どうやら俺のブルアカにドラゴンエンジンが搭載されたみたいだ。   作:スーさんFDP

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お久しぶりです。
投稿遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

年度末で仕事が忙しく、4月に入って投稿しようとしたらインフルエンザに掛かったりしていたら、遅れてしまいました。


今回は先生少なめで、ハーメルンらしく、本編には無い絡みをメインにしてみました。


どうぞ!




第8話「初めての友達」

 

 

 

「はあ・・・」

 

シスターフッドの長こと、歌住サクラコは重い溜息を吐きながら、トリニティ地区・・・ではなく、シャーレ郊外へと赴いていた。

 

本日は親愛なる先生の当番日。いつもなら浮き足立ちながら、シャーレへと向かうのだが、先生はあいにく出張中で、実質お留守番ということで、サクラコはお慕いする先生のいないシャーレに向かうことに足が重くなっている。

 

「はあ・・・」

 

いつもの彼女なら、ここで自分を戒める言葉の一つを掛けるのだろうが、ここ最近の忙しさや、先生と二人っきりの時間が無くなってしまったことによるショックで、言葉の一つも出てこない。

 

そんな重い足取りの中、気が付けばシャーレの前にたどり着いてしまう。

 

「もう着いてしまいましたか・・・」

 

最初の頃ならお掃除とかやることが多かったのだが、最近は一緒に住んでいるシャーレスクワッドの方々や元七囚人のワカモがいることもあって、シャーレ自体の清掃が行き届いており、やることは無い。

 

こういった先生の出張中に仕事も対してやることがない為、実質のお留守番。そう言う日の当番に当たった生徒は先生も承知の上で、来なくても構わないと言っては居るのだが、同じ状況に陥った生徒たちの何人かは帰ってきた先生と食事やデートに行ったりしたとモモトークで自慢し、触れ回っていた。(自慢したのは主にミカ)

 

「失礼します・・・やっぱり誰も居ませんね・・・」

 

仕事部屋の扉を開けて、いつもの挨拶をして中に入るが、中には誰も居ない為、返事も帰ってこなかった。

 

いつも仕事のお手伝い用のテーブルにはメモ用紙と紅茶様の茶器とお茶菓子が置かれていた。

メモには先生の手書きで、早く帰れればモモトークで連絡すると書いてあった。

 

「・・・もう、お忙しいのに・・・フフ♪」

 

メモも内容を見て、先程とは打って変わって表情に温かい笑顔が戻る。

 

せっかく用意していただいた紅茶とお菓子を嗜みつつ、シャーレのソファでのんびり過ごす。お茶菓子もこの間モモトークで話した気になっていたお菓子の一つを用意してくれたこともあって、サクラコは穏やかな心持ちになる。

 

そんな時、ふと彼女の目線の先には、いつも先生が使っている机と椅子が目に入る。

サクラコは持っていた紅茶の入ったティーカップをテーブルの上にそっと置くと、ふわりと立ち上がり、先生の机の前に行く。

机の上にはいつも仕事をしているパソコンと何本かのペンが入ったペンケースに固定電話と必要最低限の物しか置かれていなかった。

 

サクラコは感慨深そうに机の上をさっと撫でつつ、いつも先生が座っている革製の椅子にちょこんと腰を掛ける。

 

いつも自身が座っている椅子に比べると実用的というか機能的な椅子であるため、違和感を感じつつあるが、椅子から香ってくる先生の匂いにドクンと身体が反応してしまう。

背もたれに対して、身体を横にして身を預けると、より一層先生を感じる。

 

「・・・すう~~~はあ~~・・・」

 

イケないこととは分かっていても、大好きな先生の香りを身近に感じてしまったことで興奮してしまっている。

 

「・・・はあ、私は何をやっているのでしょう・・・」

 

少し正気を取り戻したのか、真っ赤に染まってしまった顔を両手で抑えつつ、背もたれから身体を離す。

 

すると机の裏に足がぶつかり、何かが落ちてきた。

 

「あら、なんでしょうか?」

 

どうやら机の裏にクリアファイルを貼り付けてあり、そのファイルに入っていた薄い本のようだ。

 

こんな隠し方をしているのなら、先生にとって見られたくない物であるのは明確なのに、今のサクラコは興味の方が勝ったのか、ためらいも無くその本の表紙を見る。

 

表紙に書かれていたのはエンディングノート・・・

 

 

「へ・・・」

 

驚きの余り、普段彼女が出さないような気の抜けた声がシャーレの部屋の中に響く。

 

「う、うそ・・・ですよね・・・先生・・・」ポロッ

 

本に書かれている言葉を見て、思わず絶句し、瞳から涙が零れ落ちる。

 

あまりの衝撃に頭の中が真っ白になってしまったサクラコ。

 

「こ、こんな時誰に・・・シスターフッドのマリーかヒナタ、いえ救護騎士団に、でも、余計に問題が・・・いっそティーパーティーに! で、ですがもし先生が病気でそのことを隠していたら・・・」

 

先生のことを思うと、相談することでさえ、躊躇してしまう状況に普段の落ち着きを取り戻せないサクラコ。

 

「こ、こんな時・・・頼れる・・・人・・・」

 

そう呟いた中で彼女が思い浮かんだ人物は大好きな先生の姿。

 

「な、何を考えて居るのですか!?その先生に助けを求めようなどと!!」

 

ここ一番というときに頼りになる大人であり、先生であり、大好きな人。

 

サクラコの心の中には既に先生という存在が住み着いていた。

 

「うう、何も思いつかない自分が・・・憎い・・・せんせぇ・・・」グスッ

 

不安に駆られたサクラコは椅子にうずくまりながら、胸元にエンディングノートをギュッと抱えて、涙を流す。

 

すると、部屋の扉が開く。

 

「先生、いる?ちょっと近くに寄ったから・・・あれ?」

 

入ってきたのは便利屋68のカヨコであった。

 

「あ、・・・えっと・・・」

 

突然入ってきた知らない人物にサクラコはフリーズしてしまう。

 

「えっと私の名前はカヨコ・・・先生は今日出張中?」

 

「あ、えと・・・はい・・・」

 

「えっと、そのどうしてそんな状況なのか聞いても良い?」

 

「えと・・・その、これは・・・」

 

いきなりだった事と、エンディングノートの件を話すべきか話さないべきかを悩むサクラコ。

 

あまりの慌てっぷりに見かねたカヨコは溜息を小さく吐くと、ポケットからハンカチ

を取り出し、サクラコに手渡す。

 

「はい。とりあえず落ち着こうか?」

 

「・・・ありがとうございます・・・」

 

サクラコは手渡されたハンカチを素直に受け取ると、目元の涙を拭うのだった。

 

 

 

 

「・・・すみません。ありがとうございました。ハンカチは・・・」

 

「いいよ。別に・・・それよりも、あなたトリニティのシスターフッドの歌住サクラコだったよね?」

 

「はい。あなたはゲヘナの生徒の方ですか?」

 

「・・・まあ今はゲヘナには居ないけど・・・今日はシャーレの当番?」

 

「はい。ですが、先程もおっしゃいましたが、先生は出張中でして・・・」

 

「うん。それはさっき聞いた。・・・それで、何で先生の机の上で泣いてたの?」

 

「そ、それは・・・」

 

「もしかして、先生に何かあった感じかな?」

 

確信をつくカヨコの言葉にサクラコは動揺を隠せない。

ふとカヨコはサクラコが胸元に抱えている本をチラリと見ると、スッと取り上げる。

 

「あ!!待って!!!」

 

「これ、エンディングノート?先生の?」

 

叫ぶサクラコを余所にカヨコはエンディングノートをパラパラとめくり、中身を読んでいく。

 

「・・・先生。どこかお体を悪くしたのでしょうか・・・いつも私たちに心配させまいと、肝心な事は喋ってくれませんし・・・」

 

「それは無いかな。」

 

「え・・・?」

 

「あの人、隠し事下手だし・・・先週当番だったけど、別にいつも通りだったし・・・それにこの本の中身見た?」

 

「え、中ですか?」

 

「エンディングノートだけど、中身は先生のやりたいことリストみたいな感じなことしか書かれてないし、ほらカラオケで熱唱とか、オールナイトで映画を見たいとか、身近なことしか書いてないよ。」

 

カヨコはそう言いながら、開いた本をサクラコに見やすいように渡す。

受け取ったサクラコは内容を読み上げていく。

 

「若者向けのすいーつ?を楽しむ・・・ボウリングで良いスコアを出す・・・綺麗な結婚式場を見に行く・・・せんせぇ・・・もぅ~~」

 

「今、ちらっと調べたけど、エンディングノートでやっておきたいリストを作るのが大人の中で最近流行っているんだって、ほら」

 

カヨコは自身のスマホで簡単に調べたのか、その内容をサクラコに見せる。

 

「じゃ、じゃあこのエンディングノートは・・・」

 

「うん。先生の遺書でもなんでも無いみたいだね・・・そもそも遺書を見つかるような所に置く人じゃ無いだろうし、そういった物はいつもそこの鍵付きの金庫に入れてるから。」

 

カヨコはそう言って、部屋の隅にある少し大型の金庫を指で指す。

 

「・・・・はあ~~~良かったです・・・うう、本当に良かったです・・・」

 

「ほらほら、また涙出てるよ。」フキフキ

 

「ですが、本当に心配で・・・」

 

「先生も先生だよね。分かりやすいところに置いとくなんて。」

 

「いえ、先生は一応隠してはいたみたいで・・それを私が見つけて・・・」

 

「ああ、そういうこと・・・それで誰にも相談出来ずに泣いていたんだ?」

 

「うう、私の早とちりでした・・・」

 

「フフ♪でもあなた良い子だね。」

 

「え、私がですか?」

 

「だって、先生の事や皆の事を思って、その本の事を黙っていようと思ったんでしょ?」

 

「そ、それは・・・」

 

「先生もそんなあなただから、出張中なのに留守を任せたんだよ。先生出張中でも、良からぬ事をする子には留守番は任せないから。」

 

「そ、そうなんですか!?」

 

知らなかった情報を聞いて、思わず驚くサクラコ。

 

「まあね。割と知っている子いると思ったけど・・・」

 

「そ、そうだったんですね・・・」ニヘラ~

 

先生に信頼されているという事実を知り、思わずにやけてしまうサクラコ。

そんな一喜一憂するサクラコにカヨコは思わず溜息を吐く。

 

「なんか、シスターフッドのトップの割に普通の女の子だね・・・」

 

「それにしてもゲヘナの方なのにこんなにお優しいなんて、えっとカヨコさん。あなたはとても慈悲深い淑女なのですね♪」

 

「しゅ、淑女って・・・私そんなガラじゃあ・・・」

 

「いえ、カヨコさんからは先生に似たような大人な雰囲気をお纏になられています。あの・・・もし差し支えなければ・・・その、お友達になっていただけませんか?」

 

「・・・え・・・?」

 

突然のサクラコの言葉に目が点になるカヨコ。

 

「じ、実は・・・私はそのいつも勘違いされることが多くて、友人と呼べる方も居なく・・・先生によくご相談に乗っていただいたりしていたのですが、中々改善出来ず・・・」

 

「まあ・・・うん・・・」

 

カヨコはサクラコの話を聞いて、自身とは別ベクトルで人に勘違いされるタイプなんだと、ここまでの出来事で何となく察した。

 

「ですが、カヨコさんのここまでの素晴らしい行動と私に対しての態度を見て、感服しました!カヨコさんはとてもお優しい人であると!!」

 

「うん。とりあえず落ち着いて・・・」

 

サクラコはキラキラとした羨望の眼差しをカヨコに向ける。

 

カヨコは仕方ないなと、今日何度目か分からない溜息をつきながら、持っていたスマホのモモトークのアプリを起動する。

 

「はい、私の連絡先。」

 

「い、良いんですか!?」

 

「いや、頼んできたのはそっちでしょ・・・」

 

思わずあきれ顔になるカヨコ。

サクラコは慌てつつも、スマホを取り出し、モモトークを起動させる。

 

ピコンッ♪

 

登録が完了した音がお互いのスマホから音が鳴り、サクラコはカヨコの名前が登録されたのを確認して、少女らしい笑みで喜ぶ。

 

「わあ~~初めてのお友達の連絡先です♪」

 

「い、いや・・・友達って・・・」

 

サクラコの言葉に否定の言葉を入れようとしたが、カヨコの呟きが聞こえていないのか、嬉しそうにニッコリしている。

 

そこでシャーレの部屋の扉が開き、先生が入ってきた。

 

“戻ったぞ・・・サクラコにカヨコじゃないか?どうかしたのか?”

 

「あ、先生!私、初めてお友達が出来ましたー!」

 

心から嬉しかったのか、先生の前に行き、挨拶も忘れて、女子高生らしく元気一杯な笑顔でスマホのモモトークの連絡先を見せてくる。

 

“そ、そうか・・・”

 

先生は驚きの余り、サクラコに返事をしながら、チラリと後ろの方で、苦笑いしているカヨコを見て、何となく察する。

 

すると、サクラコはハッとした様子で申し訳なさそうな顔をする

 

「ああ!私ったら、先生が帰ってきたのにはしたないことを・・・それに先生に懺悔しなければいけないことが・・・」

 

“ん?どういうことだ?”

 

サクラコの言葉に首を傾げる先生。

すると、傍で聞いてたカヨコが補足してきた。

 

「ああ、これのことだよ。先生」

 

カヨコはそう言うと、エンディングノートを見せる。

 

“ああそれか・・・それで遺書じゃないかと間違えたのか?”

 

「私じゃなくてサクラコがね。私が来たときにものすごく泣いてたからさビックリしちゃったよ。」

 

「カ、カヨコさん!!??そこまで言わなくても!!」

 

あっさりとバラしてしまうカヨコにサクラコが顔を赤くさせながら、声を張り上げる。

 

そんな2人の様子を見て、先生は少し小さく笑う。

 

“ふ、どうやらサクラコを悲しませてしまったようだな”

 

「せ、先生は悪くありません!私が勝手に勘違いしただけで・・・」

 

「まあ先生もエンディングノートなんて紛らわしい物にやりたいことリストを書いてたのも悪いし、そうだな・・・先生その本の中身にお寿司屋さんで玉子焼きを一杯頼みたいってあったし、今日のお昼はお寿司でも奢ってよ。私とサクラコにさ。」

 

「カ、カヨコさん。流石に厚かましいのでは・・・」

 

「ん?でもサクラコさ、今日先生が出張だってこと知ってたってことは、来なくても良いって言われてたんじゃ無い?」

 

「そ、それは・・・!」

 

カヨコの言葉に目をそらすサクラコ。

 

そんなサクラコの耳元に近づき、カヨコは小さい声で先生に聞こえない声で話す。

 

「もしかしてさ、先生が帰ってきた後のお出かけを期待してたんじゃない」ボソッ

 

「うう!」

 

図星だったのか、サクラコは声を出して反応してしまう。

どうやらこの人には敵わないなと思ってしまった。

 

そんあ2人のやりとりを知らず、先生は机に鞄を置くと声を掛ける。

 

“じゃあ、詫びも兼ねてお昼は寿司にするか。”

 

「うん。」

「は、はい。」

 

カヨコはいつも通りの返事を、サクラコは少し遠慮がちに返した。

 

 

 

それから、3人で近くの回らない寿司屋に行き、先生は玉子焼きを多く頼んでいた。

とても美味しかったのか、味わいつつもパクパクと勢いよく食べ、メインのランチメニューである海鮮丼をい挟みつつ、幸せそうに食べていた。

 

美味しそうに食べている様子を見ていたサクラコは先生の幸せそうな顔を見て、自分も嬉しくなったのか良い笑顔で海鮮丼を食べる。

 

カヨコは子供っぽくて可愛いなと刺身定食を食べつつ、この時間を楽しむのであった。

 

 

 

 

 

第8話「初めての友達」 完

 

 





読んでいただきありがとうございます。

実はこの小説をかいている際に感想を見ていて、本編でのシーンをダイジェストで書こうかなと思っています。

ドラゴンエンジンにより、本編の内容も変わっているので、主たる部分を抜粋し、書いていきたいと思っています。

対策委員会編
・先生VSホシノ

カルバノグの兎編
・先生VSユキノ

最終章
シロコVSシロコ

先生&シロコVS色彩

以上が既に考えてある内容です。他にもここの場面は今作だとどうなるのかなどの意見がありましたら、書いていきたいと思っています。

他にこんなお話を見たいなとかありましたら、出来うる限りで書いていきたいと思います。

後、アニメ楽しんで見ています。
見ていない方がいらしたら是非見て下さいね♪
それでは!!


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