どうやら俺のブルアカにドラゴンエンジンが搭載されたみたいだ。 作:スーさんFDP
前回の予告通り、今回は小野ミチオ回です。
それではどうぞ!!!
「先生!早く早く!」
そう大きな声で先生の名を呼ぶ声の持ち主はトリニティの補習授業部の1人であり、現在シャーレにすんでいるサオリ達の家族の1人である白洲アズサである。
普段の彼女はとても落ち着いていて、先程の様にこんなにはしゃぐ子ではないのだが・・・
「先生!ほら、見てスカルマン!」
「・・・ああ、そんなにはしゃがなくても、すかるまん?は逃げないぞ!」
「先生は甘い、モモフレンズはとても人気で、すぐに売り切れてしまう!・・・それに今日はヒフミにも色々買ってきてくれと頼まれているんだ!」
「そ、そうか・・・」
いつものアズサからは考えられないほどの熱量にたじろいでしまう先生。
何故彼女がこんなにもはしゃいでいるのか・・・それは今回アズサからの頼みで、先生はあるイベントに参加することになったからだ。
アズサが熱中するそのイベント・・・それはモモフレンズである。
「それにしても・・・ヒフミが来れないなんて・・・」
“まさか風邪とはな・・・”
「救護騎士団のミネ団長に真っ向から立ち向かってでも行こうとしていたね・・・」
“あれはスゴかったな・・・”
―――――――――――――――――――――――――――――
「離して下さい!!ミネ団長!!」
「ダメです!!ヒフミさん!あなたは今風邪をひいているんです!!ゆっくり寝て下さい!!!」
「ですが今日は大切なペロロ様の!モモフレンズのイベントがあるんです!!」
「体調が悪いのですから、次回にしなさい!!!」
「いやですっ!!!!!!!」
救護騎士団のベッドに押さえつけられていて、必死に抵抗しているパジャマ姿のヒフミと力一杯押さえているミネの怒号が部屋中に響く、そんな様子をアズサと先生は傍で心配そうに見守っていた。
「仕方ありません・・・救護ぉぉ!!!!!」ドカアッ!
「グフォァ!!」
「ヒ、ヒフミィーーー!!!」
ミネは一行に大人しくならないヒフミに対し、渾身の拳を振り落とす。
放たれた拳はそのままベッドで横になっているヒフミの腹に振り落とされる。
そして、落とされた拳から、強烈な音が鳴り、アズサが心配で悲鳴を出す。
が、ヒフミは意地でもイベントに行きたいのか、ミネの拳を喰らったにもかかわらず、腹に蹴りを入れて、彼女を吹き飛ばす。
「グッ・・・まだ動けるなんて・・・」
吹っ飛ばされたミネは驚いた様子で床に手を付き、立ち上がろうとするが・・・
△極「意地反撃の極み」
ヒフミはベッドから起き上がり、ミネに飛びかかると、彼女の両肩をガッチリと掴み、顔面に頭突きをかまして、地面に叩きつける。
「ガハッ!!」
その威力にそのまま倒れてしまうミネ。
見かねた先生がヒフミを後ろから羽交い締めにして、身体を持ち上げる。
“いい加減にしろ!!ヒフミ!!”
「は、離して下さい先生!!!」ジタバタ
「・・・えい・・・」プスッ
「ヒョワ!・・・・スピー」zzz~♪
余りに見かねたのか、セリナがヒフミの首元に注射をプスリと射し、薬が回ったのか、ヒフミは静かに眠り始め、この騒動は収まったのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――
“ヒフミのヤツ・・・いつの間にあそこまで・・・”
「あれがモモフレンズ愛のなせる力・・・」
思い出し、顔をしかめる2人
“まあ、気分を変えて、今日は回っていこうか・・・それでどこから回るんだ?”
「ああ、任せてくれ先生、ちゃんと作戦マニュアルは用意してある」サッ
アズサはどこからか取り出したのか、地図の様な物を小さい身体いっぱいに広げて、先生に見せる。
“マニュアルっていうか・・・地図だな・・・まあ、行き先がわかっているなら大丈夫か・・・さて、一緒にいこうかアズサ”
「うんっ先生!」ダキッ
アズサは元気よく返事をすると、先生の腕に抱きつきながら、目的地へと歩いて行った。
少し歩いて、たどり着いたのは、着ぐるみを着たモモフレンズ達があちこちでお客さんと写真を撮っている広場であった。
“アズサ・・・ここは?”
「ここは、モモフレンズの子達と一緒に写真を撮ったりできる広場だ」
“ん?お土産の方を先に買わなくて良いのか?”
「今買ってしまうと荷物が多くなってしまって、回るのに手間に
なってしまう、だから先に手ぶらで済ませられることを優先してここにきたんだ」
“なるほどな・・・アズサはしっかりしているな”ナデナデ
「ふふ♪ありがとう、先生♪」
感心しながら、先生はアズサの頭を優しく撫でると、アズサも気持ち良さそうに返事をする。
“よし、じゃあまずはどれから・・・”
「ああ~~どうしよ~~バイトのヤツが逃げちゃったよ~~」
“ん?”
「どうかしたの、先生?」
“いやあそこにいるのヤツが・・・”
声のした方向を指差す先生。
その先に居たのは、スーツ姿にまん丸頭ロボの人であった。
どうやら頭を抱えていて、困ってるようだ。
「先生、困っているようだ」
“ああ・・・”
選択しろ!
・聞いてみるか
・後にしよう ←
“いや、今はアズサの方を優先しよう
「私は大丈夫だよ先生、それにもしかしたら大変な事かも知れないし・・・」
“そうか・・・”
選択しろ!
・聞いてみるか ←
・やっぱり後に・・・
選択しろ!
・聞いてみるか
・やっぱり後に・・・ ←
“・・・う~~ん・・・”
「先生、どうしたの?」
“いやぁ・・・何か、あいつに声を掛けた瞬間・・・とんでもないことに巻き込まれそうな予感が・・・”
「・・・先生らしくないよ・・・大丈夫?」
“すまねえアズサ・・・そうだな、俺らしくねえな・・・よしっ”
選択しろ!
・話しかける←
「ああ~~どうしよ、どうしよ、どうしよ~~!!!」
“おい、あんた”
「へう!!って・・・誰ですか?」
声を掛けられたロボットの男性は突然のことで、変な声を上げて驚く。
“俺はシャーレで先生をやっている・・・で、こっちは・・・生徒のアズサだ”
「よろしく・・・それで何かあったのか?」
「心配させたみたいで、すみません・・・ああ、私・・・広中と申します・・・実は・・・私、とあるグッズ会社の制作プロデューサーをやっておりまして・・・新しいキャラを出そうと、今回お披露目を行うところだったのです」
「新しいキャラ?・・・今日はモモフレンズのイベントの筈だけど・・・」
「ええ、アズサさんの言うとおり、今日はモモフレのイベントですが、許可を頂ければ、他社でも持ち込みオーケーなので・・・」
“ほお~~、結構寛大なんだな・・・ももふれんずっていう会社は・・・”
「ええ!我が社もモモフレンズに負けないぐらいのゆるキャラを出して、子供達に笑顔を届けたい・・・そう思って居たのですが・・・」
「どうかしたの?」
口ごもる広中の様子にアズサが少し心配そうに問う。
「じ、実は・・・雇っていたバイトが・・・逃げ出してしまい・・・」
“・・・逃げ出すほど、大変なのか・・・?”
「ま、まあ・・・色々とキャラ設定をしてしまった所為で・・・」
“それなら、お前が入れば良いんじゃないか?”
「そ、それが・・・出来なくなってしまって・・・」
“どういうことだ?”
「じ、実は・・・新しいキャラなのですが・・・少し前に騒がれていた・・・あの、小野ミチオくんなのです!」
“!!!!!!!!”
「小野・・・ミチオ・・・?」
先生はミチオの名を聞き、明らかな動揺を示し、アズサは聞いたことがなかったのか、首をコテンと傾ける。
「そちらの方は知っている様ですね・・・ええ、ミチオくんは少し前に人名救助した謎のゆるキャラです、わたし実はその場に出くわしまして・・・運命の出会いと思い、彼をキャラクターとして売り出すと決めました!」
“(面倒なことを・・・)”
「小野ミチオ・・・ふむ、調べてみたけど、スゴいなこの人・・・まるで先生みたいだ!」
余計な事をした広中に心の中で広中に悪態をつく先生。
一方、隣にいたアズサはスマホでミチオくんの情報を見て、先生みたいな人だと賞賛していた。
「ですが中に入る人が・・・あれ・・・」
“・・・どうした・・・”
「いえ、あなた、これを着てみてはくれませんか?」
“・・・はあ?”
「せ、先生・・・顔が露骨に嫌そうだ・・・」
広中の言葉に先生はものすごく嫌そうな顔をする。
傍で見ていたアズサも普段の先生がこんなに嫌そうな顔をすることがないことで、少し驚いた顔で見ている。
「いえ!ぴったりかも知れません!その優れた体格に身長・・・! まさしく、わたしの理想としたあの日のミチオくんそのものです!!」
“・・・・・むぅ・・・”
「むむ! 今度はお店で欲しかった下着のサイズが無くて悔しそうな顔をしているハナコの様な表情になったぞ」
「お願いします!子供達の笑顔の為なんです!!どうか!!??」
“・・・・・・”
子供達と言われてしまい、仕方ないと心で溜息を吐きだす。
“仕方ない・・・受けてやるよ・・・”
「ホ、ホントですか!! あ、ありがとうございます!!!!」
こうして、先生は再び小野ミチオなるのであった。
“・・・”
「ぴったりですよ!先生!!」
「先生、格好いいね!」
“そ、そうか・・・”
絶賛する広中とアズサに対し、微妙そうな声を出す先生。
するとイベントのスタッフである犬の人が声を掛けてきた。
「広中さん、そろそろ出番ですよ!!」
「ええ!もうですか!!??」
スタッフの言葉に慌てる広中、それをどういうことだ?と言わんばかりの視線を向ける先生。
「こ、・・・こうなったら、ぶっつけ本番です!!先生、申し訳ありませんが、アドリブでお願いします!!」
“何!?”
「あ、アズサさんはこちらのカンペを読んで進行をお願いします、あと、お客さんの多くは小さい子供達なので、出来るだけ優しい声色でお願いしますね」
「うん、わかった」
そういうことで、勢いそのままでミチオ君は日の目を披露することになったのだった・・・
“結構いるな・・・”
「そうだね・・・3、40人くらいいるね・・・」
広場のパーテーションの陰から、先生とサンバイザーを着けたアズサが状況を見ていた。
「それでは先生、頑張って下さいね!」
“・・・もうここまで来たら腹をくくるしかねえな・・・いくぞ、アズサ!”
「了解ッ!」
広中の応援と共に先生とアズサは広場へ向かうのだった。
“こんにちはミチー!!”
「こんにちはミチー!!」
ミチオ(先生)とアズサは右手を90度上に左手を90度下に横歩きで元気よく子供達が待っている広場に出て行った。
そして、中央につくとアズサが隠し持っているカンペを読みながら、
「皆さん、こんにちはミチー♪ 今日は、キヴォトスのヒーロー・・・小野ミチオくんのお披露目トークショーに来場頂き、ありがとうございまーす!」
『わーーーー♪』
“(!!・・・すごいなアズサの奴・・・いつもモモフレのイベントで慣れてるのか・・・淀みのない演技だ・・・俺も頑張らなければ・・・ただ、小野ミチオの趣味趣向なんてどうすれば・・・)”
「それっじゃあ、紹介しよう! このキヴォトスの新しいヒーロー 小野ミチオくんです!」
『ミチオくーーん!!』
“よう、ガキ共・・・俺こそが・・・チャーミングなはっさくフェイス・・!おしゃれな尾道ラーメン帽子・・・!
キュートな魚のポシェット!漁師の心意気・・・クールな長靴!
イカしたナウい「ONO」トレーナー・・・!
俺こそが尾道、いや、キヴォトスのヒーロー・・・小野、ミチオだ・・・!!!”
『・・・・・・・・・・』
“楽しみてえ奴だけ・・・かかってこい・・・!!”
「わーかっこいいーー!」
「台詞完璧だね~~!」
「ミチオく~~ん~~♪」
“今日はよろしくミチー!!”
掴みは完璧だったのか、子供達は大はしゃぎで喜んでいた。
物陰で見ていた広中もサムズアップしてエールを送っている。
「それじゃあ、今日は皆にミチオくんのことを知ってもらうために色んな質問をして貰いたい、ミチオくんに聞きたいことがある子はいるかな?」
「はーい!」
「聞いて聞いて!!」
「そうだな・・・じゃあ、そこの君」
そう言って、アズサが指名したのは、犬耳を携えたオーバーホールを着ている女の子。
「はい!ミチオくんの好きな食べ物はなんですか?」
“好きな食べ物か・・・”
選択しろ!
・酒ともろきゅう
・セクシーな美女
・柴関ラーメンだミチー ←
“この頭の飾りと同じく、ラーメンが大好物だ”
「そうなんだ~~私もラーメン大好き~~♪」
“ラーメンが好きなら、アビドスにある柴関ラーメンがおすすめだ、最近は道の整備も整って、駅からいきやすくなったから、機会があったら食べてくれ”
「そうなの~わかった~~♪」
少女は笑顔でそう返事をする。
「よし・・・!じゃあ次に聞きたい子はいるかな~?」
「・・・は、はいっ!」
アズサが聞くと、前に居たオドオドとした角の付いている女の子が手を挙げる。
「そ、その・・・ミチオくんは・・・その、カノジョとかいるの?」
「せんs・・・ミチオくん、どうなの・・・?」
まさかの恋人居ますか質問に思わず、反応して、先生の名前を言いそうになったアズサだが、一幕おいて、ミチオくんに聞く。
“付き合ってる女か・・・困ったな・・・どうするか・・・”
選択しろ!
・オーノー!
・愛した女はいた・・・
・俺はずっと童貞だ ←
“俺は純然たるマスコットキャラだ、イメージを損なう色恋沙汰はしねえ・・・生まれてこの方、ずっと・・・童貞だ!!”
「どう・・・てい・・・?」
『どう・・・てい・・・?』
ミチオくんの童貞発言に意味が分からなかったのか、アズサも子供達も首を傾げる。
そして、言った手前、不味いと思ったのか、ミチオは慌てて、先程の発言を取り下げる。
“・・・ああ、いや・・・オーノー!!”
「・・・おお、ミチオくんの「オーノー!」が出たよ、どうやらミチオくん、困っているみたいだね」
『アハハハ!! オーノー♪』
“(・・・なんとかごまかせたか・・・)”
絶対にごまかせてはいないと思うが、童貞の意味が分からなかった事が、救いとなったことで、この質問は乗り切れたようだ・・・。
「よし、それじゃあ・・・」
「おいおいおい!休日の昼間っからうるせえんだよ!!」
「なんだ~~モモフレンズって・・・意味わかんねえよ!!」
「たっくよ!ここは俺らの縄張りだぞ・・・誰の許可取ってやってんだ?ああ?」
突如として現れたのはリーゼントやパンチパーマとガラの悪いかっこをしたチンピラロボットたちであった。
どうやら、ここは彼らが普段から遊んでいる場所らしい。
「うえええ~~ん!」
「こ、怖いよ~~~!」
「ママ~~~!」
「ツッ!・・・子供達が怖がっている・・・とっと離れろ!」
「なんだと・・・お、身体はちっこいが可愛い女の子じゃねえか♪」ヒュー
「こんなダッセ―所より、俺たちとあそばな~い♪」
チンピラ達は子供を庇うアズサを見て、目の色を変えて、ナンパをしながら、アズサに近寄る。
しかし、その間に割って入る影があった。
“おい・・・”
「あ?だっせえキャラだな」
「頭のラーメンなんだよww 流行んねえよ!」
“俺もそれはそう思う・・・だが、ガキ泣かせて、俺の大切な生徒にまで手を出そうとするてめえらよりはダサかねえよ”
「あん?やんのかよぉ、ゆるキャラがよぉ」
“俺はゆるキャラだが・・・お前ら見逃すほど・・・ゆるかねえんだよ・・!”
「上等だ!!やっちまえ!!」
「おらあ!!」
チンピラの数は4人で、先頭にいた1人がミチオに向かって、殴りかかる・・・だが、しかし・・・
“はああ!!”
ミチオは気を解放し、いつもの青色から朱色へと変化する。
そしてそのまま、チンピラ4人を吹き飛ばす。
「「「「うげえぇぇ!!!」」」」
そのままミチオは4人うちの1人に近づいて掴み掛かる。
△極「怒濤の極み」
そしてそのまま回転して、チンピラにチンピラをぶつけるという豪快な技で一気に決着をつけた。
「ひ、ひいぃぃ!!なんだよこのゆるキャラ!?」
「ぜ、全然・・・ゆるくねえ・・」
“フン・・・運が悪かったんだよ、お前らは・・・次、ガキ共を泣かせるような真似をしたら・・・命は無いと思うんだな・・・分かったら、さっさと消えろ!!!”
「「「「す、すみませんでしたーーーーーー!!!!」」」」
ゆるキャラが発するとは思えないほどの怒気の孕んだ声によって、チンピラたちは恐れをなしたのか、泣きながらこの場を去って行った。
“情けねえ・・・連中だ・・・・・・あ・・・・・”
『・・・・・・・・・』
先頭が終わり、チンピラたちが見えなくなったのを確認すると、子供達がミチオの事を黙って見つめていた。
ミチオはしまったと思いつつ、言い訳をしようとしていたが・・・
「・・・すごい・・・」
“・・・え・・・?”
「すご~い!かっこよかったよミチオくん!!」
「かっこいい・・・♡」
“そ、そうか・・・?”
「そんなことは無いぞ・・・ミチオくんはみんなのヒーローだ!」
“アズサ・・・”
「よし! みんな、ミチオくんにお礼を言おう! サン、ハイ!」
『ありがとうミチー!!』
“フッ・・・どういたしましてミチー”
こうして、無事? 小野ミチオくんはキヴォトスのゆるキャラの1人として、頭角を現したのだった。
「いや~~先生、ありがとうございました!!イベントは大成功です!!!」
“い、いや~~結構素の部分が出ちまったが・・・”
「そんなことはないぞ先生!!とてもかっこよかったよ!!!」
“そうか・・?”
絶賛する広中とアズサに微妙な様子で返事する先生。
すると、うって変わってか、広中は確信めいた質問を先生にする。
「・・・先生、質問があります・・・あの日、火事で女の子を助けた小野ミチオ・・・あれは先生なんですよね・・・」
“!!!!!”
「そ、そうなの!?先生!?」
広中の言葉に驚く先生。
「実は・・・あの火事の時・・私は・・・あの現場にいました・・・火事が広がる中、女の子の叫び声がこだまする中・・・私にできたことは、警察と消防に連絡することだけでした」
“広中・・・”
「絶望的なその時、目の前に救いのヒーローが現れたんです・・・そのヒーローは火事場で切羽詰まった中、女の子を宥め、怪我無く救った・・・あの日・・・私は生まれてこの方運命を信じましたよ・・・こんなに格好いいヒーローがいることを!」
思い出すかのように空を眺めながら、火事の日の出来事を喋る広中に小さく温かみの笑みを向ける先生とアズサ。
「今日、振る舞っていたミチオくんの動作は、あの日見たミチオくんそのものでした・・・先生がミチオなんですよね?」
“・・・ああ、そうだよ”
「そうだったのか・・・先生は謎のヒーローだったのか!」
“おいおいアズサ、俺は所詮・・・何の変哲の無いただのゆるキャラだ・・・”
「いえ、先生・・・あなたこそ、キヴォトスのNEWヒーロー・・・小野ミチオです!」
“そうまくしたてるなって・・・”
「おっとそうでした・・・こちら今回のお礼です」
広中はそう言って、先生とアズサにバイト代と「喧嘩サラシ」を渡す。
「これから忙しくなりそうですね!! それでは先生にアズサさん、またよろしくお願いしますね!!」
“ああ、またな”
「こちらこそだ広中さん」
そうして、広中は笑顔を浮かべながら、さくさくと2人の前から去って行ったのだった。
“・・・・・・・・・・・また?”
こうして先生は時折、小野ミチオとし、親愛なるハッサクとして、キヴォトスに親しまれていくのであった・・・
第13話「小野ミチオ リターン」 完
あとがきアーカイブ
ピピピピピピ♪ ピッ♪
「もしもし広中さんか?」
『アズサさん、お世話になっています、実は今度ミチオくんのCDデビューをするために、是非先生に一曲お願いしたくって・・・』
「そうか・・・分かった、先生に予定を確認して送るね」
『ありがとうございます!私の電話だと、先生嫌そうな顔するので・・・アズサさんがいてくれて助かります!』
「フフッ♪私も先生の謎を知る1人の女だ・・・・・・うん、何かイイ♪」
『ん?・・・それではアズサさん、先生のこと頼みましたね』
「ああ、任せてくれ」
こうして、アズサは広中と先生を繋ぐマネージャーでありながら、イベントでは専属の司会のお姉さんとして仕事を果たすこととなったであった。