インフィニット・ネオス(パイロット版)   作:まゆはちブラック

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第1話(仮)『光の国からの超戦士』 2/2

 

「えっ!?事故っ!!?」

 

 

 眼鏡をかけた小柄な女性教師の驚愕の声が教室中に響き渡る。

 ここはIS(アイエス)学園。女性にしか扱えない、兵器としてはオーバーテクノロジーであるISの取引の規定、及びISの技術を独占的に保有していた日本への情報開示と知識共有を定めた『アラスカ条約』に基づき、設立された学園だ。

神楽がする新入生徒となる予定の学校でもある。

 

 小柄な女性教師の名前は山田(やまだ) 真耶(まや)。1年1組の副担任で、容姿は生徒たちとそれほど変わらず、服はサイズが合っていないのかダボっとしており、幼い印象を受ける。

 だが、その見た目に反して、胸は大きく膨らんでいる。まるで服の下にバレーボールを入れているように不自然なほどの膨らみを持っている。

 

 

「山田先生。声が大きい……」

 

「あっ!す、すみません……!」

 

 

 驚く彼女に対し、「しー」と口の前に人差し指を当てる鋭い目をした女性教師。

 彼女の名前は織斑(おりむら) 千冬(ちふゆ)。世界中のIS操縦者の中でも、数多くの怪獣を退治した世界トップクラスとされる実力者である。

現在は現役を引退しており、若き操縦者を育成するため、このIS学園で教鞭をとっている。

 

 謝る真耶だが、もう時遅く、ばっちり聞き取っていた女子生徒たちは周囲はざわついていた。

申し訳なさそうにあわあわする真耶に対し、千冬は額に手を当てて嘆息をつくと、小声で話を続ける。

 

 

「……病院から連絡がきた。ここに向かう途中、怪獣被害に遭ったようだ。アパートにいる子どもと仔犬を助けるために、自分を犠牲に――」

 

「そんな!?死んじゃったんですかッ!!?」

 

 

 驚愕した真耶は先程よりも大きな声が飛び出してしまう。呆れた顔をした千冬を見て、真耶はハッとなり、申し訳なさそうに口元に手を抑えるが、周囲に更なる情報を与えてしまった。

 

 

「えー!まだ来てない子、死んじゃったって!」

 

「せっかくの入学なのに………」

 

「もしかして、もう1人の男子じゃない?」

 

「イケメンだったのかなー?」

 

「よしなよ。そんなこと」

 

 

 ざわざわと女子生徒の雑談が飛び交う。ああじゃないかとこうじゃないかと、事実から想像へと話はシフトしており、話し声は教室中を覆うように盛り上がっていた。

この止めようにも止められない状況から真耶は縮こまる。

 

 

(俺以外の男子、どんな奴だったのかな………)

 

 

 先頭の席であぐらをかく男子生徒――織斑 一夏(いちか)は傍観しながら、まだ見ぬもう1人の男子生徒を想像していた。

 彼は男性でありながら、ISを動かせた初のIS適合者である。苗字からわかるように、千冬とは姉弟の関係だ。

 

 ――男性でありながら、ISを動かせた。この衝撃は瞬く間に世界に波紋を呼び、半ば強制的にこのIS学園に入学した。それに伴って、世界中で10代の男性を対象にIS適正検査を行った結果、神楽も入学する流れとなった。

人類の自己進化ではないかと唱える学者もいれば、ダークマターのアンバランス現象がもたらした産物と唱える学者もいるが、真相は不明だ。

 

 

(さて、どうしたものか……)

 

 

 千冬は神楽のことについて生徒たちにどう上手く説明するか言いあぐねていた。

教師の立場としては今後のスケジュールもあるので、これ以上神楽についての話題を引っ張るわけにはいかないのでさっくり説明して切り替えたいのだが、年頃の女子が素直に聞いてくれるかわからない。

真耶が声を漏らさなかったら良かったが、後悔しても遅い。そもそも、別室なり廊下なりで話すべきだった。

 

 ――とにかく丸く収めよう。そう思い、教壇に立ったときだった。

 

 

「遅れてすみません!」

 

 

 その明るい元気な声と共に、教室の戸が開かれた。

誰だ、と全員が声のした方向を見た瞬間、千冬は目を丸くした。

 

 何故なら、今まさに病院から訃報連絡があった神楽が立っていたからだ。

 制服がスス塗れになっているものの、それ以外は何もない。シーンと静まり返った教室中を物珍しそうに見回していた。この様子に千冬は絶句し、真耶に至っては、死人を見るような目で固まっていた。

 

 好奇心に心奪われていた神楽だったが、すぐに気を取り直すと、ペコリとお辞儀する。

 

 

「すみません。大怪我負っちゃって………」

 

「待て、本物か?」

 

「え?嫌だなぁ~~、俺を宇宙人だと思っているんですか?2000年11月22日生まれ。住所は東京都S-U7番地の一軒家。両目の視力は右2.5、左2.5。座右の銘は『当たって砕けろ』」

 

「……本物のようだな」

 

 

 怪訝な目を向ける千冬だったが、自分の立場が危ういにも関わらず余裕そうに話す神楽を見て、疑うのをやめる。

緊張感なく誰とでも話せる、何より彼をIS学園入学を手伝ったのは彼女自身だからだ。以前、実際に会っているので、間違えるはずがない。

 

 にこやかに話していた神楽だったが、千冬の隣にいた真耶の様子がおかしいことに気付いた。目は眼球が飛び出そうなぐらい開き、口は拳1つ入りそうなくらいあんぐり開いていて、身体全体が凍らされたように固まっていた。

 疑問に思った神楽はそっと尋ねる。

 

 

「あのー?どうしたんですか?」

 

「い、い、い……」

 

「い?」

 

 

 

 

 

 

 

「生き返ったぁぁーーーーッ!!?」

 

 

と、真耶は絶叫すると、ビターンと床に打ち付ける音を立てて、仰向けに倒れた。

驚いた神楽が見下ろすと、目は白目を向いており、口は泡を吐いている。目の前で死んでいたと思われていた生徒が五体満足で元気にいる姿に精神をやられ、完全に気を失ってしまったのだ。

 

 突然、気絶した真耶に困惑する神楽だったが、静まり返った周囲の視線がささる。

新入生訃報から一転、その生徒が蘇り、副担任が気絶する。次から次へと起こる出来事に、他の生徒たちは出る言葉もなかった。

 

 周囲の微妙な空気を感じ取った神楽は真耶のことは一旦置いておき、気を紛らわすことに方向転換した。

 神楽は千冬に代わって教壇の上に立つと、まっすぐ姿勢を正して敬礼しながらこう言った。

 

 

「颯 神楽!ただいま到着しました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リタイアした真耶に代わり、千冬がSHR(ショートホームルーム)を終えると、IS学園は休み時間に入っていた。新入生にとっては緊張感高まる時間が終え、ひとときの安息の時間でもあった。

 

 周囲が自由に席を立って雑談を交わしている中、新しい制服に着替えた神楽は机にあぐらをかいて、ぼんやりと窓から見える景色を眺めていた。

 というのも朝から怪獣災害に巻き込まれたり、子どもと仔犬を助けた際に死んだと思ったら何事もなく病院のベッドで目覚めたりと、色々なことが起きすぎて脳が疲れていた。もし手元にチョコレートがあるのなら、躊躇わず口へ運びたいくらいだ。

 

 

「ねぇーあれが二人目?」

 

「至って普通ね」

 

「でも、背高いよね。180センチはあるよー」

 

「生き返ったって本当?」

 

「さしずめ、”不死身の男”ってことかしら?」

 

「凄いよね~」

 

 

 それに周囲のひそひそ話。女子生徒たちは動物園のパンダのように珍しそうに神楽を見ており、中には他のクラスの生徒もいた。

 面と向かって言われるのは構わないが、陰でコソコソ言われるのは心に来るものがある。外の景色を眺めているのは、そんな周囲の視線から紛らわすためでもある。

 

 

「よお!」

 

 

 そんな彼に声をかける人間が1人。神楽が顔を上げると、目の前には自分以外の男性のIS操縦者である一夏が握手と手を差し出していた。

 一夏のことは神楽はニュースや新聞で連日取り上げられているので知っている。彼にIS適正があると発覚して、神楽の運命は変わったのだ。神楽は握手に応じると、椅子から立ち上がる。

 

 

「俺は織斑 一夏。颯 神楽……でいいよな?よろしくな!」

 

「よろしく!俺、神楽でいいぜ。あんまり他人行儀なの好きじゃなくって」

 

「そうか……俺も一夏でいいぜ。神楽」

 

 

 軽く自己した神楽と一夏は再度握手を交わす。

 ――仲良くなれそう。2人は握手から伝わる感触から、上手くいきそうと直感した。

 

 

「いやー周りが女子だらけだからさ、気が抜けなくって……」

 

「わかるよ。でも、他に同じ男がいて少しは気が楽になった。同じ男性操縦者同士、仲良くしよう」

 

「ああ!………そういや、一回死んで蘇ったと聞いたけど、マジ?どうやって生き返ったんだよ?」

 

「いや、それがさぁ……あんまり覚えてなくって。自分が死んでたってのも実感が湧かないし、どうやって生き返ったのも知らないんだよ。後から聞いたけど、完全に心肺停止してたらしくて」

 

「何だそりゃ?まるで不死鳥みたいだな。ま、怪獣もいるし、おかしい話でもないか」

 

 

 それもそうだな、と笑みを返す神楽。神楽はネオスと同化したことによって蘇ったことなど知らないが、特に気にしてなどいなかった。

今、地球は怪獣を始めとした常識を超える出来事が次々と発生している。死人が蘇るなんて話があってもおかしくはないのだ。

それに、男子である一夏と神楽がこうしてIS学園の生徒として入学している。つまり、一々気にしたら負けなのだ。

 

 

「……ちょっといいか?」

 

「「ん?」」

 

 

 すっかり意気投合した2人が談笑していると、呼びかける声が。

 話を止めた2人が振り返ると、黒髪の長髪をポニーテールにした、凛々しくも美しい少女が立っていた。

 大和撫子と言うのが正しいだろうか……日本人特有の黒髪は日の灯りを受けててらてらと輝いており、仏頂面ではあるが顔は整っており、胸も同年代の女子のそれよりも豊かなものであった。

 

 しばらく膠着していた2人だが、すぐに一夏が彼女の顔を見て、あっと思い出したのように声をあげる。

 

 

「……あ!(ほうき)!久しぶりだな~!」

 

「馬鹿。声がでかいぞ……」

 

 

 記憶にいる誰かとわかった途端、一夏は少女――箒ほうきへ懐かしそうに周囲のことを気にせず話しかける。当の本人はあまりの声量に周囲の視線が気になるようだが……。

 2人だけの空間に取り残された神楽が首を傾げていると、気付いた一夏は箒を紹介する。

 

 

「神楽、紹介するよ。こいつは篠ノ之(しののの) 箒。俺の幼馴染で、小さい頃、一緒の道場で剣道をした仲だよ」

 

「そーなのか。俺は颯 神楽、よろしく!」

 

「……ん?ああ、よろしく頼む」

 

 

 自己紹介を兼ねて挨拶を交わす神楽と箒。

 しかし、箒は神楽よりも一夏と話したそうで、そわそわと僅かに肩を揺らしていた。そのことに気付いた神楽は一夏に告げる。

 

 

「ちょっと食堂で飲み物買ってくるから、後は2人で話してていいよ」

 

「ん?おう、そうか」

 

 

 一夏の気の抜けた返事を聞いた神楽は席を離れると、教室から廊下へと出た。神楽が教室を出たのを見届けた箒は一夏を連れ出すと、廊下を出て、校庭の方へ出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あちゃ~……しくったな……」

 

 

 食堂へとやって来た神楽だったが、財布の中身を見て困り果てていた。食堂の飲料水が売ってある冷蔵庫の前まで来たのはいいが、肝心のお金が足りなかったのだ。

 手持ちの金額はここに来るまでの交通費で大半を使い切っており、今はたったの90円しかなかった。買いたい180mlの天然水は100円で、ケースに並んでいる飲料水の中では一番安い。小型のパックの牛乳なら85円で買えるが、喉を潤したいのに逆に喉が渇くのは逆効果だ。

 

 

(どうしよっかな~……わざわざ食堂の水を使うのも気が引けるし……)

 

 

 食堂で食事をしないのにも関わらず、据え置きの飲料水を利用するのはコンビニで買い物をせず、トイレだけ借りる客のように失礼だ。

 

 

「やほー♪はやて~ん」

 

 

 我慢するか……そう考えていた矢先、間延びした声が話しかけてくる。振り向くと、ダボっとした長い袖を垂らしている緩い雰囲気の女子生徒に、隣には紫がかった髪色のショートボブの女子生徒と赤茶色の髪を2つおさげにした女の子がいた。

 何だろうと神楽が思うや否や、のほほんとした女子はニッコリとした笑顔で神楽の手をダボっとした両手で握ると、ぶんぶんと上下に激しく握手を交わす。

 

 

「同じクラスの布仏(のほとけ) 本音(ほんね)だよ~~。よろしくね~~」

 

「お、おう。よろしく……というか、”はやてん”って何?」

 

「颯って苗字だから、”はやてん”だと思うよ」

 

「気にしないで。この子、ちょっと変わってるのよ」

 

 

 本音の勢いに神楽は若干押されながらも尋ねると、赤茶色のおさげの女子と紫がかったショートボブの女子生徒が補足する。ちなみに彼女らはそれぞれ、谷本(たにもと) 癒子(ゆこ)相川(あいかわ) 清香(きよか)。神楽と同じ、1年1組のクラスメイトである。

 

 

「おやおや~?何やら、お困りのようですな~」

 

「ん?ああ、お茶を買いたいけど、お金が足りなくって……。でも借りるわけにもいかないし……」

 

 

 尋ねてくる本音に神楽は渋い顔をしながら答える。出来ればお金を借りたいのだが、クラスメイトとはいえ、初対面の人間にそうそう貸す人間はいない。

 半ば諦めていると、相川が問題ないといった顔で言う。

 

 

「それなら安心だよ!うちの学校は学生証に入ってるポイントで買えるから!」

 

「え?」

 

「毎月、学生証の中に入ってるICチップに自動で校内で使えるデジタルマネーを貰えるよ」

 

「更に更に、授業の成績に応じてボーナスポイントを貰えるんだよ~~。近くのパネルにかざしてみて~~」

 

「そーなのか……ありがとう!」

 

 

 彼女に続いて谷本、本音が補足する。

 セールスのような言い方が気になるが、理解した神楽は笑顔で感謝を告げると、学生証を取り出す。

手帳型の学生証は配布されたばかりなので傷1つなく、少し開くと、入学前に撮った証明写真と共に学生情報が書かれたページが見える。寝起きに撮ったので、寝癖があちこち立っている。

 

 もう少し整えてから撮れば良かったと思いながらそのページを閉じると、陳列している天然水から一本取り、学生証を冷蔵庫の備え付けてあるパネルにかざす。

 すると、「チャリン」と音が鳴り、小型のモニターに『BALANCE:4900』と残高が表示された。どうやら、これで会計が終わったようである。

 

 

「へぇー、もう済んだんだ。便利だな~~」

 

「時代はキャッシュレスだからね~~。スピーディー&スマート」

 

 

 間延びした声で発する本音の意見に、他の女子2人もうんうんと頷く。

 神楽が暮らしていた地域はさほど近代化に遅れてはいないが、環境は田舎に近い。お年寄りも多いので、キャッシュレスでやり取りする場面はあまり目撃したことがなかった。

 ISもそうだが、怪獣が出現してからの科学は著しく進歩している。その一端を目の当たりにした神楽は関心しつつ、ボトルを開けて天然水を口へ運ぶ。渇いた喉に冷たい水が流れ込み、一気に潤いをもたらす。

 

 喉を潤した神楽はほっとひと息つきながら、ふと考えていた。

――払わなくても大丈夫、と。

 

 自動販売機のように払ってから商品が出るわけでもない。周囲には確認するらしき人間もいない。

そんな悪知恵が浮かんだが……

 

 

「あっ!盗もうとしても、センサーでばれるから注意してね」

 

 

と、谷本のひと声であえなく玉砕する。

 IS学園は全IS機関でも最高レベルの設備を誇っている。当然、セキュリティがそれに匹敵するくらい強固なのは、少し考えればわかることだった。

 

 

(真面目に過ごそう……)

 

 

 人間、誠実に生きるのが、何より一番。

頭にもやのように浮かび上がっていた黒い欲望を胸の奥にしまい、真っ当な学園生活を過ごすと誓ったときだった。

 

 

ボォオオオォォ……!

 

「……ッ!」

 

 

 微かな音。急に怪獣の鳴き声が神楽の耳を通り、脳に入ってくる。

怪獣の鳴き声からして、自分が通学途中で出くわした怪獣と同一個体であることがわかる。

怪獣の鳴き声と共に土を掘るような音が段々とこちらへと近付いてくる。明るい表情から一変して、深刻になった神楽を見て、本音が心配そうに顔を覗かせる。

 

 

「はやてーん。どーしたの~?」

 

「怪獣だよ!地中からこっちに向かって迫ってきてるんだ!!」

 

「怪獣?何も聞こえないよ?清香、聞こえた?」

 

「ううん……全然」

 

「私も聞こえなーい」

 

 

 神楽は怪獣が接近していることを伝えるが、谷本、相川、本音もおかしそうに首を傾けるだけだった。

 

 

「早く、ここから避難しないと!!」

 

「颯くん、きっと怪獣と出くわしたショックで幻聴が聞こえるんだよ」

 

「そうだよ。怖いのは仕方ないよね」

 

「元気出して~」

 

(どういうことだ……?他の皆に聞こえないなんて……。俺の身体はどうなってしまったんだ………?)

 

 

 なおも神楽は進言するが、3人は全く信じない挙句、逆に励まされてしまった。彼女たちの様子からふざけているわけではなく、どうやら本気で聞こえない様だった。

 神楽は初めて、自分に起こった異変に疑問を持った。

 

 その間にも怪獣は進路を変えながら地中を突き進んでいく。深い地層をモグラの比ではないスピードで掘っていく。

 そして、怪獣は進路を校庭へ定めると、真っ直ぐ地表目掛けて向かっていく。

 

 

(不味いッ!)

 

 

 怪獣の進路を突き止めた神楽は青ざめる。校庭にはまばらながらも人が何人かいる。このままでは怪獣の餌食となってしまう。

 

 

「絶対に外に出たら駄目だよ、いいね!」

 

「え?神楽くん?」

 

 

 こうしてはいられない。神楽は3人に去り際にそう告げると、校庭へ向かうべく、食堂から走って出て行った。

 対する3人はポカンとした顔で見合うばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーー本当に懐かしいな。6年振りだよな」

 

「そ、そうだな……」

 

 

 その頃、校庭では、一夏と箒が一角にあるベンチに座り、思い出話に花を咲かせていた。

 校庭は学園の敷地とは思えないほど広く、自動販売機やベンチ、舗装された道に緑豊かな木々の数々。中央にはこれまた大きな池が広がっており、噴水が出ていた。市民公園といっても差し支えないほどの設備がなされている。

 

 太陽の光を受けて、池の水面はキラキラと宝石のように輝いている。それが独特の空気を生み出し、数年ぶりの再会を果たした幼馴染の会話を弾ませる。

 開放的な一夏に対して、箒は表情が硬いままだったが、内心は安らいでいた。

 

 

「去年、剣道の全国大会、優勝したってな」

 

「……何でそんなこと知ってるんだ?」

 

「”そんなこと”って、新聞で見たし……とにかく、おめでとう」

 

「~~ッ!?」

 

 

 一夏に褒められた箒は言葉を詰まらせ、そっぽを向く。決して不機嫌になったのではなく、嬉しさのあまり、つい顔がにやけてしまったのだ。その顔を見られたくないあまり顔を隠すようにそっぽを向いたのだ。

 

 だが、一夏には「触れてはいけなかったのか」と変に誤解された。幼馴染とはいえ、触れてはいけない言葉もある……。

 誤解したまま、一夏は別の話題に切り替えた。

 

 

「色々変わったから一瞬わかんなかったけど、すぐ箒ってわかったぞ」

 

「?」

 

「ポニーテール。昔と同じ髪してたから」

 

 

 そう言って一夏は首を傾げる箒のポニーテールを指差す。6年前、彼女が引っ越す前まで、今と同じ緑色のリボンで結んでいたことを覚えている。それが彼女のトレードマークだったことも。

 向き直した箒は自身のポニーテールを触る。表情はどこか嬉し気で小動物を愛でるように髪を撫でていた。自分を覚えていたことが嬉しかったのだ。

 

 気を取り直した箒は再び仏頂面になると、男勝りの口調で返す。

 

 

「……よく覚えていたものだな」

 

「いや、幼馴染を忘れるわけないだろ?何年の付き合いだと思ってるんだ」

 

 

 当たり前だろといった顔で返す一夏。長年離れていたとはいえ、幼少期から同じ道場で剣道をしていた仲だ。忘れるはずがなかった。

特に意味のない、純粋な意見なのだが、箒には十分嬉しいことであり、にやける顔を隠すためにまたそっぽを向く。

 

 ――また不味いこと言ったのか。複雑な乙女心を理解できない一夏が困惑していたそのときだった。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!

 

「きゃっ!?」

 

「箒!」

 

 

 突如、地鳴りと共に大地の揺れが襲う。バランスを崩し、ベンチから転がり落ちる箒を一夏は彼女を覆い隠すように伏せる。

 校庭の地面からは大量の土煙と土砂が巻きあがり、地底から怪獣が太陽の日の下に姿を現す。

 

 

ボォオオオォォ……!

 

 

 地上の空気を吸った怪獣は凶暴な本能を剝き出しにし、雄叫びをあげる。

 煤竹色のぐんにょりとした身体、ぼこっと鼻先に青い目、そして、口はだらしなく開きっぱなし。地底怪獣 デットンがその姿を現したのだ。

 

 デットンは口から火を吐き、植物を燃やし、巨大な足で建造物を踏み潰す。

 神楽が予感していたことが現実となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さーん!早く避難してくださーーい!」

 

 

 真耶たち教員は逃げ惑う生徒たちを呼びかけながら、校内の地下シェルターへ避難誘導していた。

 一夏の姉、千冬はその筆頭となって、異常事態の対処に徹していた。

 

 

ボォオオオォォ……!!

 

 

 その間にも、デットンは破壊活動を手を休めない。吐いた火球によって、地面は燃え盛り、春風のように澄み渡る学園は今や、黒い煙が舞う戦場と化していた。

 避難活動をしながらも、暴れるデットンを見て、千冬は分析する。

 

 

(……あれはデットン。テレスドンの同族で、霧吹山に生息しているはずだが……食物がない野生動物のように降りてきたのか)

 

 

 千冬の推測は正しかった。本来、デットンは霧吹山に生息している怪獣で、凶暴ながらも人里に近付くことはなかった。

 しかし、ダークマターの影響で食べるものが無くなり、腹を空かした結果、腹を満たすために人里へと降りてきたのだ。口が開きっぱなしなのは、飢餓に苦しんでいる証拠であった。

 

 新入生にとっては花のような舞台であったのにも関わらず、地獄へ突き落された。地下シェルターに身を潜めている女子生徒は怯えており、中には泣いている生徒もいた。

 この現状に千冬は内心業を煮やしながらも、真耶に避難確認を取る。

 

 

「山田先生!1組は全員いるか!?」

 

「いえ!まだ、織斑くん、篠ノ之さん、颯くんがいません!」

 

「何ィ?」

 

 

 真耶からの避難報告に千冬は眉をひそめる。3人とも、自分が受け持つクラス、しかも中には自分の弟がいる。

政府軍に救援要請を出したが、すぐに来るとは限らない。自分が助けに行きたいが、緊急時の全権利を任されている以上、容易に動くわけにはいかない。

 

 

「私、探してきます!」

 

「頼みます」

 

 

 千冬の思いを汲み取った真耶は颯爽と名乗り出ると、3人を探しにその場を駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、神楽は校舎を抜け、校庭を走っていた。周囲にはまだ逃げ遅れた人々が降り、彼らを助けながら、デットンの方へ向かっていた。

 ――急がなければ。ISすら持っていない自分には何も出来ないことはわかってはいるが、デットンを倒さなければならないという使命感が脳を駆け巡り、客観的な視点を置いてけぼりにしていた。

 

 

「あっ!」

 

 

 噴水のある池付近に到着したときだった。神楽は目の前の光景を見て、目を丸くする。

 2人組の男女――一夏と箒だった。どうやら箒が腰を抜かしてしまったようで、一夏がおぶっているが、そのせいで足が遅れており、迫ってきているデットンとの距離が段々と近付いていた。

 

 ――このままだと、踏み潰される!そんな危機感が電流の如く、背中に走ったときだった。

 

 

『颯 神楽……戦うときがきた』

 

「ッ!?誰だ!俺を呼ぶのは!!」

 

 

 突如、脳内に自分を呼ぶ声が響き渡る。驚いた神楽は、自分が聞いたことがない声の主を探そうと周囲を見回すが、それらしい人影はどこにもなかった。

 謎の声は再び、神楽に呼びかける。

 

 

『エストレーラーを使え…………エストレーラーを掲げ、私の名を叫ぶのだ』

 

「何だよ!?エストレーラーって………これか?」

 

 

 脳内から聞こえる声に恐怖すら覚える神楽だったが、右手に妙な感触が伝わる。

 右手に視線を送ると、いつの間にかカプセル状のアイテムを掴んでいた。カプセルは縦長の青色クリスタルが中央に位置し、上下の先端が尖った黄色のクリスタルでできた奇妙で不可思議な形状をしていた。

 戸惑う神楽だったが、2人が危ない。迷ってる暇はなかった。

 

 

ウルトラマン・ネオーーーースッ!!!

 

 

 謎の声に導かれるまま、エストレーラーを空高く掲げて光の戦士の名を叫ぶ。

 すると、エストレーラーから発する太陽の日差しのような眩い光に神楽は包まれ、光の巨人へと変身した。

 

 

ヘェアァァーーーッ!!

 

ボォオオオォォ……!?

 

 

 神楽が変身した光の巨人は空高く飛び上がると、宙で一回転。回転と落下の勢いを利用した片足キックをデットンの頭部にお見舞いする。

直撃したデットンは突然のことに対応できず、困惑した鳴き声を発しながら後ろへ吹っ飛ぶ。

 

 

「織斑くーん!」

 

「あ!山田先生!」

 

 

 一方、一夏は無事、捜索に来た真耶と合流した。箒はもう大丈夫らしく、一夏の背中から降りていた。

 

 

「………とにかく、ここを離れましょう」

 

 

 真耶は切れた息を整えながら告げると、2人を連れて地下シェルターへと向かっていった。

 

 

……ッ

 

 

 神楽は自分の身に起きたことに驚いていた。自身の身体を見ると、身長は60メートルほどの巨体となり、周囲の建物がミニチュアに見えるほどだった。

池の水面に映る自分の顔は鉄仮面のように無機質になっており、体色は銀色に火星のような赤いラインが走っている。胸元にはカラータイマーが青く輝いている。

 

 

ボォオオオォォ……!!

 

……ッ、フッ!

 

 

 困惑していた神楽だったが、起き上がったデットンの鳴き声を耳にして、腰を低くして身構える。

 邪魔されたデットンは怒り狂っており、開きっぱなしの口からよだれをダラダラと垂らしている。

 

 M78星雲の宇宙人から、その命を託された神楽はエストレーラーでウルトラマンネオスに変身した。

 マッハ30で空を飛び、強力なエネルギーであらゆる敵を粉砕する無敵の男となったのだ。

 

 それ行け!我らのヒーロー!

 

 

フゥアッ!!

 

ボォオオオォォ……!

 

 

 神楽――ネオスは若さ溢れる爽やかな声を発すると、大地を蹴って、駆け出す。

 デットンに体当たりを喰らわせて怯ませると、すかさず、右手のチョップで肩、胸元に叩き込み、左回し蹴りを頭部に放つ。

エネルギッシュ溢れるネオスの連続攻撃にデットンは横にすっ飛び、池に落ちる。バシャーンという音と共に水飛沫が舞い上がる。

 

 攻撃の手を緩めないネオスは池に飛び込んで、デットンの上に伸し掛かる。

組み合った両者はゴロゴロと水飛沫を散らしながら転がると、ネオスが上に跨る。そのまま、パンチやチョップを叩き込む。

 

 

シャッ!!

 

ボォオオオォォ……!?

 

 

 飛び退いたネオスは両人差し指、中指を立ててチョキのような形にして、額のブロウスポットに携える。

青緑色のブロウスポットから黄金色の細長い光線が発射され、まだ起き上がれていないデットンの胸元に命中。爆発した後、火花を散らす。

 

 数多くのウルトラ戦士の中でも最速の戦士と呼ばれるネオス。エリートの名は伊達ではなく、目にも止まらぬ攻撃は怪獣を翻弄する。

 

 勢いがついたネオスは更に追い打ちをかけようと飛び掛かるが――

 

 

ボォオオオォォ……!

 

ウゥアァッーーッ!!?

 

 

 デットンの口から放たれた火球に阻まれる。胸元に直撃したネオスは火花を散らして後方へ吹き飛ぶと、大地に身体を打ち付けながら転がっていく。

 

 うつ伏せの姿勢で倒れたネオスにデットンは近寄ると、仕返しとばかりにその銀色の身体を踏みつける。

何度も何度も蹴られ、痛みと共にネオスの銀色の身体は埃塗れになっていく。

 

 

……ゥウゥアッ!

 

ピコ

 

 

 デットンの反撃に苦悶の声を漏らすネオス。胸元に輝くカラータイマーの色が青から赤に点滅し始めた。  

 ウルトラマンネオスは地球上ではおよそ3分間しか活動が出来ない。もし、その光が消えてしまったら、ネオス――神楽の死を意味する。

 残された時間はあと30秒だ!頑張れ!

 

 

ハァーーーッ!!

 

ボォオオオォォ……!?

 

 

 奮起したネオスは右手で拳を作ると、デットンのぼこっと盛り上がった鼻先が近付いた瞬間、それを力一杯殴りつける。熊などの猛獣を撃退するときは、防御が薄い鼻っ面などを攻撃すると良いという。

 怪獣も災害クラスの力を持っているものの、生物は生物。急所に激痛が走ったデットンは悲鳴が混じった鳴き声を出すと、両手で鼻を抑えながら後退する。

 

 好機を見出したネオスは起き上がって、空高く跳躍。宙で一回転すると、ドロップキックをデットンの胸元に炸裂させる。

 着地したネオスは続けて、大きく後方へ倒れたデットンの尻尾を両手でしっかり掴むと、ハンマー投げのようにその場でブンブンと回り出す。一回転、二回転、三回転……と回るにつれて勢いが増していき、足元から土埃が竜巻のように舞うほどだった。

 

 

――ハァァァ………フゥアァーーーッ!!!

 

……ボォオオオォォ……!!?

 

 

 勢いをつけたネオスは力一杯にデットンを投げ飛ばす。飛んでいったデットンは勢いのあまり、学園の敷地どころか陸地を飛び越え、近くの海へ叩き付けられる。

 バッシャァーンと大きな音と共に水のコンクリートへ叩き付けられた衝撃は鋭くデットンの身体を痛め付け、苦悶の声をあげる。

 

 

ボォオオオォォ……

 

 

 よろよろと起き上がるデットン。三半規管を乱された身体はデットンの闘争本能に反して言うことを聞かず、立っていられるのがやっとだった。

 

 

シャァァーーーーーーーッ!!!

 

 

 すかさず、ネオスは両拳を握り締めたネオスは縦にした左腕に右腕を交差させ、両拳を開くと同時に両手を胸の前でX(エックス)の字にすると、黄金色に輝くV字型の光線を両腕上腕から発射する。

ウルトラマンネオス最大の必殺光線――マグニウム光線だ。

 

 

ボォオオオォォァアア……ッ!!

 

ドガガガガァァーーーーンッ!!

 

 

 マグニウム光線を受けたデットンは悲鳴を上げた後、爆裂四散した。

 デットンの肉片が四方八方に飛び散り、海底へ沈んでいく。

 

 

『やったーーーッ!!』

 

 

 学園の地下シェルターからは歓喜の声が上がる。穏やかな春の学園を脅かす地底怪獣が消え去ったことに喜びを隠せなかった。

 

 

ピコ

 

……シャアァァーーーーーーークッ!!!

 

 

 腰に両拳を当てて、胸を張って逞しいポーズを取った後、ネオスは両手を天高く上げて、大地を蹴って、空を飛ぶ。

 そのまま遠い空へとジェット機の如く飛んで行き、あっという間に姿が見えなくなった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、誰も目がつかない場所で変身解除した神楽は何事もなかったように皆が待つ地下シェルターへと戻った。

 当然、千冬に問い詰められたが、物陰に隠れていたと誤魔化し、幸い、注意だけで済んだ。その後に控えてある新入生向けのスケジュールは無事終わり、一夏と神楽は寮までの帰路を歩いていた。

 外はすっかり夕暮れ刻となっており、校庭の池は夕陽を光を受け、オレンジ色に染まっていた。

 

 

「しっかし、本っ当に不死身だな、お前。あの騒ぎで平気だったなんて……」

 

「はははっ!運が良かったんだよ。これで俺はラッキーマンを超えた、ミラクルマン……いや、”ウルトラマン”かな?」

 

「ハハッ、調子づくなよ~」

 

 

 肩を並べて歩きながら笑い合う一夏と神楽。怪獣の近くにいて傷1つなく平気だったのは最早奇跡としか言いようがなく、教師陣やクラスメイトたちも驚いていた。

 

 しかし、冗談っぽく言っている神楽だったが、どうやってデットンの攻撃からやり過ごしたのかよく覚えていなかった。

 デットンの進行を誰よりも察知し、校庭へ出たのはいいが、そこから先の記憶はなく、次に気付いたら地下シェルターの前に立っていた。いくら何でも変すぎるが、深く考え過ぎるのは良くないと思い、心の奥底にしまっていた。

 

 

「じゃあ、俺、千冬姉に鍵貰ってくるからさ。先に行っていいぞ」

 

「OK。先生が美人だからって、変なことするなよ?」

 

「馬鹿。実の姉にそんなことをするアホがいるかよ」

 

 

 冗談を交えながら話す神楽に一夏は笑いながら返すと、寮とは違う方向へ走っていく。

 走っていく後ろ姿を見送った後、神楽が再び歩き出したときだった。

 

 

『颯 神楽……』

 

「……ッ!」

 

 

 再び謎の声が脳内に響き渡り、足を止める。夢か幻聴かと脳内処理しようとしていたが、神楽自身正気なのは自分のことなのだからハッキリとわかる。これは現実なのだ。

 だが、その謎の声は不思議と恐怖を感じず、暖かさすら感じた。奇妙な感覚に神楽が陥っていると、謎の声の主は語り続ける。

 

 

『……私はウルトラマンネオス』

 

(ウルトラマンネオス?じゃあ、君が……)

 

『そうだ、君は一度死んだ。自らを犠牲にしてまで誰かを助け出す君の勇気を見て、私は感動した。そこで私自身の命を預け、君を生き返らせた……』

 

(そうだったのか……どうりでおかしいと思ったわけだ)

 

 

 謎の声の主――ネオスの話を聞いて、神楽は納得する。死んだと思ったら蘇った生命力、地底から進行する怪獣の音を聞き取る聴覚、そして脳内に聞こえる謎の声。全て繋がった。

 おぼろげに覚えている自分が光の巨人に変身して戦ったのも本当だったのだ。

 

 

『君はもうウルトラマンなのだ。地球の新しい夜明けを築くため、共に戦おう……!』

 

 

 ネオスの言葉を受け、神楽は夕暮れの空を眺める。太陽が地平線へ沈んでいくにつれ、夜空には綺麗な星々がキラキラと輝いている。

 その一角の星――ウルトラマンの故郷、ウルトラの星。美しい輝きをしかりと眼に焼き付ける。

 

 

(”新しい夜明けを築くため”。それが俺の使命……!)

 

 

 新しい命、新しい力。全てを受け入れるにはまだ未熟な彼はウルトラの星に誓うように己に言い聞かせる。

 ――こうして、颯 神楽の新たなる物語が幕を開けたのである……!

 

 

 

 




主人公名とネオスのデザインがOV版準拠へ変更になってます。
主人公のイメージイラストを公開致します。


【挿絵表示】


王道のストーリー、複雑な伏線や過度なキャラ崩壊もない、まっすぐなヒーローのお話を手掛けたいという思いを爆発させ、執筆しました。
ここまでご愛読ありがとうございました。
よろしければ、高評価、アンケートご協力お願い致します。

インフィニット・ネオス(仮)を…

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