀だということは転校したての俺でもわかる。

文月学園が試験召喚戦争(しけんしょうかんせんそう)制度を導入して4年。文月学園はこの制度の導入により、テストも変わった。1時間という時間の中、何枚ものテストを受けられる。これによってとった点数は試験召喚獣(しけんしょうかんじゅう)の攻撃力・体力となり、召喚獣の装備も良くなる。上限なしに伸ばすことができる、というところがポイントだ。

さらに、テストの点数によってF~Aの6クラスに振り分けられる。Aクラスは成績や設備など、あらゆる点で優秀だ。逆にFクラスはあらゆる点で劣悪なのだ。設備はこの際どうでもいい。問題なのは点数。先述したように、この学園のテストは上限なしに点数を伸ばすことができる。Fクラスは頭が悪い(バカ)なので、1教科の平均点は50~60程度。それに対し、Aクラスの1教科の平均点は300以上。実に5倍以上の点数差がある。

さて、これを踏まえてもう1度考えよう。……勝てるか?俺は無理だと思う。周りの奴も同じことを考えているようで、皆苦虫を噛み潰したような顔をしている。

そんな中でただ1人、坂本だけはそんな俺たちを任せておけと言わんばかりの表情で見つめていた。そして口を開き、言い放った。

 

「大丈夫だ!このクラスには勝てる人材が十分にいる!それを今から紹介してやろう!」

 

勝てる人材?言っとくけど、俺はこのクラスには変態と非リアとごく少数の一般人しかいないと思ってるぞ?

そんなことを考えていると、坂本は姫路の方を向いた。

 

「おい、康太。いつまでも畳に顔を付けて姫路のスカートを覗いてないで前に来い」

「…………っ!?(ブンブンブン!)」

「は、はわぁっ!////」

 

首と手をちぎれそうな程激しく振りながら否定をするのは康太こと土屋康太だ。なんて羨まs……けしからん奴だ!というか、頬に畳の跡付いてますよ。その跡を手で隠しながら(隠れてないが)土屋は教壇の前に立った。

 

「土屋康太。コイツがあの有名な寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だ!」

「…………!(ブンブンブン!)」

 

周囲がざわめき始める。

寡黙なる性識者(ムッツリーニ)……?よくわからんが、とんでもないムッツリスケベだというのはわかった。どんなに明らかな証拠があろうとも下心だけは隠し続ける。なんかカッコ……良いか?

 

「木下秀吉だっている」

「ワシもか?」

 

再びざわめき出すクラス。

木下ってすごい奴なのか?これも夏樹に聞いておかなきゃならんな。

 

「姫路の実力は皆もよく知っているはずだ」

「わ、私ですか?」

 

次第に士気が上がっていく。

姫路……。小学校の頃の成績を維持しているのならば、かなりの頭脳になる。皆が騒ぐのも無理はない。

 

「当然、俺も全力を尽くす」

『おおっ!』

 

士気が最高潮になってきたようだ。

坂本は頭がいいのか?言っておくが、Fクラスの代表はなんのステータスでもないぞ?

 

『姫路さんに坂本……』

『これは勝てるんじゃないか?』

『姫路さん好きです』

『いけるぞこのクラス!』

 

しかし士気はマックスなようだ。

坂本は演説がうまいな。あと、姫路に告白した奴。後で校舎裏来いやコラァ。

 

「それに、吉井明久だっている」

 

 

 

 

――――――シン……――――――

 

 

 

一気に葬式のような雰囲気になった。明久は招かれざる者のようだ。

 

「ちょっと雄二!僕は普通の人間なんだから普通の扱いを……って何で僕を睨むの!?」

『誰だよ吉井明久って』

『このクラスにそんな奴いたっけ?』

『それ以前にこの学園の生徒か?』

「いやこの世の者じゃないだろ」

「ほら!せっかく上がった士気が台無しじゃないか!というか最後の人!罵倒が酷すぎる……って春真かよ!」

 

騒ぐ明久を華麗にかわし、坂本の方に向き直るクラス一同。

 

「知らないのなら教えてやろう。コイツの肩書きは『観察処分者』だ!」

 

さっきより一層教室がざわめき出す。『観察処分者』とは何だろうか。

 

『……それって、バカの代名詞じゃなかったっけ?』

 

誰かが呟いた言葉が教室に浸透していく。『バカの代名詞』ですか。わかりやすい説明ありがとうございます。明久、泣くなって。

 

「で?本当のところ、観察処分者って何だ?」

「そうだな……。バカだ」

「それ以外で」

 

語るに落ちるとはこのことだろうか。

 

「それ以外だと、召喚獣が特別だってところか。教師の雑用をさせるために、物理干渉ができるようになっている」

「俺達の召喚獣は触れないのか?」

「ああ。召喚獣の力は成人男性の何倍もあるからな。モノを壊されたらたまったもんじゃないそうだ」

「ふ~ん。でもさ~、それって結構便利じゃない?」

「そうでもないよ遊星。教師の監視下でしか呼び出せないから好きなこともできないし、フィードバックって言って、召喚獣が受けたダメージの何割かは僕に来るし……。散々だよ」

 

かなり大変なんだな、観察処分者って。まあ、それなりの行いをしたんだろうから、自業自得だな。

 

「まあ、いてもいなくても変わらん雑魚だ」

「雄二、そこは僕をフォローするところだと思うよ?」

「あー、明久はバカじゃないぞー(棒読み)」

「よろしい」

「それで良いのかお前!?」

 

どれだけバカなのだろうか。久しぶりに会ったが、このバカっぷりは変わってない。それどころか、進化(いや、退化か?)している。

 

『でも、吉井はともかくこのクラス、強いんじゃないか?』

『ああ、これならAクラスも倒せるかもしれない!』

「まあ、待てお前ら。最後の切り札を紹介しよう。転校生3人。前に来い」

 

クラスの士気が再び上がり始めた時、坂本は俺達のことを呼んだ。

俺たち3人は顔を見合わせ、席を立って教壇の前に歩いて行った。俺達が教壇の前に立ち、皆の方を向いた途端、坂本が口を開いた。

 

「こいつら3人。俺も最初はただの転校生かと思った。だが、こいつらの経歴を見てわかった。ただの高校生じゃないってことをな」

 

さっきのうすら笑いを浮かべた表情とは違い、とても真剣な表情で話していく坂本。

コイツ……。気づいたのか?

 

「まず、佑野春真、佐藤夏樹。こいつらは『神の頭脳』だ!」

『なんだって!?』

 

教室が驚愕と困惑に陥る。そんな光景を俺と夏樹はやれやれといった表情で見ていた。

『神の頭脳』。『戦略の右脳』(俺)、『知識の左脳』(夏樹)の2人組のことで、『悪鬼羅刹』と並ぶ『文月四大死凶』の一角。……と言われてはいるが、実際は不良グループを解散させただけだ。尾ひれ付きすぎ。何が『神の頭脳』だオイ。

 

『おい、俺たち殺さるんじゃないか……?』

「アホか」

「何その噂……」

 

『神の頭脳』は殺人鬼じゃねっつの。

 

「でも、そんな構えなくてもいいわよ……?」

「そうだな。普段どうりで構わねぇさ」

『死ねリア充』

「…………許す」

「春真、握り締めた手から血がでてるわよ」

 

何だこいつら。コロッと態度変えやがって。

 

「次に天田遊星。こいつは、『二重』だ」

『『『納得』』』

「もっと驚いてよ!」

 

『二重』。二重人格を持った少年のことで、表の顔は好少年だが、裏の顔は残虐無比の性格の鬼。もちろん『文月四大死凶』の一角。……裏の顔なんて一回しか見せたことないのに、どんだけ広まってんだコレ。

 

『表の顔が優しいってのが当てはまるしな』

『身長が小さいって聞いたし』

「いや~。有名人は辛いね~。ね?春真?」

「振るな。しかも嬉しくねぇ」

 

ニヤニヤすんな。もう少し恥じらいという概念を持て。

 

「こいつらを使い、まずはDクラスを制圧する!明久、宣戦布告に逝ってこい」

「嫌だ!字が違う!」

 

宣戦布告。確かに、下位クラスの使者は酷い目に合うって漫画であるよな。

 

「大丈夫だ明久。俺が大切なお前を見捨てるわけないだろう?」

「……そうだね。僕行ってくるよ!」

「ああ逝ってこい明久!」

 

キラキラした目で教室を飛び出していく明久。完全に騙されたなアイツ。

それより、

 

「お前らそういう関係だったの?引くわー」

「違うわ!」

 

『大切なお前』とか言っちゃって。ドン引きですわ。

 

「まあ、確かに大切だな。……大切な生贄として、な」

 

その時の坂本は、俺が悪巧みをしている時のようなとても良い笑顔をしていた。




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