予想以上にUA、感想、高評価を頂き、昨夜は変なテンションになって眠れませんでした。初めての作品で、このように多くの方にご覧いただき、応援していただけたことはとても光栄です。
正月にアベマのアニメ全話無料期間で一気見したテンションで書き始めた二次創作で、これから忙しくなって不定期の更新になると思いますが、ご了承ください。
最後に。
アベマは、登録不要ログイン不要で、期間限定(だいたい各アニメ毎に1~2週間)とは言え人気アニメが無料で見放題なのでおすすめです。グーグルで検索すればすぐです。
そして、アニメを見たあなたは二次創作が書きたくなる→私が面白い作品を読める
完璧な作戦ですね。
原作主人公先天的TSもの流行れ(二回目)
TSベルちゃんもTS綾小路ちゃんも好きです(突然の告白)
あの誘拐事件の後、ローズ王女は数日の間俺と共にセイナール伯爵家に滞在し、無事にオリアナ王国へと帰国した。
ローズ王女との日々は、実に楽しく充実したものだった。
すっかり剣術に心を奪われてしまった彼女は、俺に剣の教えを乞うた。勿論、たった数日の間なので基本を教えるに留まったが、それでもモチベーションの高さと生来のセンスの良さは、彼女が将来優秀な魔剣士になることを予感させるものだった。
あの剣に影響を受けたのは俺もまた同様であり、クロエの剣を再現しようと試行錯誤していた。剣だけではない。魔力制御も超一流だった。魔力のない世界で生きていたはずの彼女がこれ程の極致に至っているとは驚くばかりだ。彼女を見ると、これまで魔力制御だと思っていたものが児戯のように思えてしまう。
あの日、俺はただの盗賊相手に、戦えなかった。周囲の大人たちが俺の剣を褒めるのはお世辞だと分かっていたつもりでも、内心驕りがあったのだろう。あの事件は、そんな俺の驕りを見事に粉砕するきっかけとなった。
何より、同い年くらいと思われるクロエが、あれほどの力を有していたのだ。恐らく血の滲む───いや、彼女のことだから文字通り身を削る努力の果てに手に入れた力のだろう。彼女に比べて俺は、圧倒的に覚悟が足りていなかったのだ。
脳裏に焼き付いた彼女の動きを、トレースする。魔力の動きを再現する。
無論、身体・魔力ともに操作する能力が不足しているため、非常にゆっくりな動き───演武になる。
いつしかそれをローズ王女が見守るようになり、最終的には彼女に辛口批評されるという、子弟逆転の形になっていた。しかし、こと芸術に関する感性は恐らく彼女の方が優れている。俺は努力家であることを自負しているが、天才には程遠いと自己評価している。彼女の抽象的な指摘に大人しく耳を傾け、実際に手ごたえを感じていた。
勿論鍛錬だけをしていたわけではない。
あくまで、俺が力を求めるのだってハーレムのためなのだから。
ローズ王女の好感度を上げるために、前世知識で再現した甘い手作りお菓子を振る舞ったり、自慢のセイナール城下町をデートしたり、一緒に音楽を奏でたりした。
俺は前世、一緒に音楽を奏でたい相手がいたため、ヴァイオリンを練習していた。音楽教室の先生からは「努力次第でいずれナンバーツーになれるが、永遠にオンリーワンにはなれない」と微妙な評価を下されたことはあるが、決して下手ではないはずだ。
その努力の成果と、前世の世界の名曲という目新しさもあってか、ローズ王女の興味を引くことはできた。
そんな日々を過ごしているうちに、あっという間に時が過ぎ、オリアナ王国からの迎えが到着した。
俺は、お小遣い全てをつぎ込んで父に頼み込んで仕立てて貰った装飾剣をローズ王女に送った。
鋭さはないものの丈夫で全体のバランスがよく、修練に適した剣だ。鍛冶師ではない俺には理屈までは分からないが、彼女の成長を見越し長く使えるものだと言う。
武器として優れ過ぎず、芸術品としての価値もあるため、魔剣士の町セイナール家から芸術のオリアナ王国への贈り物としては絶妙にマッチしていると思う。
それを受け取ったローズ王女は笑顔で喜んでくれた。
また会おうと約束し、彼女は馬車に乗り込んでいった。
最後に、将来結婚しようと約束をした。彼女は照れ笑いと共にそれを受け入れてくれた。
俺に王女と婚約できるほどの地位も実力もないため口約束レベルでしかないが、それを真実のものにするために努力を続けようと誓った。
それを見ていたオリアナ王国の侍女はすごい顔をしていた。悪いけどその子、剣術堕ちしてるから今後も苦労するだろうけど気を付けて。どこぞの謎のスタイリッシュ盗賊スレイヤーが悪いんです。俺は悪くない(断言)
そんな一幕があり、漸くいつもの日常が帰ってきた。
家族に心配をかけたのもあって、それを取り戻すように家族でゆっくりした時間を過ごした。
俺の生活は少しだけ変わった。
まず、剣術だが、継承されてきた教えと異なる動きを取り入れたことは父にすぐに見抜かれてしまったが、それでも咎められることはなかった。俺より遥かに長い時を剣の道に生きる父もまた、クロエの剣の美しさを理解したのだ。クロエに迷惑を掛けないよう、事件は盗賊同士の抗争ということになっているので、この剣が俺の編み出したものだと言うしかないのは心苦しかったが。
また、魔力制御についても進展があった。彼女の影響を受け、これまで以上に魔力というものに向き合い突き詰めていくうちに、魔力が予想以上の発展性を持っていることが分かった。これにより肉体を急速に回復したり、物に纏わせて念力のように操ったりが可能になった。また、前者の使い方の応用で超ショートスリーパー化し、夜の大半を鍛錬の時間に使えるようになったのは大きな転換点だった。
こうした学びにより、俺の実力はメキメキと上がっていった。それでも天狗になることはありえない。俺はまだあの日のクロエの実力の膝にも届いていない。
時折、俺の強さの秘訣を聞かれることがあるが、俺がクロエから学んだ魔力の極意は誰にも伝えていない。それは彼女の功績だからだ。俺が使わせてもらっている時点で貰いすぎと言っていい。
だから俺はこう答える。
「魔力制御が大切だ。そうすれば強くなれる」
クロエに会う前の俺なら「そんなの当然だ」と思って聞き流していただろう普通過ぎる言葉だ。
例えるなら、現代日本で親が子どもに「勉強しなさい。そうすれば将来の可能性が広がるわよ」と言うくらいのありふれたアドバイス。
だから、多くの魔剣士はそれを聞いてがっかりする。内心では「これだから天才は」などと呆れられているかもしれない。
それでも、顔見知りが死んでほしくない俺は、今日も同じ言葉を言い続けている。
そんなある日。
俺が部屋で深夜の魔力鍛錬に励んでいる最中。
胸騒ぎがした俺は、窓を大きく開いた。冷たい風が体を震わせた。カーテンが揺れ、月の光が部屋に差し込む。
その直後、それは現れた。
「久しぶり。元気だった?」
「急に現れないでくれ。びっくりする」
「ごめんね。でもゆっくり来たら見つかっちゃうじゃん」
「まあそうだけど。取り敢えず、一年ぶりくらいかな。また会えてよかったよ、クロエ」
金のラインが入った頭まで覆う黒衣を身にまとった彼女と、挨拶を交わす。相変わらず飄々とした態度だ。
「うん。私も会いたかったよ、ユージン」
そういう思わせぶりなこと言うのどうかと思うよ。俺の心臓が止まっちゃう。
「それはそうと、閉めようか。寒いし」
「正直私も寒かった」
でも、演出のために我慢してたんだね。かわいい。
「そろそろ顔見せてほしいんだけど、嫌だったりする? ほら、前回も紙袋だったじゃん」
「別にいいよ。はい」
そう言ってフードを上げると、彼女の今世での姿が現れた。艶のあるセミロングの黒髪。前髪は長くて顔が隠れているが、注視するとその整った顔立ちと、ルビーのような美しい瞳が垣間見える。
「前世と変わらず美人だね」
「そう? そっちの方が陰の実力者としての雰囲気でるし、それならよかった」
口説いても柳に風である。勿論本心だが。
「それで、勿論俺は君に会えただけでもうれしいんだけど、用事とかあったりする?」
「うん。君を誘いに来たんだ。実は新発明があって」
そう言った直後、彼女が来ていた黒いマントの一部がドロリと解け出し、剣に形を変える。
「これ、まさかスライム?」
「へえ。よくわかったね。スライムは魔力伝導率99%。つまり魔力の量や制御能力がそのまま攻撃力・防御力になる優れものだよ」
「すごいな。その剣、俺の知っているどんな業物よりも鋭く頑丈だ」
「まあ操作する人の能力次第だけどね」
「伸縮自裁で間合いを無視することや、体中どこからでも剣を展開できることは勿論、何より魔力さえあれば修復可能、戦闘目的に限らず日常の護身具や隠密行動時の暗器としても最適」
「えっ。う、うん。私もそう思っていたよ」
「ロープや傘、調理道具や食器と言った日常の道具にも一瞬にして形を変える。これ一つで万能だな」
「そ、そうそう。これも私の読み通り!」
「すごいよ、クロエ!!」
やはり彼女はすごい。これもきっと常軌を逸した探究の果てに見つけ出したんだろう。流石は俺の想い人だ。だから、今「えっ、そうなの?」というリアクションをしていたのはスルーするね(慈悲)
「私はね。この新発明を君に見てほしかったんだ」
「……俺に?」
それは嬉しい。舞い上がって昇天してしまいそうだ。
「だから、行こっか」
「えっ」
返答する間もなく、俺は腕を掴まれ、空を飛んでいた。
「飛んでる?」
「魔力制御を極めればこんなこともできるよ」
「流石だな……」
「君も、前より強くなってる。頑張ったんだね」
あっ好き。
昇天。
そうこうしているうちに着陸した。
「ここは……廃村。盗賊のアジトか」
「うん。今日はここでスライムボディスーツを実戦で試すから、見てて」
そう言うと、躊躇いなく盗賊の元へ足を進めていく。
盗賊たちは、商隊の襲撃に成功したのだろう。焚火を囲んで宴会をしていた。
「金目のもの、全部出してよ」
突如宴会のど真ん中に彼女は現れる。
「な、なんだぁ、このチビ!」
突如無手の状態で現れた驚いた盗賊が声を上げる。
おいこら、誰がチビだと? 年齢的に仕方ないんだよ、俺の最推しに何言ってやがる。
そんな俺の内心を晴らすように、クロエはその男を蹴り飛ばした。その時のクロエの表情は不機嫌そうだった。モブモードじゃなくて陰の実力者モードの時に悪口を言われちゃ、そりゃ怒るよね。
仲間が蹴り飛ばされたことで、周囲の盗賊たちも
「おい、あんま舐めてっとガキだからって容赦……!」
「せいっ!」
クロエは一瞬にしてスライムで形成した剣を軽く振り、威勢よく声を上げていた男の首を吹き飛ばした。
そのまま剣身を伸ばし、周囲の盗賊を一掃する。
ムチのようなしなやかな軌道に、相手は全く対処できない。一方で使う側にも高度な技術が必要とされるに違いないのだが、それをクロエは涼しい顔でこなしていた。
正直に言うと、殺人に対して俺は忌避感がある。しかし同時に、盗賊が今後
何が正しくて、何が間違っているのか。
この問題について、俺は答えを出せない。安直に出していいものでもない、と思う。
ただ、俺はそんなことを悩む感情まで夢のために切り捨ててしまった彼女に寄り添い、彼女の分まで悩み続けようと思う。
「あれ?」
気が付けば、残りはたった一人。スライムの使い勝手の良さと相手のあまりの歯ごたえのなさに、きょろきょろと辺りを見回すクロエ。かわいい。
「て、てめぇいったい何者だ……?」
「仕方ない、便利機能その二は君で試そう」
「な、何言ってやがる……!?」
「君は少なくともこいつらより強そうだし、ボス的な存在でしょ? 君が私に勝つ可能性は残念ながら無いけど、練習相手になれたら二分ぐらい長生きできるから頑張ってね」
「な、舐めてんじゃねぇぞガキが! 俺はこれでも王都では……!」
「はいそこ、無駄口たたかずかかってきなさい」
「ふざけんなあぁぁぁ!」
煽る煽る。彼女とすれば思ったことを口に出しているだけかもしれないが、突然仲間を全て殺された盗賊頭からすればたまったものではないだろう。しかし、女教師口調のクロエはずるいて。正直そこ変わってほしい。
盗賊頭は怒りの形相でクロエに切りかかる。彼女はそれをわざとその身に受け、衝撃で転がる。
「はは、舐めてるからこうなるんだよ。俺は王都ブシン流の免許皆伝……な、何!?」
「斬れてなーい……ってね」
いきり始めた盗賊の前で、彼女は平然と立ちあがる。王都ブシン流大丈夫? 免許皆伝ガバガバすぎない? 人格のチェックとかもっとさ。まあ術理の方向性はいいだけに勿体ない。
因みに、うちの剣術は、「正統セイナール流」である。速さに重きを置いた剣術だ。
それと、わかってても心臓に悪いから、危ないことしないでほしいよ、クロエ……。ロマンの前には無駄なんだろうけど。
「ブシン流って最近王都で流行ってるらしいね。見せてほしいな」
「くそが、見せてやるよおらぁ!」
スーツの耐久テストが出来て満足そうな顔でクロエは相手を挑発する。
男は冷静さを失って何度も剣を振るが、それを体の動きとステップだけでクロエは交わし続ける。
「お、俺の剣が……何故当たらん!」
「うちの親父より弱いしなぁ。流石に姉さんよりは強いかもだけど、あと1年で抜かれるかな。───何より、彼の足元にも及ばないね」
「クソガキがあああぁぁ!」
それからも一方的だった。
スライムボディスーツのブーツのつま先から棘と生やしてみて便利機能その二「好きなときに、好きな場所から剣を伸ばせる」を実証できて満足した彼女によって、盗賊頭は串刺しとなった。二分は持たなかった。因みに後で聞いた彼女の言う便利機能その一は「伸びる」らしい。
そんな彼女の実証実験を見ていた俺は盗賊の実力に違和感を覚えていた。この前俺とローズ王女が捕まった盗賊はもっと強かったはずだ。少なくとも、今回の盗賊なら、あの日の俺でも圧倒出来た。
あの頃より俺が成長したことで強弱を感じるセンサーがバグっているというわけでもない。寧ろ魔力制御が上達したことで強弱を感じ取る精度も上がっている。
もしやあの盗賊、只者ではなかったのでは?
今になってあの状況の異常性に気づき、更にクロエの株が上がっていくのだった。
「どうだった?」
実証実験を終えた彼女は、フードを外してかわいいドヤ顔を向けながらこちらに感想を求めてきた。
「すごいな。実際に見ても切れ味も剣と遜色ないし、ムチのようにしなるから相手は対処しづらそうだったね。体中のどこからでも暗器のように刃や突起を生み出せるのもかなりの強みだな」
「ふふん、でしょ」
そう言ってクロエは満足げに胸を張る。
「それに、タイムラグが殆どないのは驚いたな。普通の剣なら抜刀の際に必ず腰や背中に
「ふむふむ」
「でも、タイムラグなく動かすには魔力制御の精度が重要そうだね。使い手の発想と技量によって操作性、汎用性が無限に増していく。実に玄人向け、陰の実力者に相応しい武装だね」
「いい事言うじゃん、流石マイベストフレンド!」
超嬉しい! でもベストパートナーと呼んで欲しい!!
俺は再び昇天した。
オリ主が、すごいねかわいいねbotになっとる……。
でも実際TSシャドウちゃんはやってることすごすぎるし、可愛いと思うの。
次回はいよいよ、あの子の登場です。盗賊退治を終えたクロエが戦利品を漁っていると、気になる檻を見つけ……
TSシャドウちゃん豆知識①
このクロエちゃん、オリ主に会いに来る直前にクレアと稽古してコテンパンにされ「ふぇぇ、お姉ちゃん強いよぉ……」とか言ってる模様。かわいいね。
TSシャドウちゃん豆知識②
原作よりヒャッハーしてないのは、オリ主が近くにいるため。オリ主みたいな「イケメン人気者キャラに興味を持たれる謎の多い少女」ムーブを前世からナチュラルに出来ていることは、実は彼女にとっても都合がいい。彼女にとってオリ主は唯一演じずとも「陰の実力者」ムーブができる相手なのである。
シャインくん豆知識①
二話終了時点での実力は、シャドウの3割程度。不要な全てを切り捨て圧倒的な努力を積み重ねて来たシャドウと、女性を楽しませるために様々なものに手を出してきたオリ主との違いが如実に出ている。時間が経つにつれ割合は三割より大きくなるが、絶対的には差が広がり続ける。
例えば、現在のシャドウを100とするとオリ主は三割の30。シャドウが200になったとき時四割の80になるとして、その数値の差は70から120にまで広がっている、というイメージ。あくまで例なので数値は適当です。
シャインくん豆知識②
基本的に常識があり、理性的で情の深い人間だが、ことハーレムに関してだけは頭のネジが吹き飛んでいる。家族が好きで、沢山の家族がほしい。
シャインくん豆知識③
オリ主を誘拐したのは、ディアボロス教団。詳細は不明。ローズは本来一般盗賊に誘拐されていたが、今作ではオリ主を誘拐した教団員が偶然ローズを攫った一般盗賊と交戦になり戦利品として横取りしていた。