どうやら俺のブルアカにドラゴンエンジンが搭載されたみたいだ。   作:スーさんFDP

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お久しぶりです。
シャーレの夏休みが思ったより長くなりそうだったので、先にこちらを投稿します。

遅れてしまいすみません。




第14話「錠前サオリは吐き出したい」

 

 

 

 

 

「・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・」

 

古びた教会の中、サオリは1人で何者かの集団に襲われていた。

 

姿形は影が掛かっていてよく見えない。

 

それがオートマタなのか、不良集団なのか、ユスティナ聖徒会なのかよく分からない。

 

武器はいつものライフルの弾薬が尽きて、今は拳銃一丁のみ、グレネードの類いは既に使い潰した。

 

「応援は・・・先生は・・・みんなとは連絡がつかない・・・くっ!」

 

現状の状態に思わず悪態をついてしまうサオリ。

 

 

コツ・・・・コツ・・・・コツ・・・・

 

 

「(1人か・・・)」

 

サオリはカートリッジを取り出し、弾倉の確認をする。

 

弾倉は既に空で、チャンバーに一発のみ。

 

「(この一発で確実に仕留めて、ここから脱出だ)」

 

サオリは一発の弾丸に神秘を込めて、近づいてくるのを息を殺して待つ。

 

そして確実に仕留める。

 

 

コツ・・・・コツ・・・・コツ・・・・

 

「(・・・・・)」スチャ

 

コツ・・・・コツ・・・・コツ・・・・

 

「(今だ!!)」

 

射程距離に入った。

経験からの感覚で、サオリは渾身の一発を柱の陰から飛び出し、敵の正体も分からぬまま、心臓に目掛けて撃つ。

 

 

バンッ!!

 

 

弾丸はそのまま対象の心臓に当たる。

 

そして、その場にいたのは・・・

 

 

「な、なんで・・・せ、せんせい・・・?」

 

近づいてきたのは・・・先生だった・・・

 

“サ、サオリ・・・お、お前・・・”ドサッ

 

先生はそう言って、信じられない物を見るかのように仰向けに倒れた。

 

サオリは先生を撃った事実に頭の中が真っ白になる。

そして、一瞬で思考を切り替え、先生の元へ駆け寄ろうと悲痛ま声をあげる。

 

「せ、先生!!いや、いやあああああ!!!!」

 

叫び声をあげながら、先生の元へ駆け寄ろうとするが、あと2,3歩の所で、彼女の意思に反して、足が止まってしまう。

 

「か、身体が・・・な、なんで!!??」

 

突然身体の自由が効かなくなり、困惑するサオリ。

 

すると、あるはずの無い弾切れしたはずのカートリッジが突然左手に握られており、右手に握っていた拳銃に弾を込め始める。

 

「なっ!!は、離せない!?!?」

 

彼女は必死に拳銃を振り払おうと身体を動かそうとするが、悲しいことに拳銃を持つ右手はゆっくりと倒れている先生に向かう。

 

「いや・・・やだぁ・・・やだぁ・・・!!」

 

両目から大量に涙が零れるが、彼女の視界に映るのは、拳銃のサイトとその先にいる倒れた先生。

 

やがて、右手人差し指がトリガーに力を込め始める。

 

「だ、だれかぁ!!せ、先生!!に、にげっ」

 

 

そして引き金が引かれた。

 

 

バンッ!

 

 

 

 

 

 

 

「先生っ!!!!!!!!」ガバッ

 

 

サオリはそう叫びながら、ベッドから布団を押しのけて起き上がる。

 

彼女は辺りを見回す。

ここはシャーレにある住居スペース階の彼女の部屋だ。

部屋には勉強机にドレッサー、そして彼女のライフルに拳銃が壁に掛かっており、キヴォトスの女学生らしい部屋となっている。

 

サオリはいつもの部屋の変わりない様子に安堵するサオリ。

 

カーテン越しにまだ夜更けなのか、時間を確認するためにサオリはベッドから身体を起こし、ベッドの横に置いてあるサイドテーブルの置き型時計を見る。

時刻は深夜の1時半、就寝したのが11時頃なのを思い出し、余り時間が経っていないことに理解する。

 

彼女は改めて、先程の出来事が夢であったことだと理解した。

 

そしてサオリはふと、自身の右手を見つめる。

部屋は暗いが外からの灯りが彼女の手を晒す。

 

それは誰もが綺麗と思う手で、爪には2日前に塗った淡い水色のマニキュアが塗られている。

ワカモと一緒に買い物して、彼女自身で塗ったものだ。

 

このマニキュアを、とても綺麗だと先生に褒めて貰った・・・・・・

 

 

「先生・・・」

 

サオリは小さく先生の事を呟きながら、心を落ち着かせる様にマニキュアが塗られた爪をゆっくりと・・・力強く摩る。

 

 

気分を落ち着かせようと、サオリはパジャマの上にカーディガンを肩に掛けて、階段を上がり、シャーレの執務室に向かう。

 

執務室の左隣に台所があり、そこで麦茶でも飲んで、喉を潤すことにしたのだ。

 

執務室の右隣の階段を上った所にある部屋には先生の寝室があるため、彼女は足音を消して、台所に足早に向かう。

だが、台所に灯りが点いており、物音がする。

冷蔵庫か何かをあさっている様だ。

 

「(・・・ヒヨリの奴、またジュースやお菓子を食べようとしているのか・・・)」

 

サオリは小さく溜息を吐きながら、台所の方に向かう。

 

「まったく・・・ヒヨリ、また摘まみ食いk・・・先生・・・」

 

“ん、どうしたんだ、サオリ”

 

台所に立っていたのは、上裸姿の先生であった。

 

いつも先生は仕事が終わるとグレーの無地のパジャマを着ているが、寝るときだけ、何故か上だけを脱いでいる。

 

どうやら、先生も寝起きで飲み物を飲みに起きた様だ。

 

 

「あ、ああ・・・少し目が覚めて、喉を潤そうかと・・・」

 

“そうか・・・じゃあ、麦茶で良いか?”

 

「い、いや!自分で淹れる!」

 

“俺が先に居たんだ。二度手間だろう?”

 

先生は慌てるサオリを見ながら、小さく笑って、彼女の分のお茶をコップに注ぐ。

 

その時、サオリは申し訳ないなと思いながら、先生の背中を見る。

 

背中には先生の生き様・・・いや、在り方を象徴した様な龍の刺青が一面に彫ってある。

 

いつ見ても、スゴいなと思いながら、先生の脇腹の部分を見る。

 

刺青によって見えにくいが、小さな銃痕が見える。

 

「(・・・大分、目立たなくなってきたな・・・)」

 

サオリは自身がかつて着けた傷跡が小さくなっていることに時間が経ったという現実と未だに胸が苦しくなる現状に先程見た夢を思い出す。

 

「(・・・・・・先生の傷はいつか消えても、私が先生を撃ったという事実は消えない・・・)」

 

そう心の内でサオリは自身の出来事を呪詛の様に呟く。

 

“サオリ、麦茶だぞ・・・・・・どうした?何か夢でも見ていたのか?”

 

「!!・・・悪い夢なんて・・・見ていない・・・」

 

“嘘が下手だな・・・俺は夢としか言ってないぞ・・・”

 

「!!!・・・・・・そ、そんなことはないッ」

 

“・・・目元・・・涙の痕か・・・?”

 

「あ、欠伸ででただけだ・・・!」ゴシゴシ

 

サオリは恥ずかしそうにカーディガンの袖で目元をこする。

 

“おいおい、そんな強く目元をこすると痕がつくぞ・・・

 

先生はそう言って、近くにあったティッシュを少し濡らし、サオリの目元を優しく拭う。

 

「せ、先生! 子供扱いはやめてくれ!」

 

“おいおい、ガキが何言ってんだ? ほら、じっとしてろ”

 

「うう・・・」

 

サオリは恥ずかしそうに顔を赤くしながらも、先生の言葉に従った。

 

“ほら、いつもの綺麗な顔になったぞ”

 

「き、・・・綺麗は余計だ・・・」

 

“まったく・・・”ゴクゴク

 

先生はサオリのそんな様子に小さく笑い返すと、淹れた麦茶を飲み干す。

 

“サオリ、俺はもう寝るぞ。明日も仕事だしな・・・お前もあまり夜更かしするんじゃ無いぞ”

 

そう言って、サオリの横を通り、台所から出ようとする・・・が・・・。

 

“サオリ・・・?”

 

「あ・・・・・・」

 

サオリは台所から出ようとする先生の腕を思わず掴んだのだ。

 

「す、すまないっ・・・私ももう寝るっ!」

 

サオリは自身が取ってしまった行動に、憤りの無い感情に染まってしまい、先生よりも先に台所を出ようとする。

 

“ちょ、まてよ!”ガシッ

 

急いで出て行こうとするサオリは先生はどこかで聞いたような台詞を吐いて、彼女の腕を掴む。

 

“サオリ・・・話したくないなら、何も話さなくて言い・・・ただ、今俺に出来ることは無いか?”

 

「・・・・・・・・」

 

 

先生は・・・・・・ズルい人だ・・・・・。

 

 

意を決心したサオリはゆっくりと先生の方へ向く。

 

「先生、その、お願いがあるんだ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“なあサオリ・・・本当にこんなことで良かったのか?”

 

「・・・ああ、・・・今はこれが良いんだ・・・」

 

 

サオリが先生にお願いしたこと・・・それは・・・

 

“別にこうして横に寝るくらいなら別に・・・”

 

「・・・他のみんなの前で、頼みづらいんだ・・・それとも、先生は嫌か・・・」

 

“まったく・・・”

 

 

サオリの願いは先生と手を繋いで一緒に寝ることだ。

 

現状は先生の私室で、先生がサオリをベッドに寝かせ、その下で毛布を床に敷いた先生が横になりながら、サオリの右手を握っている状況だ。

 

サオリは我が儘を聞いてくれた先生の手を愛おしそうに握りながら、静かに心の内を話し出す。

 

「・・・なあ、先生・・・」

 

“ん?”

 

「私は・・・償えているのだろうか・・・」

 

“・・・・・・”

 

「さっき、夢を見たんだ・・・先生を撃った夢を・・・」

 

“サオリ・・・”

 

「いつものライフルを持つときは特に問題無いんだ・・・だけど、拳銃を撃つときだけ、たまに思い出すんだ・・・先生を撃ったときのことを・・・!」

 

それはトリニティで起きた大きな事件。

 

ゲヘナとトリニティの全面戦争を回避するために今は行方不明になった連邦生徒会長が発案した「エデン条約機構(ETO)」

 

様々な生徒達による思惑に寄り、多くの人たちが傷ついた出来事。

 

そして、サオリ達シャーレスクワッドがアリウススクワッドとして、先生の前に立ちはだかった時のこと。

その時、先生はサオリに銃で撃たれて、深手を負った。

 

 

「・・・今、先生の握っている手・・・すごく温かいのに・・・いつか冷たくなるんじゃ無いかって思うと・・・怖いんだ・・・」

 

サオリはポツポツと言葉を出しながら、先生の右手を両手で包むように握る。

 

二度と失わない様に・・・

 

 

“償いか・・・俺も、思い返せば、あの時、ああすれば良かったんじゃ無いかって・・・いつも思い返している”

 

「え、・・・先生もあるのか・・・?」

 

先生の言葉にサオリは少し驚いた様子で聞き返す。

 

“当たり前だ・・・間違いなんて誰にだってある・・・大人とか子供とか関係なしにな”

 

「・・・・・」

 

“結局の所・・・俺たちは何かを間違えたり、何かを失ったりしなければ・・・何にも分からないんだ・・・”

 

先生は寂しそうな表情で真っ暗な天井を見つめながら話す。

その視線の先には天井ではなく、どこか遠い場所での出来事を話すように・・・

 

そんな先生の目を見たサオリは胸の奥が小さく痛み出す。

 

“だから、サオリ・・・覚えておいて欲しい・・・償うってことは、生き続けるということだ・・・”

 

「生き続けること・・・」

 

“少なくとも・・・死んで償えることなんて・・・何にも無い・・・”

 

「出来るのか・・・私に・・・」

 

“大丈夫だ・・・お前は1人じゃ無い・・・アツコやヒヨリにミサキにアズサ・・・ワカモにリコやサイ、トゥ・・・とお前を大事な家族だと思ってくれる人はたくさんいる・・・”

 

「・・・・・・」

 

“そして俺も生きている限り・・・お前の傍にいる・・・”

 

「ふ、うう・・・せんせぇ・・・」グスッ

 

“フッ・・・今日は泣き虫だなサオリ・・・”

 

先生は泣き出すサオリの頭を優しく撫でる。

 

「うう、・・・今日の、せんせぃは、うう・・・いじわるだ・・・」

 

“そうだな、悪い大人だな・・・俺も・・・”

 

「だから、朝まで、この手を離さないで・・・先生・・・」

 

“ああ・・・離すもんか・・・絶対にな・・・”

 

「・・・やく・・そく・・だぞ・・・せ・・・ん・・せ・・・」

 

サオリは安心したのか、そのままゆっくり眠る。

先生はサオリの目元の涙を優しく拭い、眠っている彼女に声を掛ける。

 

“ああ、約束だ・・・おやすみ、サオリ・・・”

 

「・・・・・ぁぁ・・・」

 

 

 

こうして夜は更けていった・・・・・・

 

その夜サオリは久しぶりに深い眠りにつくことが出来た。

 

 

 

 

 

翌朝

 

 

 

シャーレ建物 入り口前

 

 

早朝、自転車でやって来た科学部のリコとサイが丁度登校時間が重なって、仲良く会話しながら、部室の方へ歩いていた。

 

「今日も良い朝ですね」

 

「そだね~~あ、お昼はたまには外で食べない?」

 

「いいですね。どこかオススメはあります?」

 

「う~ん、だったら美味しい卵かけ麺とかどう~?」

 

「麺ですか?ご飯じゃ無くて?」

 

「そー、美味しいつけ麺なんだ~~」

 

「へえ~・・・ん?」

 

女子高生らしい会話をしながら歩いていると執務室の方から、途轍もない大きな怒号が聞こえてくる。

 

「なんでしょう?」

 

「声的にワカモちゃんっぽいけど・・・」

 

気になった2人は執務室の方へと向かう。

すると扉の前にヒヨリがごはん茶碗を片手に壁を背もたれにして、ご飯を食べていた。

 

「ヒヨリさん・・・?」

 

「そんなところでご飯食べてどうしたのさ~~」

 

「ああ、リコさんにサイさん・・・実は避難してきまして・・・」

 

「「避難・・・?」」

 

ヒヨリの言葉に頭を傾げる2人。

 

すると、扉の向こう側だというのに、またとんでもない怒声が聞こえきた。

 

 

 

『サオリさんッ!!!先生と同衾とはいったいどういうことですか!!!』

 

『ケジメ案件だよねこれ、ワカちゃんどうする?処す?処す?』

 

『ま、待て!ワカモにアツコ!こ、これは・・・そう言うのではなくてだな・・・』

 

『アツコさん!指なんて生ぬるいです!私のドスを持ってきて下さいな!!』

 

『待ってワカちゃん、先に私にやらせてよ。ほら、サッちゃん、どうせ先生のおっきな拳銃も口に入れたんでしょ・・・私の銃も口に加えてみなよ』グリグリ

 

『モゴッ!!!』

 

『良く入る口だね・・・やっぱりお楽しみだったんだ・・・』

 

『モゴモゴッ!!』(違うっ!!)

 

『は、信じられると思う・・・?まあどうせ、卑しい卑しいポンコツおっぱい(サオリ姉さん)から誘ったんでしょ』

 

『モ、モゴゥ!!モゴモゴッ!!』(ポンコツおっぱいとはどういう意味だっ!)

 

『ダメだよミサキ。それだとワカちゃんも当てはまるから』

 

『・・・・・・それもそうだね』

 

『2人とも!!それはどういう意味です!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ・・・・」キキミミ

 

「・・・修羅場ですね」キキミミ

 

「そういう訳で、ここに非難しています」モグモグ

 

ドアに張り付き、聞き耳を立てている2人にヒヨリは呑気にご飯を食べ続ける。

 

「そう言えば、先生はどうされたんでしょうか?」

 

「先生ならサオリ姉さんと一緒に寝ていたところをワカモ姉さんにギャン泣きされながら首を思いっきり絞められて、暴走したアツコちゃんに連続で殴り続けられて、ミサキちゃんに顔面を引っかかれまくって、その辺で倒れています」

 

「せ、先生・・・」

 

「えと・・・ヒヨリちゃんは・・・その、大丈夫?・・・妙に落ち着いてるけど?」

 

「もぐもぐ・・・ごくんっ・・・まあ、最初は驚きましたけど・・・どうせ先生(童貞)ポンコツおっぱい(サオリ姉さん)ですし、そんなことは無いと思っていますから・・・まあ、イラッとしたんで、イッパツ(・・・・)良いの入れてきましたけどね♪」ハイライトオフ

 

「「・・・・・」」

 

光の無い瞳でニッコリと笑うヒヨリに対し、リコとサイは、もしかしたら色んな意味でこの子が一番重いなと思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 





あとがきアーカイブ

リコ「私達が出ることになりましたが・・・」

サイ「まあ、いつものみんながあれじゃね~」

リコ「そもそも私達、一応オリジナル生徒ですけど、まだ出ていない生徒さんに申し訳が無いですね」

サイ「それは作者の責任って奴だよ~~」

リコ「それはそうと、そろそろ他に出して欲しい生徒さんの募集もしませんか?」

サイ「え~~まだ本編も夏休みも終わってないのに~?」

リコ「一応夏休みは書いているそうですよ。次回はそれを投稿するつもりのようですし」

サイ「そっか~~それなら感想で募集してみる~?」

リコ「そうですね・・・個人的には古巣のミレニアムの生徒が全然なので、出してあげて欲しいですね」

サイ「私の所はカンナちゃんが大分前にでてたね~・・・あれ、あっちも続編書いて無いね?」

リコ「そういう訳で、読者さん方、誰かみたい生徒さん方が居ましたらどうぞ」

サイ「待ってるよ~~~」


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