「思い出した...」
悲報
忘れてたアレ、夢じゃなかった。
転生した先の世界は謎、死んだらこの場所に帰ってきた以外の情報はなし。
「麗!!大丈夫?」
「大丈夫だよ母さん顔洗ってくる...ひでぇ顔だな...」
取り敢えず情報を整理しよう...
あの自分と同じ姿をしたナニかと話してから目が覚めて、何かこの時間にまで帰ってきた事が分かった。
それ以外に知っている事は...
可愛いヒロインが沢山居て魔法があって現代並みの衣食住が保証されている異世界という事だけだ、でもねこの異世界が自分の知っている世界かどうかなんだよねぇ。
現代物、特にラブコメは見ないから十中八九知らない世界なのは確実だろう。
変な格好をしたヒロインキャラと会った記憶もないし...だめだこりゃ...
ゆるふわキャッキャウフフ世界の可能性はないだろう...それでいて強制リセットがある世界...
こういうのに限って設定が凝ってて上には上が居て逆立ちしてもどうしようもなくて、地道な積み重ねが求められる世界なんだよね。
努力したくない...アニメ見たいしサブカルにもっと触れたい...
さっさと無双して日常に帰るんだ...かわいい美少女を嫁に招き入れて...
だがいくら魔法を探し、情報を集め歴史を調べても何も知れる事はなかった。
そして視界は暗転し、あの時にまで巻き戻る。
何も分からない、ただ一定期間経てば時間が巻き戻って只管に意味のあるか分からないモノを調べての繰り返し。
...何回戻ったか数えるのをやめた頃
ついに転機が訪れた、原因は不明だが電子機器に触れると異常を来す様になった。
それから何回もあの時に戻り、段々と本が読めなくなり言葉が理解できなくなってきた。
そして...
「目が覚めたかい?」
怪しい人物に捕まってしまった...
「...」
言葉が理解できる、体感何十年何百年誰の言葉も理解できなかったから少し新鮮っていうか嬉しいっていうか懐かしい?かな。
「君は魔法使いで間違いないよな?」
「...ゑ?」
俺が?魔法使い?魔法使った事ないけど...
「分かっている、君は最も最近に根源に到達した者なのは間違いないだろう。
神秘に触れ浸り続けた君...非常に興味深い...」
「すみません魔術師って?それに根源って何ですか?
それに神秘を追い続けていましたけど...多分一度触れたっきりで浸ってないですよ?」
一気に進展した...
この男は知っている、俺が何回も戻っていた時にずっと求めていた物を。
「神秘に触れたのに何も知らないし浸ってもいない...何を考えている?」
「ごめん本当に何も知らない、概要は説明できるから一緒に考えて欲しい。
少なくとも俺より人知の及ばないモノに詳しいですよね?本当にマジで疲れてるんでお願いします...」
あの自分の姿形をしたナニかの正体も知れるかもしれない、そうしたら元の世界へ戻れるかもしれない。
「一つだけ質問してもいいかい?」
「うん答えられる範囲でなら何でも答えるよ」
「...いややめておこう」
「いや俺の心構えを無駄にしないでよ...
それじゃ最初から話していくね、まずね夢の世界?に居たんだよ...因みに素っ裸で。」
「真面目にやれ」
人と話すのが久しぶり過ぎて...マジすみません...
「あっはい...
まあ夢の世界に居たのよ、それで神を自称する自分と瓜二つの存在が...ごめん少し記憶が薄れてきてるからもしかしたら変な事を言っちゃうかもしれない。」
「構わない」
「その瓜二つの存在によって異世界に連れていってあげるとか言われて...
可愛いヒロインが沢山居て、魔法があって現代並みの衣食住が保証されている異世界に行きたい!!って言ったんです。」
「貴様ふざけているのか!!」
「真面目に夢見るわけないじゃん何言ってんのアンタ」
「お前こそ何を言っているんだ?魔術において夢は深い関係を持つ、真面目に夢を持たない魔術師は存在しない。」
知らない常識出てきたね...
「だから何も知らないんだって...続き話すよ?」
「...ああ」
「最初は夢だと判断したんだ、それで一定の時間が経ったらその夢?を見た日にまで戻った。
それで何て言うかどんな異世界か探してたんです、ラノベとかそういうのを漁りながら空いた時間で歴史を勉強して...それで気が付いたら最初に電子機器を正常に操作できなくなりました。
その次に本が読めなくなって、その次に言葉が理解できなくなりました。
そのまま何回も戻って今に至ります。」
「...何も分からん、もう一度説明してくれ。」
「箇条でいいよね、
1.夢を見ました
2.自分の瓜二つの存在に会いました
3.自分と瓜二つの存在に異世界に転生させてくれると言われました
4.可愛いヒロインが沢山居て魔法があって現代並みの衣食住が保証されている異世界に行きたいと言った
5.問答無用で転生?させられた
6.一定期間が経ったら何故か夢を見た日まで戻る
7.どの異世界に行ったかをラノベとかで探したりした
8.ついで歴史も学んだ
9.私の見た触れた電子機器が異常を来す様になった
10.本が読めなくなった
11.言葉が理解できなくなった
12.戻り続けついに何か知っている貴方と会えた
これが多分全てだね。」
「エントロピーの増大か?その先は...
それは本当の話なのか?」
「本当だよ、それとこれ以上何も知らないよ俺は。」
エントロピーの増大って何だ...
「...そうか、信じよう。」
「よかった...変な人体実験させられると思うと怖かったよ、てかよく信じる気になれたね。」
「...信じるに値すると判断しただけだ」
すげぇなオッサン俺だったら絶対に無理だわ
「そっそれじゃいいかな?」
「...何だ?」
「今回も時間がない、貴方に魔術を使う方法を教えて欲しい。
自分の持つ能力が何かは分からない、それに完全に神秘?に浸り続けたら確実に帰って来れなくなるでしょ?今の内に戻る為の方法を知っておきたい。」
「...いいだろう、お前の言う戻るが起きる条件を知るのも悪くないからな。」
助かるわぁマジで
「その前にもう一つ質問いいですか?」
「ああ」
「何で俺とオッサンは話せてるの?」
「それは...まあ色々と頑張ったからだな」
「すげぇ〜」
「もういいか?」
「おう」
「それじゃ順に教えてやる...
そうだなまず強化魔術な、対象を強化する。
物理的な耐久力も強化できるが本質は存在を強化する事にある、基礎中の基礎だ極めるのは困難だ。
例えるなら1+1を極めるなんて事は難しいだろう?」
文字通り基礎中の基礎なんだね...ビスケットかな?
「ほうほう...ん?」
存在を強化するって事は私自身の神秘への耐性を強化したのか?だから会話可能なのかな?
「どうした?」
「例えばその物体自体を強化するの?それとも外部から影響を及ぼすみたいな感じなの?」
あれ?この人1+1を極めたの?
「どちらも可能だ、だが一般的には外部から影響を及ぼす。
...つまり覆うだな例えるなら、存在自体を強化するのは難易度が高いからね。」
「すげぇオッサン」
「続きだ、次は変化魔術だ。
対象が本来持っていない機能を付与する魔術だ、効果を向上させる強化と違い存在しない能力を後付けする魔術のため難易度が高い。
お前の言う戻るはこの魔術の可能性がある」
「それって掘る為のスコップに水の出る効果を付与するみたいな感じでいい?」
「そうだな」
便利だね、畑を耕したと同時に種を植えられるじゃん。
「次は投影魔術だ、非常に効率の悪い魔術だ。
魔力で本物を模したレプリカを作り出す」
一見強そうだけど効率が悪いのか...うんポンコツ魔術間違いなし...
「臨時用みたいな感じでいいんですよね?」
技術力があり魔力が多ければ必要最低限の武器とか作れそうではあるけど、普通に作った方が楽だろうし野宿ぐらいでしか使えなさそう。
...多分だけど、一番人類の命を助けたのはこの魔術だろうな。
「そうだな、そして次は宝石魔術だ。
宝石などの鉱物に魔力を込めて発動する魔術だ、高価だが比較的簡単に魔術刻印を刻む事ができる。」
魔術刻印って何だ?
「はい先生魔術刻印って何ですか?」
「魔術師の家系が持つ遺産だな、生涯を以って鍛え上げて固定化した神秘を刻み子孫に遺したものだな。
または残された物か...」
「いいものですね魔術刻印って」
後に継がせる神秘の結晶って言うのかな?ロマンでしかない...
「そうだな、次は転換魔術だ。
魔力や霊魂や精神といったモノを別の何かに移して定着させる魔術だ、応用範囲が広い為極めるのが難しい魔術だな。」
宝石に魔力を込めるのにも関わってそうだな、それと精神を別の何かに移して定着させるか。
...神秘とかをひたすらに調べ続けてたけど、それの引き継ぎにこの魔術が関係してそうだな。
「...あるか知りませんが俺の魔術刻印に、戻る度に神秘や記憶を移している可能性がありそうですね。」
「頭の片隅に置いておけ、次は形状置換だ。
錬金術から派生した魔術で、何かで何かを置き換える魔術だな。
劣化交換にしか至れない下位の基礎魔術だ」
劣化交換か...う〜ん...
「ん〜」
でも絶対的な何かがあれば別かな?
「次はルーン魔術だ、ルーン文字を使用した魔術であり文字を刻む事で効力が発揮される。
因みに死という意味のルーン文字を刻まれたものには死ぬ」
何か効果を投影する感じなのかな?でも投影魔術とは根本的に何かが違いそう...
だってそのまま効果として出るみたいだし...怖過ぎでしょ...
「死ねで殺せるのおかしいでしょ...」
「次は黒魔術だ、特定の対象に厄災の招来及び呪殺や悪魔召喚や儀式による精神集中を目的とした魔術だ。
この魔術を使う人間には注意しろよ、もしかしたらお前は帰って来れなくなるかもしれない。」
精神集中で神秘に飲まれるのかな?てか悪魔召喚は文字通りそのままかな?
「まあ片隅に置いておきますかね」
「そうだな、次は死霊魔術だ。
自分自身に幻術をかけて、自分の朽ち果てる姿を見つめて最終的に死を統べる事を目的とした魔術だ。」
「怖頭おかしいでしょそれ、死を統べるってやっぱ理解できないや。」
「...そうか、次は呪術だな。
魔術協会は学問ではないと蔑視している魔術系統だな、一応だが魔術協会の説明は必要かな。」
「お願いします」
何その魔術協会って
「国籍ジャンルを問わず魔術師たちによって作られた魔術の管理団体だ、魔術を管理隠匿してその発展を使命とする。
...まあ俗に言う西洋魔術と言えば分かるか?それに関する魔術師の集まる団体だな」
「分かりやすい、じゃあまた別の呪術に関する団体とかもあると勝手に考えときます。
それと黒魔術と呪術の違いって何ですか?」
「専門外だ、まあ将来専門としている魔術師や呪術師に会える可能性はあるだろうしその者に聞け。」
おけ丸
「分かりました、次お願いします。」
「時間操作だ、詳しい事は自分で調べろ俺には分からん。」
専門外かな?なら仕方ないね
「了解です」
「治癒魔術、止血から欠損部位の再生まで幅広く存在している。」
「もし戦う事があれば必須ですね」
...蚊に刺されても即座に治せるかな?使い道が下らないけど
「次は召喚魔術だ、死者の霊や通常存在しないものを呼び出す技術だな。
聖杯という...まあこれは別にいいか、自然妖精悪魔を存在のスケールを落として召喚し使役する為に使われることが多い。」
存在しないモノを呼び出すかぁ...マズいよねそれ...
「俺が使えば色々と召喚できそうですねそれ」
「...俺の前でするのは絶対にやめろよ?」
ガチトーンで言われたんだが、怖い。
「あっはい」
「そしてこれは存在しないのだが、混沌魔術というものがある。」
「存在しないのにあるの?」
待って頭が追いつかない...
「理論上可能という奴だ、全ての魔術をいいとこどりしたものだな。」
あ〜やっぱあるんだねぇ...
「存在したらカオスですね」
そのままの意味でしか俺は形容できないかな?このオッサンなら変わるかね...
「次は錬金術だ、金を作り上げる事を目的とした学問だったものだな。
今では人口の生命を作り出したりする事に傾倒している、汎用性が効く一般的な魔術だ。」
いいね金を作り出して金の家を作りたい、地震一発でグニャグニャになって倒壊しそうだけど。
...何て言うかロマンはあるね
「次お願いします」
「天体魔術及び理想魔術だ、詳しくは知らん。
....知っておいて損はないと思うぞ、将来時計塔に行く事があれば調べるといい。」
何か知ってそう...ケチですね...
「拾われた先が、俺の陥っている状況を専攻としていないのが何か悲哀に近い感情を燻らせています。」
「悪かったな次の次で最後だ、干渉魔術及び支配魔術だ。
催眠呪縛強制といった対象の行動を抑制する魔術と、他の生物を意のままに操る魔術だ。
干渉魔術は内部への干渉は魔術回路がある為難しい、魔術回路は魔力の生成以外に外部の魔力を弾く特性を持つからだな。
そして支配魔術だな、昆虫や小動物程度なら容易いが人間や半概念的存在を意のままに操る事は難しい。
ただ対象を隷属させるなどの手段を用いれば魔術師だろうが何だろうが基本使役できる、以上だ。」
「干渉魔術ですか...それに支配...催眠閃いた!!」
神秘に干渉して支配...
は無理だなそれは流石にね、その神秘が隷属してくれたら別だろうな。
「どうだ?何か引っかかったか?」
ボチボチ...ただ正気度?は削がれそう...
「帰って来れなさそうですね...」
「そうか?最後だな、結界魔術と固有結界だ。
結界魔術は内界と外界を隔てる境界線を敷く魔術だ、物理的に侵入を拒んだり意図せず近付く事ができない様にするモノだな。
最後は固有結界、最も魔法に近い魔術だ。」
出た魔法とかよく分からん...う〜んいや勘弁してくれ脳が追いつかん...
「出た魔法、それに最も魔法に近い魔術ですか...近道ではありそうだな。」
かなり優秀なのではこの固有結界とかいう魔術...これの習得を目指すか...
「通常の結界魔術とは名は似ているが根本的に異なる魔術だ、術者の内側に存在する筈の心象風景によって外界を塗り潰す。
簡単に言うと自分の考えた世界を展開する魔術だ、ただ一人の術者には一つしか展開できない。」
強化魔術・変化魔術・投影魔術・宝石魔術・転換魔術・ルーン魔術・黒魔術・死霊魔術・呪術・治癒魔術・召喚魔術・混沌魔術・錬金術・天体魔術・理想魔術・干渉魔術・支配魔術・結界魔術・固有結界
何が何だか全然分からない、多分オッサンにはある程度の相関図が脳内にあるだろうが俺にはさっぱりだ。
既に俺の戻りの部分の仕組みは大体は理解してるんだろうな...
俺には何も分かんない、正直魔術回路の事も理解してないからそれ以前の問題ばかりである。
「正直全然意味分かんない、純粋に頭がついていかない。」
「そうか、まだ少しは時間はあるのだろう?ゆっくりと調べればいい。」
時間はあるよ...でも時間をこれ以上過ごしたくない...
「せめて取っ掛かりだけ教えてくれない?」
「駄目だ」
何でや
「何でですか?」
「神秘というものは一つしかない、それはいいよな。」
色々とあるんじゃないのか?魔術にも種類があるみたいだし...
「沢山の種類があるじゃないですか魔術にも、一つではないじゃないですか。」
「なるほどな...
正確には魔術の末に起こる現象が神秘だ、ここまでは分かったよな。」
なるほど、魔術自体は神秘ではないと。
回路は神秘であるが魔術自体は神秘ではない...神のや妖精などの起こす現象は神秘であるが...
いや概念か魔術は、なるほど解明されていない化学現象を起こす為の式と同じか。
「分かった、つまり一つの概念を二人で使う事になるから自分で使える神秘が減り?魔術の効果が下がる?からなんですね。」
「そういう事だな」
面倒臭い...う〜ん魔術って難しいな...
本質的に存在しないモノを存在するモノとして仮定して、頑張らないといけないって何てクソゲーなのだろうか。
「魔術回路って俺にもありますか?」
「勿論だ一般的な魔術師には20本程存在する」
ほうほう...なら20本もなさそうだけど最低限俺にもあるかな...
「増やす方法はありますか?」
増やす方法があれば魔術を使う上でハードの問題は解決だ、戻る度にオッサンから魔術回路を奪う事でサイキョーになれる。
...それはやめようか
「魔術回路を移植するしかない」
移植って...
パスだな絶対にヤバい奴だ、この戻りの仕組みを解明してから試すべきだね。
「そりゃ無理だ、自分の魔術回路をどうにかするしかないですね。俺にはどんな魔術回路あります?」
何かしらの魔術をオッサンが使う、多分だけど俺の魔術回路を調べてるのかね?どれだけ才能に満ち溢れているか楽しみである。
「...ないな」
「...は?」
「お前には魔術回路がない」
さっきあるって言ったじゃん...それにこれって...
「...詰んでません?」
「...そうなるな」
何このクソゲー